就活は本気でやった方が良いと、社会人になって痛感した話

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最終更新日:2023年10月26日

就活は本気でやった方が良いと、社会人になって痛感した話

自己分析

※こちらの記事は、某日系大手メーカーからITベンチャーへ転職した社会人のバナオレ氏からの寄稿です。

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こんにちは、社会人2年目のバナオレと申します。

私は16卒として就活し、第一希望の大手メーカーに就職しました。社会人2年目の時に、やりたいこととキャリアの軸が明確になったため、転職を決意。今ではベンチャー企業で働いています。

就活当時は「まったり大手で働ければ満足!」と考えていましたが、社会人経験を通じて、働くことへの価値観が一変。「就活をもっと本気でやるべきだった」と、今更ながら後悔しました。

私のように入社後に後悔する方がいなくなるよう、社会人目線で就活を本気でやるべき理由をお伝えします。企業選びの参考にしてみて下さい。

本選考とインターンの締め切り情報

新卒採用はチャンスに溢れている

新卒採用は転職と比較すると、大きなチャンスに恵まれています。以下の2つの理由からそう考えます。

・完全ポテンシャル採用
・新卒採用の門戸を開いている企業が多くある

新卒採用は今後の大きな成長を見込んで、潜在能力を重視する「ポテンシャル採用」です。そのため、会社で働くスキルがゼロであっても、誰でも入社できる可能性があります。さらに、ある程度の規模の企業であれば、どこでも新卒採用をしています。

企業から求職者に対して大々的に自社をPRしたりするのは本当に新卒採用くらいでしょう。

つまり入社したいと思える企業であれば、誰にでも目指している企業で働けるチャンスが与えられているのです。これこそ、「新卒カード」の圧倒的な強みです。本気で就活しない理由はないと思います。

「新卒カード」の凄さを実感した転職活動

私は転職活動を通じて、新卒カードの強さを十二分に感じました。就活と比較して、転職で理想の企業に入社するには、大きすぎる壁が2つあります。

・希望したい企業・職種の求人が限定されている
・希望の求人があっても、スキル・実績が必須

新卒時に比べると第二新卒で見られる企業はごく少数で、限られた求人しかエントリーできません。

さらに書類通過率にいたっては、新卒ではES全通だったのに対し、転職活動では職務経歴書(エントリーシートのようなもの)の通過率が約25%でした。ここまで違うのか…と絶句したことを今でも覚えています。

どんな企業でも働けるチャンス新卒以降は中々巡ってきません。だからこそ、新卒の就活は真面目にでやるべきと社会人になって痛感しました。

新卒入社した企業で得られるスキルは一生モノ

会社で得られるスキルは、今後のキャリアを歩む上で非常に大切です。理想的な働き方はその人の年齢や状況など様々なフェーズで変化するので、流動的なキャリアを歩む可能性が高まります。

理想的な働き方を目指す上で重要になってくるのが「スキル」です。特に、最初に入社して得られるスキルは一生モノで、今後のキャリアを大きく左右します。

キャリアを左右するスキル

ここでいうスキルは「どんな会社でも通用するスキル」であり、社内でしか通用しない固有スキルはスキルではありません。(「社内の仕組みやシステムに精通している」などがそれに当たります)

厳しいことをいえば、社内特有のスキルを磨く会社で働き続けると、今の会社から転職するにしてもグレードダウンせざるを得ないです。

逆に、社外に通用するスキルさえあれば、自分の理想とする企業にキャリアアップできる可能性がでてきます。

他の会社でも十分に成果を出せるため、勤め先の会社に依存する必要もありません。

考えるべきはその企業で「どんなスキルが身につくか」

このように、就活生が想像する以上に会社で得られるスキルは非常に大切です。そして新卒で就職した1社目で身につくビジネススキルや仕事のやり方は、2社目以降にも大きく効いてきます。

適当に就活して、社内でしか通用しないスキルを磨く会社に入社すると、キャリアの選択肢は狭まり、身動きがとれなくなるでしょう。それって怖いことだと思いませんか?

なので、どんなスキルを得たら理想のキャリアに近づけるかを考えた上で、真面目に志望企業を選ぶとよいでしょう。

最後に

どうしても就活は面倒くさくて、途中から適当にやりがちです。しかし、就活期間は今後のキャリア人生と比較すれば一瞬であり、就職で最もチャンスが恵まれていることを知っていただきたいです。

就活を本気で頑張ることが、今後のキャリアを楽しく過ごせるかどうかに大きく影響すると思います。仮に第一希望に落ちて、志望度の低い企業に入社したとしても、真面目に就活していれば大丈夫だと考えます。真剣にキャリアに向き合った経験によって、次の会社でキャリアアップするにはどうしたよいか見据えることができるようになるためです。その考えが今後のキャリア人生にきっと活きてきます。

もちろん、将来を見据えた企業選びだけでなく、目の前の選考対策も本気でやりましょう。選考は受験勉強と近い部分もあり、対策によって成功確率を高められるところだと思います。

どちらかだけを頑張ればよいという問題でなく、ともに真剣に取り組むことが重要だと思っています。

陰ながら就活生を応援しております。頑張って下さい!

【著者紹介:バナオレ】

理系大学院出身、2016年卒。就職活動時には第1志望の某日系大手メーカーへ入社。2017年秋、大学院から始めた副業のスキルを活かし、ベンチャー企業に転職。勤務の傍ら、ブログ「ALIVE×AGAIN」を運営。就活生や若手社会人に向けて、キャリア関連の情報を発信中。

・Twitterアカウント:@banaore_alive

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ート→一部上場企業人事責任者→独立しリンクアンドモチベーションの講師として10,000名以上の社会人に教育研修を担当→就活コーチとして1,000人以上の学生の就活支援を行うというキャリアを歩んでおり、企業の採用活動と人材育成、就活生の就職活動支援の三方の経験を持っています。そんな著者が感じた「企業が求めるもの」と「学生が求められていると思っているもの」とのギャップについても触れており、多くの就活生にとって有用な情報です。記事:本書の内容を一言で言えば、「日本の新卒採用の問題点とそれを克服するための提言」について書かれている書籍になっています。筆者である佐藤孝治氏は、新卒でアクセンチュアに入社し、現在では就活コミュニティーサイト「Jobweb」の代表取締役会長に従事されている方です。発刊は2010年と今ではやや昔のものになっていますが、"就活ルール"が話題となっている現在だからこそ読んでおいて損はない内容がいくつも存在しています。最後に本記事では、年末年始に読んでおきたい記事をまとめました。自身の就活の進捗フェーズに合わせて、本記事をご活用ください。もし、上述した記事を読んで「物足りない!」と感じた方は、全てを網羅している「」をご参照ください。(※かなりのボリュームなので、ご注意ください。)最後に。せっかくの長期休暇です。しっかりと体を労わることも忘れないでください。春休みはおそらく就活で忙しくなると思いますので、年末年始が就活本格化する前の最後の長期休暇になります。就活のことを一度忘れてリフレッシュするのも一つの有効な過ごし方だと思います。自分なりのベストな冬休みをお過ごしください。 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書評:『絶対内定シリーズ2018インターンシップ』 書評:『絶対内定シリーズ2018インターンシップ』 こんにちは、17卒の金融機関内定者です。今回は、毎年多くの就活生が読んでいると思われる『絶対内定』シリーズの最新作を紹介します。インターンシップに関する情報が網羅されているため、これからサマーインターンシップへの参加を検討している方には非常に参考になる一冊だと思います。私自身の話ですが、全く興味のなかった金融業界のサマーインターンシップに参加して志望業界の幅が広がり、最終的に金融機関への入社を決断しました。サマーインターンシップがなければ私の就職活動の方向性も全く違うものになっていたと思います。インターンシップは今後のキャリア選択の上でもかなり影響度の高い要素であり、後輩の皆さまにも積極的に参加して欲しいですし、また、インターンシップを選ぶ際には本コラムで紹介する『絶対内定シリーズ2018インターンシップ』が役に立つと思っています。絶対内定2018インターンシップ(※本コラムは『絶対内定』およびキャリアデザインスクール我究館のPR記事です)『絶対内定シリーズ2018インターンシップ』は、以下のような背景でインターンシップの指南書として発売されました。・近年ではインターンシップを開催する企業、参加する学生がともに増加しており、インターンシップに参加する学生は約4割にも達している。・大手企業の約8割がインターン生に内定を出しているということもあり、就職活動においてはインターンシップが切っても切れない関係となっている。※「就職白書2016」リクルートキャリア就職みらい研究所調べまた、本書では次から紹介するように、インターンシップの意義から具体的な選考対策、さらには参加後の反省ポイントまで網羅して伝えています。インターンシップに参加する4つのメリットインターンシップに参加することによる特徴的なメリットとして、本書では下記を挙げています。「より具体的な企業研究ができる」「本選考で優遇されることがある」「学歴・英語力などで不利な学生にもチャンスがある」「『学生時代がんばったこと』としてアピールできる」私自身1週間のサマーインターンシップに参加して、グループワークの中で業務の理解を深めることができ、同時並行で業界研究をすることができました。また、インターンシップ後も色々な部署の方のお話を聞く機会が得られました。そして本選考の際には1次面接が免除され、インターンシップのメリットを感じました。インターンシップの選び方本書では、「絞って参加orとにかく多く参加」など8つの判断基準が書かれています。判断基準によって、インターンシップに向けた自分なりの戦略が得られると思います。また、そもそもの判断のためには自分が将来どうしたいのかについて考えておく必要があると思います。また本書では、次のような「ヤリタイコト」を具体化するための5つのステップを紹介しています。(1)「ヤリタイコト」をコトバにする(2)「どこの、誰の、何のための」ヤリタイコトなのかをコトバにする(3)「ヤリタイコトが実現できる業界」を探す(4)インターンで知りたいことを言語化する(5)自分が知りたいことを明確にできるインターンを探し、参加するなお、インターンの段階ではまだ具体的にこの仕事をーーというところまで明確にする必要はなく、まずは自分の考えをコトバにするところから始めてみようとも伝えています。私自身、サマーインターンシップの時期にはまだまだ世の中にどんな仕事があるのかもわからずにいました。何となくでもいいので、こんな働き方をしてみたいということを言葉に落とし込んでみるというのは考えを深める上で有効だと思います。各種選考対策エントリーシート、面接、グループディスカッション、グループワークなど一連の選考対策についても記載されています。エントリーシートや面接については頻出の設問・質問およびその意図を説明しており、それ以外も全体を通して採用担当者の目線でどういった学生が評価されるのかを伝えていっています。独りよがりに闇雲な選考対策をするよりも、本書などを参考に、企業が欲しいと感じる人材はどういったものなのかを考えた方が筋のいい対策になるように思います。うまくいかなかったときどうするか「1dayばかり参加して得られるものがなかった」「なんとなく5daysをいくつか受けていたら秋になっていた」「行きたいと思っていた企業のインターンに落ちてしまった」「そもそも行きたい企業がインターンを実施していない」これらの場合についてそれぞれ起こすべきアクション、心の持ち方について書かれています。個人的には、これらがうまくいかなかったと捉えるかどうかもその人次第であると思います。例えば「行きたいと思っていた企業のインターンに落ちてしまった」場合、そもそも自分がその企業やその業界とマッチしているのかどうかを考え直すきっかけになると思います。情報過多に陥らず取捨選択することが大事どの企業のインターンシップに参加しようか、そもそも参加するかどうかなど、悩んでいる方はたくさんいらっしゃると思います。本書に書いてある通り、「現時点でベストと思えるヤリタイコトや目標」・「8つの判断基準」を念頭に置いてインターンシップ選びをすると、参加してよかったと思えるインターンや結果(内定)につながるインターンが見つかるのではないでしょうか。就職活動の時期には、先輩から色々な話を聞くことがあると思いますし、また、インターネット上にも情報があふれています。あるいは、本書のような就活関連本を読まれることもあると思います。その中で情報を取捨選択しながら、インターンシップはもちろんその先のことも考えて意思決定をしていただければと思います。最後に:『絶対内定』シリーズ著者熊谷智宏氏とは本書含む『絶対内定』シリーズの著者である熊谷智宏氏は、キャリアデザインスクール「我究館」の館長です。新卒でリクルートに入社後、我究館を運営している株式会社ジャパンビジネスラボに参画し、これまでに2,800名以上の学生・社会人の就職・転職をサポートしています。unistyleでも我究館についてのコラムを複数掲載しているので、以下も読んでいただければと思います。・『絶対内定』著者・我究館館長である熊谷智宏氏が語る「意味のある自己分析」と「意味のない自己分析」・我究館出身マスコミ内定者が語る我究館活用法とその注意点・「バリキャリ」や「ゆるふわ」というタイプ分けで仕事を選ぶ前に考えて欲しい3つのコト。・「なぜ夏休み前に自己分析をした就活生は第一志望に内定するのか」なお、我究館では無料説明会を開催しています。下記のリンクから申し込めるので、興味のある方は足を運んでいただければと思います。我究館の無料説明会へのお申し込みはこちらphotobyGoToVan 15,514 views
先輩内定者の3月の就活スケジュールを大公開します! 先輩内定者の3月の就活スケジュールを大公開します! 本記事ではunistyleで勤務する19卒先輩内定者が1年前どのように3月を過ごしていたか、その就活スケジュールを赤裸々に公開していこうと思います。就活生の皆さんの3月の過ごし方を決める際の参考になってくれれば幸いです。【本記事の構成】▶今回協力していただいた3人▶日系大手IT企業内定Yくんの3月の予定▶BIG4外資コンサルティング企業内定Kくんの3月の予定▶日系大手リース会社内定Sくんの3月の予定▶3人の予定からみる3月にすべきこと▶最後に今回協力していただいた3人まず初めに、今回スケジュール公開に協力してくれた19卒先輩内定者3人のプロフィール、就活時の軸などについて概観したいと思います。【協力いただいた19卒の先輩内定者】♦Yくん(男性)出身大学:上智大学内定先:某日系大手IT企業志望業界:商社、銀行、IT就活時の軸:扱うものの規模・インパクトの大きさ、扱う商材が特定されない♦Kくん(男性)出身大学:早稲田大学法学部内定先:某BIG4外資系コンサルティング企業志望業界:総合商社、コンサルティング、IT(デジタルマーケティング、マーケティングリサーチ)就活時の軸:企業経営に関われること、自身の市場価値を高められること♦Sくん(男性)出身大学:首都大学東京法学部内定先:某日系大手リース企業志望業界:金融、IT、インフラ就活時の軸:専門性があること、携わるフィールドの広さなお、就職活動に不安があるという方には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、自分の就活の軸に合った企業選びを手伝ってもらえるだけでなく、その企業のエントリーシート・面接といった選考対策のサポートを受けることができます。少しでも興味のあるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。それでは、気になるスケジュールを見ていきましょう。日系大手IT企業内定Yくんの3月の予定※カレンダーの様式の都合上、12日が祝日になっていますが正しくは21日です。また、赤文字は学内説明会を指しており、企業の個別説明会と区別しています。企業名など一部略称を用いています。このスケジュールを見て、「そこまで忙しくないのでは?」と予想外の印象を持った方もいるかもしれません。ただ、Yくんは2月時点で合同説明会などへの参加を経て自身の志望業界が固まっていたため、他の説明会にそこまで参加することなく総合商社・銀行を中心に無理のないスケジュールを組めたそうです。実際のエントリー数も20程度と若干少なめとなっています。その結果、スタンプラリーと言われる銀行のセミナーや、選考過程においてその実施有無が問われる総合商社のOB・OG訪問に専念することができていることがわかります。スケジュールの空いている日は、ES作成やアルバイトに注力していたそうです。BIG4外資系コンサルティング企業内定Kくんの3月の予定若干皆さんの想像する3月の予定に近づいてきたのではないでしょうか。Kくんは「焦って手当たり次第受けた」「無内定のリスクを回避したい」という印象を語っていましたが、その結果、日系大手・ベンチャー・外資系を含め非常に広い視野で業界を見ることができており、最終的に31社にエントリーしています。このように、3月時点で完全に業界が絞れていない場合は、Kくんのように「手当たり次第」様々な業界を受けることで、次第に自身の軸が明確になってくるパターンもあるので、参考にしてみてください。さらに、Yくんと同じく総合商社を志望していたKくんはES提出締切前にOB訪問を行うことができています。OB訪問を質の高いES作成に役立てていくためにも、総合商社のES締切日は事前に押さえておくと良いでしょう。締切・選考情報一覧ページはこちらからただ、本人はES提出に追われテストセンター受験が非常に遅くなってしまったことを反省しているようです。テストセンターは一度受け高得点であればその後の対策・受験は必要ないため、2月中に準備し早いうちに受けてしまうのが効果的でしょう。ちなみに、上記2人が利用しているレクミー合説は、多数の一流企業が毎年参加する国内最大級の上位校学生向けの合同企業説明会です。unistyleでもおすすめしていますので是非足を運んでみてください。日系大手リース企業内定Sくんの3月の予定小さな文字でビッシリ埋められたカレンダーに畏怖の念を抱いた方もいるかもしれません。Sくんは企業個別説明会、座談会、リクルーター面談、本選考といった予定を、地理的に近いところをまとめることで、一日3つのスケジュールでこなし、最終的に金融(証券、生損保、リース、カード)・IT・シンクタンクなどと言った業界中心に60社にエントリー、12社から内定を獲得しています。就職活動における目標設定のススメ|社会人で後悔しないための考え方という記事で紹介している「様々な業界を知った上で複数内定を得る」といった短期目標に基づいた、エントリー戦略を実施しているパターンといえるでしょう。参考:→「様々な業界を知った上で複数内定を得る」という短期目標のための、unistyleの考えたエントリー戦略を紹介しています。エントリー数など必ずしも守る必要はないですが、一つの意見として参考にしてみてください。そのため、個別説明会に非常に多く参加しています。Sくんは説明会に「志望動機作成のネタ探し」「建前を考える」など目的意識をもって望んだと話しており、非常に効果的かつ機能的に説明会を利用できていると言えるでしょう。また、損保ジャパンのリクルーター面談など大手企業の早期選考の動きも確認できるのでそういった点も確認してみてください。3人の予定からみる3月にすべきことざっと3人の3月の予定を紹介してきましたが、共通して言えることは3月時点は「エントリー」「説明会の参加」「ES作成」といった予定が大半を占めている点です。ES締切を3月下旬に設定している企業は多いため、この時点でのエントリーが自身の今後の「持ち駒」になります。そのため、今後の就職活動を順調に進めるためにもエントリー戦略について考えていくことが3月時点での重要な短期目標の一つと言えるでしょう。上記3人の「既に行きたい業界が絞れている」「業界が絞れておらず、手当り次第受ける」「様々な業界を知った上で複数内定を得るため数多く受ける」という3つのパターンに自身を当てはめ、適切なエントリー戦略を実施してください。スケジュールを見ると、昼に説明会や座談会に参加するため、ES作成はどうしても夜になってしまうパターンが多いでしょう。そのなかで、「ESの提出締切に追われた」という声もあるため、ESにかける時間はそれほどなく、2月までにガクチカや志望動機の原型を作成することが重要と言えます。その内容に、説明会や座談会で得た情報を加えて行く流れが戦略的です。また、3人のスケジュールを見てもわかるように、ベンチャー企業を中心に3月から選考を始めている企業も多いため、選考練習として受けてみるのも効果的でしょう。最後にいかがだったでしょうか。今回紹介した3人の解禁後3月のスケジュールを、自分の現在の軸や志望業界の絞り度合いに照らし合わせて自身のスケジュール作成の参考にしてほしいと思います。3人の予定は一見しただけでも忙しさの度合いや行っていた活動を含め多様であり、「就活スケジュールの設定は自分次第」であることが理解できたでしょう。就職活動は、すべての選択を自分で行わなければなりません。これまでの人生の分岐点にあったと思われる「受験」のような正解があるわけでもありません。すなわち、何も考えず巷で言われてるような「就職活動で忙しい3月」を正解と決めつけてしまうのはあまりにもナンセンスであると言えます。ただ、人生の岐路である就職活動で予測不可能な未来について選択し続けることはあまりに不安でしょう。そういったときに、今回の先輩のスケジュールは非常に参考になると思います。他にもunistyleでは選択の質を研ぎ澄ませていくための記事を多く用意していますので、是非自分らしい就職活動を全うするための一助としてお使いください。参考:→就職活動を戦略に基づいた機能的なものにするためには、正しい目標設定が不可欠です。参考記事では、unistyle全記事の基となる、就職活動の正しい目標設定について述べています。 59,518 views
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外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!これまで3回にわたってお届けしているunistyle転職シリーズ。unistyleユーザーの皆様からも高い人気を誇る「総合商社」「広告代理店」「メガバンク」の3つの業界に焦点を当て、各企業の人材がそれぞれどんな素養・志向性を備えているか、それが転職市場でどう評価されているかを考察しています。【unistyle転職シリーズ】〈#1〉〈#2〉〈#3〉日本的終身雇用原則が崩れつつあることから、新卒就活生にとってももはや「転職」は他人事ではなく、就職先を比較検討するうえで勘案すべき重要なポイントのひとつです。たとえ新卒で大手企業に入社する場合でも、数年後の転職のタイミングでベンチャー企業が転職先候補に上がるケースも多いのが実態です。ベンチャービジネスが活発化している昨今、このトレンドは今後さらに顕著になっていくことが考えられるため、就活生の皆さんはベンチャー企業まで幅広く足を運んでおくべきでしょう。参考:unistyle転職シリーズ・第4回のテーマは「外資系・戦略コンサル」。就活生の皆さんのなかには、将来的な転職を前提に戦略コンサル業界を志望している方もいらっしゃるはずですが、実際に戦略ファーム入社後にどんな転職キャリアを歩むことになるか、具体的にイメージ出来ている方はあまり多くないように推察します。本記事ではunistyleが調査した転職者データから、【外資系戦略ファームのコンサルタントの転職キャリア】を明らかにします。転職データのリサーチunistyleでは「人気企業に新卒入社したあとに転職して辿り着くエリートキャリア」を考えるため、プライベート・エクイティ・ファンド(PE)ベンチャー・キャピタル(VC)戦略コンサルベンチャー企業の創業者、役員(未上場も含む)以上4つの集団の現職者に対象を限定し、これに該当するビジネスエリート計1302名のキャリアをリサーチすることで「一流転職市場のリアル」に迫りました。(なお、全ての情報は各社有価証券報告書ないし企業HPから収集したものです)外資系コンサルティング・ファーム業界の概観戦略ファームの転職キャリアを掴むための導入として、まず初めに外資系コンサル業界全体の構造、そこにあるキャリア観を掴んでおきましょう。【戦略系/総合系の分類】外資系コンサルティング・ファームは、一般的に「戦略系」「総合系」の2つに切り分けられます(本記事では前者にフォーカスします)。まず、それぞれの特徴を簡単に確認しておきましょう。戦略ファームは少数精鋭で、「コンサルタントの集合体」として語られます。企業経営の上流〜中流にあたる領域が主戦場で、中長期経営計画のような全社的戦略、ある商材のマーケティング戦略のような事業戦略などが主なテーマになります。また、案件ごとに異なるチームを組んでプロジェクトを進める業務スタイルを取るため、複数の業界でコンサルティング経験を積んだコンサルタントも多く在籍しています。一方、総合ファームは大規模ゆえに社内組織も業界(例:金融、通信...)や機能(例:会計、ITシステム...)の軸でセクター化されており、コンサルタントはこのなかから特定の領域に配属されるかたちで業務に当たります。彼らは戦略ファームよりも幅広い事業領域をカバーしており、経営戦略の策定のみならずITシステム導入支援やBPO*受諾など、ビジネスの下流にあたる実行フェーズまでを手がけています。(近年、総合ファームではこうした下流領域のウェイトが高まっており、アクセンチュアのコンサルティング事業に対してアウトソーシング事業がほぼ同規模を占めています)*BPO=BusinessProcessOutsourcing自社の業務プロセスを部分的に他社委託すること。【転職をポジティブに捉えるカルチャー:アルムナイという概念】外資系コンサルからの転職を考えるための前提として、日系企業には見られない「アルムナイ」という概念を理解しておく必要があります。長らく終身雇用制を敷いてきた日本企業の多くには、現在でも自社からの転職者を「辞めた人間」としてネガティブに捉えるカルチャーが残存しています。転職や起業のために退職した人間の再雇用=「出戻り」も有り得ないことではありませんが、なおも極めてレアなケースであると言わざるを得ません。これに対し、上記の外資系企業の多くは退職者を「アルムナイ(Alumni:同窓生)」と呼び、「同じ企業から飛び立った仲間」というポジティブな認識に立っています。企業側がアルムナイ専用ポータルサイトを運営したり、アルムナイ向けの交流イベントを企画したり等、全社的に「退職者も会社の財産である」という価値観を体現する企業が多いようです。また、一度退職した人材の「出戻り」も一般的です。【参考】A.T.Kearneyアルムナイ紹介アクセンチュア・アルムナイこのように、外資系コンサルでは転職をポジティブに捉える文化、転職のリスクが極小化できる文化が根付いており、それゆえ「転職者が非常に多い」=「”転職しやすい”というメリットがある」と言えます。(離職率の高さ・勤続年数の短さを単に「激務」と読み替え、その先入観から外資系企業を敬遠してきた就活生は、以上のポイントを理解したうえで検討すべきでしょう。)戦略ファームの転職実績前述の通り、今回はこのうち「戦略ファーム」にフォーカスし、彼らが歩む転職ルートの実態に迫ります。【戦略コンサルからの転職】「数年で辞めて転職する」というイメージが強い戦略コンサル業界。まず、彼らが実際にどのような企業を転職先に選んでいるのか、その概観を掴んでおきましょう。シカゴ発の戦略ファーム、A.T.カーニーのアルムナイ情報を例にとって考察します。まず第一に、「戦略ファームのアルムナイたちは、多様な業界・業種に散らばっていく」というメッセージが読み取れます。各個人がコンサルタントとしての経験を積むなかで自分なりの志向性に出会い、ポストコンサルとしてのネクストキャリアを形成していくようです。また、以下3点も注目すべきポイントです。〈ポイント①〉約70%が事業会社へ転職するコンサルタントとは、いわば第三者視点でビジネスに関わる職業です。彼らの多くは、その後の転職では事業会社を選択し、プレイヤーとして事業をドライブするキャリアに転身していくようです。とりわけ、業務領域が企業の上流〜中流に偏りがちな戦略コンサルタントにとっては、より当事者的にビジネスを創っていくプレイヤー、それまでのコンサルティング業務におけるクライアントサイドの立場が魅力的に映るのかもしれません。〈ポイント②〉およそ半数が日系企業に転職する「外資系」というイメージに引きずられている学生は多いように感じますが、外資系戦略ファームにおいても、その約半数は転職を経て日系企業に流れ着いているようです。総合商社や大手メーカーなど、いわゆる日本的大手企業も大きな割合を占めます。外資/日系という軸を重視している就活生はこの点をよく認識しておくべきでしょう。【参考】(ただし、A.T.カーニーと他ファームの差異を踏まえるなら、A.T.カーニーのクライアントが日系企業ばかりで占められていることには留意すべきかもしれません。マッキンゼー等ではクライアントに占める外資系企業のウェイトが高いため、外資系事業会社への転職者数が多くなる可能性が考えられます)〈ポイント③〉約20%弱がコンサルタントを続けるとはいえ、転職者の約20%が他ファームでコンサルタントを続けていることも示唆深い点です。コンサルタントは、多様な業界に入り込んで企業の意思決定に関与できる職業です。こうした点に大きな魅力・やりがいを感じており、ファームを変えてもコンサルタントという職業を選ぶ層が一定数存在するということでしょう。また、こうした戦略コンサル・アルムナイの多くは、転職先企業においてトップ〜ミドルのマネジメント層に登用されるケースが多いようです。例えば、BCGでは「アルムナイのうち約60%が、退職後10年以内に他社の上級役職に就いている」というデータが公開されています。【参考】BCGAlumni戦略ファームのアルムナイの多くは、コンサルティング経験を積んだのち各々が志向する業界に散らばっていき、それぞれのポジションで裁量を持って活躍しているようです。ファーム別・該当転職者数の比較次に、今回unistyleが調査した転職者データから、各戦略ファームごとの転職者数を比較してみましょう。戦略ファーム同士の比較でも、その差異が数字として鮮明に現れています。以下、調査データから得られるポイントをまとめます。〈示唆①〉外資系戦略コンサルは超一流の人材が揃うやはり、戦略ファームに優秀な人材が集っていることが証明されました。今回のunistyle調査の結果を業界ベースで見たとき、各社とも従業員数が少ない(約100〜300名程度)にも関わらず、外資系戦略ファームはエリート転職者輩出数において全業界中トップとなっています。外資系投資銀行や総合商社など、同じく就活生から人気の高い業界を上回っている点に注目しましょう。新卒就活で優秀な学生が集まっているということは言わずもがな、半数以上の73名が中途入社で戦略ファームの門を叩いていることを考えると、他社で実績を挙げたビジネスパーソンのネクストキャリアとしても極めて人気が高いことが伺えます。〈示唆②〉やっぱり強いマッキンゼー、追随するBCG転職者データの数字からも、マッキンゼー・アンド・カンパニーの圧倒的な人材力/ブランド力が浮き彫りになりました。戦略ファームのなかで最多となる54名のビジネスエリートを輩出しており、同じくトップファームとして比較されるBCG(36名)にも大きな差をつけています。マッキンゼー・アンド・カンパニーのアルムナイは「マッキンゼー・マフィア」とも呼ばれており、世界各地の政財界でリーダーシップを発揮しています。最優秀層が集う戦略コンサル業界のなかでも、やはりマッキンゼーだけはワンランク上の地位にあると言えるでしょう。なお、マッキンゼー、BCGの両社は他業界と比較してもトップクラスの出身者数を誇っています。【参考】東洋経済オンライン『マッキンゼーの何がすごいのか』転職事例:戦略ファームのアルムナイ〈例1〉髙島宏平氏(オイシックス創業者CEO/元マッキンゼー)東京大学/大学院/工学系研究科卒1998年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社2000年オイシックス創業/CEO就任【参考】オイシックス企業HP新世代リーダー高松宏平・オイリックス社長生鮮食品の通信販売事業を展開する食品ベンチャー、オイシックス創業者の髙島氏はマッキンゼー出身です。生鮮食材は足が早く、ロジスティクスの観点からECでは扱いにくい商品です。これを克服して流通の仕組みを創造した同社は、現在の日本を代表するベンチャー企業のひとつであり、2013年にはマザーズ上場を果たしました。創業者の髙島氏は、新卒入社したマッキンゼーでEコマース・グループにアサインされており、ここでの経験・知見がオイシックス創業に活きていると考えられます。【参考】〈例2〉岩瀬大輔氏(ライフネット生命共同創業者CEO/元BCG)東京大学/法学部卒ハーバード・ビジネス・スクール/MBA1998年BCG入社2001年リップルウッド・ジャパン(現RHJインターナショナル)入社2006年ライフネット生命共同創業/副社長就任【参考】ライフネット生命経営陣メッセージBCGのアルムナイの代表格としては、ライフネット生命の立ち上げに携わった岩瀬氏が挙げられるでしょう。新卒で入社したBCGで3年間のコンサルティング経験を積んだあと、バイアウト・ファンドであるリップルウッドに参画、ハーバードMBA取得後に「生命保険をネットで売る」という革新的な事業の立ち上げに成功されました。同氏は『入社1年目の教科書』などの著作でも知られており、日本を代表するビジネスパーソンのひとりであると言えるでしょう。〈例3〉松本恭攝氏(ラクスル創業者CEO/元A.T.カーニー)慶應義塾大学/商学部卒2008年A.T.カーニー入社2009年ラクスル創業/CEO就任【参考】RakSul役員紹介印刷を効率化する仕組みを提供するベンチャー、ラクスルの創業者・松本氏はA.T.カーニーのアルムナイです。同社で印刷業界のプロジェクトにアサインされた際、同業界の非効率な業務構造に気づいたことが起業の契機になったようです。「様々な業界にコンサルタントとして入り込んでいくなかで起業のヒントに出会い、事業化に成功する」という、ひとつの理想的なキャリアパターンの代表例だと言えるでしょう。〈例4〉坂本教晃氏(U-TEC東京大学エッジキャピタル/元マッキンゼー)東京大学/経済学部卒コロンビア大学/大学院/MBA・経済産業省入省・流通事業会社入社/副社長就任・マッキンゼー・アンド・カンパニー入社・U-TEC参画/プリンシパル【参考】UTECTEAM東京大学の「技術移転関連事業者」であるベンチャーキャピタル・U-TECにも、マッキンゼー・アルムナイである坂本氏がいらっしゃいます。経済産業省でキャリアをスタートさせた同氏は、事業会社でのマネジメント経験やコロンビアMBA、そしてマッキンゼーでの勤務経験を経て、ベンチャー支援のフィールドに軸足を移されました。比較的珍しいキャリアに映るかもしれませんが、「マッキンゼー・マフィア」の多様性を印象づけるキャリア例として注目すべきでしょう。最後に以下、本記事のサマリーです。◆外資系コンサルは転職にポジティブな文化を持つアルムナイの概念に見られるように、外資系コンサルには転職しやすい環境が整っている。◆戦略ファームは多種多様な転職ルートを持つアルムナイたちは、ポストコンサルとして様々な事業会社や金融機関に散らばっていく。◆戦略ファームは全業界の中でもトップクラスの優秀層が集う投資銀行や総合商社と比較しても、より多くのエリート転職者を輩出している。◆特にマッキンゼーの人材力は群を抜いているなかでも、マッキンゼー・アンド・カンパニーの人材力は転職者数に現れている。〈重要なポイント〉あなたが目指すのはコンサルタントか、エリートか外資系戦略コンサルを志望するにあたって、①「コンサルタント」という職業自体の魅力②「エリートキャリアへのエントランス」としての魅力自分がどちらに惹かれているのか、予め明確にしておくべきでしょう。日系戦略ファームであるコーポレート・ディレクション(CDI)は、コンサルティングファームとしての自社について、「固有の経営課題の創造的解決と克服に、クライアントと共に取り組むことを専門に業(なりわい)とする「職人集団」と自称しています。【参考】CDI「私たちの仕事」【CDI現役コンサルタントが語るシリーズ】自分がコンサルタントという「職人」を志しているのか、あるいはその後のキャリアの広がりや収入に惹かれているのかという問いは、ファーストキャリアとして戦略コンサルを検討するうえで答えを出しておくべきポイントのひとつになるでしょう。【unistyle転職シリーズ】〈#1〉〈#2〉〈#3〉【unistyle選考対策】外資系コンサル業界研究外資系コンサルのES・選考情報コンサル業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にコンサル業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 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