書評 奥山真司 『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』

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最終更新日:2022年03月29日

書評 奥山真司 『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』

 

はじめまして。現在大学3年生で15卒就活を行う予定のIです。

今回は就職活動をする上でも重要になるであろう「戦略」について書かれた書籍を紹介します。世界を舞台に活躍したいと考えている方にはそのための戦略的思考の基本を身につける事のできるのではないでしょうか。地政学の側面から「戦略」や「世界観」を持つことの重要性について書かれており、いわゆる自己啓発本の類に興味のない方にもオススメです。

 

奥山真司 『世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう』

世界を変えたいなら一度"武器"を捨ててしまおう

 

私がこの本を読むきっかけはジャーナリストで評論家の佐々木俊尚氏がご自身のメールマガジンの中でこの書籍を紹介、高評価されていたからです。

 

まず、本屋にズラリと並べられた種々の自己啓発本とこの本がどのように異なるかというと、前者は小手先のスキルや、心構えなどの精神論についてだらだらと書かれているものが殆どであるのに対し、本書ではそのような技術レベルの武器ではなく「世界観」レベルの強力な武器を身につけることを推奨しています。

 

実際、私の周りの学生という非常に狭い世界で考えてみても、就職活動に成功している人と苦労している人との間にスキルや取得した資格の大きな差は見受けられません。そして私がこの本を読んで感じたのは「ビジョンの有無」が両者を分け隔てているのではないかということです。

 

何気ない会話をしていても、早々と就職先が決まった友人の話には「芯」のようなものがあり、一貫性を感じます。逆に言うと、うまくいっていない人たちにはそのようなものがなく、ただ漠然と就活を行っているが故に苦労しているのではないでしょうか。

 

これは私自身にも当てはまることですが、就活の為や周りがやっているからという理由で簿記やTOEICなどの資格取得になんとなく取り組む方が多いと思います。そんな方には一度立ち止まって考える絶好の機会になるはずです。

 

自らのビジョンについて頭を使って考える契機を与えてくれる書籍だと思います。

是非手にとってみてください。

photo by Shawn Nystrand

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みなさんこんにちは。unistyle編集長の郡山隼人(@unistylehyt)です。いつもunistyleのご活用並びにTwitterを見て頂きありがとうございます。突然ですが、先日Twitterにて以下のようなガクチカ添削企画を実施いたしました。【ガクチカを添削します!】人事経験を活かして僕が皆さんのガクチカを添削し、フィードバックを記事で共有します。添削を受けて自分のESの質を高められるのはもちろん、他者のESからも多く学べると思います。詳細は以下の画像をご覧ください。pic.twitter.com/mNvI7n7Ws3—郡山隼人@就活サイトunistyle編集長(@unistylehyt)September4,2020おかげさまで、こちらの想定よりも早く締め切りを迎えることができました。ご協力いただいた方々、ありがとうございました。本記事では企画通り、頂いたガクチカを添削していき、フィードバックを順次公開していきます。個人へのフィードバックだけでなく、そこから得られる教訓も掲載していますので多くの方にとって学びの多いコンテンツになるはずです。たくさんのフィードバックに触れて”人事の視点”を養い、ご自身のESを見直す上でぜひ参考にしてください。添削内容を公開するにあたり、改めて私の経歴を軽くお伝えします。2014年に株式会社ネオキャリアに新卒で入社し、採用部新卒採用グループで新卒採用業務を行っていました。新卒採用業務全般を経験後、採用マーケティングの責任者となりました。実績としては、インターンランキング6位のインターンを企画したり、年間3万人以上のエントリーを集め、4年間で合計1000人の採用をしてきました。2018年からは新卒採用担当時代に就活そのものに課題意識を持ち、解決すべくunistyleに社内異動。異動後は新卒紹介事業を立ち上げ、現在はunistyleの編集長を務めています。このように一貫して就活市場に身を置いており、unistyle編集長かつ採用担当目線でのES添削・アドバイスができると思っています。とは言え、前提として各企業・各採用担当によって様々な評価基準があります。本記事での添削内容はあくまで郡山という一人の元人事経験者からのアドバイスであり、就活には絶対的な評価基準などは存在しないものとしてご認識ください。また、今回は少し踏み込んだフィードバックも掲載しているため、細かい部分へのアドバイスも含まれます。そもそものガクチカの書き方から学ばれたい方はまずこちらの記事や動画をご覧ください。その上で本記事をお読みいただくと理解がより深まるかと思います。関連記事:それでは、以下より添削内容を公開していきます。本記事のコンテンツ添削①:取り組みは「心がけ」レベルではなく再現性ある行動をアピールしよう添削②:取り組みに関する曖昧さを排除しよう添削③:取り組みと成果の因果関係に納得感を持たせよう添削④:読み手は自分の経験に関する前提知識がゼロであることを意識しよう添削⑤:成果が曖昧になってしまう場合は”ビフォーアフター”を強調しよう添削⑥:「取り組みの動機」は意気込みよりも行動理由や課題意識を書こう添削⑦:「誰もが一発で理解できる文章」にこだわろう添削⑧:組織に変革をもたらした系のエピソードは面接での深堀りに備えよう添削⑨:「分析」や「リサーチ」などのフレーズは「how」まで落とし込もう添削⑩:ESはビジネス文書であることを意識しよう添削⑪:学びを書く際は”そのエピソードならでは”の要素を強調しよう添削⑫:取り組み内容にマッチした結論部分にしよう添削⑬:組織に働きかけたエピソードは変化の過程を示して説得力を高めよう添削⑭:抽象的な言葉は”自分の言葉で”説明できるようにしておこうガクチカ完全攻略記事一覧添削①:取り組みは心がけレベルではなく再現性ある行動をアピールしよう①飲食店でのアルバイトである。②この経験を通じて、仕事の段取りの大切さと相手の立場になって物事を考える力を磨いてきた。③主な仕事は注文を取る事や料理の配膳などである。④ホールの仕事は、自分が担当する席や個室が決まっていた。⑤団体のお客様を担当する事が多く、始めの頃は効率ばかりを求めて形式的な対応になりがちであった。⑥そんな中で、先輩がお客様と仲良くなり、名刺を交換している姿を見て、お客様に寄り添い満足してもらうサービスを提供したいと思う様になった。⑦それ以降、客層、年齢層、国籍、などそれぞれ異なるお客様に応じたサービスができるよう、お客様の様子をよく観察する癖づけをした。⑧すると、個々の食べるペースや雰囲気などに合わせた柔軟な対応が自然に出来る様になった。⑨そのおかげで余裕が出来、お料理の説明に加えて、たわいもない話を挟んだりし、短い時間でお客様との関係を築き、名刺を貰うことが出来る様になった。(400字以内)フィードバック①:「~のホールスタッフとして顧客との信頼関係を築いたことです。」などのように成果まで示した方が、その後の取り組みが何を目的になされたものなのか読み手はイメージしやすいです。また、「飲食店」よりも「日本料理屋」、「居酒屋」、などと表記する方がどんな接客だったのかが分かりやすいでしょう。①~⑥:背景や状況説明に200字以上充てるのはもったいないです。確かに動機や背景も重要ですが、ここはできるだけ最低限にまとめて具体的な取り組み内容に字数をさきましょう。ここでは②の情報は不要かと思いますし、③の情報も飲食店のホールとして一般的な仕事内容のため説明は要らないと思います。⑤⑥も、「当初は効率を求めて形式的な接客になりがちだったが、ホスピタリティ溢れる接客で顧客と名刺を交換する先輩を見て依頼、」などのように削れると思います。⑦~⑧:一文にまとめられると思います。そして、「個々の食べるペースや雰囲気などに合わせた柔軟な対応」がどのような対応なのか分かりません。「例えば、」「具体的には、」といった形で詳細に書きましょう。また、それだけでは単なる接客中の心がけレベルの話なので、先述の先輩の観察、直接ヒアリング、商品知識のインプット、それを踏まえての自分なりの工夫、等々の取り組みもできれば欲しいです。接客や塾講師のガクチカは「~を意識した」「~するよう努めた」という心がけレベルで留まっている人は多いので要注意です。接客や塾講師の業務を通してたどり着いた「こうすればうまくいく!」という自分なりの方法論を示せば再現性はグッと高まります。(あくまでunistyleが推奨する伝え方であり、これが正解というわけではありません。)⑨:「接客に余裕が出来、雑談も挟めるようになって関係を築けた」というのはビジネス現場での応用を考えると物足りない成果だと思います。顧客に合わせた対応の分析や雑談を含む一連の流れを方法論として抽象化し、「○○→○○→○○という接客のパターンを確立し、結果○ヶ月で○枚の名刺を貰えるほどに信頼関係を構築できるようになった。」などのような伝え方が必要でしょう。(例えばこんな伝え方があるという話なので、くれぐれもこの書き方にとらわれないでください。)最後に「自身の接客スタイルを変えた話」では正直弱いです。「接客を通して自分なりの信頼関係構築ノウハウを編み出した話」として伝え方を工夫してみてください。このように、「具体的な体験から、考え方や方法論を抽象化して他に応用すること」は思考力をアピールする上で大変有効です。【参考】以下は「具体と抽象」を駆使した思考法で総合商社から内定を獲得した学生の記事です。添削②:取り組みに関する曖昧さを排除しよう①結婚式のアルバイトで売上と顧客の満足度を高めたことだ。②当時、料理と演出の売上の減少が特に問題だった。③上司への聞き取りからサービスに特別感がなく、より良質なプランの魅力が伝わっていないことが原因だと判断した。④まず、先輩と協議した上でお客様の潜在的なニーズに対応するために、招待客の反応や演出による会場の雰囲気の変化についても加えて説明した。⑤また、話し方や距離のつめ方を個々に変えることで、質問しやすくしてお客様が抱えている不安や要望を引き出した。⑥次に顧客の観察を行い喜ばれたプランや料理説明、実際に行われた演出の特徴を系統化した一覧表を作成し、事前にスタッフと共有することで意識を高めた。⑦不慣れなスタッフには主体的な声掛けをして全体のサービスの向上にも努めた。⑧結果、前年より2ヶ月早い売上目標の達成とお客様に寄り添った提案ができた。⑨自ら問題解決に向けて主体的に行動しつつ、周囲と協働することを学んだ。(400字以内)フィードバック①:今回、売上という定量的な成果を示せているので、証明のしようのない満足度向上は省いていいかもしれません。(アンケート等をとっているなら別ですが。)③:一瞬、「上司に説明→決行」というよくあるパターンかと思ってしまいました。「魅力が顧客に伝わっていないことが」とした方がいいでしょう。読み手はあなたの業務内容について知りません。④:少し細かいですが「顧客への説明事項に入れた」とした方が「とりあえずやってみた感」が減り、仕組み作りが行えているのが伝わります。⑤:意識する程度では中々できないことだと思うので、具体的にどんな顧客に対してどう対応を変えたのか気になります。できれば、「○○な方には○○、○○な方には○○するなど、顧客によって話し方や距離のつめ方を変えることによって不安や要望を引き出しやすくした。」などのようにさらっとでも具体例を書きたいです。今回はこれがメインの取り組み内容ではないので無理して字数をさく必要はないかもしれませんが、面接ではこの「不安や要望を引き出す」ための方法論についてかなり深堀りされると思います。【参考】方法論の重要性や伝え方に関しては以下の記事が参考になります。⑥:取り組み自体は良いと思います。しかし「一覧表を作成しスタッフと共有すること」の目的としては「意識を高める」ためというよりも少し後に出てくる「サービス全体の向上」のためという方がしっくりきます。⑦:「主体的な声掛け」ではとても抽象的です。制限字数の都合で具体的に書けない場合は、削除して他の取り組み内容を具体的に書いた方がいいかもしれません。自分の取り組み内容の書き方が抽象的かどうか判断する場合は、「読み手があなたの取り組みを脳内で映像化できるか」「読み手が成果に対して納得できるか」という基準で考えてみるといいと思います。先日ツイートした以下のツイートのように、「主体的に勉強しました→結果合格しました」では「どんな風に勉強したの?」「本当にそれで合格する?」と思ってしまいますよね。ガクチカにおける”成果への納得感”を就活生にも分かりやすくするために、ガクチカの内容を受験勉強に置き換えて作ってみました。どちらも大体同じ字数だけど、「なるほど、そりゃ受かるよね」って納得できるのはどちらだろうか?pic.twitter.com/KebM6HLehS—郡山隼人@就活サイトunistyle編集長(@unistylehyt)August27,2020⑧:一文目同様、成果は売り上げ目標の件のみでいいと思います。最後に取り組み内容自体は良いので、後は限られた字数でいかにそれを具体的に伝えられるかどうかだと思います。添削③:取り組みと成果の因果関係に納得感を持たせよう①カフェのアルバイトで新製品のインスタントコーヒーを457個販売しました。②売上促進を担当し、ひと月450個の目標を掲げ、店舗の課題としてスタッフのモチベーションの低さ・親しみにくさの二点を分析しました。③感染症により在宅時間が増える中で、お客様に美味しいコーヒーを家でも手軽に楽しんで頂きたいとの思いから次の2点を実施しました。④1「20人のアルバイトのモチベーションをUP」メッセンジャー共有と毎日販売数分シールを貼り、成果を可視化することでモチベーション向上を図りました。⑤2「素早いテイスティングでお客様と繋がる」多くのお客様で混み合う店舗で、一人一人とのコミュニケーションが不足していたため、素早く試飲を行い実際に口にして頂き、親近感を感じて頂きました。⑥その結果目標を達成することができたと共に、お客様と私たちスタッフが繋がる瞬間を感じられました。⑦そしてチーム全体として大きな達成感を得ました。(400字以内)フィードバック①:OKです。②:面接ではなぜこの目標を置いたのかを問われる可能性が高いです。また、さらっと「昨月比〇%である450個を~」と書ければこの目標がこの店舗にとってどれぐらいチャレンジングなものなのか分かりやすいです。③:不要だと思います。「そこで、以下の二点に取り組みました。」とする方が先述で挙げた課題に対する取り組みとしてスムーズです。④:一瞬、「」内が取り組み内容のタイトルだと分かりませんでした。【】を使うなど工夫してみてください。⑤:【テイスティングを導入】などとした方が掴みとしてあなたが何をしたのかが分かりやすいです。繰り返されておられる「素早く」の意図はさらなる混雑を避けるためであるかと思いますが、コーヒーを飲む側の顧客にはその意思はないと思います。その中で、「いかにしてこの素早さを生み出したのか」という部分にあなたの工夫が表れると思います。また、試飲したくなるための工夫や、試飲から購買へつなげるための工夫、あるいはリピーター獲得に繋げるための工夫などはなかったでしょうか。それを個人ではなく店舗内で仕組み化できているとさらに良いです。アルバイト先の売り上げupや販売数upネタは、顧客との関係構築だけでなくそこから「購買や集客までの工夫」を書かないと「それだけで売り上げに影響する?」と思われてしまいます。⑦:不要かと思います。学びや得たものを書く場合は、表面的なものではなくビジネスや社会で活かせる、かつこの経験を通してこそ言えるもの、でなければ響きにくいです。【参考】「学んだこと」を伝える際にもunistyleが再三お伝えしている「方法論を示すべし」というアプローチが役に立ちます。詳しくは以下の記事をお読みください。最後に取り組み内容が本当に売り上げ目標達成の原因だったのか少し納得感に欠けました。序盤と終盤で削った文字数分を使って取り組み内容をもう少し詳細に記述してみましょう。【参考】以下の記事でも「施策と結果の間の因果関係が弱い」パターンが紹介されています。参考にしてみてください。└例①:エピソードが自己完結している└例②:手段が目的化している└例③:施策と結果の間の因果関係が弱い└例④:問題解決のための施策として相応しくない添削④:読み手は自分の経験に関する前提知識がゼロであることを意識しよう①国際協力とスポーツを掛け合わせた新規イベントを立ち上げ千食の給食を発展途上国に届けた。②私の団体では活動内容のマンネリ化、毎年行われる認知度調査の結果が横ばいであることが課題であった。③私は他団体との差別化を図るような新規イベントの必要性を説き企画を提案。④引退するまでの半年間で実施するにあたって、下記の二点に注力した。⑤1.似たイベントに何度も参加し、それを参考に実施に必要な仕事をリストアップ。⑥団員に好きな、又は得意な仕事を尋ね、それに基づき仕事を割り振ることで、仕事の効率化を図った。⑦2.仲間と話し合い、計画を開催から逆算して構築。⑧団員が既存の活動と並行して仕事に集中できるよう、一週間単位で進行の確認、計画の調整を行った。⑨その後も他のイベントに参加、開始前に時間を少し頂き企画の話をさせてもらうことで参加者の増加を図った。⑩結果、半年でイベントを実施、目標食数千食を達成し、学内認知度調査も3%上昇した。(400字以内)フィードバック①:OKです。インパクトも中々です。③~⑥:取り組み内容はとてもよく伝わりました。ただ企画の中身が分からないため、何を実現させたくて取り組んだのかイメージし辛いです。おそらく今回アピールしたいことは企画の内容ではなく企画実現のために頑張ったことなのでしょうが、最低限の状況説明として企画の内容に触れましょう。この場合チームが上手く回ったことへの納得感はありますが、「給食が千食届けられたこと」への納得感は得られません。ユニークな経験は、それ自体が武器になりつつも普通のアルバイトやサークル経験より取り組み内容が読み手にイメージされ辛いということを意識しましょう。【参考】以下は、自信満々に自分の経験を語ったものの面接官から「何のことだかよくわからない」という評価を食らった学生の記事です。この学生はその後「例え」を使って自分なりに伝え方を工夫し、手ごたえを掴んだようです。⑦~⑨:OKです。一つ一つの取り組みに意図や目的があるのが伝わります。行動力も感じます。ここで「~した。そして、~した。結果、~」というふうに事実を羅列するだけの人は多いので要注意です。「~した。そして、~した。」などのように、取組み内容を羅列するだけのガクチカはとても多い。・”○○の必要性を感じたため”、~した。・”持ち前の○○さを活かして”、~した。・”分析の結果、○○ということが分かった。”それを踏まえ、~した。一言入れるだけでグッとあなたらしさが出る。—郡山隼人@就活サイトunistyle編集長(@unistylehyt)July17,2020最後に実績・取り組み内容共にレベルは高いので、後はさらっとでも企画内容について説明できれば言うことないと思います。面接では、企画内容と共に「開催から逆算した計画」の中身も詳しく説明できるようにしておきましょう。添削⑤:成果が曖昧になってしまう場合は”ビフォーアフター”を強調しよう①大学の野球部で練習改革によりリーグ昇格に注力しました。②大学2年次、部員の練習参加率が6割にとどまっており、練習内容に制限がされ3部リーグに甘んじていました。③不参加の部員に理由を伺うと、打撃練習において打てる回数が少ないということが理由であると分かりました。④そこで以下2点のことを実行しました。⑤1点目は練習道具の不備改善です。⑥入部当初から練習球が少なく、ボール回収に多くの時間を取られていました。⑦この理由から打撃練習の時間が減少していると考え、練習球を倍増しました。⑧2点目は練習方法の改善です。⑨まず練習方法の効率性に問題があると考え、部員から練習案を集めました。⑩その案の中から現在の練習設備を考慮し、最善の練習方法を同学年内の話し合いで決定し、主将にその案を提示し、許可を頂き実行しました。⑪結果、選手全員が毎回の練習に参加するようになり、昇格はできなかったもののリーグ2位になれました。(400字以内)フィードバック①:OKです。②:「練習参加率」が低いから「練習内容が制限」されたということでしょうか。→「〜6割にとどまっているために練習内容が制限され、3部リーグに〜」などとした方が分かりやすいでしょう。③:「伺う」←部員に対して謙譲語は不自然です。⑥:小手先かもしれませんが、以前から練習球が少なかったことは伏せて、「打撃練習において打てる回数が少ないということが理由であると判明→練習球を倍増してボール回収の効率化を図る→打てる回数を増やした」という伝え方の方が良いと思います。今のままでは「練習効率化のために練習球を増やした」のではなく「練習球が少なかったから増やした」という単純すぎるロジックとして解釈されてしまいます。⑩:話し合いの中であなたがどう立ち回ったのかを書きたいところです。練習案を募集するだけなら誰でもできますが、それをまとめ→1つの案に取り決め→実行、まで持っていくのにあなたならではの工夫があるはずです。【参考】以下の記事にて「話し合い」や「意見交換」における工夫の伝え方について解説しています。⑩:一文に「、」が多く少し読みにくいです。今回主将への掲示等はあなたの売り込みとは関係ないので省略してもいいのではないでしょうか。(一筋縄ではいかない主将をあなたの工夫により説得したのであれば別です。)⑪:「毎回の練習に参加するようになり、」よりも「6割だった練習参加率が100%まで向上し、」の方がポジティブな印象です。また、例年の成績なども示しながら、「リーグ2位」があなたのチームにとってどれほどの躍進かも示したいところです。目標が達成できなかった場合や、目標が定量的に示せない場合は「ビフォーアフター」を強調して成果を伝えるのがおすすめです。「(とにかく)頑張りました」「(とにかく)良くなりました」ではなく、「こんな状態だったのに、こんなことまでできるようになりました。」というビフォーアフターを用いて数字には表れない成長を読み手にイメージさせましょう。最後に取り組み内容と成果の伝え方によって大きく印象が変わるエピソードだと思います。また、面接では「練習方法の効率性の問題」と「最善の練習方法」の詳細について深堀りされる可能性が高いです。添削⑥:「取り組みの動機」は意気込みよりも行動理由や課題意識を書こう①60名の登山サークル会長として新入生の退会者を80%減少させた経験です。②幣団体は創設より登山の「安全面」を大切にし、新入生と登山経験者のセットで登山を行う制度がありました。③しかし新入生の増加により経験者の割合が減少したため「登山機会の減少」を招きました。④その結果、当制度は「多くの登山を望む新入生の退会要因」となっていました。⑤私はこの課題の解決によりサークルの発展に寄与したいと考え「安全面と登山機会を両立する制度の構築」に取り組みました。⑥その一例がOBを巻き込む事で経験者の増加を狙った「先輩増員企画」です。⑦具体的にOBへの「縦と横の」アプローチや新入生の心理的ハードルのケアを行いました。⑧これによりサークル員とOBのマッチングの仕組みを作り、「多くの登山機会と安全面を両立させる事」ができました。⑨この結果、創設より46年間続く「無事故」を継続しつつ新入生退会者を20%に抑える事に成功しました。(400字以内)フィードバック①:細かいですが、「新入生の退会者を減少」よりも「新入生の定着率向上」という伝え方のほうが聞こえがいいと思います。③:後半にも「この結果、」を使用するので重複表現を避けるために「ゆえに」等順接の接続詞を使用しましょう。⑤:「私はこの課題の解決によりサークルの発展に寄与したいと考え」は「そこで、解決手段として」「私はこの課題を解決すべく、」で十分かと思います。この「サークルの発展に寄与したい」はサークルの課題を解決しようとしている立場として当然の意気込みなので、特に書く必要はありません。削って取り組み内容を少しでも具体的に記する方が得策です。「取り組みの動機やきっかけ」の部分は「当然の意気込み」を書いてもあまり意味はありません。書いてはダメというわけではありませんが、せっかくなら行動の「理由」や「課題意識」を書いた方が得策です。(例)〇「この課題を解決すべく、~に取り組んだ。」〇「他店舗との差別化を目指し、~に組んだ。」〇「~が原因と考えたので、~に取り組んだ。」〇「この都心と地方の格差を解消したいと考え、~に取り組んだ。」△「この課題を解決してもっとお客様に喜んでいただきたいと思い、~に取り組んだ。」△「もっとスタッフと一員としてお客様の力になりたいと考え、~に取り組んだ。」【参考】面接でも「なぜそれに取り組んだか?」という質問がよくなされます。ESに詳細に書く必要はありませんが、面接に向けて自身の行動源泉についてしっかり語れるようにしておきましょう。⑦:「具体的に」→「具体的には、」⑦:具体例にしては抽象的過ぎると思います。前文で、OBとの繋がりを言及しているので、そのOBたちに対して何を行ったのか端的に説明しましょう。その際、「熱意を込めて説得した」などの精神論ではなく何か工夫が欲しいです。(OBにもメリットを掲示する、など。説得なのであれば、その中でどんな工夫があったのかなど。)また、「心理的ハードルのケア」のために何を行ったのでしょうか?前項同様、やや抽象的です。ここもよくある「積極的な声掛け」などではなく何か工夫を示したいところです。最後に他者を巻き込んだ上で組織の仕組み作りが行えているので、その経緯をしっかり説明しましょう。いかにOBを巻き込んだのか、いかに新入生の心理的ハードルをケアしたか、ここにあなたの思考力や工夫が表れます。添削⑦:「誰もが一発で理解できる文章」にこだわろう①大道芸の舞台を創った事だ。②大道芸は難しい技を披露する芸能であるが、所属する大道芸サークルの共通認識として、近年の大道芸の観客との対話を偏重する在り方に疑問があった。③私は「高難度技を重視した大道芸」且つ「収益確保可能な舞台」を大勢の方に見てもらいたいと思い、売上観点から集客目標を「来場者数350人・一般客割合40%以上」としてサークルの仲間と舞台を創った。④集客目標の達成には、まず大道芸に興味を持つ人を増やすべきだと考え、子供だけでなく保護者層を狙って、小学校で大道芸体験会による告知活動を行った。⑤更に高難度技の多数導入には、技への集中が観客とのコミュニケーションを減らし、結果観客が飽きる懸念があったので、演劇要素を導入し観客満足度の向上に努めた。⑥導入には知人のサーカス団体や演劇経験者に協力を依頼し、講習会を行った。⑦結果、売上・集客目標を達成しつつ、アンケートで90%以上の方に満足したと回答して頂けた。(400字以内)フィードバック①:冒頭の結論と文末の結果が噛み合っていません。「大道芸の舞台を作り、~を達成したことだ。」と成果まで示した方が、その後の取り組みが何を目的になされたものなのか読み手はイメージしやすいです。②:「大道芸は難しい技を披露する芸能であるが、」は一般常識なので不要でしょう。また、「偏重する」はネガティヴなイメージが強いので「重視し過ぎる」くらいが丁度良いと思います。③:面接(特にコンサル)では「来場者数350人・一般客割合40%以上」という数字を置いたロジックが問われる可能性が高いです。また、少し細かいですが「「高難度技を重視した大道芸」且つ「収益確保可能な舞台」の両立を目指し、」とした方が、「自分達のこだわりを妥協せずに収益化を目指した」という文脈をより伝えられる気がします。④:「、」が多いので「興味を持つ人を増やすべきだと考えた。そこで、」などのように分けることをおすすめします。⑤:「~導入には、技への集中が観客とのコミュニケーションを減らし、結果観客が飽きる懸念があったので、」の部分は少し日本語が分かりにくいです。「~を導入した場合、演者が技に集中することで観客との接触機会を減らしひいては彼らが飽きてしまう懸念があったので、」などの表現がいいでしょう。④,⑤共に取り組み内容自体は良いと思います。⑦:結果をもう少し具体的に書きましょう。置いた目標の達成率等はどうだったんでしょうか?最後に周りを巻き込んだ良い取り組みが行えていると思いうので、要所で文章の分かりにくさを感じるのがもったいないと感じました。採用担当は何百枚というESをさばいており、正直疲労困憊の中で読んでいます。「少しでも読みやすく」という努力は就活生の想像以上に重要です。また、ES通過後に待っている面接でのコミュニケーションは書き言葉ではなく話し言葉となります。理解度はESよりもぐんと下がるので、あらかじめ「一発で理解できる」文章にこだわっておいて損はありません。添削⑧:組織に変革をもたらした系のエピソードは面接での深堀りに備えよう①大学時代に力を入れたことは「毎回初戦敗退の弱小フットサル部を四国屈指の強豪チームに変貌させたこと」である。②最高学年時の新チーム発足当初、怪我で長期離脱したことをきっかけにチームのサポートに徹した。③そこで、怪我をした自分の立場からチーム全体を客観視すると、選手は試合で必要以上に緊張し、本来のプレーが出来ていないことに気づいた。④私は「経験こそ自信の源である」と考え、部員の経験値を高める為に四国大学リーグに参入することをチームに提案し、公式戦数を従来の2倍に増やした。⑤すると、どんな相手でも臆することなくプレーする選手が増えた。⑥加えて、前もって対戦相手の映像を録画し、自ら分析した結果を試合前のミーティングで選手に伝えた。⑦これらが功を奏し、最後の大会で「四国大会準優勝」になった。⑧この経験から固定観念にとらわれず、違う視点からアプローチすることで課題解決につながることを学んだ。(400字以内)フィードバック①:OKです。②:「怪我による長期離脱を機に」で字数削減できるでしょう。④~⑤:文と文の因果関係が曖昧です。「公式戦数を従来の2倍に増やした。すると、どんな相手でも臆することなくプレーする選手が増えた。」試合増加→臆せずプレーする選手増加、では論理が飛躍しています。あくまでも一例ですが、「試合を増やしたことで選手達が試合慣れし、臆することがなくなった」だと伝わりやすいかと思います。また、面接では「経験こそ自信の源である」と考えた根拠について過去の経験等に関連付けて語れるようにしておきましょう。⑥:「加えて、前もって対戦相手の映像を録画し、自ら分析した結果を試合前のミーティングで選手に伝えた。」字数制限が許せば、この結果選手のプレーや戦い方にどんな変化が起きたかも書きたいです。⑧:「固定観念」に当たる内容が曖昧です。おそらく「プレイヤー視点(固定観念)では見えてえなかった視点がサポートに徹することで見えてきた」という意味かと思うので、「潜在的な課題を発見する上での客観的・俯瞰的目線の重要性を~」等々の表現が分かりやすいと思います。最後に面接では、「リーグ参入や公式戦2倍という提案に反対する者はいなかったか」「いたらならば、どうやって乗り越えたか」「反対はしなくとも、全員にそれだけのモチベーションがあったのか」などが聞かれそうです。組織に大きな変革をもたらした系のエピソードでは、その際にメンバーをまとめあげる自分なりの方法論を語れるようにしておきましょう。ESはともかく、面接ではかなり深堀りされる可能性が高いです。第三者から見れば、それまで停滞していた集団が一個人の提案だけで大きく良い方向へ動き出すとは考えられないからです。【参考】以下の記事では周囲と協力して成し遂げた経験をアピールする際のポイントを解説しています。添削⑨:「分析」や「リサーチ」などのフレーズは「how」まで落とし込もう①お土産屋の接客アルバイトにおいて「所属するお土産街で売上5位以内」を目標に売上向上に尽力しました。②当初売上は20店舗中10位と、店頭販売は初めての試みで会社名、商品名共に知名度が低く商品の陳列だけでは顧客集客力が不充分でした。③そこで、お客様に初見の商品について認知が必要だと考え、2点の施策を行いました。④1.同僚スタッフと共に他店舗における人気商品のリサーチを行い自社商品の強みを徹底的に分析し商品の良さを伝えられるように言語化したこと。⑤2.商品に対する興味・関心を最大限に引き出すために、人気商品だけに固執せず、性別・年齢層に応じて嗜好が異なることから試食を通して最適な商品の提供を行いました。⑥結果、お客様自身が求めているお土産を示され、それに素早く対応し魅力を伝えることで2か月後20店舗中3位の売上を達成しました。⑦この経験より常にお客様の課題を探り、ニーズに応えることが身に付きました。(400字以内)フィードバック①:OKです。③:「お客様に初見の商品について認知が必要だと考え」は、「お客様に初見の商品について認知して頂く必要性があると考え」などとした方が分かりやすいでしょう。④:あなたの取組みを実行するにあたり同僚スタッフの方との協力や意識共有が必要だったと思います。同僚スタッフの方とどんなやりとりがあったかかも軽く述べられれば、あなたの人柄や強みも伝えられます。また、リサーチの仕方についても工夫があれば示しておきたいところです。「緻密な分析」や「徹底的なリサーチ」などのワードはガクチカで頻繁に使われがちですが、そのやり方は人それぞれかと思います。直接出向いたのか、SNSを使ったのか、アナリティクスを使ったのか、、、etc自分では語るまでもないと思っていても読み手にはどんな分析だったのか分からないため、ESはともかく面接では必ず語れるようにしておきましょう。⑤:試食実施の目的が「商品に対する興味・関心を最大限に引き出すため」なのか、それとも「最適な商品の提供」のためなのか、少し曖昧です。最後の学びの部分でニーズへの対応を述べている点を考慮すると、「性別・年齢層に応じて嗜好が異なるため、試食を導入して最適な商品の提供を心がけました」などのように簡潔に書き換えても良いかもしれません。⑥:読み手によっては「購入客は課題を抱えているのだろうか」などのように、「課題」という単語に若干の違和感を覚える可能性があります。それよりも主体的にニーズの探究に取り組んだという点に注目し、「ただ単に商品の魅力を伝えるだけでなく顧客ニーズを探り続け、応えることの重要性を~」などの表現の方がエピソードとの親和性が高いと思います。最後に構成は問題ないと思いますので、細かい書き方の部分中心にアドバイスさせていただきました。面接ではリサーチや分析の手法、同僚スタッフといかに協力したかについて聞かれそうです。【参考】今回の「ニーズを探る」とは少しズレるかもしれませんが、ガクチカや自己PRにおいて頻出するワードが「相手の立場に立つ」です。・「相手の立場に立てばそんなに上手くいく?」・「相手の立ち場に立とうと思って立てたら苦労しなくない?」などなど、突っ込まれる余地の多いワードですので、本記事で一度深堀っておいてください。添削⑩:ESはビジネス文書であることを意識しよう①私が学生時代に力を入れて取り組んだことは、アルバイト先の飲食店で早朝の欠員の問題解決です。②私が勤める飲食店は、開店後2時間以内に来店されるお客様が40%を占めているため、早朝の開店準備の重要性がかなり高い状況です。③その中で、以前は早朝の欠員によりお客様へのサービスに不足が生じてしまう問題がありました。④早朝に欠員となる理由として、1.開店準備の業務内容が共有されておらず、早朝担当間でしか協力できないこと、2.寝坊する従業員が多いことが理由として挙げられました。⑤1.の対策として、マニュアルを作成することを店長に提案し、自らマニュアルを作成しました。⑥マニュアルを作成し共有することで欠員が出た日に従業員全員に対し協力を仰ぐことが可能になりました。⑦2.の対策として、前日に当店でアルバイトをする場合、20時までの出勤とするルールを作りました。⑧マニュアルの共有と出勤に関するルールの策定によって、無理なスケジュールの中早朝出勤しようとする従業員が減り、結果的に寝坊による欠員を防ぐことに繋がりました。⑨私はこの経験から、課題を発見した際に具体的な解決策を提案し、自ら率先して動くことの大切さを学びました。(500字以内)フィードバック①:やや冗長なので「アルバイト先の飲食店での早朝の欠員解消に尽力したことです。」で問題ないと思います。②:前文であなたが飲食店で働いていることが分かっているので「アルバイト先では」等に変更し少しでも字数を節約しましょう。また、「開店後2時間以内の来客が~」・「早朝の開店準備が最重要事項です。」などなど字数削減のための余地はまだあります。③~⑦:「その中で」→重要にも関わらずそれが達成できないことを示すので「その中で」よりも逆接表現を用いる方が良いかと思います。「しかし」などに変えてみましょう。また、時系列に沿って説明しているので「以前は」の記述は不要でしょう。「早朝の欠員によりお客様へのサービスに不足が生じてしまう問題がありました」→冗長かつ重複表現を避けるために「早朝の欠員によるサービス不行き届きが問題になりました。欠員理由として~」などに変えましょう。⑥仕組み作りが行えているのは良いので、「マニュアル」がどういったものか端的に付け加えるといいでしょう。⑧:取り組み内容にあまり妥当性が感じられません。正直、遅刻を繰り返している人物の退勤時間を数時間早めたところでその人の時間意識に変化があるとは思えません。「夜遅くまで遊んでいた」「ただの怠惰」等の理由ではないのであれば、「早朝遅刻者の特徴として、前日夜遅くまで勤務するなど無理なシフトスケジュールを組んでいた。」→「前日は20:00までを制度化」という遅刻理由の説明が必要でしょう。ただ、それでも正直「寝坊による遅刻を減らした」というのは「マイナス状態からゼロ状態にした」に過ぎない成果とも思えます(遅刻の当事者ではないにせよ)。取り組み内容をマニュアル作成に絞って深堀るか、もしあれば他の取り組み内容を選んだ方がいいかもしれません。【参考】以下の記事にもある通り、企業が求めているのは、「既存のあるものを更にいいものに変える、もしくはまったく新しいモノを生み出していくことのできる可能性を持った人材」です。⑨:やや表面的かと思います。今回は取り組み内容にあまり字数を割けていないので、そこに字数を充てるために学びは省略してもいいでしょう。最後に全体的に一つ一つの表現が冗長です。熟語を用いるとスッキリまとまるので意識してみましょう。そこで削った分をマニュアル作成の詳細に充てれば具体性が増すと思います。特にマニュアルの中身についての工夫、共有する上での工夫などがあればぜひとも書きたいところです。採用担当者はビジネスパーソンであり、普段から「簡潔さ・パッと見の分かりやすさ」に特化したビジネス文書を読んで仕事をしています。ESもこのビジネス文書を意識し、無駄や重複はできる限り省きましょう。添削⑪:学びを書く際は”そのエピソードならでは”の要素を強調しよう①アパレル販売のアルバイトで売上改善の為に主に二つの事に注力しました。②私が勤めていた店舗では大型の競合他社が近接し、店舗自体の認知度が低かったことからも目標売上の未達が続いていました。③さらにその現状を受け入れている店員も多く店舗全体の活気もなくなっており、楽しく働ける状況ではないと感じた私は、周囲の協力を得ながら主に二つの事に取り組みました。④一つ目は店舗目標の再検討です。⑤普段の勤務時に店員間で売上獲得を目的とした接客と競合他社との差別化が課題と考えたことから、店員自らが自店の特徴の分析と理解を行い、目標を持った上で接客を行うために取り組み、結果として再来店しやすい店舗を目指すこととしました。⑥二つ目は接客スタイルの変革です。⑦店舗目標の定着の為に新たに押し売りを行わないなど距離感を意識した接客に変え、再来店の機会を促すことで再来店しやすい新たなイメージの浸透を目指しました。⑧結果、目標設定後に前年度売上比130%を達成させることができ、この経験から共通意識を持って方向性を合わせる重要性を学び、個人として課題解決のために周りを巻き込み協働させる力を得たと考えています。(550字以内)フィードバック①:「二つの事」という文言が後述でも繰り返し登場しているので、ここでは「売上改善に注力しました」で問題ないと思います。また、余裕があれば定量的な情報を冒頭で簡単に述べてもいいかもしれません。(例)「アパレル販売のアルバイトにて売上改善に注力し、前年度売上比130%を達成しました。」②:店舗の環境と現状についてよく伝わってきました。少し細かいですが「楽しく働ける状況ではない」について、読み手によっては「利己的である」という印象を受ける方もいるかもしれません。「そのような状況に問題意識を持った」あるいは「やるせなさを覚えた」などの表現に書き換えた方が良いかもしれません。④~⑦:1つ目と2つ目の双方に再来店しやすい店舗づくりの内容が述べられており、内容が混在しているという印象を持たれる可能性があります。1つ目を「店員の意識改革」、2つ目を(再来店していただくための)「接客スタイルの変革」というように、分けてもいいでしょう。また、ESに必ずしも書く必要はありませんが、面接に向けてなぜ再来店の機会増加に着目したのか、自身の中で整理できていると尚良いと思われます。「店舗目標の再検討」について、再検討よりもむしろ店員全員で目標を共有した点に意義があるような印象を受けましたので、「再検討」の文言は言い換えても良いのではないでしょうか。また、自然に「店員自らが自店の特徴の分析と理解を行う」とはなかなか思えませんので、一人一人がそのような意識を持つまでにどんな工夫をあなたが施したか端的にでも述べるべきでしょう。加えて、接客スタイルの変革をよりわかりやすく伝えるためにも変革前のスタイルについて簡単に述べてもいいかもしれません。⑧:一文が長くなってしまっているため、「結果、〇〇できました。この経験より、」のように二文に分けましょう。また「個人として課題解決のために周りを巻き込み協働させる」では、オリジナリティに欠けます。このエピソードでは共通意識を持って方向性を合わせていくという学びにより重点を置いた方がいいでしょう。(例)「周りを巻き込んだ課題解決に取り組む際には、やみくもに施策を施すのではなく共通意識を持つことによって方向性を合わせることが重要と学んだ。」(※あくまでも一例です。)「学び」を書く際は、あなたしか知らない“その経験の成功の秘訣”を、ビジネスでの応用が効く要素に抽象化することで「あなたならでは」かつ「企業で活かせる」方法論になります。【参考】以下の記事にて有名企業内定者の方法論を掲載しているので、参考にしてください。添削⑫:取り組み内容にマッチした結論部分にしよう①私が学生時代に力を入れたことは、開校当初3人だった学習塾の生徒数を50人超にする目標を達成したことです。②私は塾講師としてだけでなく開校当初からの運営メンバーとして裁量権を与えて頂き、社長や塾長と共に「通いたい・通い続けたい塾」を目指し工夫を重ねてきました。③実行策の一つとして、生徒の成績とモチベーションが低く宿題の提出率が低いという課題に対して、塾長と授業内容を抜本的に見直し「宿題テスト」のシステムを導入しました。④この取り組みは、生徒が学習習慣を身につけ勉強への耐性をつけることを目的に、授業序盤に前回の宿題に沿った独自のミニテストを毎回作成・実施するというものです。⑤導入後は宿題提出率が100%になるだけでなく生徒の成績向上にも繋がり、その後の塾のスタンダードとなりました。⑥また、この施策に加えた私の担当クラス独自の取り組みとして「満点ポイントカード」を導入しました。⑦これは宿題テストで満点をとれた生徒にはその都度ポイントに連動したシールを与え、一定以上のシールを集めることで文房具と交換できるシステムです。⑧子どもの収集欲を刺激するだけでなく、カードや景品を塾外での話題に繋げ潜在的な新規生徒へのアピールを目的にしました。⑨この方法により生徒や親のクチコミが広がり、担当する小学生クラスの生徒数が1年で7人増加しました。⑩以上の取り組みの結果、開校当初の目標だった生徒数50人の達成に貢献できました。(600字以内)フィードバック①:「既存生徒の成績向上→2つの目の施策で口コミが広がる→生徒数50人以上達成」というロジックかと思いますが、冒頭の結論部分から「集客に力を入れたのかな」と読み手は推測してしまいます。よって、直後に既存生徒の成績向上活動についての記述が始まることに少し違和感を感じてしまいます。結論部分「生徒数を50人超にする目標を達成」にフォーカスするのであれば「また、この施策に加えた〜」以降を中心に構成していくか、「新たな塾生獲得にはまず既存生徒の士気を上げて教室内の空気を変える必要があると考えた。(orため、)」などのような前置きが必要かと思います。あるいは、冒頭の結論部分を「学習塾の活性化に注力した」→締めの結論部分を「宿題の提出率100%にし、かつ担当クラスを7人増加させた。」としてもいいでしょう。結論部分で示す成果は、取り組み内容に沿ったものにしましょう。間接的に繋がっていても、冒頭から読んでいる読み手には違和感が感じられます。よくあるのが、二つの取り組み内容に対して結論部分が片方にしかマッチしていないパターンです。③:少し一文が長く感じます。「一つは、生徒の成績と宿題の提出率低下を解決するために塾長と考案した「宿題テスト」の導入です。」で十分通じるかと思います。④~⑤:OKです。ただ、読み手によっては「宿題提出率が低かった小学生達にテストを課したところで全員がモチベーションを上げる?」と思うかもしれません。ただテストを導入するだけでなく、導入の仕方に工夫があった、もしくはテストの中身に工夫があったのであれば書いておきたいところです。面接では、導入時の生徒達の反応や意識の変化について詳しく語れるようにしておきましょう。⑥~⑧:OKです。⑨:塾生3人→50人以上という成果にはインパクトがありますが、あなたの担当クラスの7人増加がどれぐらい凄いことなのかあまりピンときません。「〇人だった私の担当クラスの人数が~」というふうに、さらっとでもアピールするといいでしょう。最後に字数制限が600字以内ということで比較的余裕を持って取り組み内容が書けたと思います。これが300字以内や400字以内となった場合、塾講師経験としてはやや特殊な背景(開校当初からの運営メンバー)を説明しつつの構成になるので難易度は上がります。自分の中で伝えたいことの優先順位はつけておきましょう。【参考】以下は文字数ごとに大手企業内定者のガクチカを集めた記事です。解説も掲載しいますので、参考にしてください。添削⑬:組織に働きかけたエピソードは変化の過程を示して説得力を高めよう①300名所属する〇〇〇〇部の代表として長年成し遂げられていなかった学内戦の優勝と関東大会ベスト4に導いた経験である。②私が代表に就任するまでは試合に出られない部員がチームに貢献できる場が少なく、それにより部員間のモチベーションが異なる状態だった。③目標達成のために組織力の向上が不可欠だと考え2つの取り組みを行った。④第1に、自チームと同様の課題を抱えている他大学のチーム10団体を巻き込み、普段試合に出場できていない選手の試合機会確保を目的とした大会を企画し、活躍の場を設けた。⑤第2に、部員と1対1のコミュニケーションの機会を増やし、良い意見は必ず実行、改善点は次の練習までに必ず修正する、出た意見を全員に共有する。⑥これを日々積み重ねることで部員との信頼関係の構築に努めた。⑦これら2つの施策によりチームに一体感が生まれ、各部員に主体性や責任感が芽生え、その結果、チーム目標を達成することができた。(400字以内)フィードバック①:OKです。③:「組織力」という言葉では抽象的なので、もっと具体的に「目標達成のためには○○することとが不可欠だと考え~」とした方が、あなたの着眼点をアピールできます。また、ここで浅すぎる分析を書く人も多いです。(例)「サークルの赤字の原因は、支出が収入を上回っているからだと考え、~」ガクチカにおいて、課題への分析内容や議論の結果が浅すぎるものが多い。例:「早期退塾の原因は、塾への満足度が低いからだと分かった。」ここであなたならではの思考や着眼点をアピールしたいところ。内定者のESから一部抜粋したので参考にしてみてほしい。pic.twitter.com/EsqamU5Sao—郡山隼人@就活サイトunistyle編集長(@unistylehyt)August25,2020④:どう巻き込んだのかあなたなりの工夫を端的にでも書くとさらにいいでしょう。SNSで声をかけたのでしょうか、集まる機会を設けたのでしょうか。⑤:本来ならここをもう少し具体的に書きたいところですが、今回他の取り組みや字数を考えると仕方ない気がします。よって、面接では「良い意見の実行」と「改善点の修正」の具体的なエピソード、「どんな意見を共有すればチームにどんな変化があったか」を詳細に語れるようにしておきましょう。組織に対して働きかけたエピソードを語る際、「こんなことをした→結果~」というロジックだと「そんな簡単に集団って変わる?」と思われてしまいます。「こんなことをした→メンバーの変化→結果~」と説明することで、説得力が高まります。⑦:「一体感」というワードよりも「これらの施策により課題であったチーム内の温度差が解消され、各部員に主体性が生まれた。結果~」などの表現の方が冒頭とより噛み合うと思います。最後にいくつか指摘しましたが、現状でもよく書けていると思います。面接でいかに二つ目の取り組みについて分かりやすく語るか、という練習に励んでおきましょう。【参考】以下に面接にけるガクチカの深堀り対策記事を貼っておきますので、参考にしてください。添削⑭:抽象的な言葉は”自分の言葉で”説明できるようにしておこう①「○○○○」に参加したことです。②このイベントでは、大学での教育をより良くするための方法を話し合うもので、大学2年生の時に参加しました。③私はここで、人の話をよく聞き、場の雰囲気を円滑にするという強みを発揮しました。④イベントには、教員、職員、他学部他学年の生徒達200人以上が集まりました。⑤チームで話し合う場では、意見が次々に出たために話が上手く纏まりませんでしたが、私は自分が発言をする前に他人の意見をよく聞いてから発言をしました。⑥その結果、チームの意見が纏まりやすくなり、教員や職員の方々に伝わりやすくなりました。⑦このように、良いチームづくりに貢献しました。(300字以内)フィードバック①:「○○に参加して△△したこと」というふうに、成果まで示した方が望ましいです。②:「より良く」では、このイベントがどういったものなのかピンとこないので、もう少し具体的な目的を書いた方がいいでしょう。③~⑤:抽象的で、議論の飛躍が見られます。・まずは抽象的な表現を変えてみましょう。「大学での教育をより良く」「良いチームづくり」これらについて、あなたの考える「良い」を具体的に定義すると良いかと思います。抽象的な言葉は使わない方が無難ですが、もし使う際は面接に向けて「その言葉が自分にとって何を意味するか」を考えておきましょう(例)「私は、『協調性』とは『異論を受け入れつつも自らの主体性を損なわないこと』だと考えています。私が所属するサークルでは~~のようなことがあり、このような考えにいたりました。」就活において抽象的な言葉を使う際は、「自分にとっての○○とは」をしっかり説明できるようにしておきたい。・リーダーシップ・グローバル・協調性・コミュニケーション力・成長・やりがい・チームワークetc...—郡山隼人@就活サイトunistyle編集長(@unistylehyt)July10,2020・次に論理の飛躍を解消しましょう。「他人の意見をよく聞いてから発言」しただけで勝手に200人以上の「意見が纏まりやすく」なることはないはずです。大人数の意見をまとめるための自分なりの方法論を示した方がいいでしょう。また、取り組み内容が「人の話をよくきく」では正直弱いので、「議論形式を変えて意見の交換をスムーズにした。具体的には、~」といったレベルで伝える必要があります。本記事の「添削①」でお伝えした「心がけレベルではなく再現性ある行動を」というアドバイスが今回も当てはまるので、そちらも参考にしてください。⑥~⑦:取り組み内容の具体化と同様、成果部分も「団体の議論効率化に成功し、教員や職員の方々から○○のような声をいただいた」といった具体化が必要です。最後に・「心がけ」ではなく「仕組み化」or「方法論」を示すこと。・抽象的な言葉は読み手が脳内で映像化できるくらい具体化。この二つを意識して、見直してみてください。【参考】本記事では二回目の登場となりますが、意見交換においての工夫を伝える際は以下の記事が参考になります。ガクチカ完全攻略記事一覧「学生時代頑張ったこと」は就活において最重要設問と言えるほど頻出です。よってガクチカを武器にできればあらゆる企業の選考で有利に戦うことができます。unistyleのコンテンツを駆使し、さらなるブラッシュアップに励みましょう。以下にガクチカに関する記事を一覧にしてまとめましたので、参考にしてください。ガクチカ完全攻略記事一覧1.そもそもガクチカって何?2.ガクチカがない人の対処法3.ガクチカの書き方を徹底解説4.ガクチカの例文を紹介(1)ガクチカでゼミ活動をアピールするには(2)ガクチカでサークル活動をアピールするには(3)ガクチカで留学経験をアピールするには(4)ガクチカで長期インターンシップをアピールするには(5)ガクチカでボランティアをアピールするには(6)ガクチカで研究(研究室)をアピールするには【理系学生向け】(7)ガクチカで体育会系部活動をアピールするには(8)ガクチカで資格・TOEICをアピールするには(9)ガクチカで趣味をアピールするには(10)ガクチカでアルバイトをアピールするには5.面接でのガクチカ対策と頻出質問10選 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総合商社社員が関連会社への出向で劇的に成長する3つの理由 総合商社社員が関連会社への出向で劇的に成長する3つの理由 総合商社の社員となると、海外駐在だけでなく関連会社への出向もかなりの割合ですることになります。割合としては大体ではありますが、本社勤務が4割、海外駐在が3割、関連会社への出向が3割といった感じになっています。出向というと銀行のような出世の終わりといったネガティブなイメージを抱く人が多いかもしれませんが、総合商社における出向、特に若手のうちの出向はポジティブな意味合いが強いものだといえます。今回は総合商社社員が関連会社への出向を通じて成長する3つの理由について説明したいと思います。関連:半沢直樹で誤解して欲しくない!「出向」の現実と総合商社における出向の具体例出向先社員からの厳しい視線総合商社で関連会社に出向する際には、出向先の優秀な社員の厳しい目にさらされることになります。総合商社から関連会社に出向する場合には、関連会社の若手社員と同じような営業の現場に出るケースは少なく、本社の経営企画部や新規事業の部署などに配属されるケースが多いです。関連会社の本社の経営企画部や新規事業の部署には基本的に、関連会社の中でもエース級の仕事が出来る社員が集まります。一方でエース級で仕事が出来る社員とはいっても、給与水準で総合商社にかなうケースは少なく、給与に関しては「出向してきた総合商社社員>>関連会社のエース社員」になります。プライドの高いエース社員ほど、この現実に対して厳しい目線を投げかけます。つまり、「おれより高い給料もらってるんだから当然仕事もできるんだよね?」という目線でみてきます。会社に入るとよくわかりますが、会社員は誰が仕事ができて誰が仕事ができないのかということに恐ろしいほど敏感です。そして自分より仕事ができないのに高い給与をもらっている人に対しては厳しい態度で接してしまうものです。総合商社という同じ会社の中であれば、仕事の出来る出来ないと給与にはある程度の相関性があります。(もちろん下記のコラムで紹介したような仕事ができないが高給をもらう人もいますが。。。)関連:総合商社の窓際族ウインドウズ2000の哀愁総合商社の社員として、こうした関連会社の社員と協力して目標を達成するためには、彼らに認められる仕事を常にして、信頼してもらう必要があります。常に厳しい目線にさらされていることを理解しながらストレッチして仕事をすることで、同質性の高い同じ会社で勤める社員の中で仕事をするよりも、早く成長することが可能になります。年齢の割に高い役職総合商社から関連会社に出向する場合には、年齢の割に高い役職につくチャンスが多くあります。関連会社の社員であれば40代でマネジメント職につくのに、総合商社から出向することで30代のうちにマネジメント職につくことができるといったケースが多々あります。関連会社が非常に小さい企業である場合には、30代のうちに役員として出向するケースもあります。総合商社本社において、マネジメント職である課長につくには40代前後ですが、20代、30代のうちから出向先にてマネジメント職としての経験を積むことができます。もちろんマネジメント職になる上でも、前述の通り、エース級の社員を束ねる必要があり、役職がついているからと無条件で信頼してもらえるわけではなく、出向先で信頼されるマネージャーになる上では通常よりも高いリーダーシップが求められるといえるでしょう。社外でも通用するスキルの習得部署異動があるとは言っても、ずっと同じ会社で仕事をし続けると、社内ルールにやたらと詳しくなるばかりで、社外でも通用するスキルと社内だけで通用するスキルの見分けがきかなくなりがちです。基本的にはどの職場においても、人に協力してもらうために大事なことやリーダーシップを発揮する上で大事なことは変わりません。関連会社に出向してガラッと仕事のやり方や、社内ルールが変わる中で、こういった仕事を成功させる上で大事な考え方という本質的な部分を考えることができると、どんな職場でも通用する考え方、スキルを身に着けやすいです。社外でも通用するスキルというと、語学や技術、資格などのハードスキルに目がいきがちですが、そうではなく「リーダーシップ」、「信頼関係の構築」や「多様な価値観のメンバーとの協力」といったソフトスキルを身に付ける上で、出向先というのは非常によい環境であるといえるでしょう。最後に出向というと、ネガティブなイメージを持つ人が多いのですが、総合商社における出向はこのように劇的に成長する上で大事な要素が詰まっているものです。自分のキャリアを積む上で「ソフトスキル」をどう積み上げるかは非常に大事なもので、出向することで劇的に高めることが可能です。総合商社を志望していない方についても、自分自身のキャリアを考える上で、どのようなソフトスキルを積み上げたいと考えているか、このコラムを参考に考えてみていただければと思います。photobyTheMarmot 35,294 views
「就活と自殺」論に待ったをかけよう。ー早期化・長期化・新卒一括採用は繋がっているー 「就活と自殺」論に待ったをかけよう。ー早期化・長期化・新卒一括採用は繋がっているー ・リクルートキャリアの内定辞退率問題・名立たる大企業の新卒一括採用の廃止・就活生の負担増加ー長期化・自殺問題ここ最近、就職活動にまつわるニュースが後を絶ちません。世界の産業構造や労働市場に対する考え方など、様々な国内外の情勢が変化している昨今。そういった変化を追うかのように、就職活動界隈にもこれまでのやり方・考え方が通用しない部分がいくつも生じてきています。unistyleでも「新卒の待遇変化(一律初任給の撤廃)」「終身雇用の撤廃(大企業におけるリストラ)」といったテーマで以前にも以下のような記事を掲載しています。【参考】本記事ではそんな就職活動の変化に関するニュースをいくつかピックアップし解説しますが、就活生の皆さんには単なる事実確認の読み物に終始していただきたくはありません。各トピックの関係性を体系的に理解し、"就職"・"雇用"といったものについての全体像を認識していただければと思います。本記事の構成「#就活をもっと自由に」ーあなたは本当に"自由"を求めますか?"自由"な就活。その先にあるものは何か「オープンな就活」の功罪ー企業は"ズルい"のか?就活と自殺ー企業は"人殺し"なのか?就職・自殺・新卒一括採用・長期化・センター試験...ーあらゆるニュースは繋がっているー最後に「#就活をもっと自由に」ーあなたは本当に"自由"を求めますか?昨年の10月頃の就活界で最大の話題と言えば、「#就活をもっと自由に」でお馴染みのP&Gが打ち出したプロモーション・キャンペーンでしょう。#令和の就活ヘアをもっと自由に出典:パンテーン公式サイト#HairweGo渋谷駅での大々的な広告やSNS上での拡散もあり、本件をご存知の方は多いと思われます。黒髪に染め黒色のリクルートスーツに身を包んだ画一的な容姿に整え選考に臨むことが暗黙の了解として漂う新卒就活。そんな容姿の制限は「偽っている自分」を演じているようなものだとして、より自由度の高い髪型・服装が広まるべきだというある種のムーブメントが就活生やその上の社会人にまで沸き上がりました。(筆者としては、「内定式に、自由らしい髪で来てください」「自由な髪形で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」というメッセージはあくまで内々定を獲得した後の内定式という式典にフォーカスした記述であるため、「内定を獲得する」ためのプロセスである選考活動と並行で語るべきではないとも思っていますが)"自由"な就活。その先にあるものは何か「他人の制約を受けない」「縛られない」のような語義から基本的には好意的に用いられる"自由"という言葉。入学当初茶髪等に染めた髪を就職活動のために染め戻すのも・社会人になってからは機能しにくいデザイン性に乏しいリクルートスーツを就職活動のために購入するのも、共にコストがかかる行為であり、好きな髪形で・好きなスーツで(もしくはそもそも私服で)選考に臨めたらいいなと考える就活生は多いでしょう。一方で、このような制約は一部就活生にとってプラスになることもあると思っています。"髪型"・"服装"が選考基準に追加される黒髪・黒スーツで多くの就活生が選考に臨む現在では、それに倣うことで「髪色がダメ」「服装のチョイスがダメ」といった判断で評価を落とすリスクが軽減されます。(もちろん、髪がボサボサ・スーツがヨレヨレではダメなわけですが)仮にこれが完全に自由化し、各就活生が好きな髪形・好きな服装で選考に臨むことになった場合、当然その部分は選考の結果に何らかの影響を及ぼすことになります。直接的に「センスのある服を着ているか」といった評価軸を取る企業は稀だとしても、服装・髪型といった部分で人の印象はそれなりに変わるものです。ましてや人事も一人の人間ですから、その人にとって好みの髪型・服装かによって合否が分かれる可能性すら考えられます。髪型・服装の制約が解けることで、確かに自由度は高まるかもしれませんが、平等という観点からすれば黒髪・黒スーツで均一化されていた方がよいという考え方もあっていいと思います。それにより、「就活生必見!人事にウケるヘアスタイル8選!〇〇業界には〇〇ヘア!?」のようなネット記事や憶測が乱立することを、果たしてどれだけの人が望んでいるのでしょうか。参考:「自由」は制限された方が心地よいこともある先述の通り、自由は基本的に好意的な意味で用いられる言葉ではありますが、時にしてそれが制限された方が良く感じるケースもあるでしょう。例えば、皆さんの中にも小学校の時に「自由研究」という長期休暇の宿題があった方がいるかもしれません。「自由」というからには基本的には常識の範囲内で何をやってもいいわけですが、その裏には「休暇中に終わるレベルで」「先生に提出物として認められるレベルで」という満たすべき条件が存在しています。何でもやっていいと言われると、逆に何をしたらいいかわからず、結局着手が遅れて先に進まないという経験をしたことがある方もいると思います。だとすれば、「読書感想文」という指定がある中で、「でも読む本はこの10冊の中から好きなものでいいよ」ぐらいの自由度の方がやりやすいケースはあるでしょう。「オープンな就活」の功罪ー企業は"ズルい"のか?リクナビ・マイナビの誕生以降、現在の就職活動ではボタン一つで企業へエントリーし、書類選考で足切り→GDや面接で合格者を決定といった流れで選考プロセスが進むようになりました。エントリーや企業情報収集のためのツールだけでなく、それこそunistyleのようなES・選考体験・就活テクニックを提供するWebメディア・新卒専門のエージェント・OB訪問のマッチングアプリ等も誕生していき、あらゆる情報をインターネット上で収集できる時代になりました。その前はいわゆるコネや体育会の繋がりといった、その対象者でないとどうすることも出来ない要素で内定獲得が決定してしまう側面が大きく、情報格差の低減に就活メディアが寄与したことは事実でしょう。しかし、これだけ多くの情報が開示される一方で、まだまだ問題視されている部分も存在しています。「#就活をもっと自由に」の根幹にある「オープンな就活」先ほどから「#就活をもっと自由に」についてP&Gのプロモーションと紐づけて説明していましたが、髪型・服装にとどまらず、実際は日本の新卒就活のやり方そのものという広い範囲で語れるケースが多い印象です。中でも、学生と人事の間の情報格差や立場の差については様々な議論が飛び交っています。具体的には、〇学生は一生懸命選考対策をしているのに、人事がお祈りメール1本で不採用通知とするのはおかしい〇企業はESや面接で学生のことをあれこれ聞くのにも関わらず、企業の選考基準がブラックボックス化しているのは不公平〇面接とは企業と学生騙し合いに過ぎず、学生が本音を言えるような環境が今の就活には備わっていないみたいな話が該当します。参考:確かに、行き過ぎた広報活動等企業側がミスマッチを生み出すような行為は存在しており、学生側に対し真摯な対応をしていないケースはあると思っています。学生と企業が常に本音を言い合い、学生側はやりがいをもっていきいきと働け・企業は自社に適した戦力となる人材を採用できるというあるべき姿はしばしば語られるのですが、それを実現の方向に近づけるには他の課題も巻き込む必要があると考えています。早期化・長期化は避けられない真のオープンな就職活動を実現するには、学生と企業がお互いのことをより深く認識する必要があります。学生は企業の情報を集めるために・企業は学生と早い段階から接点を持って囲い込めるように、数年前から活発化したのがインターンシップという取組みです。元々学部生の場合3年~4年にかけての春がスタートかつピークだった新卒就活は、今や3年生の6月(もしくはそれより前)に始めるのが特に上位校の学生にとっては当たり前に変わり、昔と比べて早期化・長期化したことが指摘されています。特に「3年で3割が辞める時代」と言われる昨今、学生と企業の間の情報の非対称性・ミスマッチを低減するという意味で、インターンシップを始めとした就職活動の早期化には一定の効果が見込まれます。出典:こちらの記事でも指摘した通り、早いうちから学生と企業が接点を持つこと自体は悪いことではなく、現在の産業構造や労働市場の傾向からすればある種自然なことだと考えています。もちろん、今後テクノロジーが発達し、インターン・面接といった採用活動がガラリと変わる、もしくは選考という概念すら無くなる可能性はあるでしょう。しかし、現状お互いのことをよりオープンにするには、「より接触を増やす」ことが重要な手段の一つであることは確かです。にも関わらず、「日本の嘘つき合戦の就活はダメ。でも早期化・長期化は学業に影響するからダメ。学生の本分は勉強だぞ。経団連は一体何をやってるんだ。」のような就職活動の文句だけ述べるコンテンツやSNS上での発言が最近しばしば見られることは問題に感じています。学生の負担は確かに一昔前よりも増えたかもしれませんが、その多くは「社会人生活の第一歩の決定」という明らかに自分の人生を充実させるために注力すべき行動です。内定獲得だけを目的に参加するインターンだろうと・自分の価値観との摺り合わせを行うためのOB訪問だろうと、それは自分の将来のためにやっておいて損は無いことであり、就職活動が学業を妨害しているという考え方は行き過ぎていると考えます。そもそも、仮に就職活動にかける時間が短くなったとして、本当にその分を多くの学生が学業に充てるのかは疑問であり、就職活動対学業という構図は本質的ではないと考えています。「騙し合い」の就活は不毛なのか?オープンでない就職活動では、お互いが自分のことを大っぴらにせず「内定獲得」「質の高い人材の採用」に向けて行動することで騙し合いが行われていると言われています。面接を中心とした数少ない接触でお互いの目先の目的を達成するには、ある程度自分の本音を隠す気持ちも理解できます。一方、だからと言って現状の就職活動のことを不毛と言うのは浅はかではないかとも思っています。まず、現在の就職活動の一般的なフローは、多くの企業が近しいやり方をとっている以上現状それがベストプラクティスなはずです。限られた予算・期間でゼネラリストを養成するための人材を獲得するためには、ある程度書類で絞ってその後複数回会うというやり方自体はそこまでおかしいものではないでしょう。(現状の採用コストを大きく変えることなく企業にとって本当に必要な人材を選定できるシステムを開発したならば、その人は一儲けできるはずです)日本は「はたらくことを楽しめているか」という指標で世界最低水準になります。世界最高はアメリカの30%超えで、世界平均で10数%程度になります。しかも日本はここ3年程度で7%から6%に下がっているんですね。6500万人いる日本の労働人口の1%なので相当な数になります。出典:上記で述べたように、日本ではたらくことを楽しめている人は6%程度と言われています。同記事では「外国の人は卒業後にインターンをして自分のスキルを高めて専門性を身に着けてから社会に出るからミスマッチが起きず、働かされているという感覚がない」という記載もありますが、世界で一番はたらくことを楽しめているらしいアメリカですらその割合は30%程度。すなわち、ポテンシャルではなく専門性による採用をしても皆が皆仕事を楽しめるようになるわけではなく、多くの人にとって基本的に仕事とは楽しくなかったり面倒であったりするものだと言えるでしょう。仕事とは確かにやりがいやら自己実現やらのために存在する面もありますが、根幹には世の中を回すため・食い扶持を求めるためのものである性質が強いと考えます。(それが良い悪いではなく、現実的にそうだという話です)採用のやり方がどうこうという仕組み以上に、人類が全員自分の好きな仕事をしていてはそもそも社会は成立しません。労働者側が「働く」という行為に対してネガティブな印象を抱くことが多い以上、その思いをそっくりそのまま面接の場でぶつけたところで意義深いものであるとは言えないでしょう。よって、現状としてオープンでない就職活動を不毛するのは的外れであり、そもそも労働市場の仕組みや労働者の意識といった根幹を変えないことには、「#就活をもっと自由に」みたいなものの真の実現は難しいと言えるでしょう。就活と自殺ー企業は"人殺し"なのか?今年、就職活動中の学生が自ら命を絶つことをトピックにした記事が複数話題を集めました。ネット上でも様々な意見が飛び交っていますが、unistyleの立場としては、「就職活動をきっかけに精神的に追い込まれ自ら命を絶つ選択」についてはあってはならないと考えることがまず前提にあることをご理解ください。また、実際に学生の人格を否定するような発言をする人事というのは存在しており、そのような明らかな誤った言動・行動についてもあってはならないものとして捉えています。就職活動の「辛さ」や「不安」とは何か?就職活動を終えた先輩に「就活ってどんな感じですか?」とオープンクエスチョンをしたとします。その返答は、先輩個人の立場や属するコミュニティーにもよるでしょうが、多くの場合「大変だった」というニュアンスを含むものが多いはずです。少なくとも、「自分のやりたい仕事を探求できる貴重な機会だから楽しかったよ」のような返答をする方は珍しい方だと思います。では、その「大変さ」とはどこから来るものなのか。もちろんESの提出や説明会や面接会場に足を運ぶといった物理的な忙しさは一つにあります。一方、いくら早期化・長期化が進んだとは言え、選考関連で多忙を極める期間というのは一般にそれほど長い期間ではなく、例えば受験勉強と比べればかける時間自体は短いという方が多いはずです。(以下の記事で述べたように、圧倒的に時間を割くことで成果を出せるような方もいるにはいるのですが...)参考:就職活動の「大変さ」とは、物理的な忙しさというよりも、何となく卒業前年の6月までに内定先=将来の働き先を決定できているのかという漠然とした不安感によるものが多いのではないかと考えています。また、自身の"就活力"のようなものは模擬試験で定量的に測れるものではないため、自分の現状や今やっていることの方向性が合っているのかという不安や相性の悪さによる選考落ちといった不確実性も一因にあるでしょう。雇用の流動化が相対的にまだ低い日本では、いわゆる新卒カードの力というものが強く、「新卒(卒業までに)で何とかしていい企業から内定を貰わなければ」という意識が働きやすいと言えます。とは言え、新卒一括採用は「スキルや経験に乏しい学生のポテンシャルを評価して採用する」ものである以上、若者層の失業率低下に寄与している面があるのも事実です。現在の就職活動のシステムで結果を出せないような学生が、スキル・実績を評価する採用方式になったら結果を出せるようになるというのはあまり無い話だと思っています。就職活動でやるべきことは、仕事と比べればまだ正解が明確なものであり、「ポテンシャル評価で職に就く活動」で成果が出来ない人が仕事での実績や市場評価といったものを積み上げられるケースは多くないでしょう。以上より、「未だに新卒一括採用なんかやってるから自殺者が出るんだ」みたいな批判は短絡的なものであり、何か一つシステムを変えたとしても全ての問題を解決できるものではないことを認識していただければと思います。エスカレートしていく「人事が悪い」論先述の通り、「#就活ハラスメント」と呼ぶに相応しい人事から学生への不適切行為・言動というのは実際に存在します。就活生にとって企業の顔とも呼べる人事は、就活生から見れば「内定の出す出さないを判断する人」です。就職活動は単純に落ちることの方が多いものであり、好印象を与える機会はなかなか作りづらいものと言えます。そんな中、人事の悪い発言ばかりがフォーカスされ、とにかく学生は哀れな存在・人事は人殺しかのような、学生は正義・人事は悪者論のポジショントークが散見されます。就職活動では精神的に辛く感じることも多く、うまくいかないことを企業を始めとした他者のせいにしてしまいたくなる就活生の心理を利用し、正義の味方として悪を懲らしめるかのような発言には注意が必要です。バズや共感を集めることに注力する薄っぺらい正義に対して盲目的にならないよう、就活生の皆さんは意識していただければと思います。就活・自殺・新卒一括採用・長期化・センター試験...ーあらゆるニュースは繋がっているーここまでは直近の新卒就活界で話題のトピックについて個別に取り上げていきました。最後に皆さんには、各個別のニュースはそれぞれ独立して存在しているだけではなく、何らかの形で繋がりがあるということをお伝えしたいと思います。「自由」をテーマに試行錯誤する就職活動とセンター試験皆さんの多くも受験経験があるであろう大学入試センター試験は、2020年を最後に終わりを迎えます。思考力・判断力・表現力やらを重視する「大学入学共通テスト」については、公平性・採点量・意思決定の遅さなど様々な問題が指摘されており、筑波大学付属高校の生徒の発言が取り上げられた以下の記事も話題を集めました。設問条件をガチガチに固めておいて、与えられた文章、資料から必要な情報、キーワードを抜き出せるように誘導して、採点するわけです。これのどこが思考力を問う問題なのでしょうか。参考:AERA.dot筑駒生、大学入学共通テスト中止を訴える「ぼくたちに入試を受けさせてください」何十万人規模の学生が受験する共通試験である以上、採点基準の明確化というのは守られるべきものです。それと思考力・判断力・表現力の判定の両者を担保しようとした結果、記述式だけどほぼ抜き出し問題に等しいという中途半端な形でまとまってしまい、筑波大学付属高校の生徒に限らず各所から批判の声が挙がっています。これまでの「解答は各設問につき一つのマークシート形式の試験」は確かに画一的で傾向把握や過去問の暗記で点数が上がる面は確かにありましたが、それでもセンター試験は自由度が低いからこそ中立的・公平な試験であったと「失って初めて浮き上がる良さ」に気づいた指摘もなされています。先ほど「自由は制限された方がいいこともある」と述べたのはまさにこれに関連しており、「スーツは堅苦しいけど公平性を高める一因になっている」「マーク式は画一的だけど相対的に効率性・公正性共に担保された試験になっている」のような考え方の共通項は各所で存在しています。昔と比べれば第二新卒や中途採用の枠が広がり、unistyleを始めとした就活メディアが広く情報提供するプラットフォームが備わり、就職活動は自由度が高まってきています。だからと言ってそれで皆が皆幸せになるわけではなく、今度は溢れる情報から自分にとって有益なものを取捨選択し、それに基づき実行に移す力が強く求められるようになっていきました。「嘘つき合戦」と「早期化・長期化」を同時に一括して解決するのが現状では難しいように、何でも批判・これさえあれば何でも解決できるといったようなポジショントークは注目されやすい一方それこそ取捨選択がより重要なものです。unistyleユーザーの皆さんは情報に踊らされることのないよう、適切な思考判断をしていっていただければと思います。最後にJamesWebbYoungの有名な言葉に「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。」というものがあります。ここで言う「要素」というのは「個別事象」だけでなく、個人的には「考え方」というものも含むと思っています。「共通項を探る」という考え方は、就職活動に限らずビジネスでも何ならセンター試験でも必要であり、ひとまず実践してみるのはそう難しいものではありません。unistyleでも以下のような記事で近しいテーマを取り上げていますので、是非こちらも参考に思考を深めるきっかけとしてみてください。【参考】 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高学歴女子の就活でぶち当たった3つの壁 高学歴女子の就活でぶち当たった3つの壁 みなさん、はじめまして!大手金融に内定を頂いたM(早稲田大学)です。私は大学3年の後半から中国に2年間留学し、留学中の大学4年生から就活を意識し始めました。そして、留学生活と並行して、日本に一時帰国しながら就活をしました。国際的な仕事がしたいと漠然と考えていた私の第一志望は総合商社でした(もともとは外交官にずっと憧れていて、日本領事館でインターンもしたのですが、国家試験2種の勉強をする根性が無くて、悩んだ挙句、企業への就職に切り替えました)。そんな私の4か月という短いけど濃い、就活の経験が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。今回は、私が就活中に感じた3つの壁についてお話しします。1.女性総合職へのハードル私は企業への就職を決めた当時、一般職と総合職の区別すらよく分かっていませんでした。一般職って聞いたことあるけど、総合職と何が違うの?みたいな。漠然としたイメージでは、一般職=事務的な仕事、総合職=責任重い・キャリアが積める、って感じでした。その後、ネットや本で調べるうちに違いが分かるようになり、世界を舞台に働くキャリアウーマンになりたいと思っていた私は総合職以外の選択肢はありませんでした。そして、多くの企業で女性総合職の社員の割合も徐々に増えているということを知ったのですが、就活をしていると、女性総合職のハードルはまだまだ高いなと感じることが多々ありました。そう感じた場面をいくつか紹介します。OB訪問にて留学先の上海にて、現地に駐在している大手損害保険会社のOBを訪問した際、将来のビジョンを聞かれたため「中国語を活かして○○さん(OBの名前)みたいに上海に駐在したいです」って答えたら、「そういう子多いけどさ、結婚とか考えているの?女性は会社入ってもいずれ辞めちゃうからなぁ。夫とか恋人を置いて海外に来られる?」と聞かれました。その時初めて、女性は結婚して辞める人が多いから、企業は女性の総合職雇用にあまり積極的ではないのだと気付きました。結婚よりも仕事を優先する人もいるわけだし、一概にそうとは言えないけど、女性総合職の雇用は企業にとってリスクのあることのようです。なにか腑に落ちない気持ちでOB訪問の帰り道、そう思いました。次に、現地に駐在している総合商社のOBを訪問した時も、同じことを感じました。前回のOB訪問から気になっていたこと(ズバリ、女性総合職の海外駐在の割合は・・・?)を聞いてみると、その会社では女性の駐在員の割合は1割程度ということでした。理由は、男性には「明日から海外行って来い」って言えるけど、女性にはなかなか言えないとのことでした。商社でもそんなものなのかと、少し残念に思いました。会社説明会にて総合商社の会社説明会に行った時、社員紹介や交流会で出てくる社員の方がみんな男性でした。参加している女子学生の割合は1/3ほどなのに、需要と供給が合ってないじゃんみたいな・・・面接の待合室にて大手損害保険会社の2次面接の待合室で、6人中、女子は私だけでした。その日の面接にたまたま女子が少なかったという可能性もありますが、かなりアウェイでした。以上のように、説明会や面接の場面で、女子が少ないと肩身の狭さを感じることもありますが、気にすることはありません。堂々と振る舞いましょう!総合商社の女性総合職採用比率と他業界の比較2.結婚・出産を考えたキャリア形成女子にとって結婚と出産は仕事に影響を与えるライフイベントであります。最近ではイクメンも増えているようですが・・・私は結婚しても仕事を続けたいと思い、会社選びの際には産休や育休制度や女性社員の割合などを重視しました。また、OB訪問の際にも、女性の活躍度を詳しく聞きました。女性が働きやすい会社TOP〜みたいなランキングもありますが、ネットや本のみに頼らず、できればOB訪問や会社説明会で、社員の方に直接聞いてみることをお勧めします。あるコンサルタント会社の女子学生のための社員交流会に参加した時は、結婚後もバリバリ働く女性社員のお話がとても刺激になり、落ちかけていた就活へのモチベーションが上がったことを覚えています(その会社は育休・産休制度もかなり充実していました)。そのように、自分が将来こうなりたいっていう見本のような社員に会えることもあります。自分の周りに、キャリアウーマンがいない!という女子学生は、会社説明会やセミナーでお手本となる社員に出会ったら、その機会に色んな質問をぶつけてみてください!3.社会的イメージと本音のギャップ先ほどの話とは逆に、「高学歴女子=キャリアウーマン志望」と世の中的には見られることが多いけど、高学歴でも専業主婦に憧れる女子もいるでしょう。実際に私のまわりの友人達にも、「専業主婦志向」の子がとても多いです。私自身、就活しているときは結婚しても絶対に働くって思っていたけど、今後もし玉の輿に乗ったら考えが変わるかもしれません笑。主婦だって立派なお仕事をしていると思えば、決して専業主婦になることに対してマイナスのイメージを持つことはありません。最近では妻が夫を養っているという話も聞きますが、要は、家計が成り立てば夫と妻のどちらが働くかについてこだわる必要はないのでしょう。話が少々脱線しましが、「まずは有名企業で3年くらい働いて、将来は玉の輿を狙って寿退社」と考えている女子(将来はキャリアウーマンになっていたりして)は、志望理由で困ることが無いよう、早めに就活を始めるとともに、説得力のあるESのネタを探した方が良いでしょう。次回は、私が一般職ではなく総合職を選んだ理由について、もっと詳しくご紹介したいと思います。photobySergioSánchez 92,611 views

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