What is an MBA? ーMBA留学でキャリアを磨こうー

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最終更新日:2023年10月30日

What is an MBA? ーMBA留学でキャリアを磨こうー

企業研究

今回で第7回のunistyle転職シリーズ。
unistyleが調査した1,333名の転職者データをベースに、総合商社や外資系コンサル、リクルートなど人気企業の転職事情を考察してきました。

第7回のテーマは「MBA」
特定の業界に関する転職事情からは一旦離れ、「MBA」という切り口からキャリアを考えましょう。

まずMBAに関する基礎知識をまとめたうえで、unistyleの転職者データベースから実際のMBAホルダーを洗い出して彼らのキャリアを分析することで
・MBAとは何か
・MBAの意義とは何か
こうした問いに答えを出しましょう。

本選考とインターンの締め切り情報

MBAとは何か?

「MBA」、皆さんも就活で耳にする言葉ではないでしょうか?
「よくわかんないけど凄そう」くらいの認識でいる方も多いかもしれません。

「MBA」とは “Master of Business Administration” の略称。
日本語で言ってよ!という声にお答えするならば「経営学修士」、つまり「経営学の大学院修士課程を修了すると得られる学位」を指します。

「大学院修士」と言っても学部卒業後にそのままMBA進学するケースは極めて稀で、社会人経験を積んだあとでMBAプログラムを学ぶのが一般的です。
MBAプログラムは通常1〜2年間のカリキュラムが定められており、仕事を退職/休職する、社内のMBA派遣制度を利用する、仕事を続けながら週末・夜間で通学する等、様々なスタイルで取得することができます。

MBAのスタイル

MBA取得を検討するにあたって、仕事を離れるか/両立するか、国内で取得するか/海外留学するか、この2点は特に留意すべきポイントでしょう。

現在は国内でも定時制MBAや通信制MBAが普及しつつあり、仕事を続けながらMBA取得を目指すという選択肢も考えられるようになりました。

フルタイムMBAを履修するのであれば、必然的に何らかのかたちで現在の仕事を離れることになります。
現在の仕事を退職してMBAを取得するケースでは勿論、一時的な休職や社費MBA派遣(後述)を選ぶケースにおいても、「自分のキャリアを一時中断すること」に伴うリスクは念頭におくべきでしょう。

また、海外MBA留学になるとカリキュラムは全てin Englishになるため、MBA取得と同時に英語力向上も見込まれます(勿論、それまで留学や海外駐在の経験が乏しい方にとっては、それ相応の負荷もかかることは言うまでもありませんが)。
また、海外MBAには世界各国から優秀な人材が集まってきており、彼らと同級生として学べること自体も、海外MBA留学のメリットのひとつであると言えます。

社費MBA派遣制度

退職/休職を経て私費でMBA取得に漕ぎ着ける方法もありますが、学生さんのなかでは「社費MBA派遣制度」を利用するほうに興味を持たれる方が多いように思います。

外資系コンサルや総合商社などの大手企業の多くは、希望社員を社費でMBA留学に送り出す社内制度を整えています。

例:マッキンゼー・アンド・カンパニー

マッキンゼーはビジネスアナリストの海外MBA留学支援制度を整えています。
派遣人数には定員を設けておらず、「『留学が将来のキャリアアップに有用で、本人がそれを希望している』、そして『仕事において高い成果をあげてきた』ことが認められるビジネスアナリスト全員」が、海外MBA留学支援の恩恵を受けられるとしています。

海外MBA留学となると、留学経費は合計2,000万円ほどにのぼる場合もあり、このコストに対して支援を受けられることは魅力的でしょう。
また、MBA取得後は(基本的に)派遣元企業に戻ることになるため、MBA取得後のキャリアが一定程度保証されていることもメリットかもしれません。

一方、日系企業の一部ではMBA取得後の転職に縛りを設ける企業(MBA取得後x年間は勤続しなければいけない等)もあり、その後のキャリア形成に制約がかかるリスクも生じ得ます。
また、元マッキンゼー・アンド・カンパニーの伊賀泰代氏が著書で主張しているように「社費MBA留学派遣制度は撤廃すべき」という議論もあり、「なぜ自分はMBA留学に行きたいのか」という点は深く突き詰める必要があると言えるでしょう。

MBAの意義

では、MBAを取得することの意義、メリットとは何でしょうか。

日本で最も著名なビジネスパーソンの1人、大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学大学院(BBT大学院)の定義付けを拝借すれば、
MBAを取得する最大のメリットは「自ら考え判断する力」の獲得にあると結論できます。

BBT大学院は、ビジネスを取りまく環境が複雑化している昨今、MBAで培った「自ら考え判断する力」は ”正しい答えを出すのが難しい局面に対峙したとき、より正しい経営判断に導いてくれる” としています。

また、MBA取得によって「キャリアに箔がつく」ことも見逃せない事実です。

近年はMBAという選択肢が一般的になりつつあり、それに伴う反動として「MBAのカリキュラムでは実際の業務に活きるスキル、ノウハウは身につかない」といった議論もしばしば見られます。

しかし、それでもなお「転職市場において、”MBAホルダー”という看板は強い訴求力を持つ」というのは、かなり妥当な仮説だと言えるでしょう(あえて卑近な表現を選べば、「履歴書の見栄えが良くなる」ことです)。

総合商社やメーカー、銀行などの日系企業から戦略コンサルや外資系投資銀行などへの転職を志す場合、そのまえに海外MBA留学を経由して転職市場価値の向上を狙うことは、一般的なキャリア戦略のひとつになっています。

ただし上記の2点、すなわち「自ら考え判断する力」と「MBAブランド」に関する考察はあくまで一般的な言説に過ぎず、実際の転職市場においてMBAがどれだけの価値を持つかを測るのは難しいのが実情です。

以下では実際の転職者データを用い、MBAの価値を定量的に分析することを目指します。

MBAの意義を検証する

これまでのシリーズでもご紹介している通り、unistyleでは
① PEファンド
② ベンチャーキャピタル(VC)
③ 戦略コンサルティングファーム
④ 優良ベンチャー企業の役員クラス
以上4つの集団に対象を限定し、各企業の有価証券報告書およびホームページをもとに、全1,333名のエリート転職者のキャリアを独自にリサーチしました。

以下ではこの転職者データベースからMBAホルダーを抽出することで、MBA取得がキャリア形成のうえでどんなファンクションを発揮するかを検証します。

業界別・MBA保有率の比較

まず、上記4つの転職者集団ごとにMBAホルダーの割合を比較してみましょう。
一般的にビジネスエリートと呼ばれるこれらの集団ですが、そのなかでも業界によってMBA保有率に差があることが分かります。

人数・割合ともに最多となったPEファンドでは、ファンドメンバーの33.1%、実に約3人に1人がMBAを保有していることが分かりました。
ベンチャーキャピタル(VC)も次いで多くのMBAホルダーを抱えており、それに戦略コンサル、ベンチャー役員が続く構図となっています。

これらの数字から、以下2つの仮説が導かれます。

仮説① ファンド業務にMBAが効く

各種ファンド、とりわけPEファンドにおいては、MBA保有者の在籍比率で頭一つ抜けていることが分かります。

複数業界に俯瞰的な視座からコミットし、新規出資やイグジットをめぐる意思決定を行うファンド業務に、MBAで培った「自ら考え判断する力」が大きく貢献することは想像に難くないでしょう。

また、これらのファンドの多くでは「社外取締役の派遣などを通じて経営に参画することで、出資先企業のバリューアップ、ひいてはキャピタルゲインの最大化を実現する」というビジネスモデルが取られます。

このような(完全な当事者ではない立場から)企業経営の意思決定に関与するシチュエーションにおいても、MBAで得た知見が活きると考えられます。

一方、これらのファンドメンバーの多くは他業界で輝かしい実績を残したビジネスパーソンによって占められいるため、「そもそもファンド入りを果たすためにMBAブランドが有効」という側面も否定できません。

なお、ファンドの業務内容については過去記事を参照して下さい。

仮説② ベンチャー役員にとって、MBAは必ずしも有用ではない?

一方、ベンチャー企業の役員ポストにおけるMBA保有者は5.6%を占めるのみで、他の3業界と比較すると少ないように思えます。

当然、これには多数の要因が絡んでいると思われますが、とりわけ重要と思われるポイントを3点だけピックしておきます。

第一に、スタートアップにとってMBAホルダー雇用は簡単ではないこと。
とりわけ発展途上段階のベンチャー企業において、複数名のMBAホルダーを同時に雇用できるような企業ブランド、(主に給与面での)アセットを持ち合わせているケースは考えにくいと言えます。

第二に、「MBAを取得するまえに事業アイデアがある」ケースが多いこと。
今すぐにでも起業して事業化したいアイデアがあるとき、それを踏みとどまってMBA留学を選ぶ人間は少ないでしょう。

第三に、そもそもMBAの知見を必要としないケースも多いこと。
ひとたび雛形ができたビジネスをスケールしていく段階においては、地道な営業努力や業務改善がキーになることが多く、そこはMBAの知見が真価を発揮するフィールドではないのかもしれません。

注目すべき事実:特定領域にMBA保有者が偏在している

上記のチャートは業界ベースでMBA保有比率を比較したもので、特にファンドにMBA保有者が多いことがわかりました。

しかし、これを各企業内ごと、更には企業内での役職にまで踏み込んで比較すると、また変わった風景が見えてきます。
ファンドと比較してMBA保有率が低く見えた戦略コンサル、ベンチャー役員のなかでも、特定の領域には非常に多くのMBAホルダーが在籍しているようです。

① 外資系戦略コンサルのマネジャー以上の職位者
優秀な人材が集う戦略コンサルのなかでも、外資系トップファーム4社のマネージャー以上の職位*(unistyleが調査できた社員107名)に対象を限定すると、MBA保有率は実に60.7%
MBA保有率21.7%であった戦略コンサル全体(ドリームインキュベータ等の日系ファームも含む)のおよそ3倍の割合でMBAホルダーが在籍していることが分かりました。


この事実から、「MBA取得は外資系戦略コンサルで高い職位まで上り詰めるための重要な要件のひとつである」という仮説が説得力を増すことになるでしょう。

*コンサルティング・ファームの多くは、個人の能力や経験値、果たすべき役割に応じて職位を定めています。

② ベンチャー各社のCxOポジション
先ほど考察した通り、ベンチャー企業役員・全742名のうちMBA保有者は41名、全体の5.6%で、ほかの業界に比べるとかなり低い値になっていました。
しかし、このMBAホルダーの役員41名にさらにフォーカスしたところ、彼らの73.2%にあたる30名が各社で「CxO」ポジション*に就いていることが分かりました。

言い換えるならば、ベンチャー企業に在籍するMBA保有者のうち、およそ3/4がCxOポストに就いて企業経営の最上流を担っているということになります。

*CxOポジション:Chief X Officerの略称。企業のなかの特定の機能・部門の責任者を指す。以下が主要なCxOポスト。

この事実は、「MBA取得は、スタートアップを創業したり、ベンチャー経営のトップ・オブ・トップを担ったりするうえで大きな価値をもつ」ことを示唆していると言えるでしょう。
MBAプログラムの多くではスタートアップに関する講義も組み込まれており、ベンチャーのトップとして事業創造するうえでも恵まれた環境であることは間違いなさそうです。

ポストMBAキャリアのケーススタディ

最後に、4人のビジネスパーソンの先例から、MBA取得後のキャリア形成の実態を学びましょう。


例① 長澤 啓 氏(メルカリ執行役員CFO/シカゴMBA)

慶應義塾大学/総合政策学部卒
シカゴ大学経営大学院/MBA
・ 三菱商事(金属資源、エネルギー等)
・ ゴールドマン・サックス証券
・ 株式会社メルカリ/執行役員CFO

参考:INDUSTRY CO-CREATION

2017年内にも上場が見込まれるユニコーンベンチャー、メルカリでCFO(最高財務責任者)を務める長澤氏は、米国の名門シカゴ大学でMBAを取得しています。
新卒で入社した三菱商事在籍中にMBAを取得し、その後ゴールドマン・サックス証券を経てメルカリCFOのポストにたどり着いています。
総合商社からMBAを取得し、その後のキャリア形成に活かした好例と言えるでしょう。

例② 藤井 良太郎 氏(PEファンド・ペルミラCEO/スタンフォードMBA)

東京大学/法学部卒
スタンフォード大学経営大学院/MBA
・ 大蔵省(現・財務省)
・ ゴールドマン・サックス証券
・ KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)
・ ペルミラ/東京オフィス統括責任者

参考:PERMIRA TEAM

回転寿司チェーン「スシロー」等への出資で知られる英国のPEファンド、ペルミラ・アドバイザーズにて代表取締役社長を務める藤井氏。
大蔵官僚としてキャリアをスタートさせたのち、ゴールドマン・サックス証券、投資ファンドKKRにてキャリアを積んだ同氏は、スタンフォードMBAを取得されています。

例③ 長谷川 勝之 氏(ベンチャーキャピタリスト/南カリフォルニア大MBA)

南カリフォルニア大学/経済学部・物理学部卒
南カリフォルニア大学経営大学院/MBA
・ 伊藤忠商事
・ 日系独立系VC
・ Google Ventures
・(現任)FMC/共同代表パートナー
・(現任)電通ベンチャーズ/ジェネラルパートナー

参考:Dentsu Ventures TEAM

電通ベンチャーズなどで活躍されている長谷川氏は、南カリフォルニア大学MBAを保有されており、VC業務のなかでその知見を活かしていると考えられます。
同氏のキャリアはやや珍しく、伊藤忠商事の情報部隊に約10年間身を置いたあとにVCのフィールドに活躍の場を移されています。

例④ 南場 智子 氏(DeNA創業者・代表取締役/ハーバードMBA)

津田塾大学/英文科卒
ハーバード・ビジネス・スクール/MBA
・ マッキンゼー・アンド・カンパニー/パートナー
・ DeNA創業/代表取締役社長

参考:DeNA 企業情報

先日、キュレーションメディア「WELQ」問題を受けて代表取締役に復帰したDeNA創業者、南場智子氏はハーバードMBAを取得されています。
マッキンゼー・アンド・カンパニーに新卒入社したのち、1990年にハーバードMBAを取得。その後マッキンゼーに復職してパートナーにまで登りつめたのち、1999年にマッキンゼーを退職してDeNAを創業されました。

(マッキンゼーでのご活躍、そしてDeNA創業にMBAが大いに活きたように見える一方、ご本人は以下インタビューにて「MBAは時代遅れ」とのコメントを出しています)

本記事のサマリー

① なぜ自分にMBAが必要かをクリアにすべき
MBA取得を目指す場合、なぜ自分にMBAが必要かを深く考えたうえで、それにマッチした形式のMBAを選択することが望ましい。


② MBAは「自ら考え判断する力」と「キャリアの箔」をもたらす
MBAを取得する課程で「自ら考え判断する力」を学び、MBA取得後にはMBAホルダーとしてのブランドを手に入れることが期待できる。


③ MBAはファンド、外コン、ベンチャーCxOへの転職やそこでの業務に活きる
ファンドには30%前後の割合でMBAホルダーが在籍している。
また、外資系戦略コンサルのマネージャークラス以上では約60%がMBAを保有しており、ベンチャー企業でもMBAホルダーの70%以上がCxOポストに就いている。

最後に

周囲の学生と話していると、内定者や就活生の時点からすでに将来的なMBA取得を希望している学生も決して少なくないことに気がつきます。
それだけMBAが一般的に広く知られ、またMBAホルダーの活躍が目立つようになってきているということでしょう。

しかし、MBAはそれ自体が目的ではなく、あくまでよりよいキャリアを実現するための手段のひとつです。
あくまで見据えるべきは自分のキャリアパス(究極的には、その先にある自分自身の幸福)であることを忘れずに、ファーストキャリアや転職、MBA取得などの問題に向き合いましょう。

photo by Harris Walker

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面接|内定者が語る!深掘りに対応できる「正直」な面接とは 面接|内定者が語る!深掘りに対応できる「正直」な面接とは こんにちは、16卒の慶應生です。先日、「入社難度が比較的高い素材メーカー」の面接を受けてきました。そこでの面接は、40分間就職活動の軸や志望動機のみを深堀りしてくるスタイルでした。私は事前に、先輩や就職サイトから面接の内容をざっくり知ることができ、自分なりに準備をしていったのですが、あまりの深堀りに、面接中に答えられない時間や少し考えさせて頂く時間をとってもらう程でした。しかし、自分なりに考えて答え、わからない質問などには正直に答えることで通過することが出来ました。本日はそのことについて書きたいと思います。本記事のコンテンツ・質問1:「就職活動の軸は?」・質問2:「志望企業は?」・最後に質問1:「就職活動の軸は?」通常の面接だとアイスブレイクのようなものがあると思うのですが、時間がないという理由で自己紹介もないままいきなりこの質問がきました。自分は学生時代の経験にやりがいがあり、その経験に繋がる軸を用意していました。学生「1点目は若手から大きな仕事を任される企業です。2点目は様々な人々と関われる企業です。3点目はグローバルな環境の企業です。」というように答えたところ、1点目の軸に対して面接官からは面接官「若手って何年目までのこと?」「大きな仕事って具体的には何?」「若手の時に1人で中くらいの仕事をするのか、中堅の時に大きな仕事をするのかでも前者が良いの?」「大きな仕事が任されないと嫌なの?」というような質問が返ってきました。他の軸に対しても同様な質問をされました。答えを準備しており、容易に答えられた質問もあったのですが、質問の多くは準備していないものばかりでした。自分の発言の一語一語には責任を持って、発言をしないといけないと痛感しました。就職活動の軸が学生時代の経験に繋がっているものなので、ある程度の質問や突っ込みにも対応できると思っていたのですが甘かったです。仕事においての具体的なイメージがわかず、「学生時代に◯◯な経験をしたので、仕事でも△△のように働きたいです」と繋げて逃げようとしたのですが、学生時代の経験は言わなくて良いから、質問に対して端的に答えてと言われました。就活生は「若手のうちから裁量がある仕事がいい」などイメージしないままに雰囲気やこう答えておけば評価されるだろうと深く考えずに答えてしまっており、そういった不誠実な態度を見透かされて面接官に聞かれてしまうのだと思います。自分が発した言葉の一つ一つに責任を持ち、定義を考えておくことは仕事においても求められることなのではないかと感じました。こういった質問の場合は、5年目までに1人でも海外に出て仕事が出来るようになるや、OB訪問させて頂いた貴社の◯◯さんのようになっていたいといった形で答える必要があるように感じました。働くイメージや具体的にどのように働くかは、私たち就活生にとってわかりにくいですが、本当に志望している企業だと深く考えていく必要があると思いました。質問2:「志望企業は?」次に上記の就職活動の軸を踏まえて、第1志望から第5志望までを教えてと聞かれました。私は、「第一志望は御社と◯◯会社で優劣がつけられません。」というように答えました。本来は、御社が第一志望です!!と答えるべきだったのですが、上記の軸の質問で面接官からの深堀に対して、あいまいな答えの部分があり、自信をもって御社が1位で他の企業だとダメなのです!!と言える自信がなく上記の回答をしました。私は2つの軸に関しては、きちんと私なりに説明出来たのですが、1つの軸があいまいな回答しかできませんでした。1つの軸があいまいであった為に受けた企業と◯◯会社で、差別化が出来ませんでした。面接をした後日、電話で面接官の方からフィードバックを頂いたのですが、その時に、「君は質問に対して正直だったのが良かったよ。けっこう正直に答えられない就活生はたくさんいて、上記の質問だとほとんどの学生はうちを第一志望ですと言ってくれる。本当に働く会社が他の企業ではなくうちの会社でないとダメだと、きちんと説明出来たり、面接官を納得させることが出来る学生は当然通すけど、ほとんどの学生はうちが1位である理由も言えていないのに第一志望ですと言ってくるから、落とす。君はうちを第一志望ではなく第一志望群という表現だったけど、それを正直に言ってくれたから評価したよ。これからさらに深く自己分析をして、本当にうちの会社が第一志望だと思えるようになったら、是非一緒に働きたいね」と言っていただきました。最後にこの面接を通して、自分の発言一語一語には責任を持たなければならない。質問に対しては正直に答えなければならないということを学びました。自分の想いを熱意や気持ちで伝えるのは重要ですが、それだけではダメなのだと思いました。本当に行きたい企業なら、徹底的に準備し臨まなければならないと感じました。また、こちらの動画では面接の全体像について紹介していますのでぜひご覧ください。 58,163 views
リクルーター面談の逆質問でするべき質問とは|ポイントは4つ! リクルーター面談の逆質問でするべき質問とは|ポイントは4つ! 近年、多くの企業で取り入れられているリクルーター面談。リクルーター面談では逆質問をする時間が基本的に設けられています。面談だからといって、準備をせずその場しのぎの質問をしていると印象が悪くなり、本選考の評価にも影響する可能性があります。そうならないために、本記事ではリクルーター面談における逆質問の考え方を紹介します。本記事のコンテンツそもそもリクルーター制度とは逆質問はストーリーで〜入社から現在まで〜逆質問はストーリーで〜現在から数十年後まで〜逆質問はストーリーで〜最後に自らのキャリアプランを相談〜番外編〜リクルーターの気分を損ねる質問例〜終わりにそもそもリクルーター制度とはリクルーター・リクルーター制度とはリクルーター・リクルーター制度とは、"自社の社員が就活生と直接コンタクトを取ることにより、優秀な人材の獲得や採用活動のサポートをすることを目的とする制度"のことを指しています。リクルーター・リクルーター制度について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。⇨そしてリクルーターと面談をすることをリクルーター面談と呼びます。このリクルーター面談で企業は優秀な学生を確保するための囲い込みと、選考前の絞り込みを行うことを目的として行っています。そのためリクルーター面談で逆質問を行う際にも「自分は企業にとって採用したほうがいい人材である」と思ってもらうためにも、以下の点を意識して取り組む必要があります。自身の志望度の高さをアピールすること業界理解・企業理解をより深めること自身の企業選びの軸がその企業と合致しているかを確認することリクルーター面談においての逆質問の基本的な考え方についてはこちらの記事を参考にしてみてください。⇨そこでこれらを踏まえた上で、金融業界を受けていた筆者の経験に基づき、逆質問の考え方を以下で解説していきます。逆質問はストーリーで〜入社から現在まで〜1時間の逆質問を乗り越える上では、質問を体系立てて質問するオーダーを整理し、事前に用意しておくことが重要です。そこで筆者は、リクルーターのキャリアや価値観を知ることを意識して以下の質問をしていました。(1)お名前と入社何年目かを教えてください。まずはじめに、名前と入社何年目かといったこれまでのキャリアを押さえておきましょう。」では、「企業で働く"人"から説明する」という切り口が語られていますが、ここで名前と部署をメモしておけば、その後の選考に進むことができた場合にリクルーターの方の話題を出すことができます。OB訪問と違い、選考の一環と考えられるリクルーター面談では名刺のような情報媒体を得ることが難しいため、忘れずメモしておくことをおすすめします。(2)就職活動当時なぜ金融業界に興味を持っていて、他にどのような業界を見ていたのか。なぜ金融業界を志望していたのか。企業選びの軸のようなものがあったならば教えてください。筆者は金融業界を志望していたため、あらかじめ金融業界と親和性のある業界を把握しておき、その中でもなぜ金融業界なのかということを把握するようにしていました。「」にある通り、親和性のある業界を研究、業界比較をしっかりすることで、その後の選考でも面接官に納得感を持たせることができます。リクルーターの方は学生時代のアルバイトや専攻内容、サークルや部活動の経験やきっかけから金融業界を志望している場合が多い印象を持ちました。以下の記事も参考にしてください。参考:→自分なりの企業選び軸を決定することで不要な業界研究をカットすることができます。上記記事では企業選びの軸の定め方や内定者の軸も紹介していますので是非ご覧下さい。(3)金融業界の中でもなぜ〇〇業なのか、なぜ今の会社なのか例えば金融業界の中では銀行・損保・証券・信託など多種多様ですが、なぜ〇〇業、今の会社選んだのかというのは是非押さえておきたいところです。その内容でリクルーターの方は今の会社に就職しているわけですから、これは一つの模範解答と捉えることもできます。以下の参考記事を事前に読んでリクルーター面談に臨んで頂くと、読者様の中で納得感を持ちながら面談を終えることができるのではないでしょうか。参考:→その業界である理由が言語化できれば、あとは業界内比較をすれば良いこととなりますが、これに回答するためには非常に明快な3つのアプローチがあります。上記記事ではそれらについて詳しく解説しているため是非参考にしてみて下さい。(4)学生時代の経験が活きていると思った瞬間はいつ、どのような場面ですか?筆者の場合、最終面接の場でよく「ここで内定を出したらあなたは何に打ち込みますか?」と問われました。これはその経験を土台にした質問となります。実際の仕事で活きる力を残りの学生生活でどのように培っていくか答えられるよう、リクルーター面談を利用してその業界・会社で活きる力をおさえておくと良いのではないでしょうか。多くの場合は以下の参考記事に示す5つの強みに集約されると思いますので、是非参考にしてみてください。参考:→実際に仕入れた情報及び自分自身の経験から、実際に評価される自己PR・志望動機の作り方の基本となるフレームワークについて話したいと思います。(5)現在担当している仕事のやり甲斐を教えてくださいどんな時にやり甲斐を感じ、一方でどのような時にモチベーションが下がるのかセットでおさえておくと、その業界や会社の長所と短所の一端をおさえることができると言えます。あるリクルーターの方は、「やり甲斐と困難は表裏一体」とおっしゃっていましたが、リクルーターの回答に対して自らが面白みを感じられるか、困難も踏まえた上で頑張っていけるかどうか考えてみると良いのではないでしょうか。上記のような質問を通して対話していると、(5)までで20分から30分くらいです。もしリクルーターが入社5,6年目くらいだった場合、1,2回の部署や支店の異動を経験している場合が多いです。自らの望むキャリアが叶えられる形での異動なのか、それとも青天の霹靂に感じられる異動(=人事部がリクルーターの新しい力の開拓を期待している場合)だったのかも聞いておくと、最後に本音としてその会社に入社するかどうかの判断材料となるのではないでしょうか。逆質問はストーリーで〜現在から数十年後まで〜(6)現在から数十年先のキャリアプラン、この会社で成し遂げたい夢を教えてくださいリクルーターの現在の部署からどのような部署に異動することが一般的で、どのような候補があるのかおさえておくと、自らの働くイメージがつきやすいのではないでしょうか。例えば銀行業であれば、最初は支店での経験やリテール経験を積み、そこで実績を残した銀行員が大企業営業部といった花形部門に異動というようになります。リクルーターの方がどのような大志をもって日々働いているのか知ることで、その会社におけるやり甲斐の有り様を知ることができるのではないでしょうか。(7)この先のキャリアでどのような力が必要だと思うか、どのようなことを今現在努力しているか希望の部署への異動のためにどのような力が必要だと思うか、という質問の裏返しとなります。特定部署で必要とされる(であろう)力を整理しておくことで、面談後に自らのキャリアプランに組み込むことができるかどうか考えることができます。会社では一般に人事部や上司とのキャリア面談なるものが1年に1回以上用意されているようなので、上記のような質問に対してかなりリアルで説得力のある回答が返ってきてとても勉強になったことを覚えています。リクルーターの入社時から現在、今後考えている理想のキャリアの遍歴を知り、本番の面接時にキャリアプランを尋ねられた時に的はずれな回答をしないように心がけたいところです。(7)までで私の場合は30分から40分が経過していました。逆質問はストーリーで〜最後に自らのキャリアプランを相談〜(8)自分は現在御社で入社後10年ほど先までのキャリアプランを描いています。実際の社員の立場から聞いてこれが妥当か、どのような力を身につけるべきか教えてください。筆者の場合は今まで質問したオーダー通りに、今度は自らの考えるキャリアプランを共有してその盲点を修正するということを実践していました。ここでは盲点を修正できるというメリットだけではなく、「この学生はこんなことに興味があるんだな、今度はこの学生の希望の部署のリクルーターをぶつけてみよう」ということをリクルーターに意識させ、次のリクルーター面談に繋がる可能性を高めることができると考えられます。(8)を終える頃には1時間のリクルーター面談も終わりを迎えていました。8つの質問をテンプレ通りに質問していたわけでは決してなく、話が弾んでいるうちに聞きたかったことにも答えられていた、という場合もあります。上記の質問はあくまで例なので、自ら聞きたいことを加えて整理しておけば場当たり的な質問は確実に回避できると言って良いでしょう。番外編〜リクルーターの気分を損ねる質問例〜番外編として、私がアルバイト先やゼミの先輩にOB訪問をしたとき、リクルーター面談時や説明会時の質問として「これだけはやめろ」と言われたことを紹介したいと思います。(1)半沢直樹のような銀行ドラマってどこまで真実なのですか?これは支店の雰囲気によりけりですし、そもそも銀行の生々しい真実をリクルーターが語るとは到底考えられないので、自分から質問するのはやめるべきとのことでした。(2)メガバンク3行の違いって何だと思いますか?大方の人が「他の銀行で働いたことがないからわからない」といって答えが終了するので、実は無意味な質問の一つとのことです。ちなみにですが、質問の仕方を変えて、「なぜ今の銀行を選んだのか」だと、ある程度的を得た答えが返ってくることが多かったです。終わりにいかがだったでしょうか。リクルーター面談は逆質問が中心ながら決して短い時間ではありません。しかし、せっかくの時間なので選考に向けて有効な時間としてもらえればと思います。そこで、質問内容を入念に用意整理し、特に本記事においては、リクルーターの方の学生自体から入社までのキャリアステップ、今後のキャリアプランというストーリー形式で行っていくことをご紹介いたしました。6月の選考解禁を踏まえると3月~5月にかけてリクルーター面談が本格化すると思われます。以下の記事も参考にしながら準備を始めることをおすすめします。リクルーター完全攻略記事一覧1.そもそもリクルーターって何?2.リクルーター面談の対策は何をするべきか3.リクルーター面談でするべき逆質問とは4.リクルーター面談に臨む前に知っておくべき基本マナー5.リクルーターへのメールの書き方と具体例6.リクルーターへの電話の基本マナーと具体例7.リクルーター制度実施企業一覧(全39社) 171,209 views
総合商社内定者が語るNewsPicks活用法 総合商社内定者が語るNewsPicks活用法 こんにちは。16卒の総合商社内定者です。今回は、私が就職活動においてどのようにNewsPicksを活用していたかを綴りたいと思います。ちなみに、以前unistyleでは以下のコラムで、面接でニュースに対しての意見を求められた時に役に立つものとしてNewsPicksのアプリを紹介していますのでそちらも合わせてご覧ください。◆「ギリシャ問題」「アベノミクス」について回答を求められたら?就活生必携アプリ「NewsPicks」とは今後就職活動を迎える皆さんも、早めにNewsPicksを利用して世の中の情報に触れていって欲しいと思います。▼アプリ「NewsPicks」の無料ダウンロードはこちらから・iPhoneの方はこちら:・Androidの方はこちら:(※本コラムはNewsPicksのPR記事です)​本記事のコンテンツ・日経新聞の活用法・NewsPicks活用法・面接での経験談・誰をフォローするのがオススメ?・最後に日経新聞の活用法まず私は、ニュースをインプットする上で日経新聞の一面、二面、経済面を読むだけでは周りの就活生と差をつけられないと考えていました。そこで、日経新聞の内容を効率良くインプットする為に日経電子版のキーワードハイライトという機能を使っていました。これは登録したキーワードを含む記事がハイライトされ視覚的にわかるというものです。キーワードには5つ登録できるので、五大商社の会社名を登録し、日々のニュースを全て追っていました。商社の面接では逆質問をする機会があるので、面接の直前に保存してある直近のニュースを読み、質問を考えていました。NewsPicks活用法それでは本題のNewsPicks活用法にまいります。NewsPicksのアプリをダウンロードすると基本的には無料で閲覧できます。さらに月額1,500円で有料会員になることができ、オリジナルのコンテンツなどが閲覧できるようになります。また、すべての記事やコメントの検索も自由に行えます。私は有料会員には登録せずに、朝の7時から8時まで時間限定で無料会員にも解禁される直近24時間のできたてホヤホヤの有料記事を読んでいました。また、気になった記事はEvernoteに保存しておき、面接前に振り返られるようにしておきました。iPhoneであれば、NewsPicksの右上にSafariで表示するボタンがあるので、そこからSafariへ飛び、SafariからEvernoteへ記事を転送し、保存できます。他にも、アプリの中で記事をPickすることでも、お気に入りの記事と付随するコメントをストック可能となっています。NewsPicksの良さは幅広い引用元とそれに対する有識者のコメントの質です。一見難しくて理解に苦しむ記事に対しても有識者がコメントしていますし、就活生の身分でコメントすることもできます。実際の面接でNewsPicksでコメントしていることを言った学生が興味を持った面接官に対して過去に投稿したコメントを見せたような話もあったようです。日経新聞やNewsPicks以外にもYahooニュース、Gunosy、スマートニュースがありますが、NewsPicksでは有識者の意見がある分、自分としての意見を持つことに特化している媒体であるといえるでしょう。実際に有識者が関連記事のリンクを貼っている場合もあり、その記事のクオリティも高く感じます。もし筆者のように総合商社を志望しているならば総合商社出身の有識者をフォローしておくと、他の学生とは一線を画した意見を持つ事ができるようになるでしょう。・iPhoneの方はこちら:・Androidの方はこちら:面接での経験談面接で「最近気になったニュースは?」と聞かれた際にはNewsPicksで得た多角的な視野が活用されていました。例えば日本経済新聞社のフィナンシャル・タイムズ買収の記事においては、日経新聞やYahooニュースよりも、ロイター通信の方が事細かに書かれていることがありました。NewsPicksでロイター通信の記事が取り上げられており、そこに有識者のコメントが多数付いていたために、その詳細に関して面接で話す事ができました。実際に面接官も驚いており、高い評価を受けたように感じられます。参考:日経がフィナンシャル・タイムズ買収、親会社から1600億円で|Reutersこれはあくまで一例ですが、ロイター通信などの普段学生が読まないようなメディアの情報に触れる上でも、引用元の裾野の広いNewsPicksはとても役立つように思います。一つの媒体を閲覧しているよりも、より幅広い知識を得る事ができるのではないでしょうか。総合商社など各業界の主要なニュースもNewsPicksであればしっかりチェックできます。参考:三菱商事・東電、カタールで発電所受注3000億円|日本経済新聞誰をフォローするのがオススメ?NewsPicksの真価はやはり有識者によるニュースへの見解が読めることですので、誰をフォローするのかは重要です。ちなみに私の中で特にオススメの方は以下です。堀義人(ほりよしと、グロービス経営大学院大学学長)NewsPicksで高い登場率を誇る言わずと知れた有識者です。総合商社、MBA、起業、大学院経営という特筆したキャリアと知見から繰り出されるコメントは学生にとっては得るものが多いです。ちなみに以下のコラムでも書かせて頂きましたが、堀氏のファーストキャリアは住友商事です。◆総合商社出身の起業家まとめ大前研一(おおまえけんいち、ビジネス・ブレークスルー大学学長)日本における経営コンサルタントの第一人者であり起業家でもある大前氏は頻繁にコメントがあるわけではないですがコメント自体は分量があり、重みを感じます。同氏が行う経済ニュースの解説は非常に鋭い視点から繰り出されます。荘司雅彦(しょうじまさひこ、弁護士)法律が絡む記事は間違いなくこの人のコメントが参考になります。また他の有識者へ賛同するコメントなどもあり、自分の意見を持つ上では大変参考になるコメントがあります。加藤淳(かとうじゅん、ユーザベースチーフアナリスト)加藤氏はNewsPicksを運営しているユーザベースのチーフアナリストです。数字を扱ったコメントが特徴的で、記事の詳細をミクロな視点でさらに知りたい学生にはオススメです。上記以外にも鋭いコメント、面白いコメントをしている方が多くいますので、是非お気に入りの方を探してみてください。また、NewsPicksでは、各分野に精通した専門家「プロピッカー」100名以上が公式コメンテーターとして活動しています。プロピッカーの中にはネスレ日本CEOの高岡氏や元LINE代表取締役の森川氏など、経済、金融、国際政治、ITをはじめとした各分野の第一線で活躍している方が多数います。メンバーは今後入れ替わりもあるものと思いますが、有名経営者や専門家などが都度プロピッカーを務めていくことと思います。就職活動を控えた皆さんも、この機会に興味のある業界のプロピッカーをフォローして知見を吸収してみてはいかがでしょうか。最後にNewsPicksを閲覧している社会人や学生は増えてきましたが、就活生の間ではまだまだニッチなように感じられます。日経新聞を読むだけでは他の学生と差をつけづらい世の中になってきたと思いますので、ぜひこの機会にNewsPicksを活用していただければと思います。▼アプリ「NewsPicks」の無料ダウンロードはこちらから・iPhoneの方はこちら:・Androidの方はこちら:photobyDavidMichalczuk 20,895 views
「起業家」にしか味わえないモノ|美京都 中馬一登|unistyleインタビュー 「起業家」にしか味わえないモノ|美京都 中馬一登|unistyleインタビュー いまや”若手実業家”は珍しい存在ではありません。それだけ起業するハードルは下がりつつあると思いますが、今回京都のとあるベンチャー企業の社長にインタビューをさせて頂く機会を得たので記事にさせていただきました。起業をするメリットしか話さないポジショントーク満載のコラムになりますが、よくある「起業論」とは違った切り口の内容になっていると思います。起業を考えていない方にとっても参考になるものだと思いますので、是非最後までご覧ください。2011年京都産業大学卒。在学中は就活を始めるものの自身のサラリーマンスキルのなさと”世界を良くしたい”という野望に突き動かされ就活を辞め海外でバックパッカーとなる。帰国後復学し、卒業。その後東北へ震災ボランティアに参加しながら現地での起業を計画するも、ボランティア団体の資金ショートにより東京にてボランティア団体の資金集めを行うための事業に強制参画される。その後地元の京都に戻り兄弟3人で株式会社美京都(みやこ)設立。人材・教育事業や観光事業、地方創生事業を手掛け、京都市や大阪市、舞鶴市と提携し若手の活躍を推進するプロジェクトなど多数企画・開催している。自身は世界経済フォーラムによって任命される33歳以下の若者によるコミュニティ「GLOBALSHAPERS」に所属し、スイスで開催される国際会議などにも参加。世界が注目する実業家の一人。◆株式会社美京都HP◆日経新聞掲載イノベーター起業家アカデミー◆GLOBALSHAPERSKYOTO目次◆「起業」までのストーリー◆中馬一登が「起業」を選んだ3つの理由◆「起業」「会社経営」はプラスにしかならない◆もし、今「起業」以外の選択をするならば◆もし、私が今22歳の就活生だったら◆中馬一登の思う、「起業」に向いている人とは◆最後に「起業」までのストーリー「もはや起業しか選択肢が残されてなかったんですよね」元々は普通に就活をしてたんですけど、途中で辞めたんですよね。理由は2つで単純に「サラリーマンできないな」っていうのと、「世界を良くしたい」っていう昔からの野望があったからですね。そして、大学を休学し海外にいきました。このときでもまだ起業は考えていなかったですね。「サラリーマンは無理。で、どうやって残りの人生を生きていこう」ってぼんやり考えていた程度で。帰国後復学し、自分達で事業を作る機会がたまたまあって、そのとき「ビジネスそのものはやっぱろおもしろいな」となり、そのときに起業を意識し始めましたね。というか、起業しようってそのとき思いました。出版会社がいいなということで準備してたんですけど、そのとき丁度東北での震災がありまして。使命感はかなり強い方だと思っているので「復興支援しないと」と考え東北に行きました。ボランティアしながら宮城でそのまま出版会社をしようと思ってたんですけど、まさかのそのボランティア団体が資金繰りが厳しくつぶれかけちゃって。そのときにボランティア団体の代表がって言い出したんですよね。破天荒すぎますよね。で、僕がそのうちの一人になったんです。なので気付けば宮城で起業するつもりがなぜか東京でボランティア団体の運営資金を集める会社の手伝いをしてたんですよね。そこでビジネスのやり方とか事業運営のhowtoを自然と身につけることができて、地元の京都に帰って満を持してしっかり起業したっていう感じです。それが今の株式会社美京都(みやこ)になりますね。なので、僕の場合は、いわゆるロマンいっぱい夢いっぱいで起業!という感じももちろんあるんですが、ある意味消去法的発想による起業でもありますね。僕は、起業しか道がなかった起業家だと自分で思います。中馬一登が「起業」を選んだ3つの理由「僕、サラリーマンスキルが低すぎたんですよね」大前提として、僕にはサラリーマンスキルが足りなさすぎたんですよね。サラリーマンスキルって何?って話だと思うんですけど、例えば議事録作成とか資料作成とかの事務的なところですね。こういう仕事って誰しも経験しないといけないことだとはわかってるんですけど、サラリーマンってこういうことばかりしているイメージで、受けつけなかったんですよね。課題意識はあるものの、改善するつもりもないですし。笑もし自分にサラリーマンスキルが備わっていてそのまま就活を続けていれば、驕りかもしれませんけど、普通に大企業でもどこでも内定を取れたと思ってます。笑「我がままであり続けたい。やりたいと思ったことはすぐに実行したいんです」これはもう性格的な問題なので文句あるなら親に言ってくれって感じなんですけど笑、とにかく我がままに生きたいと思っていて。サラリーマンって縛られているような感じがして、その中には入れないって思ったんですよね。起業して社長になると、自分が全ての最終決済をしようと思えばできるという点では良くも悪くも我がままでいられるんですよね。もちろんそんな簡単なものじゃないですけど、「やりたい」と思ったことを即実行に移せるという意味では、社長という職業は僕にぴったりだなって思っています。「単純に”起業”ってカッコよくないですか?」シンプルに「社長」とか「起業」ってカッコよくないですか?ナルシストという意味ではなく、結局のところ人間みんな承認欲求が強くあって認められたいって当然思ってるんですよね。肩書きだって意識しますし。じゃあ最高にカッコイイのはなんだ?って考えると、社長なんですよね。これはもう理屈で説明できないですね。どんな大手企業や最近話題の企業よりも、やっぱり「起業」が一番かっこいいと僕は思ってます。それ以上説明のしようがないですね。カッコイイものはカッコイイ。それだけです。「起業」「会社経営」はプラスにしかならない「失敗も含めて、他では得られない『経験』が起業にはあるんですよ」起業して失敗する人もたくさんいますよね。毎年無数の企業が生まれ、倒産していってるわけですが、「倒産」も「経験」になるんですよ。その時点でもうプラスだと僕は考えてます。あとは、ネタになります。「会社で100万の損失出しちゃいました」みたいなレベルじゃないんですよね。僕が関西人っていうのもあるんでしょうけど、「自分会社やってたんですけど潰れちゃったんですよね」っていうインパクトはなかなか代替できないですよ。同じ失敗なら、大きな失敗をするくらいの方がそれだけ人間的成長にも繋がるのでいいんですよ。「決断の量と質が桁違い。最悪の場合を常に想定して意思決定してますからね」”人間の成長”と”決断した量とその質”ってすごい密に関わってると思うんです。それは”指示待ち人間”を見れば明らかかなと。彼らは指示されたことしかしないから考えないし、当然判断もしないわけですから成長しないんですよ。起業家って常に決断し続ける生き物なんですよ。案件や問題の規模が大きくなってくるとそれだけ決断の質も求められ、判断を誤ると会社が潰れてしまうかもしれないんですよね。意思決定の回数が桁違いなんです。この点はきっとサラリーマンでは培えない能力だと思っています。ベンチャー企業で「若くから裁量を持たせる」といった企業も多いと思いますが、自部署で完結するレベルの意思決定で、会社の命運に関わるほどのことまではなかなかないですよね。オーナーシップの感覚が全く違う。この感覚は起業家にしか絶対味わえない仕事だと思っています。No.2にも出来ないことなんじゃないかな。もし、今「起業」以外の選択をするならば「質問への回答は”ベンチャー”。次点で”外資”かな」どれかを選ぶと言えばベンチャーか外資ですね。ただこれは手段であって、本質的には「自分が興味があることを仕事にできるかどうか」が大事だと思っています。なので、それが大手かもしれないしベンチャーなのかもしれないので正直なんとも言えないところはあります。その上でなぜ外資かベンチャーなのかと言うと、大手だと一つのプロジェクトに参画するとなっても、あくまで一部分にしか携われないことが多いと思うんです。一方、ベンチャーとかだと自分で全部やらないといけないケースが多いと思います。なんなら0から創りだすことも多々ありますよね。僕は”自分で生きていく力”を身に着けたいと思っているので、どこかの会社に所属しないといけないとなれば、上流から下流まで関わることができ自己成長スピードが早そうなベンチャーを選びますかね。もしベンチャーに転職するとなると、おそらくめちゃくちゃ交渉するでしょうね。「これは絶対したくない。でもこの分野なら絶対価値発揮できます!」って感じで。「僕ね、どこまでいっても我がままに生きたいんですよ」「企業選択」というものを就活生振りに考えてみましたけど、やっぱり僕の中で最も大切にしたい価値観って「我がままに生きること」だなって思ったんですよね。圧倒的に我がままに生きて幸せになりたい。子供のようなことを言ってると思われるかもしれませんけど、要するに「自己実現したい」っていうことなんですよね。「自己実現」に妥協したくないっていう想いが人一倍強いだけなんだろうなって思ってます。だから自分の会社でも、「バリュープレゼン」という自分には何がどのくらいできるのかをそれぞれに提案させる場を全社員に設けて、自身の給与を決めてるんですよね。社員自身にも我がままであってもらいたいし、自分で決めたことをきっちりとやり遂げられる社員になってほしいと思ってるんですよね。もし、私が今22歳の就活生だったら。「間違いなく、海外就職か海外起業。日本では働かないですね。」これは迷わず答えられます。海外で就職か企業をしますね。日本では働かないです。理由は、もちろんこれからますますグローバル化が加速していくっていうのもあるんですけど、一番は若いうちに「失敗経験」を積んでおきたいからですね。どういうことかというと、僕はファーストキャリアで人生は決まらないと思っていて、となると22歳で海外就職や起業してダメだったとしても全然いいと思うんですよ。むしろそういう経験をできてる人こそ、その先のキャリアが優位になると思うんですよ。シンプルに「海外で起業してました」って言う学生いたらすごくないですか?”なんだこいつ!?”ってなりますよね。どんなことをしてきたかはどうあれ、異国の地で商売をしたっていう経験と挑戦した行動そのものはアドバンテージになるはずなんですよ。あとは上でも述べましたが、よりグローバルになっていく中で海外の人とビジネスができるかどうかっていうのは大きいですよね。どこの企業でも語学力のある人材はそれだけで一定の評価をするでしょうし。正直、今でも行きたいと思ってるくらいです。中馬一登の思う、「起業」に向いている人とは「ビジネスセンスより大事かもしれない7つ素養を教えます」まず先に、僕が考える「起業家に必要な7つの素養」はこちらです。【1】「『あーこれ失敗するな』よりも『これできたらおもろい!』」ホリエモンも言ってましたが日本人は小利口な人が多いですよね。頭がいい人はすぐにリスクを計算できてしまうから、「それには○○なリスクがありませんか?」ってなってしまうんですよね。で、そういった圧力やロジックに負けてしまって結局何もできなくなってしまう人が多いと思うんですけど、そこを「いや大丈夫でしょ!」という感じで突き進んでしまえる人は起業が合ってると思います。そういう人たちって言わないだけで「できないリスク」よりも「どうすればできるかなというワクワク」が勝ってるんですよね。なので、言い方は少し悪いかもしれませんが、ちょっとくらいアホな人には是非起業を検討してもらいたいですね。【2】「何が当たるかわからないじゃないですか?だから”とりあえずやってみる”が大事なんですよ」会社を経営していくにあたって当然売上や利益って大事になってくるんですけど、どこで何がヒットするかって正直読めないことがあるんですよね。「おお、それが当たったか!」みたいなことは他社のお話を聞いていてもよくあることです。となると、何事もまずはやってみないことには良し悪しの判断はできないんですよ。”やってみて、ダメだったらどうするか”という考え方は非常に重要で、チャレンジすることに億劫になってしまっているとダメだと思うんですよね。挑戦あるのみですよ。【3】「切り替えてるんじゃないですよ、”忘れてる”んですよ」これは一種の才能なのかなと思ってるんですが、何か失敗をしたとしても”忘れてる”んですよね。切り替えてるんじゃなくて、忘れてるんですよ。なので良い意味で引き摺らないというか、次に進んでるんですよね。切り替えるって言い換えるなら「マイナスを断ち切る」っていう状態だと思っていて、それに対してもある程度パワーをかけないといけないと思うんですよね。これが僕の場合ない。ハッピー野郎と言われてしまえばそれまでなんですが、この”忘れている”ということに幾度となく救われましたし、経営者をやる上で結構大事なことなんじゃないかなって思ってます。【4】「”人間がすき”っていうのは言うまでもないかな」起業をするとなると、人を雇用しなければならないわけなので、人間が苦手っていう人にはなかなか厳しいですよね。おそらくそういう人たちは個人事業主として仕事をするでしょうし、これはもう言うまでもなくという感じですね。【5】「どうやったらこの人喜ばせられるかな?っていう思考って顧客満足を高めるためのキホン中のキホンなんですよ」僕、昔から人を喜ばせるのがすきでサプライズばっかりやってたんですけど、これって実は顧客満足を高めるための超基本的なことだと思ってるんです。「どうすればあの人に喜んでもらえるかな?」っていう発想を持っていると自然とユーザーインサイトを把握する力が身に着きますし、サービスを提供する人にとってなくてはならない能力が備わるんですよね。だから、サプライズをするのが好きだっていう人はきっと従業員もお客様も大切にできる人だと思うんですよね。【6】「どうせ楽しませるなら大人数でやるほうが楽しいですよね?となると、巻き込む力が必要になってくるんですよ」サプライズって一人でやるよりみんなでやる方が盛り上がるじゃないですか?その方が楽しいし、より思い出にも残るし。となると、周りの友人などを巻き込んでやらないといけないんですよ。つまり、巻き込む力がとても重要にあってくるんですよね。ビジネスも同じで、一人で完結する仕事なんてなかなかないですし、チームをつくって協力して取り組んだ方が成果が大きくなる仕事ことってたくさんあると思うんです。そもそもチームじゃないとできない仕事もありますしね。僕は、これからの働き方はプロジェクトベースに移行しつつあるとも思っているので、その中で人を巻き込んでプロジェクトを推進させていかないといけなくなるという意味では、起業家に限らず大事な素養になってくるかもしれませんね。【7】「最後は想いですよね。どんな仕事もそうですけど、ここがない人はいい仕事できないです」これは経営者に限らずですが、やっぱりやろうとしていることに情熱とか想いがないとダメだなって思います。無関心だったり、仕事だからっていうスタンスで臨んでいる人はあんまりいい仕事できてないと思いますし、一緒に仕事したいなって思えないですよね。最後に理由はシンプルで、「お金を稼ぐ難しさをしっかり経験すること」と「オーナーシップを養うには自分がトップに立つ以外ないと考えているから」ですね。僕はサラリーマンをしたことがないので無責任なことを言えないところもありますが、自分で仕事を見つけてきてお金を稼ぐって本当に難しいことなんですよ。毎月ちゃんと口座に給与が振り込まれていることって本当に有難いことだと思うんですよね。このありがたみって”自分でやらないと絶対わからない”ところだと思います。これからの企業や社会はどんどん変化していくと思いますし、終身雇用なんて言葉も死語になりつつある中で「自分で稼ぐ難しさを知る」経験はすごい貴重なものになると思っています。ただ、”法人化させる”のはまた別の話で、なぜなら法人化すると雇用が生まれるし取引する企業の数も当然増えるわけなので、社員と取引先の命を守るくらいの構えが必要になるからですね。それができそうにないと思う人は法人化は辞めたほうがいいと思っています。迷惑かけちゃいますからね。でも、やっぱり”個人事業主”として働いてみる経験はこの先の社会の変化を予測しても是非とも挑戦してみてほしいことだと思いますね。学生という時間が比較的ある今だからこそ、一度やってみてほしいなと思っていますね。 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