「ビジネスではなく、公的機関だからこそできる国創りを」現役職員3名が語る国際協力機構(JICA)の仕事とやりがい

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最終更新日:2023年10月27日

「ビジネスではなく、公的機関だからこそできる国創りを」現役職員3名が語る国際協力機構(JICA)の仕事とやりがい

国際協力機構(以下JICA)は、日本の政府開発援助(ODA)の実施機関として、開発途上国への支援を行っています。

世界には200を超える国が存在していますが、そのうち150カ国が開発途上国です。開発途上国が抱える紛争や貧困、社会インフラの未整備といった課題に対し、JICAは技術協力や資金協力といった手段を用いて解決に取り組んでいます。

今回の記事では、経歴や勤続年数の異なる3名のJICA職員の話をまとめています。
それぞれの職員がどのような思いを持ちながら働いているのか、またこの記事を読んでいる皆さま自身の持つ経験とつながる部分はないのか、考えながら読んでいっていただければと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

若手女性職員の苦労とやりがい

【職員プロフィール】
・新卒入社2年目/女性/理系国立大学院卒
・JICAへの志望動機:世界中のひとりでも多くの人を笑顔にしたい、日本人代表として途上国に貢献したい、活躍する人を繋ぐ人になりたい。

携わっている業務

現在は無償資金協力で実施されるプロジェクトの実施監理を担う部門に所属しています。
無償資金協力は、開発途上国の中でも所得水準が低い国を主な対象として、給水施設、学校、病院、道路・橋梁など、経済・社会発展に必要となる、基礎的な社会基盤などを整えるためのJICAの協力手法の一つです。

プロジェクト開始前の調査や協力の枠組み作りは、JICA内の別の部署が中心になって行うのですが、現在所属している部署では、施設建設等を行う民間企業との契約やそれに伴う交渉、プロジェクト開始後のモニタリングなどを行っています。

開発途上国で実施するプロジェクトは、一筋縄ではいかないことも多く発生します。
例えば、無償資金協力によって橋を建設するプロジェクトがあるとします。橋の建設のためには橋の根元に大きな土地が必要で、土地は途上国側で準備することになりますが、着工のタイミングで土地の確保が間に合っていない、という状況が発生することもあります。

土地の準備が間に合わないと、着工が遅れ、当初想定していたよりも大きな費用が発生してしまうことにもつながります。予定している費用を超過してしまうと、「プロジェクトを完遂できない」という判断を下さざるを得ない状況にも繋がってしまうため、途上国側に対して、交渉や申し入れをしていくことも必要になります。この時交渉のフロントに立つのが私たちです。タフな粘り強い交渉が求められることもあります。

大変さの中で感じるやりがい

一方で、未然に上記のようなことを防ぐということも私たちの業務の一つです。

着工前にボトルネックになりそうなことがらを抽出し、事前に排除します。上記の橋の建設工事の例であれば、①いつまでに土地を確保するのかという情報を確定し、②それまでにとるべきワークフローを策定し、③実際にスケジュール通りに行うよう促しながら実施監理する、といった内容を想像してもらえればと思います。

自分がいることで未然にトラブルをなくプロジェクトが進み、現地国・JICA・そして日本のいずれにとってもよい関係を構築することができた時は、大きなやりがいを感じます。

総合商社からJICAへの転職をした職員が語る、総合商社とJICAとの違い

【職員プロフィール】
・中途入社2年目/男性/総合商社金属部門より転職
・JICAへの志望動機:ビジネス(インフラ整備、雇用創出等)を通して途上国開発に貢献したいと考えて総合商社に入社したが、途上国の政策形成の部分から人材育成、インフラ整備など、より幅広い援助手法を駆使し、途上国支援を行いたいと考えてJICAへ転職した。

なぜ総合商社からJICAへ転職をしたのか

もともと総合商社へは、ビジネスを通して途上国開発を支援するという思いを持って入社しました。

総合商社はその思いを実現させることができる環境でしたが、どうしてもビジネス上の利益が出なければ事業の継続ができません(当たり前ではあるのですが)。徐々に総合商社としての途上国支援に限界を感じるようになり、利益的な側面だけではなく、公的機関としての立場から、技術支援や資金援助、政策の策定などの様々な手法を駆使することができるJICAへの転職を決めました。

総合商社とJICAのどちらが良い悪いというものではありませんが、皆さんには自分がどういうスタンスで途上国支援に携わりたいのかを考えてキャリアを選んでいって欲しいと思います。

JICAで感じる総合商社との共通点/異なる点

JICAと総合商社で共通しているのは、プロジェクトを組み立てていくオーガナイザーであるという点です。組織内部に多くの専門家を抱えているということではなく、深い技術的な面については外部の組織や専門家と協力・調整して実施することも多くあります。

逆に異なる点は、ビジネスなのかそうでないのかということ以外にも、国づくりの政策的な側面から関わりやすいのがJICAだと思っています。ある国の交通インフラ整備について考えてみましょう。

JICAであれば、都市交通の調査を実施、交通網整備のための大きな計画策定(マスタープラン)から実施することも多くあります。そして、例えば結果として地下鉄の敷設がよいとなった際に、円借款による資金協力等につなげていきます
一方で商社は、上記の例であれば、地下鉄敷設が決まった際に「うちに取り仕切らせて欲しい」と受注するイメージが近いと思います。
これはあくまで一例で、近年は官民連携も進んでおり、民間企業とJICAで協力して事業を形成・実施している例も増えてきています。

ただ繰り返しになりますが、JICAと商社のどちらが優れているということではなく、あくまでスタンスの違いによるものと理解して欲しいと思います。商社によるビジネスとしての支援が結果的に自社の利益に大きく寄与し、末長い経済発展に結びつくということもあります。

生え抜き11年目の職員が携わるリアルなプロジェクト

【職員プロフィール】
・新卒入社11年目/男性/理系私立大学院卒
・JICAへの志望動機:安全な水を世界の人々に届けたい。専門性のあるJICA職員になり、より質の高い事業を行いたい。

自分が中心となって進めた貧困解消のプロジェクト

学生のみなさんからは「JICA職員がどのような仕事をしているのか分からない」という声をよく聞きます。JICAでは多くの場合、1人で複数の案件を担当します。
JICA職員の仕事のイメージを持っていいただくために、パキスタン事務所に駐在していたときに担当として携わったパキスタンの「高付加価値果樹産品振興プロジェクト」の案件形成の事例を紹介します。

パキスタンの北部地域は、パキスタンの中でも最貧困地区であり、産業の中心は農業、その中でも果物が非常に大きなウェイトを占めていました。
プロジェクト開始にあたり、貧困の根本的な原因を考え、解決すべき問題を定めることから始めました。そこで見えてきたのが、現地の特産品であるアプリコットのポテンシャルを生かせておらず、また生産やマーケティング体制の未熟さのために生産したうち約40%を廃棄しているという現状でした。

その状況に関して、①市場のニーズ、②品質改善ポテンシャル、③そして持続的な生産可能性、について分析しました。

私は農業の知識やノウハウを持ち合わせていなかったため、日本のアプリコットの生産地である長野県千曲市を訪問し、日本としてどのような優位性を持って現地を支援することができるのか考えました。そして、農業を専門とするJICAの部署のアドバイスや、コンサルタントの力を借りながら、生産、加工、マーケティングなどの分野の専門家からなるプロジェクトチームを組成しました。パキスタンが持続的に技術普及をしていけるように、専門家の方に実際にパキスタンに来ていただき、現地農業局や住民組織などへの技術指導を通じて、プロジェクトを遂行していきました。


その結果として、現地で生産できた品質の高いドライアプリコットは、一部、渋谷のヒカリエなどで、販売されるようになるまでに至りました。
まだまだ、安定的な供給や販売を続けていくには課題がある状況だと理解していますが、自分が中心となって進めたプロジェクトが実を結び地域の貧困解消に一役買ったこの経験は、深く心に残っています。

最後に

JICAは、総合商社を見ている方にとってはオーガナイザーとしての役割が共通している点や、ビジネスか非ビジネスかの対比などから考えていくと、双方の役割がより分かりやすくなるのではと思います。
加えて、貧困解消プロジェクトの事例の中にあるように、解決するべきイシューの見定めや打ち手の立案など、コンサルティングファームと共通する部分もあると言えます。

JICAは社会貢献性の高さから例年一定数のファンがいるように感じていますが、この記事を読んで新たにJICAに興味を持つ方が出てくれば幸いです。

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【商社のインターン選考でも使える!!】総合商社の面接質問対策集 【商社のインターン選考でも使える!!】総合商社の面接質問対策集 はじめにこんにちは。16卒の総合商社内定者です。今年はすでに三井物産、伊藤忠商事、住友商事、双日がインターンシップを開催することを発表しており、そろそろ総合商社のインターンの面接対策を始める就活生もいると思います。総合商社のインターンに参加することは非常に重要で、アピールができれば社員の印象に残り、今後の選考にも有利になります。今回は私が実際に総合商社のインターン面接と本選考の面接でされた質問を挙げた上で対策を語ります。総合商社の面接でされる質問は自己PRと志望動機に大きく二分化されます。これに関しては「ロジカル面接術」においても述べられており、数少ない優良な就活本なので時間のある今のうちにぜひ読んでみて下さい。ロジカル面接術2016年基本編1.自己PR自己PRは自己分析の延長線上にあります。自分の人生を振り返り、伝えたいことを一本の串に刺し相手の前に差し出しましょう。また、ただ自分の強みを打ち出すだけでなく、いかに面接官の印象に残るかが重要になってきます。1-1.自己紹介総合商社は非常に人気のある業界で本選考では約100倍-200倍、インターン選考においても約50倍の倍率です。その為、面接官一人が一日あたりに面接する学生の数も多く、印象に残ることが非常に重要になってきます。そこで自己紹介は自分から主導権を握れる数少ないチャンスなので洗練されたものを用意しましょう。1-2.学生時代頑張ったこと(学業)・学生時代に注力した勉強に関して教えて・なぜその研究を選んだのか教えて・卒業論文に関して詳しく教えて・その研究から得られたことを教えて・卒業はできそう?・英語に関しては自信ある?・留学先で感じた文化や価値観の違いに関して教えて内定者で体育会の学生に話を聞くと、「勉強なんかせずにラグビーばっかりしていました。」と潔く勉強をしていなかったことを認め、面接で笑いをとっていた人もいました。しかし、体育会や起業経験などの余程の時間を割かなければいけない課外活動をしていない限りは勉強はしていたというべきでしょう。またその勉強内容が自己PRに結びついていると尚良しです。1-3.学生時代頑張ったこと(学業以外)・学生時代に学業以外で最も注力したことを教えて・サークルの活動内容を詳しく教えて・なぜその団体に入ることを決めたの?・後輩に指導する際に気をつけていた点を教えて・課外活動における挫折経験とそれをどのように乗り越えたかを教えて・その団体において一番苦しかった意思決定に関して教えて・あなたはどのようにリーダーシップを発揮するタイプ?最も自己分析をする分野がこれでしょう。学生時代頑張ったことに関して様々な角度から矢継ぎ早に質問が飛んできます。これも同じで自己PRに一貫性を持たせることで面接官の共感が得られる可能性が高くなります。1-4.自己PRまとめ・簡潔に自己紹介をして志望動機を話して・あなたの強みと弱みを教えて自己紹介、学生時代頑張ったことは一貫性と論理性がある必要があります。つまり上の自己紹介で述べたことと学生時代に頑張ったことの延長線上に自己PRがあります。強みと弱みもそこに触れるとより共感を得られるでしょう。また実際の面接では冒頭、2,3分で自己PRをして下さいと言われることもあるので。様々な長さの時間で自己PRをできるように準備をしておきましょう。2.志望動機本選考においてはなぜ商社なのか、なぜその会社なのか、なぜその部門なのかを細かく何度も訊かれます。インターン選考では希望する部署などは訊かれないものの、商社に入るとしたら何をやりたいかぐらいは話せるようにしておくと良いでしょう。2-1.商社業界に関する志望動機・なぜ商社を志望しているの?・それってメーカーでもできると思うんだけどなぜ商社にこだわる?・トレーディングと事業投資はどちらが重要だと思う?必ずされる質問です。特に本選考ではメーカーとの違いを聞かれる場面は多くある為、インターン選考の頃から意識しておくと良いでしょう。2-2.個別の企業に関する志望動機・組織の三菱と称される弊社でどのような役割を果たしたいか・弊社は「人の三井」といわれるように人材育成に力を入れているが、あなた自身が後輩を育成する際に心がけていたことは?・「三方よし」を実生活の中で意識することはあるか・浮利を追わずという事業精神があるが、利益と正義どちらかを取らなければいけない場面はあったか?・社是「正・新・和」の精神もしくは丸紅スピリットの中で共感するものとその理由を教えてこれに関しては自分が話す会社に対しての志望動機の中に組み込んでおくと説明がしやすいでしょう。全部に触れる必要があるとは思いません。自分が共感できる企業理念、事業精神に関して自分の経験を踏まえたうえで一貫性と論理性をもって話せれば問題ありません。2-3.部門に関する志望動機・エネルギー部門を志望しているようだけど、商社は配属リスクがあるから他の部門になる可能性もあるけど、他の部門でも良いの?・うちはその分野に関しては他商社に負けているけど、それでもその分野に興味があるの?インターン選考ではあまりされない質問だと思います。しかし、本選考に臨むにあたって各商社のセグメント別の状況を横並びにして把握しておくことは必須でしょう。そのクセをインターン選考の時からつけておくと非常に好感度が上がります。2-4.人に関する質問・OB訪問で印象に残っている社員の名前とその理由を教えて・セミナー、OB訪問、面接などで様々な社員とあったと思うけど、どんなところに共感できた?3.その他・今日の日経新聞に商社のニュースが出てたけど読んだ?・最近気になったニュースは?なぜ気になった?・今後の商社業界はどうなると思う?・自分の人生に大きく影響を与えた本とその理由を教えて・尊敬する人とその理由を教えて・40年後にどんな大人になっていたい?・質問したいことはある?・最後に何か言い残したことはある?外資系の面接に比べれば突拍子のない質問は少ないですが、少し考えないと答えられない問題や普段から情報のアンテナを張っていないと答えに窮してしまう質問もあるでしょう。日経新聞やNewspicksなどの経済ニュース媒体に普段から目を通しておくことを強くオススメします。実際に私が就職活動中にどのように経済のニュースを効率的に収集していたのかを下記のコラムにて解説していますので、ぜひご参照下さい。実際に面接でも助かった!総合商社内定者が語るNewsPicks活用法最後にインターン選考は非常に重要です。実際に2016卒の三菱商事や三井物産のインターンに参加した学生は結果的に志望業界からの内定を数多く獲得しています。総合商社志望者はインターン選考といえども気を抜かず、本気で対策をしていきましょう。また、こちらの動画では面接の全体像について紹介していますので、ぜひご覧ください。 21,096 views
総合商社志望者であれば銀行、メーカー、専門商社を見ておくべき 総合商社志望者であれば銀行、メーカー、専門商社を見ておくべき こんにちは。16卒の総合商社内定者です。17卒においては6月1日から面接が解禁されることが正式に決まりました。総合商社の面接は6月1日から始まりますが、もうすでにインターンの応募が始まっています。総合商社志望者は今からでも遅くないのでインターンのエントリーシートを書き始めましょう。さて今回は総合商社を志望する学生であれば早い段階から銀行、メーカーおよび専門商社を見ておくべきだということを伝えたいと思います。総合商社のビジネスは多岐に渡りますし、内定後にある程度の希望は出せるものの、どこの部署に配属されるかはわかりません。また総合商社のビジネスモデルとして「トレーディング」と「事業投資」が挙げられますが、入社してからどちらの業務に従事するかはわかりません。人によってはローテーションでどちらにも従事する人もいますが。以上のように考えた私は総合商社を理解する上で実際に銀行、メーカー、専門商社に関しては本選考も受けていましたし、インターンも行っていました。専門商社では長期インターンでもお世話になっていました。それでは、それぞれの業界ごとに総合商社志望者が受けるべき理由を書いていきたいと思います。銀行を受けるべき理由・銀行の融資と総合商社の事業投資の違いを学ぶ総合商社のビジネスモデルには「事業投資」があると述べましたが、これはいわゆる投資ファンドのようなものというよりかは経営に参画してその事業そのものを活性化させていくというスタンスをとっています。例えば出向先の関連会社の役員に本社の社員を送り、経営に参画させます。経営を通じてその事業自体を活性化させて今後の取引をよくしたり、本社として活性化したその事業に再び投資をしていくという良い循環が生まれます。銀行ではそのような形で経営に参画することは少なく、融資をすることで企業を成長させ、その利ざやを抜いて利益を得ていきます。融資をする企業は総合商社と比べて幅広く、一人の担当者が100社以上の中小企業の担当を持つことはざらにあります。総合商社が自社の事業に関係のある会社に対して投資を行うのに対して、銀行はありとあらゆる業界、企業に対して融資を行うといえるでしょう。私自身銀行の面接で、商社は自分達の利益を最優先に考え事業投資を行っているが、銀行は公共性も考え融資を行っているがそれについてはどう思っているかの意見を求められたことがあります。このような違いがあることを理解しておくことは重要です。・財務的な面で企業を支援することを学ぶ日本の企業が海外に進出したいという時に商社は物流をはじめとして様々な情報やノウハウを駆使してプランを組みますが、銀行はあくまで財務的な支援がメインです。上記では簡単に記述しましたが、実際に企業説明会やOB訪問など社員から直接話を聞くことが重要です。商社の面接でもなぜ銀行ではなく商社を志望しているのかを訊かれます。その際に実際に銀行を見ていると商社との違いが話せて良いでしょう。メーカーを受けるべき理由・商社の一番の得意先であるためメーカーは総合商社の一番の得意先です。トヨタ自動車や新日鐵住金のような日本を代表する企業であっても世界で戦っていくには商社の力を借りる必要があります。また総合商社に入社した場合、メーカーと関わる機会は非常に多いです。そういう意味でもメーカーに説明会やOB訪問を通じて商社との関わり方に関して知っておくことは他の就活生と一線を画すのに良いでしょう。またメーカーの選考は比較的早く始まるので5月中に内々定を出す企業も出てくると思います。メーカーは自社の製品をこよなく愛し、情熱に溢れている人が多いように感じました。特に私が選考を受けたメーカーでは社員が非常によく話を聞いてくれて、良い印象を受けました。専門商社を受けるべき理由・トレーディングが収益の大半を占める専門商社は総合商社と比べると手を出している事業領域が狭く、事業投資に手を出せない会社が多いです。つまり専門商社のメインビジネスは「トレーディング」です。商社の「トレーディング」を理解する上で専門商社を見ておくことは良い経験となるでしょう。・その商材を扱っている社員の雰囲気を掴める専門商社の場合、扱っている商材が総合商社でいうと一つの事業本部もしくは部署のような規模であることが多いと思います。総合商社はよく社内でも部署によってまるで違うカルチャーが存在するといわれますが、このカルチャーは取引先に依存するものが大きいです。専門商社の社員と関わることでその商材を扱っている総合商社の部署に近い雰囲気を掴むことができるでしょう。私自身がインターンを行っていた専門商社と同じような商材を扱っている総合商社の社員にOB訪問した際も同じような雰囲気を感じました。内々定をたくさんもらっておくこと6月1日の総合商社の面接が始まる頃にはメーカーや専門商社の内々定を数社もらっておくことが商社の面接を優位に進めていく上では大事です。またメガバンクは早いと6月1日に内々定を出すので、そこでメガバンク三行のいずれかから内々定をもらっておくことが重要でしょう。また内々定をたくさんもらっておくことは今後の選考においても自信につながります。内々定をもらうことで業界の比較を行うことができるだけでなく、面接での立ち振る舞いにも磨きをかけることができます。最後に他の業界を見ずに総合商社が第一志望であるという言葉には矛盾を感じます。なぜなら総合商社では様々な商材を扱っており、志望した部署に配属されるかどうかはわからないからです。また商社はメーカーのように自社で製品を持っていなければ、保険会社のように商品パッケージがありません。私自身は人生を通して一つの製品にこだわっていく生き方をイメージすることができなかったので、様々な可能性のある総合商社をファーストキャリアとして選びました。そして様々なタイプの専門商社の面接を受けることで業界の知識をつけることができ、総合商社の面接により優位な状況で挑むことができるでしょう。私自身、専門商社でインターンしていたことや銀行から内定を頂いていたことを総合商社の面接では話し、その上で総合商社を志望しているという話をしていました。この方が面接官に対する説得力が増します。総合商社を志望する学生はぜひ視野を狭く持たずに、銀行やメーカー、専門商社のインターンや本選考にチャレンジして下さい。photobyGeorgiePauwels 26,309 views
NTT対策の総まとめ。ーインターン攻略から内定まで主要10社を完全網羅ー NTT対策の総まとめ。ーインターン攻略から内定まで主要10社を完全網羅ー 最近ではこの日に限らず労働環境の是正に向けた取り組みが注目を集めています。そんないわゆる働き方改革の一環として、以下の記事が話題に挙がりました。参考:正社員の待遇下げ、格差是正日本郵政が異例の手当廃止(朝日新聞)元々は、非正規労働者の待遇改善を主な目的に提唱された、"同一労働同一賃金"。その状況を、非正規者の待遇を高めるのではなく、正規労働者の待遇を下げることで格差是正を図ったものとして、非難や反発の声が多く挙がりました。この話の良し悪しは別として、対比のような形でメーデーの翌日に取り上げられたのが以下の記事になります。参考:NTT、非正社員も同じ福利厚生健康診断項目も増える(朝日新聞)元々福利厚生関連の諸制度が充実していることで知られ、世間一般が思い描くホワイト企業として名高いNTTグループ。このようなトピックスの存在もあり、良好な労働環境・待遇が受けられるものとして、例年一定の注目を集める企業グループとなっています。特にこれから本格的にインターン期を迎える20卒の間では、来たる2020年東京オリンピックに関連してより注目度が増すことも想定されます。参考:TowardandBeyondNTT「ホワイト企業に何となく関心が高い」「国内外の通信インフラをより発展させたい」「東京オリンピックに何らかの事業活動で携わってみたい」以上より、今回はこのような考えを少しでも抱いている就活生へ向けて、ホワイト企業群"NTTグループ"から内定を獲得するためのストラテジーとして、各社のインターンから内定を獲得するためのストラテジーをご提案します。各社同一年度で複数種類のインターンを開催していますが、今回取り上げるのは、①選考がある②文系・事務系志望の学生が参加可能③複数日開催(1dayではない)以上3つの条件を満たすものとなっています。まずは"NTTグループ"とは何かを知るunistyleでは過去にNTTグループ各社の社員へOB訪問をした就活生が執筆した記事で、NTTグループの概要について説明しています。(この記事の主旨はNTTグループの業界・企業研究ではなく、「グループ他社企業の社員へOB訪問をする意義」になります)参考:要点をまとめると、・連結子会社900社超。近年では通信とは全く関係のない分野まで幅広く事業を展開・新卒就活では毎年一定の人気を集めるものの、最上位とまではいかないレベルまずはこの2点を認識しておけば十分です。次に、主要企業について個別に見ていきます。今回紹介するのは全て、各項目の筆者が実際にインターン選考に参加し合格・もしくは本選考で内定を獲得した企業として実体験も含めた記述になります。(記載内容は18卒・19卒の内容に基づくものであり、20卒以降にも必ずしもこれが当てはまるとは言えません。)なお、グループ内における主要企業は、一般に以下のように分類されます。[主要5社]東日本電信電話(NTT東日本)・西日本電信電話(NTT西日本)・NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ・NTTデータ[主要8社](主要5社に加え、)日本電信電話(持株)・NTTコムウェア・NTTファシリティーズ[主要10社](主要8社に加え、)NTT都市開発・NTTファイナンスこのうち日本電信電話(持株)については、例年ほぼ理系学生のみの採用となっているため今回は割愛します。なお、NTTグループを志望する就活生には就職エージェントneoの利用がオススメです。アドバイザーから、NTTグループを志望する理由を基に、ほかに受けるべき企業に関するアドバイスなどが受けられます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。NTT東日本:内容も優遇もオーソドックス。GD慣れがインターン攻略のカギ固定電話やフレッツ光を始め世間的な知名度も高いNTT東日本。※NTT西日本志望者もこちらを参照してください。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GD→参加[本選考]ES+Webテスト→個人面接(3回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)ご自身の『強み』について、そう思う具体的な経験や取組みを踏まえて教えてください。※具体的な経験や取組みは、学業や課外活動等、どのような内容でも結構です。(300文字以下)(2)NTT東日本のインターンシップに応募する目的と、参加するにあたっての目標について教えてください。(300文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)大学時代において、「これだけは誰にも負けない」と自負できる取り組みは何ですか?(100字以内)(2)上記取り組みにおいて、ご自身の主体的な行動や、工夫・苦労などについて教えてください。※主体的に行動したものであればどのような内容、結果でも結構です。またその結果は、成功でも失敗でも構いません。(300字以内)(3)NTT東日本というフィールドで、何を実現したいですか?(200字以内)インターン選考では、書類選考通過後に実施されるGDが最大の関門になります。インターン情報解禁から半年近く経過した時期に実施されるため、既に選考慣れが出来ている学生も多く、ある程度質の高い議論が要求されていると言えるでしょう。他社の選考や以下の記事にあるような能力向上に向けた取り組みをすることが、インターン参加に向けても求められます。参考:◎インターン内容近年の事務系のインターンは、ウインターの時期に4日間のプログラムが設けられています。インターン当日には、通信業界に紐づいた新規事業立案という、インターンではよくあるテーマが組み込まれていました。なお、3月には"5日目"と称して同タームの参加学生と再び交流する機会が設定されています。ウインターの時期に連続では無くあえて本選考解禁後に接触することで、学生のロイヤリティ―を高める意図が感じられます。◎本選考への優遇NTT東日本では、例年広報活動解禁日(18・19卒は3月1日)にプレエントリーするとリクルーターがつくことで知られています。インターンに参加していると、本選考のマイページをそのまま引き継げるほか、自動的にリクルーターがつくため有利に働くことが推測されます。一方、基本的に内定出しは選考活動解禁日(18卒・19卒は6月1日)以降になるため、インターンに参加していても面接が開始するまでしばらく待つ必要が出てきます。ちなみに、19卒ではインターン中に個別に1対1で社員からフィードバックを受ける機会があり、インターン中の取り組みはかなりチェックされていることを感じました。本選考対策に関しては以下の記事も参考にしてください。参考:NTTデータ:インターンルートでもかなり差がつく。学歴重視?国内最大手SIerとして、NTTグループ内でも抜群の人気度を誇るNTTデータ。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES→Webテスト→参加[本選考]ES+Webテスト→GD→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)NTTデータのインターンシップに応募した理由を教えてください。(200字以内)(2)今までの経験の中で、一番やりがいを感じた経験を教えてください。(200字以内)(3)あなたがチームで最も高い成果を上げた経験、役割とチームへ及ぼした影響を教えてください。(200字以内)(4)日常でおかしいと感じていることは何ですか?その内容を理由とともに教えてください。(200文字以内)【本選考ES】(19卒)(1)-1NTTデータでは求める人財像として、次の3つを定義しています。この中でご自身にもっとも当てはまるものを選択してください。(考導力・変革力・共創力)(1)-2上記設問で回答した内容を元に、NTTデータを志望した理由を記入してください。(全角200文字以内)(2)選択いただいたコースで、入社後チャレンジしたいことを述べてください。(全角200文字以内)(3)-1あなたがチームで最も高い成果を上げた経験について、選択してください。(3)-2上記で選択された経験について、そのときのあなたの役割とチームへ及ぼした影響も含めて具体的に記入してください。(全角300文字以内)(4)-1今までの人生の中で一番苦労したことについて、選択してください。(4)-2上記で選択された苦労したことに対して、どのように乗り越え、そこから何を学んだか記入してください。(全角300文字以内)NTTデータのESではインターン・本選考共通して"経験"、すなわち学生時代頑張ったことが複数尋ねられる点が特徴です。インターン参加者を見ても、学生時代に自身を持って取り組んだ何かを持っている学生が多く揃っていた印象がありました。特にインターンではGD・面接なしで書類のみでの選考となるため、各設問短い字数の中で他の学生よりも一歩抜けた回答を創り上げないと通過は難しいと考えられます。また、WebテストはESと同時では無く、ES通過者のみが受験可能となる点に注意が必要です。ES通過者でもこのWebテストで落ちている人は周囲に多い印象でした。本選考では過半数が学校推薦で採用され、インターンでも全体的に上位校の学生が多く集まっていたことから、学歴のスクリーニング要素が高い企業という推測も出来るでしょう。◎インターン内容上記フローを選考で辿うサマーインターンでは、課題解決を軸とした事業立案系のワークということで、内容自体はこれと言って特徴は感じられませんでした。先ほどのNTT東日本では、通信が絡んでいれば基本的に何でもOKに近いテーマでしたが、NTTデータでは同社の事例やビジネスモデルとの関連が比較的重視されている印象がありました。とは言えSIerやNTTデータに関する業務については初日に説明があり、テクニカルな知識についても参加において全く無くても問題ありません。◎本選考への優遇今回紹介した書類選考のみのインターンでは、参加者の中から選抜されて後日限定のイベントに招待されることがあります。こちらに参加出来れば高く評価されていることが想定され、本選考でも優位に働く可能性が高いと考えられます。限定イベントに参加出来なかった場合でも、学生によって早期選考に呼ばれる場合もあれば一般学生と全く同じスケジュールを組まれる場合もあるなど、優遇にはかなり差がつく企業と言えます。タームを多数(19卒ではサマーだけで6つ)設け、インターン参加者自体は数多く存在することから、採用側からすれば出来るだけ多くの学生と接点を持ち、インターンの現場で優秀な学生を発見し囲い込もうという意図が感じられました。そのため、こちらも参加出来ればそれでよしでは無く、インターン=選考の場と考え、レベルの高い学生の中で目をつけてもらえるような取り組みが求められると言えるでしょう。NTTドコモ:インターンの選考フローが特徴的。求める人材が明確NTTグループの中でも圧倒的な収益力を誇り、携帯端末で国内No.1の契約者数を誇るNTTドコモ。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GDまたはプレゼン→参加[本選考]ES+Webテスト→(GD)→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)ドコモに限らず、インターンシップに参加しようと考えた理由を教えてください。(150文字以内)(2)あなたの個性・長所を「漢字1文字」で自由に表現してください。(400文字以内)【本選考ES】(19卒)(1)学生時代にチャレンジしたエピソードを語ってください(成功・失敗問わず)(400字以内)(2)ドコモで叶えたい夢を教えてください(300字以内)「」でも述べた通り、NTTドコモではインターン選考のプレゼンテーションが特徴的なフローになっています。詳細については同記事を参照してください。過去の関連記事でも再三触れていますが、同社では毎年「挑戦心」「行動力」という採用キーワードを掲げており、各選考におけるアピールポイントが明確になっている点でやりやすさを感じるという意見もあるようです。この2つのキーワードを深く解釈し、もう一つの採用キーワードである「個性」をいかに示せるかがポイントになるでしょう。また、エントリーシートについては、少し前までは「ドコモはまだまだつまらない。あなたならどう面白くしますか?」「桃太郎の家来に4匹目がいるとしたら(などといったテーマから一つ選択)」など奇抜な内容が同社の特徴でしたが、18卒以降は上記のような比較的オーソドックスな内容に落ち着いています。◎インターン内容NTTドコモが今後注力するべき新規事業立案をするという、これまたよくあるビジコン形式の内容です。"個性"が採用キーワードになっていたり、プレゼンテーション等で自分を売り込む力に長けた学生が多く集まることから、活発な議論のもと他の学生に埋もれることなく、社員からの評価を得ることが肝心になります。◎本選考への優遇インターンの選考フローにGDが組み込まれていることもあり、参加者は本選考でGDが免除されます。また、インターン中のメンターの評価は本選考の優遇度にも影響するようで、NTTデータと同様に選考時期や面接の雰囲気(深堀りの難易度)は参加者内でも差がついているようでした。NTTコミュニケーションズ:志望動機が勝敗を分ける。最もボリュームのあるインターン◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→個人面接→参加[本選考]ES→(GD)→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)本インターンシップに参加する理由(400文字以下)(2)そのフィールドを選択する理由、そのフィールドに関わりのある経験がある場合はその内容も伏せて(400文字以下)(3)あなたがもっとも自分らしいと思う内容で自己PR(400文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)学生時代に特に頑張った経験について、最も力を入れた内容をご記入ください。(200文字以下)(2)当グループで挑戦したいことや夢/目標をご記入ください。(400文字以下)(3)その夢/目標を自分が実現できると思う理由をご記入ください。(400文字以下)NTTコミュニケーションズのESの特徴として、全体的に志望動機に関する設問が多いことが挙げられます。国際・長距離通信事業が主軸と言われても総合的な事業内容を理解するのがやや難しい企業であり、企業研究を深く行っている志望度の高い学生に受験して欲しいという考えが、ES設問・インターン日程から感じ取ることが出来ます。◎インターン内容本選考解禁前に例年多くのセミナーを開催しているNTTコミュニケーションズですが、メインとなるのは2月に「職場体験型インターン」と称して2週間近くに渡って実施されるインターンです。2月はウインターインターンの最盛期として他社も多く開催している時期であるため、このインターンに参加するということはそれなりの志望度がある学生がほとんどだと思われます。(企業側にも長期間拘束することで他社との関わりを減らし、志望度を高めてもらおうという意図が少なからずあると考えます)これまで紹介した各企業ではグループワーク形式の事業立案がほとんどでしたが、NTTコミュニケーションズではミーティングへの参加・提案資料の作成といった実務に近いプログラムが組み込まれていました。"机上の空論"では無く、実際の仕事内容を知るという意味でインターンに目的意識を持っている方には最も推奨したいインターンになっています。◎本選考への優遇二週間という長期間のインターンになりますが、参加したら即内定ということは無いようです。参加者は基本的に本選考のGDが免除、学生によっては面接の回数もカットになることもありました。志望度を重視する企業であるため、本選考に関連したイベントや面談には二つ返事で参加した方がいいでしょう。NTTコムウェア:インターン満足度No.1。フローの割に本選考への優遇が大きいNTTグループ向けのシステム開発を主な生業とするNTTコムウェア。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→参加[本選考]ES+Webテスト+テストセンター→リク面→(GD)→個人面接(2回)→内定【インターンES】(19卒)(1)NTTコムウェアを知ったきっかけとインターンシップに応募した理由を、あなたがインターンシップを通して得たいことを含めて、400字以内で記述してください。【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社で挑戦したいと考えていることを教えてください(400文字以内)(2)学生時代に一番こだわりを持って取り組んだ経験を記述してください(200文字以内)(3)好きなテーマを以下から選択し、そのテーマについて記述してください(200文字以内)事業内容が重なることからNTTデータと比較して見られることが多いNTTコムウェアですが、インターンのフローはESと"同時に"Webテストが課されるというタイミングこそ異なるものの、書類選考のみで参加可否が決定されるという点では共通しています。ESの内容は志望動機ですが、インターンのESで志望動機のみを尋ねてくる企業は珍しい印象です。本選考では19卒から設問が大きく変更され、自己PRが問われなくなった一方志望動機の比重が高まりました。◎インターン内容上記フローによる5dayのインターンは、夏に3日間・秋に2日間という形で分割されています。NTTデータと同様、SIerの業務に関連した事業立案がメインのグループワークになっています。「また同じか」という声も聞こえてきそうですが、同社のインターンは17卒の楽天みん就「インターンシップ参加学生が支持したランキング」で1位を獲得するなど、コンテンツの満足度がかなり高いインターンになっています。その要因の一つが、PM(プロジェクトマネージャー)と呼ばれるメンター社員のサポートにあると感じました。単純にサポートが「手厚い」というだけでは無く、報告の形式やそもそもの立ち位置など、学生によって有意義なものにするための工夫が随所に散りばめられている、参加価値が高いインターンだと感じました。◎本選考への優遇このインターンに参加すると、全員一律で本選考のGDが免除になるというかなり大きな優遇を受けることが出来ます。選考時期も一般学生と比較して早いスケジュールが組まれます。インターン中の取り組みの評価はそこまで持ち越されること無く、他社と比較すると一律の優遇度に近い印象がありました。さらに、ウインターの時期に開催される1dayのインターンに選考無しで参加できる点もメリットと言えます。しかしこれは、インターンに参加すれば(本来の)GDのフローまで自動的に進めるという意味では無く、インターン生の中でもES落ちしたというケースも報告されてはいます。いずれにせよ、インターン選考でGD・面接が無いのにも関わらず、本選考でGDがカットになるというのは非常に優遇度が高い企業と言えるでしょう。NTTファシリティーズ:優遇なし?「イベント」という名の選考に注意。◎選考概要【選考フロー】[インターン]GD→参加[本選考]ES+Webテスト→GD→個人面接(2回程度)→内定【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社でやりたいことを具体的に記入ください。(400字以内)(2)あなたの性格を自己分析し、その特徴を学校生活(勉強)や課外活動での具体的経験に基づいて説明してください。(400字以内)NTTファシリティーズのインターンでは、「プレイベント」と称して説明選考会の形でGDが課されます。(具体的に「GDを行う」ことは予告されませんでしたが、ここ2年は両方GDが課されました。)唯一のフローであるGDでは、積極性が求められると考えます。この項目の筆者の場合は、議論をリードする力が認められインターン参加に繋がりました。また1次面接の前に採用担当の方と話した際に、本選考のGDでも同様の力を認められたことを伝えられました。また、インターン当日においても積極的に発言する人が少なかったことから、積極的に議論をリードする姿勢が高く評価されると想定できます。(例えばデータやドコモと比較すると発言力に長けた学生が少なかったため、グループの中心的な立ち位置を確保するのはそれほど難しくない印象です。)◎インターン内容3日間のインターンで、1日目はNTTファシリティーズに関する説明・アイスブレイクを兼ねたポスター作り・翌日からのグループワークのためのインプットで、2・3日目がグループワークでした。グループワークはまちづくりを軸とした事業立案系のワークで、実在する地域を舞台としてNTTファシリティーズが実際に持っている技術を使って提案をする点が特徴的でした。◎本選考への優遇インターンの選考フローがGDのみということもあってか、インターン参加者と一般組で選考時期・選考フローで差も付きにくく、優遇はほぼないと考えられます。19卒ではインターン参加者は広報活動解禁前に座談会に招待されました。しかし、1時間半で企業の説明+座談会という簡単なもので、これ以外に特に接触はなく、インターン後の接触機会の少なさからも本選考への優遇はほぼないと考えられます。NTT都市開発:インターン選考のフローの多さと実務との"近さ"が特徴。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES→GD→個人面接→参加[本選考]ES→個人面接(3回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)あなたがNTT都市開発のインターンシップに参加したいと思う理由をご記入ください。(300文字以下)(2)あなたがアピールしたいことを具体的な経験を交えてご記入ください。(300文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社で挑戦したいと考えていることを教えてください。(400文字以内)(2)学生時代に一番こだわりを持って取り組んだ経験を記述してください。(200文字以内)(3)好きなテーマを以下から選択し、そのテーマについて記述してください。(200文字以内)NTT都市開発のインターン選考ではGDと面接が両方課され、今回紹介する企業の中では最も突破すべきフローの数が多い企業となっています。特にGDが鬼門のようで、周囲の学生の多くがここで落とされていました。また、そもそもの実施時期が2月ということもあり、GDや面接経験を積んでいる学生の割合も増えてきているため、何となくのデベロッパー志望の学生が受験しても全く勝負できずに終わることになるでしょう。◎インターン内容インターン参加者は、事業テーマごとに5つ程度の配属部署に分けられます。この部署はエントリーの段階で希望を出し、面接でも「なぜその部署を志望したか」について問われることになります。内容自体はその部署のプロジェクトに関連したグループワークですが、大教室に多くの学生が詰め込まれる他社のインターンとは異なり、実際に社員が働いているフロアでワークを進めることになります。そのため、疑問点があればすぐに現場社員へ質問するなどして、常に実際の業務との繋がりを考えながら取り組める点が大きな特徴になっています。実際に部署で関わる学生も各6名程度と非常に少ない中で多くの社員と交流をはかれるため、企業説明会や採用HPで得られるような情報のインプットに終始することなく、「デベロッパー業界で働くとはどういうことか」について現場視点で理解を深めることが出来ます。この点、充実したコンテンツが組み込まれたインターンだと他社と比較しても感じました。◎本選考への優遇内定直結には至らないものの、人数が少ないこともありインターン参加者には早期選考スケジュールが組まれています。インターンの段階でかなり絞り込まれるとは言え、本選考の採用人数も毎年30名程度とグループ10社では最も少ないため、自己分析等の精度はもう一段階高めておくべきでしょう。NTTファイナンス:昨年度からGDが追加。基準不明の「招待枠」の存在ありNTTグループの金融事業従事者として、ビリング・リース・カードなど幅広い事業を展開するNTTファイナンス◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GD→参加※招待枠あり[本選考]ES+(テストセンター)→(GD)→集団面接→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)学生時代に注力したことをご記入ください。(300字以内)(2)今回のインターンシップで活かしたい自分の強みをご記入ください。(150字以内)【本選考ES】(19卒)(1)ご自身の長所をご記入下さい。(30字以内)(2)ご自身の短所をご記入下さい。(30字以内)(3)志望動機をご記入ください。(200字以内)(4)学生時代に注力したことをご記入ください。(400字以内)NTTファイナンスでは19卒からインターン・本選考共にGDのフローが追加されました。選考自体にこれと言った特徴はありませんが、上記フローに加え「招待」という形で実質的な選考が無いまま参加出来るというタームが一つ用意されていました。本項目の筆者は大学近くのカフェで開催されていた交流会に参加したことが招待に寄与したようですが、そうで無くても招待案内が来た同じ大学の友人はおり、選考基準は全くの不明です。企業と接点する機会を見つけたら参加してみると、選考なしでインターン参加の座を掴めるかもしれません。◎インターン内容3日間のインターンで、1日目がリース業界やNTTファイナンスの変遷に関するインプット中心、2・3日目がグループワークでした。グループワークの内容は「NTTファイナンスが取り組む海外新規事業を考える」という事業立案系のワークで、各班に1人メンターがつく以外は特に変わったことはありませんでした。ワークの途中にグループファイナンス部門とグローバル部門の方の講演があり、各部門の理解を深めることができます。総じて「グループワークでリースについて知ってもらい、その他のコンテンツでNTTファイナンスを知ってもらう」という内容のインターンとまとめられます。◎本選考への優遇インターンに参加していると、一般組と比べて選考時期が1か月程度早くなることに加えてGDが免除され、かなり有利に働きます。また、インターン選考の際に提出したWebテスティングサービスの結果をそのまま使い回せ、実質テストセンターを受験する必要が無くなることもメリットと言えるでしょう。インターン後の接触も多く、インターン中の取り組みについてフィードバックを受けるフィードバック面談や、現場で働く職員の方と1対1や1対2(学生2人)で会話することができる社員質問会に招待されます。また、説明会もインターン参加者限定のものに招待されます。おまけ:「ホワイト企業だから」を軸とした"NTTローラー"はアリか?ここまでの内容を総括すると、NTT主要10社では全体的にインターンに参加することで本選考で有利に働く企業が多いことがわかると思いますNTTグループを志望する学生には「ホワイト企業」という軸を設定している人も多く、「NTTグループ主要企業をひたすら受けてホワイト企業から内定を貰おう」という”NTTローラー”を実施する人も一定数いる気がしています。この姿勢には、良い面・悪い面両方があると考えています。NTTローラーのメリット:「チームNTT」の自覚と事業領域の共通性今回取り上げたようなグループ企業は、それぞれあくまで別の法人である以上、各企業はそれぞれにとっての利益を追求することになります。しかし一方で、社員の多くが自分の所属企業だけでなく、「NTTグループの」社員としての自覚を持ちながら業務に励んでいることも事実だと思っています。実際、NTTコムウェアからNTTファイナンスへ異動した社員は冒頭で触れた記事で以下のように述べています。この方曰く、グループへの貢献の仕方が変わっただけであり、他へ移ったとしても自分がグループの一員であることには変わりなく、逆に違った角度からに携わることができて働くうえでもプラスになったとのことでした。参考:例えばファイナンスの近年の代表的な取り組みであるおまとめ請求。ドコモの携帯・東西の固定電話・コミュニケーションズのインターネットなどの請求を一括化するビリングサービスですが、これはファイナンス自体の利益よりも、NTTグループ全体としての業務効率化・コスト削減に寄与した面が大きかったと言われています。出向先であるコムウェアが多くを請け負うグループ内の取引は、コムウェアの売上=東西を始めとした他社のコストとなり、連結会計的には資産の移動に過ぎません。それでも「意味がない」で片づけることなく、というグループを支えている自覚が多くの社員にはあると、これまで多くの方から話を伺い感じてきました。こういった中、グループ内で多くの企業に目を向けることはグループを包括的に捉えることに繋がり、選考にプラスに働くことも多いと思っています。また、近年グループでは多くの企業で””がキーワードになっており、事業内容も重なる点が多くなってきている印象があります。例えば同じ「働き方改革」というキーワードを取ってみても、各社さまざまな切り口から近しい事例を展開していることが読み取れるでしょう。参考:生産性向上で「働き方改革」(東日本)NTT高解像データを扱う建設、製造、医療業界などの働き方改革を支援(データ)NTTドコモと実現する「働き方改革」コムウェアの働き方改革NTT「働き方改革」のヒントはスマートビルディングにあった(ファシリティーズ)NTTこのように、東西=固定電話・ドコモ=携帯電話のような完全な住み分けはなされず共通性が高まった昨今において、複数のグループ他社の選考を受けることは一定の効果を発揮すると言えるでしょう。NTTローラーの注意点:「ホワイト企業」の定義とリスク回避思考の甘さ一方、「ホワイト企業」を軸に企業を選定する場合は、自分なりの”ホワイト”の定義についてしっかりと向き合っておくべきだと考えています。例えば、「若手の意見でも筋が通っていれば採用される風通しの良い社風」をホワイト企業の条件とみなした場合、典型的な大企業で一社時代のベテラン層も抱えるグループ各社においては、それが満たされない可能性は十分あると思われます。また、創業者樋口が取り上げていた記事の通り、「ホワイト企業に入りたい」という考え方の多くは「ブラック企業は嫌だ」というリスク回避的な思考に基づき、結果的にホワイト企業からの内定を勝ち取ることが出来ないケースに繋がりやすいという考え方も存在しています。これ非常に面白かった。ブラック企業に入社してしまう人の傾向として、①リスク回避型である、②自己肯定感が低い、③一方で自尊心は強いという傾向がありそうとのこと。リターンの最大化よりもリスクの最小化を志向した結果、皮肉なことにブラック企業に入ってしまう。https://t.co/VNQRvrOmoB—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2018年5月10日また、そもそもホワイト云々の待遇の話は企業から「与えられるもの」に過ぎず、「自社の利益に貢献できる人材」を選定する採用側からすれば、ホワイトな環境目当てでエントリーしてくる学生は好ましくは思わないでしょう。ホワイトかどうかはあくまで自分の心の中の一つの軸として、採用側にも納得感を示せるような経験に紐づく筋の通った軸を設定しないと、結果として自らの満足のいく内定先を確保できない可能性が高まります。両者より、「NTTローラーは選考上プラスに働く面も大きいが、『ホワイトそうだから』という一辺倒の考え方は、内定獲得を遠ざける」とまとめることが出来ます。是非、今後インターンや本選考でエントリーをする際の一つの参考にしていただければと思います。「ローラーは選考上プラスに働く面も大きいが、『ホワイトそうだから』という一辺倒の考え方は、内定獲得を遠ざける」最後に「就活は情報戦」という言葉をしばしば耳にしますが、今回の「本選考へ優遇があるか」といった話は今後のインターン選びにおいても特に重要な情報となります。unistyleでは今後も就職活動生の皆さんに有益な情報を数多く提供していきますので、是非アンテナ高く活用してご自身の就職活動に役立てていただければと思います。 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「総合商社、辞めました。」76人の商社マンの転職キャリアを追う 「総合商社、辞めました。」76人の商社マンの転職キャリアを追う 2017年10月ごろ、unistyle創業者・樋口のツイートが話題になりました。三菱商事・三井物産・伊藤忠商事の上位3社を中心に、「新卒就職人気ランキング」の類では上位を独占している総合商社。近年は業界全体として好調をキープしており、2月初めにリリースされた2018年3月期・第3Q決算では、各社とも従来年度を大きく上回る純利益を稼ぎ出しています。参考:しかしその一方で、樋口のツイートにもあるとおり、一部の総合商社では20代の若手社員の離職率が高まっており、人材流出の加速が懸念されています。本記事のテーマは、「総合商社を退職したあとの転職キャリア」。■PE(プライベートエクイティ)ファンド■戦略系コンサルティングファーム■VC(ベンチャーキャピタル)■ベンチャー企業(役員クラスのみ対象)■スタートアップ起業以上の5つのキャリアへと転じた76名の「元・商社パーソン」を追うことで、「総合商社を退職した人材は、どこに転職しているのか」という論点を考察します。【index】■転職データのリサーチ(条件定義)■総合商社の離職率が「高い」は誤り■示唆①:年齢・実力次第で多様な転職キャリアがある■示唆②:各総合商社ごとに、転職傾向が異なる■最後に:総合商社の転職・離職をどう捉えるべきか▼なお、総合商社からファンドへ転職するケースに絞って考察した以下の記事も、多くの方にご覧いただいています。参考:転職データのリサーチunistyleでは「人気企業に新卒入社したあと、転職してたどり着くエリートキャリア」について理解を深めるため、■PE(プライベートエクイティ)ファンド■戦略系コンサルティングファーム■VC(ベンチャーキャピタル)■優良ベンチャー企業*以上の4つの集団に対象を限定し、これに該当する1,332名のビジネスエリートのキャリアを独自に調査し、データベースを作成。「一流転職市場のリアル」に迫りました。*各ベンチャー企業のなかでも役員クラスのポジションのみ対象、起業したケースも含む。また、株式未上場の場合、直近5年以内に1億円以上の資金調達を行っていることが選定条件。なお、全ての情報は有価証券報告書ないし企業HPから収集したものです。前提として:総合商社の離職率が「高い」は誤り本記事の冒頭でも述べたように、近年、一部の総合商社では若手の離職率が高まっており、各社の人事戦略上の懸念材料のひとつになりつつあるようです。ただし、総合商社の若手離職率はあくまで「これまでの水準と比較すると相対的に高まっている」というのが現状であり、「総合商社の離職率が高い」わけではないということには留意しておきましょう。そもそも、総合商社は離職率が低いことで知られる業界のひとつです。『就職四季報』2019年度版で開示されている「入社3年目までの離職率」は、伊藤忠商事6.7%、三井物産6.5%、住友商事2.7%。厚生労働省の統計によれば、新規大卒就職者の入社3年目までの離職率は平均32.2%ですから、これと比較すると総合商社の離職率が極めて低い水準にあることがわかります。以上のことを前提としたうえで、以下では実際のデータをもとに総合商社からの転職ルートについて考察します。示唆①:年齢・実力次第で多様な転職キャリアがあるunistyleがリサーチした5つのキャリア、■PE(プライベートエクイティ)ファンド■戦略系コンサルティングファーム■VC(ベンチャーキャピタル)■ベンチャー企業(役員クラスのみ対象)■スタートアップ起業のなかの総合商社出身者数*は、それぞれ以下のようになっています。*主要6社(三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅・双日)の合計。ただし、双日は前身の日商岩井・ニチメンも含む。5つのカテゴリすべてに一定数の「元・商社マン」が在籍していることが分かります。あくまで当人の実力次第ではあるものの、総合商社からほかの業界に転職する場合、それなりに幅広い選択肢が用意されていると言えそうです。ただし、年次が上がれば上がるほど転職市場価値は失われていくのも事実のようです。具体的には、新卒入社してから5年目(年齢では20代後半)前後までに決断しなければ、理想的なキャリアチェンジを実現するのは難しくなっていくと考えられます。さまざまな業界への転職ルートが開かれているのは事実ですが、それもあくまで「当人の実力と年齢しだい」という条件付きだということには留意すべきでしょう。参考:また、以下の2点も興味深いポイントです。(1)総合商社からベンチャー役員への転職も多い総合商社というブランド企業の名刺を捨て、ベンチャー企業へと転職していく層もかなり多いことが分かります。給料やブランド、安定感などに見切りをつけ、裁量の大きさやスピード感、自分の興味などを優先した決断だと考えられます。参考:また、彼らの多くはCFO(ChiefFinancialOfficer)などの専門的な知見が求められるポジションではなく、COO(ChiefOperationOfficer)や”ヒラ”の取締役・執行役員、あるいは海外拠点長など、特定の領域に特化していない「なんでも屋さん」的ポストに就いていることが多いようです。「」でも触れたように、総合商社の出身者の多くは一人で幅広い業務を担ってきたゼネラリストであるため、転職後も「なんでも屋さん」としての立ち回りを期待されていると考えられます。(2)総合商社から起業するケースも一定数見られる今回の調査対象(上場済みベンチャー+1億円以上の資金調達を経験したベンチャー)のうち、7社が総合商社出身者によって起業されたスタートアップでした。そもそも総合商社の業務の本質は「ビジネスをつくる」ということにあり、過去には総合商社発の社内ベンチャーが成功した事例もあります。SoupStockTokyo(三菱商事)やeGuarantee(伊藤忠商事)などが好例でしょう。参考:また、三井物産も社内スタートアップ制度を新設するなど、「起業家精神」の喚起に努めているように見えます。参考:とはいえ、こうした成功事例はいまだレアケースであり、総合商社は必ずしも「自分の思い描くビジネスを意のままにカタチにできる環境」ではありません。組織的な制約を受けずに自分自身のビジネスを展開すべく、独立・起業という選択肢を選ぶケースが見られるのは、いわば当然のことです。以下、今回の調査対象(1,332名のキャリア)のなかから、総合商社出身者が起業した事例を2つピックアップしておきます。【起業例】sansan・寺田親弘氏(三井物産出身)名刺管理サービス「sansan」「eight」を運営するsansan社は、三井物産出身の寺田氏によって立ち上げられました。三井物産・情報産業部門で経験を積んだのち、入社8年目にあたる2007年に同社を退職、sansan社を設立されています。1999年3月慶應義塾大学環境情報学部卒業1999年4月三井物産株式会社入社情報産業部門に配属2007年6月Sansan株式会社代表取締役就任参考:役員紹介sansan【起業例】reblue・岡田英之氏(伊藤忠商事出身)サーフィン動画を配信するサービス「NobodySurf」を運営するreblue社。2018年1月、約2.3億円の資金調達を実施したことが報じられた同社は、元・伊藤忠商事の岡田氏によって創業されました。前職の伊藤忠商事では情報産業部隊に所属し、うち6年間はポータルサイトを運営するexciteへ出向。そこでスマートフォンアプリ事業に従事したのち、2014年にはreblue社の立ち上げを決断されたようです。ご自身の趣味でもあるサーフィンを、伊藤忠商事での業務経験と結びつけて事業化している点で、非常に興味深い(そして、ロマンのある)ケースだと言えます。慶應義塾大学環境情報学部卒業2001年伊藤忠商事入社2009年エキサイト(excite)へ出向2014年reblue設立参考:世界中のクールなサーフィン動画を集めたアプリ「NobodySurf」、運営のreblueが2.3億円の調達(TechCrunch)「Passion×Tech」ビジネスの最前線(COMPASS)なお、総合商社を退職して起業したケースについては、以下の記事も参考にしてください。参考:また、以下の記事では、伊藤忠商事を退職して当サイトunistyleを立ち上げた樋口のストーリーが綴られています。参考:示唆②:各総合商社ごとに、転職傾向が異なるまた、上述の転職データを各総合商社ごとに見てみると、主要5社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)にもそれぞれ転職傾向の違いが見えます。以下、このデータについて、2つのポイントに言及します。(1)業界上位のほうがエリート人材輩出数も多い今回の調査対象である5つの業界での在籍人数を各総合商社ごとに合計すると、三菱商事(25名)がトップ、これに三井物産(14名)、伊藤忠商事(14名)と続いており、住友商事(9名)、丸紅(3名)はそれぞれ少なくなっています。お気づきのとおり、この序列は現在の純利益ベースでの業界順位とピタリと一致しています。もちろん一概には言えませんが、この事実によって「業界上位の総合商社ほど、多くのエリート人材を輩出している」という仮説が説得力をもつことになるでしょう。(2)三菱商事はPE・VCへの転職に強い三菱商事は、PE(11名)とVC(5名)にひときわ多くの転職者を出しており、投資ファンドへの転職実績においては三井物産・伊藤忠商事と一線を画していると言えます。この点については、以下の記事にて詳細に考察しています。ぜひこちらも併せてご覧ください。参考:最後に:総合商社からの転職・離職をどう捉えるべきか本記事では、unistyleが独自に実施した転職リサーチの結果をもとに、以下の2つのポイントについて考察しました。①総合商社には、年齢・実力次第で多様な転職キャリアがある総合商社は、調査対象とした5つの業界にそれぞれ一定の転職者を輩出しており、転職にあたっては比較的幅広い選択肢が用意されていると考えられる。ただし、転職市場での価値はあくまで各個人の実力・年齢によって大きく変動しうる。②各総合商社ごとに、転職傾向が異なる5つの対象業界への転職者数は各総合商社ごとに異なっており、その輩出人数の序列は現在の業界順位と一致している。また、「三菱商事が投資ファンドへの転職に強い」等、各総合商社ごとに転職傾向がやや異なっている。総合商社から転職すること、そしてその転職者が増加傾向にあることを、私たちはどう考えるべきでしょうか。「総合商社の業務が、若手社員にとって魅力的でなくなっている」「配属リスクなどの組織体質が、不満の要因になっている」などとネガティヴに解釈することもできる一方、「総合商社はチャレンジングかつ優秀な学生を採用できている」「雇用の流動性が高まり、各個人が自分なりの幸福なキャリアを追求できている」などとも捉えることができます。いずれにせよ、皆さんが「新卒カード」を使えるのはたった一度きり。目先の承認欲求や憧れだけで就職活動を進めるのではなく、長期的なキャリアビジョンやライフプランをしっかりと見据えたうえで、あなた自身が本当に納得のいく(≒将来、あなた自信が幸福になれる)ファーストキャリアを選びましょう。総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に総合商社志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。▼総合商社のコラム記事はこちらから■■▼総合商社の選考対策はこちらから■■■■■ 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