総合商社における社内ベンチャーの4つの実例

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最終更新日:2023年10月24日

総合商社における社内ベンチャーの4つの実例

起業には興味があるけれど今の自分の実力やビジネススキルを考えると、一旦就職してから選択肢の一つとして考えた方がいいなと思っている賢明な学生も少なくないように思っています。実は成功している起業家の多くが安定的な道を確保しながら、リスクを取っているという話もあるので、自分に自信がないのであれば、いきなり起業という選択をしない方がよいでしょう。


また実際に自分でリスクを取って起業するという方法以外にも、社内ベンチャーとして会社の資本とノウハウを利用して起業する方法もあります。今回は総合商社4社の成功している社内ベンチャーの実例についてご紹介します。

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三菱商事:スープストックトーキョー

皆さんも一度は足を運んだことがあるかもしれない食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」は、もともと三菱商事社員でケンタッキーフライドチキンに出向中であった現社長の遠山氏による社内ベンチャーです。1999年にお台場ヴィーナスフォートに1号店をオープンし、2000年に社内の各部門に掛け合い、また個人としても13%出資する形で、三菱商事株式会社コーポレートベンチャー0号として株式会社スマイルズを設立しました。当時はまだ三菱商事に社内ベンチャー制度がなかったため、現社長の遠山氏が勝手に社内ベンチャー0号と呼んでいるとのことです。

2008年には、親会社である三菱商事との分野かスケール感の違いを感じたために、自身で資金をかき集めてMBOという形で全ての株式を三菱商事から買い取り、100%株主としてスタートしています。すでに10年間経営していたことから、MBOに必要な資金もかなり大きかったと考えられますが、それでも自身で舵取りを行う決断をしたようです。事業は2016年現在も順調に成長しており、2015年3月期の売上高は84億円となっています。

住友商事:MonotaRO

株式会社MonotaROは中小企業が利用する工場関連の資材を扱うECサイトを運営しています。一時期CMを放送していたことがあるので、見たことがある方もいるかもしれません。

MonotaROは2000年に当時住友商事の社員だった瀬戸欣哉氏が、社内ベンチャーとして、関節資材販売大手の米グレンジャー社と共同で立ち上げた住商グレンジャーが前身となっています。瀬戸欣哉氏は住友商事の鉄鋼部門からキャリアをスタートし、1996年米国ダートマス大学にてMBAを取得中に創業期のAmazonに出会い、インターネットを使ったeコマースを商社のビジネスにも応用できないかと考えMonotaROの前身となる住商グレンジャーを立ち上げたようです。2006年にはMonotaROに商号を変更し、マザーズに上場し、2009年に東証一部に指定替えを行いました。

なお、創業者の瀬戸欣哉氏は2015年に建築材料・住宅設備の最大手LIXILグループの社長に就任しました。社内ベンチャーの立ち上げから、プロ経営者の道を歩んだ形になっています。

伊藤忠商事:イー・ギャランティ

イー・ギャランティは企業の売掛債権保証サービスを中心に、信用リスク受託・流動化事業を行う企業です。中小企業が商売をする際には掛けで取引するケースが多いのですが、取引している中小企業が倒産した場合に、売掛け金を回収できないことがあります。倒産した場合に売掛け金を全額保証する代わりに、売掛け金の数%を手数料としてもらうというのが簡単な説明になります。

イー・ギャランティは現在社長の江藤氏が伊藤忠商事入社3年目の2000年に社内カンパニーの子会社として設立しました。当初は会社名の通り、インターネット取引における決済の保証会社として立ち上げましたが、2001年から企業間取引における売掛け金の保証サービスを提供するようになり事業が大きく成長、2007年にジャスダックに上場し、2012年に東証一部に指定替えを果たしました。

前述のスープストックトーキョーも、MonotaRoも入社10年目以後に社内ベンチャーとして発足したのに対し、イー・ギャランティは入社3年目の若手が立ち上げたという点が際立っています。

丸紅:株式会社セレクトスクエア

株式会社セレクトスクエアは2001年に丸紅の社内ベンチャーとして設立されたEC事業を運営する会社です。現社長の屬 健太郎氏は2004年より事業責任者として担当しており、2007年に友好的MBOを行い丸紅から独立しました。2012年には百貨店の高島屋と資本提携を行い、株式の6割超を高島屋が保有するようになっています。

株式会社セレクトスクエアのみ、社内ベンチャーを立ち上げた人が社長として残ったわけではなく、のちに事業責任者として着任した屬 健太郎氏が社長として独立した形になっています。

最後に

総合商社において事業を立ち上げて経営者として赴任するという話は聞いていても、実例を知っている学生はあまり多くないのではないでしょうか。このように実例を知ると、総合商社のリソースをどのように活かして社内ベンチャーを立ち上げているのかなんとなくイメージがつきやすいでしょう。就職活動における企業研究においては、バリューチェーン、商社のネットワークなど抽象的な言葉が多くなりがちですが、実例をひとつ抑えておくとそれらの抽象的な言葉と結びついてよく理解できると思うので、意識してみてください。

photo by Abdul Rahman

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「実績自慢型」の体育会就活生はなぜ面接で落ちるのか? 「実績自慢型」の体育会就活生はなぜ面接で落ちるのか? 就活生にとって有利な売り手市場が続いている昨今。実際は企業によって偏りがあり、就活生にとって人気な企業は売り手市場では全くありません。それは一般的に就活に有利だといわれている体育会の学生も例外ではありません。「自分は体育会だから就活も余裕でしょ。」と考える体育会の就活生が毎年一定数いますが、果たして本当にそうなのでしょうか?「時間が足りない」「他の体育会の学生との自己PRの差別化ができない」という理由から、活動の”実績”で差別化をしようとする就活生が散見されます。そして、その”実績”を自己PRする学生は真っ先に面接で落ちてしまいます。なぜなのでしょうか?なぜ「実績自慢型」の体育会就活生は面接で落ちてしまうのか?まず、採用している企業は”実績”自体を否定しているわけではありません。人並み以上の努力をし、様々な苦難を乗り越えた末に掴んだ"実績"だと思います。それなのに、なぜ企業は実績を評価をしないのでしょうか。改めて採用している企業の立場に立って考えてみましょう。大前提として、企業は自社で活躍する人材を見つけるために、採用活動をしています。つまり、「自社に利益を生み出す人材」なのかどうかを見極めようとしています。そのため、企業が自己PRを求める最たる理由は以下の2つに尽きます。①自社の求める強み・能力を持っているか②キャラクターが自社にマッチしているか参考:自己PRのエントリーシート|2つのステップで「強み」を伝えるこれ以上でも以下でもありません。そのため、極端な例を挙げれば、仕事内容が体育会での活動内容と全く同じだった場合、”実績”自体が自己PRになり得ます。例えば、野球部が仕事として野球をするなどですね。ただ、皆さんもわかっているとは思いますが、プロでもない限り、企業に属する際に、体育会での活動内容と企業での仕事内容は一致しません。そうなると、”実績”にはさほど価値がなくなります。それこそ、仮に自分が陸上部で全国優勝の経験があったとしても、企業の採用担当からしたら、「単純に運動神経が良くて、足が速かった。」という評価にもなりえるということです。体育会の就活生の皆さん。改めて自分が「実績自慢型」の自己PRになっていないか見直してみてください。「実績自慢型」の自己PRから脱却するために上述した通り、企業は自社で活躍できる人材を採用しようとしています。「どのような人材が活躍するのか?」unistyleでは、以前より自己PRの中で企業に伝えるべき「強み」には実は共通するものがあり、大きく以下の5つに分類することができるとお伝えしています。①個人として努力し、成果をあげることができる。②関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行までを行うことができる。③リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる。④価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる。⑤今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現できる。参考:ES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?上記5つの強みに当てはまるのが、企業の採用担当の評価として、「入社後も強みを活かして活躍してくれそう=再現性がある」ということです。トヨタ自動車内定者の自己PR例学生時代に体育会に所属していたトヨタ自動車内定者の回答を例に見てみましょう。大学時代にチームを巻き込んで成果を出したエピソードを教えてください◆本文/400文字私は,代表として体育会ソフトテニス部を作り上げた.体育会加入の条件として,50人程度の人数が必要であったが,様々な人が集まるため「一人一人に満足のいく活動をする」ということが難しく,人数が頭打ちになってしまった。そこで私は,魅力的な集団を目指し「集団と個人のモチベーションをいかに近づけるか」ということを意識して活動を行った。主な内容としては①自らが積極的に行動することによって集団が進むべき道を示す.②日頃から部員全員とコミュニケーションをとる.という2つである。前者に関しては,自分の活動への取り組み方や,定期的な学年毎の代表との話し合い等で,集団の方向性を全体に示した.後者では自分が個人と集団の橋渡し役となることによって,個人に集団の方向性に共感してもらうように心がけた。それにより3人で始めたサークルが100人近い人数となり,今年から大学史上初の体育会ソフトテニス部として学校に公認された。トヨタ自動車のES対策|求める人材像に合ったエントリーシート回答の作り方ではトヨタ自動車が求める人物像として以下の3つを挙げています①社内の技術者の方や、仕入れ先の会社の方など異なる立場や考え方を持った人と協力して成果をあげることのできる人材②上記の協力者の人たちに方向性を示し、自ら提案・実行し、問題を解決することができる人材③主体的に組織に対して働きかけて、チームとしての成果を上げることができる人材この学生は代表兼キャプテンとして、「組織が進むべき方向性を示す」「部員達と信頼関係を構築した」と述べてあります。この取組み内容から、トヨタ自動車が求める人物像である②上記の協力者の人たちに方向性を示し、自ら提案・実行し、問題を解決することができる人材③主体的に組織に対して働きかけて、チームとしての成果を上げることができる人材の素養に優れているとアピール出来るのではないでしょうか。つまり、自らの強みをトヨタ自動車でも活かせることを、部活のエピソードを用いて伝えていることがわかります。体育会の学生の多くが総合職で就職する際に求められる能力というものをしっかりと理解しておらず、せっかくいい経験をしていても的外れなアピール(=実績)をしてしまうがゆえに内定できていないというのを多くの学生を見てきて感じます。「誰かと同じ自己PRになってはいけない」という意識が強すぎるため、内定者や働いている人の経験を参考にせず、自分だけで考えた独りよがりのものも多いように感じますが、評価される近道としては内定者や働いている人がどう考えているのかを参考にするのは重要なことだと思います。先ほど上述した5つの強みを参考にしながら、自身の経験を踏まえ、伝えたい強みに最も沿ったエピソードを選ぶことをおすすめします。参考:評価される志望動機の書き方|企業が知りたい6つのポイントと内定者回答【完全版】ガクチカの書き方と評価基準|内定者ES付き自己PRのエントリーシート|2つのステップで「強み」を伝える最後に体育会学生はそうでない学生と比べた時に、①学生時代強く打ち込んだものをアピールしやすく、②OBとのつながりがあるためOB訪問先には困らないといった強みがあると考えられます。一方、体育会の学生同士が天秤にかけられるような状況になった際には、単に「努力して試合で結果を出しました」といったアピールのみでは他者との差別化が難しく、高い評価を得にくいといったことも考えられます。だからこそ、本記事を参考に志望企業に内定するための対策をしていきましょう。関連記事:総合商社に内定した体育会系学生が就職活動で実践した三つの差別化方法本記事では、体育会就活生の自己PRについて解説してきました。こちらの動画では面接の全体像について解説しています。面接の全体像を把握することは自己PR作成の際にも役に立つかと思いますので、ぜひご覧ください。 9,933 views

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