総合商社・外銀・外資系メーカー内定者たちがおすすめする、インターン20選

29,188 views

最終更新日:2023年10月30日

総合商社・外銀・外資系メーカー内定者たちがおすすめする、インターン20選

6月に入り、18卒就活生を対象にしたサマーインターンシップの募集を開始する企業が増えてきました。18卒向け就職活動においても、学生の夏休みを利用してインターンを開催する企業が増えてきたように感じています。
そこで今回はunistyle top students(unistyleが主催する優秀層学生によるコミュニティ)に参加してくれた学生の中で、総合商社、外資系銀行、外資系メーカーなど、人気企業から内定を獲得した17卒就活生がおすすめするサマーインターンシップを紹介したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

インターンに参加する理由

インターンシップに参加する理由は人それぞれですが、参加することで得られるメリットは多くあります。17卒内定者の人達もそれぞれ動機や目的を持ってサマーインターンシップに参加していたので、インターンに参加した6つの理由についてご紹介したいと思います。

①興味のある業界に対する理解を深める
選考対策のためにも、また入社してからのミスマッチを防ぐためにも、その会社や業界について深く理解しておくことは非常に重要です。インターンに参加しその業界の業務経験をすることで、自分が現段階で興味を持っている業界に対する理解を深めることができます。インターンで与えられるワークを通して様々な学びを得ることが出来る、というのはもちろんですが、その会社で実際に働く方と会う機会が沢山あるため、自分がその業界で働くイメージを持ちやすくなります。

②視野を広げる
インターンに参加することで、今まで興味を持っていなかった業界の新たな魅力や面白さを発見することが出来ます。自分が将来やりたいことを叶えられる業界は1つでないことも少なくなく、もともと興味を持っていなかった業界でも説明会やインターンを通して志望度が上がり就職先として選択する学生も多くいます。特にサマーインターンの時期であれば、どんな業界が存在していてどんな人が向いているのか知識もないため、取り敢えずインターンに参加して自分が興味が持てるかためしてみるのは大事なことでしょう。視野を広く持って就職活動をすることで自分の可能性を広げることが出来るため、現段階で興味を持っていない業界のインターンに参加することは非常に有効であるといえます。

③志望企業の早期選考ルートを狙う
インターンを開催する企業の多くは、参加者に対する早期選考を行っているのが実態です。経団連に所属する日系大企業も例外ではなく、インターンに参加した学生の中で優秀な学生には早期選考の声をかけます。志望する企業の早期選考に進むことで、ライバルに差をつけることが出来るだけではなく、気持ちに余裕を持って選考に臨むことができます。
また、インターンで出来た仲間と選考に関する情報を共有することが出来ます。就職活動は情報戦でもあるため、インターンに参加することで志望企業の選考を有利に進める事ができるでしょう。

④内定を獲得しにいく
特に外資系企業やベンチャー企業では、インターン参加者の中で優秀な学生に対してはインターン後数回の面談で内々定を出すケースが少なくありません。本命企業の選考が開始する前に、1つでも他社の内定をもっておくことは就職活動において気持ちの余裕に繋がります。早い時期にそれなりに納得のできる企業の内定を獲得することで、本命企業の選考に余裕を持って臨むことができます。総合商社の内定者の多くが、総合系コンサルティング・ファームの内定や楽天、DeNAなどのメガベンチャーの内定をもらった上で本選考を受けているのが実態です。予めそれなりにいきたいと思える企業の内定をもらっておくことで、その後の業界研究や企業研究の効率が格段にあがるので、ぜひ早めに内定がもらえるようにチャレンジして欲しいと思います。

⑤本命企業のための選考練習になる
インターンからの早期選考に参加することで、本命企業の選考(面接やES)の練習をする事ができます。特に面接は、沢山経験を積んで自信をつける事が大切です。本命企業ではない会社の選考を受けることで、あまり気構えすぎることなく選考の練習をすることができるのでおすすめです。もちろん選考の練習になるように学生時代の経験を聞かれたら答えられるようにするなど、事前準備は必要になります。事前準備をした上で、選考に落ちた場合は何がよくなかったのか反省することでその後の本命企業の選考に活きるでしょう。

⑥経験だけでなくお金ももらえる
5日間〜1ヶ月前後で有給インターンを開催する企業が増えてきています。中には1ヶ月のインターン参加で優秀者には50万円にも及ぶ金額がもらえる企業もあります。1day等の短期インターンよりもじっくりと課題に取り組むため、より多くの学びを得ることが出来る上に報酬ももらえるインターンも少なくありません。実際に中期間働くことで、その業界での働き方の理解にも繋がるので時間が合う限り参加してみるとよいでしょう。


おすすめサマーインターン

上記でインターンシップに参加する理由について取り上げましたが、どんな動機や理由でも良いのでとにかく挑戦し、参加してみることが大切です。そこで、17卒内定者が参加して良かったと思うサマーインターンシップについて紹介します。

外資系メーカー
・P&G
・日本ロレアル
・ユニリーバ
夏のインターン参加者から多く内定者を出すため、インターンに参加することで内定獲得のチャンスを得ることが出来ます。また、インターン参加の為のエントリー基準や課題が厳しいため、本格的に就職活動が始まる前に、自分の実力を試すことが出来ます。(外資系メーカー内定者)

外資系コンサル
・PWC
・アクセンチュア
・デロイトトーマツコンサルティング
・EYアドバイザリー
インターン参加者に向けた、早期選考があります。また、仮に早期選考で内定を獲得することが出来なかったとしても、本選考を受ける事が出来るため、何回も選考にチャレンジするチャンスがあります。(外資系コンサル・IT系企業内定者)

総合系コンサルティング・ファームに早くから内定すれば、後の就活は自分の志望する業界にリソースを集中的に投下することができる。焦って闇雲に業界研究する必要がなくなるので効率的だといえます。(外資系コンサル・外資系投資銀行内定者)

・ドリームインキュベータ
投資銀行のサマージョブよりも選考が早いため、他社選考の練習になります。また、参加者のレベルが高いため、就職活動で切磋琢磨出来る友だちを作ることが出来るメリットもあります。外資系コンサルは全体的に内定者数が多く、サマーインターン参加者から大量に内定を出します。サマーインターンに参加することが、本選考の内定を獲得するための条件になっている会社もあるため、参加することをおすすめします。(外資系コンサル・外資系投資銀行内定者)

金融
・SMBC日興証券(投資銀行部門)
投資銀行部門の事業内容について詳しい解説があるため、インターンを通して業界に対する理解を深めることが出来ます。講義を含めてインターンの内容が非常に充実しているため、日系証券志望の方だけでなく、外資系投資銀行の本選考を受ける方にもおすすめです。

・三井住友海上
学生に対するフィードバックが手厚いため、他者から見た自分についての理解を深めることが出来ます。本命企業の選考に向けた準備にも非常に有効です。
(総合商社・投資銀行・広告代理店・損害保険内定者)

広告代理店
・博報堂
・電通
インターン参加者から多く内定を出します。博報堂は1月に早期選考があり、仮にそこで内定を獲得出来なくても本選考を受けることが出来るため、選考のチャンスが複数与えられます。(外資系コンサルIT系企業内定者)

日系メーカー
・味の素
味の素は書類選考が厳しいと有名ですが、インターンに参加することで、その書類選考をパス出来る可能性があります。食品メーカーでの仕事の仕方や海外展開について学ぶことが出来るため、業界に対する理解を深められます。(総合商社・メーカー・IT系企業内定者)

人材
・リクルート各社
(リクルート住まいカンパニー、リクルートライフスタイル、リクルートマーケティングパートナーズ、リクルートスタッフィング、リクルートコミュニケーションズ、リクルートジョブズ、インテリジェンス)
リクルートグループのインターンは、参加者に報酬が支払われます。また、内定者の7-8割がインターン参加者であるため、インターンに参加することで内定獲得に近づくことが出来ます。多くの企業が本選考で使用するテストセンターはリクルートグループが作成しているため、テストセンターを早い時期から受験出来るのも魅力の1つです。(外資系コンサル・IT系内定者)

IT系
・ワークスアプリケーションズ
20日間の長期インターンで、参加者には一律16万円の報酬が与えられます。また、選考直結型で参加者の約3割が報酬50万と3年間有効の内定パスを獲得出来ます。インターン内容は、与えられたお題に対して製品を考え、それをプログラミングで作成するというものです。プログラミングに関しては初心者ばかりで、経験の有無は問われないため、誰でもインターンに挑戦することが出来ます。BtoBのビジネスを経験してみたい人には特におすすめです。(総合商社・メーカー・IT系内定者)

・ソフトバンク
約1ヶ月の長期インターンですが、参加者には報酬が支払われます。実際の仕事内容が見えるインターンシップで、インターンの結果次第では内定に直結します。(外資系コンサル内定者)

最後に

以上、unistyleで人気企業内定者にヒアリングした結果、あがってきたおすすめのインターンシップ20選を紹介しました。
就職活動が始まったばかりの時期は、あまり先入観を持ちすぎることなく、広い視野を持って様々な業界・企業のインターンに参加する事をおすすめします。インターンに参加することで、選考に有利になるだけではなく、社会人として働くイメージを持つことが出来る、新たな価値観を得ることが出来る、自分が将来やりたいことが明確になる、就職活動を乗り切る仲間ができる、など沢山のメリットを得ることが出来ます。
まだ余裕のある夏の間に様々な企業のインターンに参加し、志望業界・企業の内定獲得に向けて動き始めましょう。

 

photo by gtknj

おすすめコラム 4 件

総合商社志望者が併願するべきエネルギー業界のリーダー『INPEX(旧:国際石油開発帝石)』 総合商社志望者が併願するべきエネルギー業界のリーダー『INPEX(旧:国際石油開発帝石)』 こんにちは。16卒の総合商社内定者です。私は元々総合商社を志望していましたが、総合商社の多岐に渡るビジネスを理解するためにも様々な業界を受けていました。下記のコラムでは私自身が実際に受けた企業を抜粋して紹介しています。参考:絶対にブレない軸を持つ総合商社内定者が受けた企業33選さて今回はその中でも私が選考を受けていて、なぜそこまで人気がないのか不思議であったエネルギー業界のリーダー・国際石油開発帝石(以下:INPEX)に関して綴りたいと思います。資源価格が下落し、三菱商事や三井物産をはじめとする総合商社がその打撃を受け、純利益を落としているとはいえ、総合商社を志望する学生にはエネルギー部門への人気が根強く残っていると思います。総合商社とINPEXで総合商社の資源開発プロジェクトへの関わり方には差があるのでそこも踏まえて解説したいと思います。エネルギー業界の序列まずは世界全体のエネルギー業界の序列を整理しましょう。(参考:INPEXHP)上記のURLを見ると世界のエネルギー業界にはエクソンモービルやBPなどの石油メジャーと呼ばれる大巨人とそれを追うインディペンデントと呼ばれる中堅の独立系石油ガス企業がいることがわかります。INPEXは生産量で見るとインディペンデントの5位に位置しており、世界全体でみると13位です。ちなみに現在のINPEXの原油生産量は日量40万バレル程度です。1位のエクソンモービルの生産量が日量400万バレル程度であることを考えるといかに差が大きいか理解できると思います。ただ、日本のエネルギー業界で見るとダントツで最大の埋蔵量・生産量を誇るのがINPEXです。純利益は2014年度こそ778億円と落ちたものの、2013年度においては1,836億円となっております。総合商社のエネルギー部門の2014年度における純利益を見ると、三菱商事のエネルギー事業グループが823億円、三井物産のエネルギー本部が1,197億円の純利益となっているのでINPEXと総合商社のエネルギー部門を比較するとINPEXの方が例年は上回っているといえると思います。オペレータープロジェクト「イクシス」と「アバディ」「イクシス」はINPEXが日本企業として初の大型LNGプロジェクトのオペレーターを獲得した案件です。イクシスのププロジェクトは豪州の北西沖で行われています。「アバディ」はインドネシアの南海沖で行っている大型プロジェクトであり、INPEXが公開入札においてオペレーターを獲得した案件です。INPEXはこのオペレーター案件二つを通じて2019年には日量70万バレル、2020年代前半には日量100万バレルを目指しており、これが実現するとインディペンデントでトップに躍り出ます。参考:イクシス特設ページ(INPEXHP)商社を志望する人がなぜエネルギー業界?総合商社のエネルギー部門では投資の要素が強いため、INPEXのようにエネルギー開発の段階から入札に関わったり、オペレーターとして投資銀行やオイルメジャーを巻き込んでプロジェクトを主導することはまずありません。とはいっても求める人物像は似通っており、プロジェクトマネージャーとして異なる価値観を持つメンバーに対してリーダーシップを発揮して成果を上げていく力が求められています。下記のコラムにて実際のES設問の解説などを通じてさらに細かく解説しているのでぜひご参照下さい。参考:国際石油開発帝石(INPEX)のESと採用HPから考えるINPEXの求める人材私自身は商社に入ってもエネルギー部門を志望してはいませんでした。しかしINPEXの説明会に何回か足を運ぶことで商社とは異なるエネルギー開発への携わり方を知り興味が湧き、選考が進んでいく中で非常に志望度が高まりました。総合商社には配属リスクがあり、エネルギー部門を志望していたとしても希望通りに配属されるとは限りません。しかし、INPEXにおいては必ずエネルギー開発に携わることができるのでエネルギーに興味がある学生には一押しです。最後に就職人気ランキング上位の総合商社を志望する学生の中でエネルギー部門を志望する学生は多いのにも関わらず、INPEXの存在を知らないまま就活を終えることを非常にもったいなく感じます。この記事を読んでINPEXに興味を持った人はぜひともチャレンジして下さい。photobyMartinThomas 27,901 views
【七大商社の2020年度通期決算を徹底比較】各社の業績と今後の見通しを考察 【七大商社の2020年度通期決算を徹底比較】各社の業績と今後の見通しを考察 例年、就活生から絶大な人気を集めている七大商社。2021年も5月に入り、各社の2020年度通期決算が出揃いました。新型コロナウイルスの影響で、国内外を問わず外部環境に大きな変化のあったこの1年ですが、各社の業績は一体どうだったのでしょうか?そこで今回は"七大商社の2020年度通期決算速報"と題し、各社の決算資料やIR情報を基に業界全体の勢力図から各社の実情までを考察していきます。IR情報と聞くと「なんだか難しそう…」と感じる就活生もいるかと思いますが、本記事では会計知識の乏しい就活生でも簡単に理解できるよう執筆しています。総合商社は各社ともビジネスモデルに大きな違いはないため、「各社の得意領域はどこなのか?」や「全体の利益はどのように構成されているのか?」といった観点を理解することが"志望動機を作成するための企業研究"の参考になりますので、その観点も踏まえて読み進めていただればと思います。※本記事では2019年度を「昨期」、2020年度を「今期」、2021年度を「来期」と記載しています。※本記事は決算に関する情報を取り扱っているため、専門的な用語を知らない方は以下で用語の意味を確認してから記事を読み進めてください。◆「純利益」とは→「売上金額からすべての費用を差し引いたあと、最終的に企業の手元に残るもうけ金」を指します。つまり、企業がその期間に稼ぎ出した「最終的な利益」のことです。◆「連結純利益」とは→「企業のグループ全体の純利益」を指します。すなわち、「親会社本体の純利益に、その企業の子会社・関連会社の純利益を加算(連結)したもの」のことです。◆「通期決算」とは→1年間を通した企業の決算を指します。通期決算は途中で修正することもあり、「上方修正・下方修正」の2種類があります。※各専門用語の意味やIR情報の見方を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。本記事の構成過去4ヵ年(2016年度~2019年度)の通期決算振り返り2020年度通期決算の連結純利益ランキング【伊藤忠商事】時価総額・株価でも商社No.1を実現。コミットメント経営で2年連続の首位を目指す!【三井物産】コロナ禍においても堅調に業績を確保。さらなる躍進には資源依存からの脱却が鍵か?【丸紅】前期比で唯一の増益を達成。既存事業への注力を進め、2年連続のTOP4入りを目指す!【三菱商事】王者がまさかの4位転落。見通し以上の利益を創出し、再び首位に返り咲けるか?【豊田通商】各本部が安定して利益を確保。3年連続でTOP5に入れば五大商社の背中は目前か?【双日】低調な結果となった今期。本部体制移行や新中計策定など、来期は分岐点の1年か?【住友商事】一過性損失が重なり、五大商社の一角が赤字に転落。挽回を期す来期の戦略はいかに?本記事のまとめ◆七大商社の決算をもっと理解したい方へ◆総合商社を志望している就活生同士で情報交換をしたい方へ◆総合商社の業界(企業)研究・選考対策を進めたい方へ過去4ヵ年(2016年度~2019年度)の通期決算振り返り【期間の見方】2017年3月期(2016年度):2016年4月1日~2017年3月31日2018年3月期(2017年度):2017年4月1日~2018年3月31日2019年3月期(2018年度):2018年4月1日~2019年3月31日2020年3月期(2019年度):2019年4月1日~2020年3月31日今期(2021年3月期)の通期決算を確認する前に、まずは七大商社の直近4カ年(2017年3月期~2020年3月期)の通期決算を確認してみましょう。上記のグラフを見ていただければ分かる通り、ランキング(順位)に関しては各年でそれほど違いがないことが分かります。長年業界トップに君臨している三菱商事を猛追する伊藤忠商事。五大商社に食い込むべく、毎年成長を続けている豊田通商と双日。この辺りがここ4ヵ年の変遷かと思いますが、勢力図という括りで見るとそこまで大きな変化はなかったように思われます。また、上記のグラフを見ていただくと、2020年3月期に丸紅が大幅な損失を計上していることが読み取れるかと思いますが、こちらは「一過性要因に関する損益の悪化」になります。詳しくは下記のIR資料に掲載されていますが、あくまでも一過性のものであるため、「急に業績が悪くなったのでは?」と捉えないでいただければと思います。【参考】丸紅:IR関連資料(2019年度通期IR資料p.3)関連記事→unistyleでは過去にも総合商社の決算を比較・考察している記事を公開しています。過去の決算と比較しながら本記事を読むことで、過去~現在~未来という流れ業界(企業)を理解することができますので、こちらも是非ご覧ください。過去4ヵ年の通期決算を振り返ったところで、いよいよ今期(2021年3月期)の通期決算を確認していきます。今期は2020年4月~2021年3月の決算ですので、年間を通して新型コロナウイルスの影響を受けた期間となります。果たして業界の勢力図に変化はあったのでしょうか?では、ランキングを見ていきます。2020年度通期決算の連結純利益ランキング2016年度から2019年度にかけ、4年連続で首位の座をキープしていた三菱商事に代わり、伊藤忠商事が5年ぶりに首位を奪還しました。また、王者三菱商事はまさかの4位転落、そして五大商社の一角である住友商事は大幅赤字となりました。一方で、前期の赤字から大幅な増益を達成した丸紅がTOP3に食い込んだり、七大商社の豊田通商が2年連続で5位となるなど、各社によって濃淡のある1年となりました。そんな近年稀に見る大荒れの1年となった2020年度通期決算ですが、各社の実情はどうだったのでしょうか?本記事では、"(1)通期決算の分析(2)前期との比較/来期の見通し(3)今後の経営計画と見通し"といった3項目から、上記のランキング順に各社の実情を考察していきます。冒頭でもお伝えしましたが、ビジネスモデル自体に大きな差異のない総合商社は、各社の得意領域や今後の経営計画を把握することが企業研究に直結します。そういった観点も意識した上で読んでいただければと思います。【伊藤忠商事】時価総額・株価でも商社No.1を実現。コミットメント経営で2年連続の首位を目指す!新型コロナウイルスの影響で前年比としてはマイナスの業績となったものの、「コミットメント経営」を実践した伊藤忠商事が5年振りに首位を獲得しました。また、時価総額・株価でも史上初の商社No.1を実現し、企業価値を大いに高めた1年になったと言えるでしょう。そんな伊藤忠商事ですが、新型コロナウイルスの影響で業界全体として資源分野が軒並み不調に陥っている中、元々非資源分野に強みを持っていたこともあり、資源分野の不調を非資源分野でカバーすることができたという格好になりました。また、各社が大きく業績を落としている要因に「特定のセグメントが多大な損失を計上し、それが全体の損失にも大きな影響を与えている」といった事象が見られるのですが、伊藤忠商事はそういった事象が見られなかったのも特徴の一つです。資源分野・非資源分野を含め、各セグメントのバランスの良さが今回の結果に繋がったと言えるでしょう。前期との比較/来期の見通し2019年度連結純利益実績:5,013億円2020年度連結純利益実績:4,014億円(前年度比-999億円)2021年度連結純利益見通し:5,500億円(前年度比+1,486億円)2019年度は三菱商事に次いで2位、そして今期5年ぶりに首位を奪還した伊藤忠商事ですが、各社の来期見通しを比較してみると、2年連続で首位を獲得するのではないかと予想されています。2年連続の首位獲得、そして過去最高の連結純利益を更新できるのかといった点が注目となるでしょう。では、今期の決算の実情と来期の見通しを確認したところで、中期経営計画などを参考にしながら今後の戦略も見ていきましょう。今後の経営計画と見通し伊藤忠商事は『2021~2023年度中期経営計画(Brand-newDeal2023)』において、以下のような基本方針を掲げています。『定量』中計期間中に連結純利益6,000億円の達成を目指す『定性』「マーケットイン」による事業変革「SDGs」への貢献・取組強化【引用】伊藤忠商事:2020年度決算短信・ハイライト(決算・中期経営計画説明資料)本記事では、「マーケットイン」による事業変革に関してもう少し深掘っていきます。【引用】伊藤忠商事:2020年度決算短信・ハイライト(決算・中期経営計画説明資料)p.10強みである非資源分野を引き続き成長させていく、さらには昨今のトレンドともいえるDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推し進めていくといった内容を読み取ることができるでしょう。新型コロナウイルスを乗り越え、あと3年の内に目標である連結純利益6,000億円を達成することができるのか、非常に注目です。【参考】伊藤忠商事:2020年度決算短信・ハイライト(決算・中期経営計画説明資料)伊藤忠商事の内定者ES・本選考レポートを確認したい方はこちら【三井物産】コロナ禍においても堅調に業績を確保。さらなる躍進には資源依存からの脱却が鍵か?強みである金属資源分野の減益を最小限に留め、且つ次世代・機能推進分野が前期比で大幅な増益を達成したこともあり、三井物産が2位となりました。次世代・機能推進分野に関しては、2019年度の39億円から551億円と前期比+512億円の増益を確保しましたが、この増益には「FVTPL益・コモディティティ取引の好調・ICT中核関係会社の堅調」といった背景があるようです。鉄鉱石事業など、元来の強みである資源分野を軸としながら、コスト削減やポートフォリオの組み換え等で下方体制を強化した結果が今回の業績に繋がったと言えるでしょう。前期との比較/来期の見通し2019年度連結純利益実績:3,915億円2020年度連結純利益実績:3,355億円(前年度比-560億円)2021年度連結純利益見通し:4,600億円(前年度比+1,245億円)他社に比べて前年度比の減益を抑えることに成功した三井物産ですが、来期の連結純利益では4,600億円と、1,245億円の増益という見通しを立てています。あくまでも見通しに過ぎませんが、見通し通りに進めば今期に引き続き、伊藤忠商事に次いで2位の純利益を確保することになります。では、今期の決算の実情と来期の見通しを確認したところで、中期経営計画などを参考にしながら今後の戦略も見ていきましょう。今後の経営計画と見通し三井物産は2020年5月に公表された「中期経営計画2023」にて、"2023年に連結純利益で4,000億円を達成する"という定量目標を立てています。そしてそのセグメントを見てみると、非資源分野で全体利益の過半数以上を生み出す見通しを立てています。このことから、今後は"これまでの資源分野依存から脱却し、新たな収益の柱の確立を目指していく"ことが読み取れるでしょう。【引用】三井物産:中期経営計画2023では、中期経営計画2023を達成するために来期(2021年度)はどのような事業計画を策定しているのでしょうか?重点施策は以下の6つが挙げられます。2022年3月期事業計画の重点施策【1】規模感ある収益群の形成【2】プロジェクトの着実な推進と収益貢献/国内ビジネス強化【3】エネルギーソリューション【4】ヘルスケア・ニュートリション【5】マーケット・アジア【6】人材戦略/サステナビリティ経営・ESGの進化今期業績からの増益、そして連結純利益4,000億円を前倒しで達成することができるのか、この辺りが来期の決算の注目ポイントとなるでしょう。【参考】三井物産:2021年度3月期決算プレゼンテーション資料三井物産:中期経営計画2023三井物産の内定者ES・本選考レポートを確認したい方はこちら【丸紅】前期比で唯一の増益を達成。既存事業への注力を進め、2年連続のTOP4入りを目指す!一過性の要因により、2019年度は-1975億円の損益となってしまった丸紅ですが、今期は見事2,253億円の純利益(前年同期比+4,228億円の増益)を達成したことでTOP3に食い込む躍進を見せました。また、2019年度の実態純利益は2,250億円だったのですが、こちらと比較しても前期比で増益を達成しており、他社が軒並み減益となっている中で非常に健闘したと読み取ることができるでしょう。※実態純利益:一過性の要因を除いた場合の純利益そんな好調とも言える丸紅ですが、「農業・食料関連といったライフライン関連事業が増益したこと」や「電力やインフラ事業などの安定収益型事業がコロナ禍においても前年度並みの利益を維持したこと」が全体の増益に大きな影響を与えました。新型コロナウイルスの影響を受けた事業はあったものの、そのマイナス影響を他の事業でカバーすることができた点が今回の業績に繋がったと言えるでしょう。前期との比較/来期の見通し2019年度連結純利益実績:-1,975億円2020年度連結純利益実績:2,253億円(前年度比+4,228億円)2021年度連結純利益見通し:2,300億円(前年度比+47億円)今期は見事増益を達成した丸紅ですが、来期に関しても増益の見通しを立てています。一過性の要因で大幅な損失を計上した2019年度を除き、近年の丸紅は業界5位が定位置だったのですが、今期は見事トップ3に食い込みました。業界5位という定位置を脱出し、来期も3,4位以内を確保することができるのかといった点が注目でしょう。では、今期の決算の実情と来期の見通しを確認したところで、中期経営計画などを参考にしながら今後の戦略も見ていきましょう。今後の経営計画と見通し丸紅は2019年5月に中期経営計画である『中期経営戦略GC2021』を発表しているのですが、こちらは2019-2021年度の計画になるため、来期が3ヵ年計画の最終年になります(※2020年5月に一部修正)。また、丸紅は2030年を一つの目安として経営戦略を策定している中で、上記の中期経営計画は第一段階(ホライゾン1)に該当します。【引用】丸紅:中期経営戦略上記を見てもらえれば分かる通り、まずは既存事業に注力していくというのが基本方針のようです。既存事業に注力することで増益を確保することができるのか、そして2年連続で3,4位以内に食い込むことができるのかといった点が来期の注目ポイントでしょう。【参考】丸紅:2020年度通期IR関連資料丸紅:中期経営戦略丸紅の内定者ES・本選考レポートを確認したい方はこちら【三菱商事】王者がまさかの4位転落。見通し以上の利益を創出し、再び首位に返り咲けるか?昨年まで通期決算で4年連続首位を保持していた三菱商事ですが、今期は前年同期比3,628億円のマイナスを計上し、1,726億円の純利益と4位に転落してしまいました。セグメント別の純利益を見ても、石油・化学分野を除く全ての分野が前年同期比でマイナスとなっており、かなり厳しい結果となったと言えるでしょう。そんな三菱商事ですが、特に全体の業績に大きな影響を与えることになったのはコンシューマー産業と金属資源です。コンシューマー産業に関しては「ローソン宛てのれん及び無形資産の減損損失の反動」、金属資源に関しては「豪州原料炭事業における市況不落・前年度に計上した一過性利益の反動」が減益の主な要因となったようです。一過性損失や前年度の反動ということで、一概にこの両事業が不調と言える訳ではないのですが、この両事業の損失を他の事業でもカバーできなかったことが、今期の全体業績に繋がってしまったと読み取ることができます。前期との比較/来期の見通し2019年度連結純利益実績:5,354億円2020年度連結純利益実績:1,726億円(前年度比-3,628億円)2021年度連結純利益見通し:3,800億円(前年度比+2,074億円)ここ4年間(2016年度~2019年度)守り続けてきた首位の座を明け渡すことになってしまった三菱商事ですが、来期は大幅な増益を目指すとの見通しを立てています。しかし、この3,800億円は(見通しベースではありながらも)業界3位の数字であり、4,600億円の見通しを立てている三井物産や5,500億円の見通しを立てている伊藤忠商事には遠く及びません。今期の不調を挽回することができるのか、そして再び王者の座に返り咲くことができるのか、この辺りが来期の三菱商事の注目ポイントとなるでしょう。では、今期の決算の実情と来期の見通しを確認したところで、中期経営計画などを参考にしながら今後の戦略も見ていきましょう。今後の経営計画と見通し三菱商事は2018年11月に『中期経営戦略2021』を発表しています。こちらは2021年度までの経営戦略になるため、来期がこの経営戦略の最終年に該当します。来期にはまた最新の経営戦略が発表されるものと思われますが、本記事ではこの『中期経営戦略2021』を基に考察していきたいと思います。2018年の発表当初には予想だにしていなかった新型コロナウイルスという外的要因を受け、定量目標に関しては当初の予想と大きな乖離があります。そのため、本記事では定性目標の中から事業ポートフォリオ戦略をピックアップしてご紹介します。【引用】三菱商事:中期経営戦略2021~事業経営モデルによる成長の実現~p.2金属資源分野など、元々は川上・川中領域に強みを持っていたと言われる三菱商事ですが、「サービス分野と川下領域を強化する」ということで、更なる成長に向けて取り組み途上の分野にも注力していくことが読み取れます。この傾向はおそらく今後も継続されると予想でき、特にデジタル化の影響などで急速に市場拡大しているサービス分野にどう進出していくかが今後の鍵となるのではないでしょうか。再び首位に返り咲くことができるのかといった業績面にも注目が集まりますが、来期中に発表されるであろう中期経営計画でどのような戦略が見られるのかも注目ポイントの一つとなるでしょう。【参考】三菱商事:2020年度決算IR資料三菱商事:中期経営戦略2021~事業経営モデルによる成長の実現~三菱商事の内定者ES・本選考レポートを確認したい方はこちら【豊田通商】各本部が安定して利益を確保。3年連続でTOP5に入れば五大商社の背中は目前か?『各セグメントの正式名称』化エレ:化学品・エレクトロニクス機エネ:機械・エネルギー・プラントプロジェクトグロロジ:グローバル部品・ロジスティクス前年比で大きな減益を計上している企業も多い中、豊田通商は前期比での減益を僅かに留め、連結純利益1,346億円という業績となりました。これまでは五大商社(三菱商事・伊藤忠商事・三井物産・住友商事・丸紅)に次ぐ順位というのが定位置だったのですが、2019年度に次ぐ2年連続での5位着地となり、来期の順位次第では業界全体の勢力図に変化があるかもしれません。そんな豊田通商ですが、本部(セグメント)別の純利益を見てみると、「(前期比で)大幅な増益を達成した本部もなければ、大幅な減益となった本部もなかった」という結果が見て取れます。もちろんそれぞれの本部でトピックはあるのですが、これは決してネガティブな意味として捉えるのではなく、各本部が安定して業績を上げた結果が、前期比での減益を最小限に留めることに繋がったとむしろポジティブに捉えることができるでしょう。前期との比較/来期の見通し2019年度連結純利益実績:1,355億円2020年度連結純利益実績:1,346億円(前年度比-9億円)2021年度連結純利益見通し:1,500億円(前年度比+154億円)近年は安定した業績を上げ続けている豊田通商ですが、来期も増益との見通しを立てています。本部別に見てみると「金属・グロロジ・自動車」の3分野で増益を見込んでいます。グロロジと自動車に関しては今期は前期比で減益となってしまったのですが、来期は再び増益に転換することができるのかが一つの注目ポイントとなるでしょう。では、今期の決算の実情と来期の見通しを確認したところで、中期経営計画などを参考にしながら今後の戦略も見ていきましょう。今後の経営計画と見通し豊田通商は今期の決算発表に合わせ、『2024年3月期中期経営計画』を発表しています。新型コロナウイルスという未曽有の災禍を乗り越え、アフターコロナ時代に企業としてどう立ち向かっていくのかという戦略が掲載されているのですが、豊田通商はこれからの3ヵ年で以下のような定量目標を策定しています。【引用】豊田通商:2024年3月期中期経営計画p.12これを見ても分かる通り、ネクストモビリティ・再生可能エネルギー・アフリカ・循環型静脈事業の4分野が今後の成長の鍵となることは間違いないでしょう。時代の流れに合わせながら、重点分野を軸として成長を持続することができるのか、そして五大商社にどれだけ食い込むことができるのかが今後の注目ポイントとなるでしょう。【参考】豊田通商:2021年3月期連結決算概要及び2022年3月期業績予想(IR資料)豊田通商:2024年3月期中期経営計画豊田通商の内定者ES・本選考レポートを確認したい方はこちら【双日】低調な結果となった今期。本部体制移行や新中計策定など、来期は分岐点の1年か?他社と同様、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済の減速や市況下落の影響を受け、前期比で338億円減益の270億円の純利益となった双日。特に前期比で大幅な減益を計上してしまったのがエネルギー・社会インフラと金属・資源の2分野になります。両分野とも「脱炭素社会への移行動向を踏まえた構造改革費用としての減損計上」という要因となり、いわゆる将来への投資という側面ではあるのですが、この両分野だけで前期比約280億円の減益となってしまったことが全体の業績にも大きな影響を与えました。一方で食料・アグリビジネスに関しては前期比で増益を達成しており、こちらは「海外肥料事業での販売数増加・生産コストの改善」が主な要因であるようです。前期との比較/来期の見通し2019年度連結純利益実績:608億円2020年度連結純利益実績:270億円(前年度比-338億円)2021年度連結純利益見通し:530億円(前年度比+260億円)今期は厳しい結果になった双日ですが、来期は大幅な増益を見込んでいます。大幅な増益を見込んでいる背景としては、「新型コロナウイルスのワクチン接種が普及することで、経済活動の回復を見込んでいること」や「自動車や化学に加え、鉄鋼需要や石炭市況の緩やかな回復を見込んでいること」があります。新型コロナウイルスによる影響は未だ不透明ながらも、今期からどれだけの増益を達成することができるのか一つの注目ポイントとなるでしょう。では、今期の決算の実情と来期の見通しを確認したところで、中期経営計画などを参考にしながら今後の戦略も見ていきましょう。今後の経営計画と見通し双日は今期の決算発表に合わせ、『中期経営計画2023』を発表しています。本記事では定量的な目標や計画は割愛させていただきますが、今後の成長戦略としては以下のようなものを掲げているようです。【引用】双日:2021年3月期決算中期経営計画2023p.11新型コロナウイルスの蔓延やデジタル化の加速など、何かと変化の流れが早い現代において、双日は上記の戦略通りに企業価値を高めることができるのでしょうか。2021年度からは現在の9本部体制から7本部体制に移行するなど、内部の体制見直しも推し進めている同社になりますので、純利益などの定量面だけでなく、その取組内容にも注目が集まる来期となりそうです。【参考】双日:2021年3月期決算IR説明資料(決算説明プレゼンテーション)双日:2021年3月期決算中期経営計画2023双日の内定者ES・本選考レポートを確認したい方はこちら【住友商事】一過性損失が重なり、五大商社の一角が赤字に転落。挽回を期す来期の戦略はいかに?大口の一過性損失が重なったことで前期比3,244億円の減益となり、-1,531億円の実績となった住友商事が7位でした。ちなみに、一過性損失を除いた場合の業績は約1,980億円(前期比500億円の減益)であるため、仮に一過性損失がなかった場合の順位は4位となっています。そんな住友商事ですが、やはり今期の決算を見ていく上で外すことができないのは一過性の損失です。特に資源・化学品部門のマダガスカル・ニッケル事業に関しては、累計850億円もの損失を計上してしまいました。新型コロナウイルスによる影響、そしてインフラ部門や資源・化学品部門を中心に一過性の損失が重なってしまったことが、今回の大幅な減益の主要因と言えるでしょう。前期との比較/来期の見通し2019年度連結純利益実績:1,714億円2020年度連結純利益実績:-1,531億円(前年度比-3,244億円)2021年度連結純利益見通し:2,300億円(前年度比+3,831億円)今期は大幅な損失となってしまった住友商事ですが、来期は前年度比+3,831億円の2,300億円との見通しを立てています。来期は今期ほどの一過性損失を計上することはまずないと思いますので、どれだけの増益を確保できるかがポイントとなるでしょう。では、今期の決算の実情と来期の見通しを確認したところで、中期経営計画などを参考にしながら今後の戦略も見ていきましょう。今後の経営計画と見通し住友商事は今期の決算発表に合わせ、2021~2023の3ヵ年に関する『新中期経営計画』を発表しています。今後3年間に渡り、事業戦略による分類の位置付けを明確化させることで企業としての成長・価値創造を目指していくようです。【引用】住友商事:新中期経営計画プレゼンテーションp.10短期ではバリュー実現、短中期ではバリューアップと注力事業、中長期ではシーディングといったように、それぞれの位置付けに応じた目標の達成を目指していくと記載されています。また、近年のトレンドとも言えるDXやサステナビリティにも注力していくことが読み取れます。これらの取り組みはどちらかと言うと中長期的な取り組みになるため、これから3年間で大幅な変化がある訳ではないと思いますが、今後を見据えてどのように強化・育成していくかは今後3年間の重要なポイントとなるでしょう。どれだけの増益を確保できるかといった定量面だけではなく、3ヵ年にわたる新中期経営計画の1年目として、今後に向けた礎をどれほど築けるかにも来期は注目です。【参考】住友商事:2020年度通期決算決算発表/決算発表プレゼンテーション資料住友商事:新中期経営計画プレゼンテーション住友商事の内定者ES・本選考レポートを確認したい方はこちら本記事のまとめ本記事では"七大商社の2020年度通期決算速報"と題し、各社の決算資料やIR情報を基に業界全体の勢力図から各社の実情までを考察してきました。新型コロナウイルスの影響などもあり、ここ最近では最も変化の大きな通期決算となりましたので、総合商社志望の就活生は本記事で掲載している情報・知識をしっかりと把握しておきましょう。とは言え、本記事で解説した内容はあくまでも「2020年4月~2021年3月までの短期的な業績」に過ぎません。上述した過去4カ年の通期決算の推移を見ても分かる通り、各社の業績は年々変動がありますので、あくまでも参考程度に本記事の内容を参考にしていただければと思います。七大商社の決算をもっと理解したい方へ各社の決算を考察するという特性上、本記事では特段触れておりませんが、今後の商社業界を取り巻くトピックとして押さえておくべきものが2点あります。下記にそれぞれまとめてありますので、こちらに関しては読者の皆さん自身で確認してもらえればと思います。これらのトピックに関しては各社のIR資料・中期経営計画等でも触れておりますので、そちらも是非参考にしてみてください。今後の商社業界を取り巻く重要トピック◆SDGsやESGなど、サステナビリティに関する取り組みの進行→SDGsは「SustainableDevelopmentGoals(持続可能な開発目標)」、ESGは「環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉」であり、これらの動きを総称したものがサステナビリティになります。ここ最近、急速に認知度が高まっているサステナビリティですが、七大商社でも各社が様々な取り組みをしていますので、IR資料や中期経営計画等に掲載されている内容をチェックしておきましょう。◆世界全体として推し進めている脱炭素社会への移行が商社に与える影響→世界的な環境規制の強化などを背景とし、七大商社各社が脱炭素ビジネスへの取り組みを進めています。石炭事業は商社の収益の柱の一つでもあったため、今後急速に進むであろう脱炭素社会化への移行に対策を講じる必要があります。ニュース等でも度々取り上げられていますので、こちらに関しても各社の取り組みをチェックしておきましょう。総合商社を志望している就活生同士で情報交換をしたい方へunistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。【参考】→「そもそもオープンチャットって何?」という疑問が浮かんでいる就活生は、まずは上記の記事をご確認ください。実際に下記の画像から、「総合商社志望者向けグループ」の参加用ページに飛ぶことができます。ニックネームとプロフィール画像を登録するだけでどなたでも参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。総合商社の業界(企業)研究・選考対策を進めたい方へunistyleには、総合商社の業界(企業)研究や選考対策に役立つ記事が豊富に掲載されています。こちらも是非ご覧いただければと思います。総合商社業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】今更聞けない総合商社とは?仕事・歴史・年収をわかりやすく解説2.【業界研究】総合商社の年収の全てが一目で丸わかり!3.【業界研究】理解している?総合商社と専門商社の違い4.【業界研究】五大総合商社比較5.【業界研究】就活に役立つ総合商社の歴史を解説6.【業界研究】総合商社とは?歴史・仕事内容・年収などを徹底比較|選考対策付き7.【業界研究】総合商社の最新動向まとめまた、七大商社の内定者ES・本選考レポート・選考対策記事などを確認したい方は、下記から各社のページに遷移することができますので、こちらも是非ご活用ください。伊藤忠商事三井物産丸紅三菱商事豊田通商双日住友商事最後になりますが、unistyleでは公式YouTubeチャンネルを開設しており、総合商社に関する動画も公開しています。下記の動画は総合商社の業界研究に役立つ内容となっていますので、こちらも是非ご覧ください。 11,235 views
意外な高給企業、中小企業向け独立系M&Aアドバイザリー 意外な高給企業、中小企業向け独立系M&Aアドバイザリー ※本記事は、2016年7月に公開された記事になります。2016年6月21日に独立系M&Aアドバイザリーのストライクが上場しました。M&Aの仲介、アドバイザリー業務というと投資銀行を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、金融機関の部門としてではなくM&Aのアドバイザリー業務のみを扱う企業も存在します。独立系のM&Aアドバイザリーは就活生の認知はそこまで高いとは言えず、受けている人も少ないのではないでしょうか。今回はそんな独立系のM&Aアドバイザリーで上場している企業3社をご紹介したいと思います。独立系M&Aアドバイザリー3社の平均年収は非常に高い独立系M&Aアドバイザリーの平均年収は、外資系投資銀行には及ばないものの非常に高く、大手日系企業と比べるとトップクラスでよいといえます。直近の有価証券報告書ベースだと3社の平均年収と社員数は下記の通りとなっています。日系大手企業で平均年収が1000万円を超える企業が少ないことを考えると異常に高い給与水準となっています。中小企業向けM&AアドバイザリーのビジネスモデルM&Aアドバイザリーは、中立・独立的な立場から事業拡大を目指す買い手企業と、後継者不足などから事業譲渡を考えている売手企業の仲介を行う仕事です。買い手企業の状況をヒアリングした上で、売り手企業に対しては企業価値の算出から実際に売買のクロージングまでを行っています。M&Aアドバイザリーでは、基本的には買収が成立した際に、買い手および売り手のどちらか、または両方から買収金額に応じた手数料をもらうモデルとなっています。例えば、10億円の買収が決定した場合は、3%ずつ買い手と売り手からもらうため、6000万円が企業としての収益となるといった収益構造です。それとは別に、M&Aアドバイザリー業務を開始するための、手付金であったり、契約期間中は月間いくらという形で料金が発生するケースもあります。手数料については大手金融機関でも採用しているレーマン方式という体系を用いるのが一般的です。レーマン方式とは資産の価格に対して一定の割合を乗じて算出する方式のことで、M&A仲介の成功報酬における一般的な計算方式である。下記の表の通り、M&Aの金額が小さいほど手数料率が大きく、金額が大きくなるに従い、手数料率が小さくなる方式です。企業としては中小、中堅企業がメインターゲットとなっており、イメージしやすいのは個人経営の薬局をマツモトキヨシなどの大手企業が買収して傘下におくケースなどかもしれません。また近年では地方の病院を、これまた地方の大規模病院グループが買収するケースなども増えているようです。これら中小、中堅企業の多くが高齢となった社長の後継者がおらず事業の継続が難しいという問題点を抱えており、事業継承M&Aのニーズが社長の高齢化とともに年々高まってきています。景気の回復及び事業継承のニーズが伸びていることにより、中小中堅企業向けのM&Aアドバイザリーの売上も年々拡大傾向にあります。M&Aアドバイザリーの報酬体系実際にM&Aアドバイザリーで働くとなると、成果報酬の傾向が強く、個人で案件を決定した金額に伴いボーナスで報いるという報酬体系の会社が多いようです。ベースの給与は年俸で500万円、加えてボーナスを上記の手数料収入のうち10%といった形で報酬にする体系をイメージしてください。上記の例の通り、一人で10億円の案件を1件でも決めれば、ベース年俸500万円にボーナス600万円(6000万円の10%)で1100万円の年収となります。上記でご紹介した平均年収もあくまで平均年収であり、実態としては1億円以上稼ぐトッププレーヤーから1000万円に満たないプレーヤーもいる業界です。特に中小企業向けのM&Aアドバイザリーにおいては個人に実績が紐づく成果報酬の傾向が強いといえます。中小企業向け老舗M&Aアドバイザリー、日本M&Aセンター日本M&Aセンターは1991年に設立された老舗の中堅中小企業向けのM&Aアドバイザリー会社で東証一部に上場している企業です。前述の通り、独立系のM&Aアドバイザリーとしては社員数が多く、売上規模も後述のM&Aキャピタルパートナーズおよびストライクと比べても10倍程度の規模となっています。日本M&Aセンター会社HP中小企業向けM&Aアドバイザリー、M&AキャピタルパートナーズM&Aキャピタルパートナーズは2005年に設立されたM&Aアドバイザリー会社で、東証一部に上場している企業です。日本M&Aセンターとは異なり、強みとして着手金を取らずに完全成果報酬でM&A仲介業務を請け負っています。M&Aキャピタルパートナーズ会社HP中小企業向け新興M&Aアドバイザリー、ストライクストライクは1997年に設立したM&Aアドバイザリー会社で、2016年に東証マザーズに上場しました。前述の2社とは異なり、国内初ネット上でM&A市場を開設したり、ネット上での簡易企業価値算定サービスを提供したりするなど、インターネット上での活動を積極的に行っている企業です。株式会社ストライク銀行、証券会社も外注している中小企業向けM&Aアドバイザリー銀行や証券会社の取引先の多くは中小企業のオーナー経営者であり、オーナー経営者が抱える悩みの一つに後継者不在の中での事業継承があります。銀行や証券会社は上記で紹介した中小企業向けのM&Aアドバイザリーに、そうしたオーナー経営者を紹介して仲介業務をアウトソースしていることがあります。大企業向けの大規模買収については自社の投資銀行部門で行い、数億円規模の買収については専門のM&Aアドバイザリーに紹介して送客手数料を得るモデルとして協業しています。M&Aアドバイザリー企業各社は金融機関からの中途採用を積極的に行っており、実際に銀行、証券会社などから転職する人が多くいます。最後にM&Aアドバイザリーの各社は社員数も少なく、新卒採用については不定期に行っており狭き門となっていますが、転職では金融機関関係者を中心に積極的に採用しています。仕事内容としても買い手側の成長戦略のヒアリングおよび買収候補企業の算定、売り手側企業の企業価値の算定、売買の成立と人によっては非常に興味を持つ内容だと思います。成果報酬の部分が大きい物の、給与も魅力の一つではあるので、第二新卒の際の転職候補として考えてみてもいいかもしれません。 25,919 views
【24卒】今からでもエントリーできる!6月にエントリーできる締切情報まとめ 【24卒】今からでもエントリーできる!6月にエントリーできる締切情報まとめ 本記事では、6月中に締切を迎える企業の本選考情報をまとめています。本記事からエントリーページに直接移動することも出来ますので、効率的なエントリーに是非お役立てください。注意点情報の精度には最大限注意していますが、本記事の掲載情報には誤りがある可能性があります。本記事の掲載情報だけでなく、必ず"各社から発表されている一次情報"を確認していただくようお願い致します。6月の締切企業一覧※締切日順に掲載6月1日日本電気(NEC)6月5日JR東日本企画(jeki)NTT都市開発6月11日ヤクルト本社6月12日あいおいニッセイ同和損害保険オービックDMG森精機6月13日ロッテ6月15日富国生命保険6月19日西日本電信電話(NTT西日本)6月30日凸版印刷【エントリーはこちらから】6月の締切企業一覧本記事を読む前に以降の会員限定コンテンツでは、各社のエントリー締切日に加え、"本記事からのマイページ登録・各社の企業研究ページへの遷移"が可能となっています。まだ会員登録をされていない方は会員登録をしていただき、本記事をより効果的に活用して下さい。日本電気(NEC)本選考技術系職種(第4クール)■応募締切第4クール(最終)エントリーシート提出締切6月1日(木)SPIテスト受検締切6月4日(日)一次面談6月14日(水)~6月16日(金)マッチング面談6月26日(月)~6月30日(金)本選考エントリーはこちら本選考事務系職種(第3クール)■応募締切第3クールエントリーシート提出締切6月1日(木)SPIテスト受検締切6月4日(日)一次面談6月14日(水)~6月19日(月)マッチング面談6月27日(火)~6月30日(金)本選考エントリーはこちら日本電気(NEC)の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちら日本電気(NEC)志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちらJR東日本企画(jeki)総合職採用二次締切(最終)■応募締切・二次締切(最終):2023年6月5日(月)13:00送信完了まで本選考エントリーはこちらJR東日本企画(jeki)の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらJR東日本企画志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちらNTT都市開発2024年度新卒採用【第2クール】■締切日時①エントリーシート、顔写真、30秒動画提出:6月5日(月)17:00②テストセンター会場予約:6月14日(水)、受験:6月15日(木)本選考エントリーはこちらNTT都市開発の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらNTT都市開発志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちらヤクルト本社本選考■エントリー締切【食品開発職】第3回締切:6月11日(日)23:59本選考エントリーはこちらヤクルト本社の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらヤクルト本社志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちらあいおいニッセイ同和損害保険基幹社員(転居可・転居可(エリア限定)・転居不可)※四次募集■提出締切日【エントリーシート提出】2023年6月12日(月)13:00まで※提出後の応募コース、エントリーシートの変更はできません。本選考エントリーはこちらあいおいニッセイ同和損害保険の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらあいおいニッセイ同和損害保険志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちらオービック2024年卒向け本選考(5月度/6月度)■応募締め切り6月度:6/12(月)合否発表:6/16(金)本選考エントリーはこちらオービックの企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらDMG森精機新卒採用本選考※11回締切■応募締切:2023年6月12日(月)23:59本選考エントリーはこちらDMG森精機の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらDMG森精機志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちらロッテ2024年度新卒採用【第二回】全職種■応募締切日:6/13(火)正午本選考エントリーはこちらロッテの企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらロッテ志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちら富国生命保険本選考必須エリア職セミナー(北海道・山梨・長野・香川・佐賀・熊本・宮崎)※開催日別締切■予約受付:各開催日1日前(土日祝日を除く)10:00本選考エントリーはこちら富国生命保険の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちら富国生命保険工業志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちら西日本電信電話(NTT西日本)本エントリー第4回■応募締め切り:6/19(月)正午本選考エントリーはこちら西日本電信電話(NTT西日本)の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちら西日本電信電話(NTT西日本)志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちら凸版印刷本選考■選考地区・ES締切日(技術職以外は全てAM9:00締切)《営業・事務職》関東(東京):6月30日(金)《専門コース(法務、財務・経理)》関東(東京):6月30日(金)本選考エントリーはこちら凸版印刷の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちら凸版印刷志望者向けの企業別LINEオープンチャットはこちら最後に本記事では、"6月に本選考の応募締切を迎える企業"を締切日順に紹介してきました。24卒の採用も終盤に差し掛かっておりエントリーできる企業も少なくなってきました。納得内定が貰えるように最後まで頑張りましょう。本記事を参考に各社の締切日を管理し、「効率的なエントリー・就活スケジュール設計」に役立てていただければと思います。スプレッドシートをダウンロードするだけで使用できますので、ぜひご活用ください。また、unistyleでは24卒就活生向けにLINEオープンチャットグループを運営しています。匿名で様々な就活生と情報交換をすることができるという便利な機能になりますので、"最新の選考状況や選考結果連絡の有無等をリアルタイムで確認したい"という方は、ぜひご活用ください。→unistyleでは24卒就活生向けに就活用グループを運営しており、今後もグループを拡充させていく予定です。上記記事に各グループの参加用URLを掲載していますので、興味のある方は記事からご参加ください。さらにunistyleでは、今後も24卒就活生向けに「本選考のエントリー締切情報」を公開していく予定です。まだ会員登録を済ませていないという方は、以下から早めに会員登録をしていただき、本サイトを有効的に役立ててもらえればと思います。 33,183 views

現在ES掲載数

77,622

すべて見れる

上に戻る

会員登録・ログインして全てのコンテンツを見る

無料会員登録