「営業経験がマーケティング・商品企画に活きる」という日系食品・消費財メーカーの考え方

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最終更新日:2023年10月27日

「営業経験がマーケティング・商品企画に活きる」という日系食品・消費財メーカーの考え方

日系の食品メーカーや消費財メーカーにおける初期配属の多くは、メーカーではありますが営業を伴う部署だったりします。マーケティングや商品企画といった志望動機を話す人が多い中で、営業に対する理解と適性を示せるだけで、高倍率のメーカーでも内定の確率が高まります。

今回は、多くの日系メーカーに存在する「営業経験がマーケティングや商品企画に活きる」という考え方について紹介したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

メーカーの配属の多くは営業

前述の通り、メーカーを受ける人の多くはそのメーカーの仕事内容を理解しているわけではありません。そのため、志望動機も下記のような商品企画に関わるものがかなり多いといえます。

【食品メーカー文系総合職の志望動機】

健康的な食品開発に関わりたいと思い、御社を志望しています。
祖父がガンで亡くなった経験や両親が健康に人一倍気を使う家庭だったことから、健康的な食品を多くの人に届けたいと思っています。貴社では、おいしくかつ健康によい商品の開発に関わることで夢を叶えたいと思っています。

こうした志望動機は非常に多いのですが、実際には営業に配属されるケースも多いことから、「営業に配属されてもいいの?」「うちの仕事はイメージしてるような企画の仕事ばかりじゃなくて、営業の仕事もあるけど大丈夫?」といった質問をされるケースがあります。

また、会社によっては、面接のうちから「営業にとって大事なことはなにか?」といった質問をするケースがあります。

もちろん、会社によっては最初からマーケティング部署で採用、商品企画で採用など部署別採用を進めている会社もあるのですが、メーカーを支えているのは営業の仕事であり、メーカーの営業職につく人も多いのが現実です。

食品メーカー、消費財メーカーの営業では、担当する店舗の店長やエリアマネージャーの方などと話しながら、より目立つ商品配置や商品販売の企画を提案していくことで、自社の商品の売上を伸ばしていく仕事になります。かなり地道な提案と、売上ノルマに追われるという中々大変な仕事です。

こういった華やかな世界の裏側の地道な部分を理解しているかその部分に対する適性も示せるかは日系の食品・消費財メーカーを受ける際の一つのポイントとなるでしょう。

営業経験が商品企画やマーケティングに活きるという考え方

例えば、カネボウ化粧品の新卒採用ページでは、以下のように営業経験が実際に商品開発に活きている方のインタビューが公開されています。

「男性化粧品をつくりたい」という想いは入社時と変わりませんが、中身はずいぶん進化しています。

例えば、営業担当時代に、「トワニー」の誘導美容液を使ったお客さまから、「本当に肌がしっとりと気持ちよくなって、気分よく外出できるわ」という声を聞いたことがきっかけで、単に美容に効くだけではなく、使用者の気持ちを前向きにしてくれる商品をつくりたいなと考えるようになりました。

男性化粧品はまだまだ未開拓分野であるだけに、アイデアとカネボウ化粧品が長年蓄積した知見を掛け合わせれば、どんどんおもしろいものが提案できるはず。そう考えると改めて、カネボウ化粧品に入社できて良かったと思います。

※ 誘導美容液…化粧水の前に使用する美容液。「誘導美容液」は登録商標です。

引用:カネボウ化粧品 新卒採用ページ

入社時の想いが営業でより洗練され、それが商品開発のモチベーションになっているようです。営業として直接顧客とのコミュニケーションを取り声を聞く経験があったからこそ、商品開発への意欲がより洗練されたとのことです。

営業として現場を数多く見てきた経験が、地に足の着いた戦略、商品企画、マーケティングに繋がると考える人は多く、営業で現場を学んでからマーケティング、商品企画に転身する人も多いといえます。

完全職種別採用の外資系メーカー

一方で、P&Gやロレアルなどの外資系メーカーでは新卒から職種別採用を行っており、マーケティングで入社すれば一生マーケティング、営業で入社すれば一生営業といった採用手法をとっています。そのため職種によって難易度が異なり、社内のヒエラルキーも若干異なるといったことがあるようです。

前述の日系メーカーの考え方とは異なり、新卒から専門職として育成するのが多くの外資系メーカーがとっている手法の一つです。

現場の営業経験がマーケティング・商品企画に活きるという考え方も、外資系メーカーのように専門職として育成するという考え方もどちらが正しいということは現時点でははっきりとはいえないでしょう。

考え方の違いが起こる背景として、日系メーカーが終身雇用を前提とした育成を考えているのに対して、外資系メーカーが高い雇用の流動性を前提として即戦力となる人材を採用したいと考えていることがあると考えられます。

どちらの考え方を好ましく思うのかは、受ける就活生自身の好みに大きくよるでしょう。

最後に

日系の食品・消費財メーカーは知名度が高いものの、仕事内容や実際にどんな部署に配属されるかまで理解して志望している学生は少ないといえます。

最初は営業職に配属される可能性も理解した上で、それでも食品・消費財メーカーを志望するのか、もう一度企業選びの軸やキャリアについて立ち返った上で考えてほしいと思います。

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題点」について分析し、それを解決するために「今までにない新しい制度を取り入れたバンドサークルを設立する」した経験について話しています。参考:P&Gエントリーシート最後にバンドマンに対するイメージは世間一般ではあまりいいものではなく、就職活動においてもバンドやサークル活動について話すことに対して就活生は遠慮しがちですが、一番大切なことは「伝え方」です。評価される近道として実際に就職活動を成功したサークルの先輩に「どのようにバンド活動の経験を伝えたか」について話を伺うのも1つの手段です。ぜひ就職活動を成功させて、「真面目なバンドマン」として社会に羽ばたいてください。photobyJesseAcosta 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ANAの人事担当者から学ぶ、「泥水を飲む覚悟」とは ANAの人事担当者から学ぶ、「泥水を飲む覚悟」とは 航空業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】志望者必見!航空業界の職種と仕事内容2.【企業研究】航空業界の大手企業一覧3.【業界研究】航空業界の最新ニュースや動向分析〜2020年に向けて〜4.【業界研究】航空業界で役立つ用語まとめ5.【業界研究】航空業界に有利な資格まとめ6.【業界研究】航空業界のおすすめ本まとめこんにちは、16卒の航空業界内定者です。先日、日経ビジネスオンラインでANAの人財戦略室マネージャーのインタビューが取り上げられておりました。航空業界というと「unistyle就職活動意識調査結果概要」を参照してもわかるように就活生からも人気が高く、それ故にこのマネージャーの方も就活生に対して意識してほしいことを述べています。今回は航空業界内定者として自らが就職活動時に得た知見も踏まえ、記事を分析していきたいと思います。下記では「泥水を飲む覚悟」という言葉が使われていますが、これは何もANAに限った話ではないので、航空業界志望でない方も是非目を通して頂けると幸いです。まずANAの社風として、以下のように述べられています。ANAの社風や求める人物像ANAの社風を一言でいうと何ですか。「変化に強い、変化が好きな人が多い」というのが社風です。たとえば、半世紀ぶりの国産旅客機となる「MRJ」やボーイングの最新鋭中型旅客機「787」の採用を決めたのもANAは早かったですし、ビジネスクラスの座席をスタッガード(ジグザグ)型に配置するスタイルもANAが初めて採用しました。では求める人物像も同様ですか。そうですね。特に総合職だとアグレッシブな人がいいですね。分解すると、いろんなタイプはいますが、主体性があって自分から動く人。そういう人が社内でも活躍しています。昨日はシンガポール支店の社員の取材に立ち会いましたが、よくしゃべる、しゃべる(笑)。前に出たがる人が多いです。参照:「ANA、アグレッシブな人材を求む人財戦略室の松村宏二郎マネジャーに聞く」松村氏の語る「変化に強い、変化が好きな人が多い」という社風については、競合のJALと比較する上でも重要な参考材料となると考えます。上記の社風を象徴する他の例としては、キャビンアテンダント(CA)の正社員化にいち早く踏み切ったことが挙げられます。スカイマーク再建支援をANAが担当することになったというニュースも記憶に新しく、最近では、需要の拡大が見込まれるアジアでのシェア拡大を目指し、アライアンスの異なるベトナム航空にANAが出資することが発表されました。ベトナム航空はスカイチームというアライアンスに属し、一方でANAはスターアライアンスというアライアンスに属しているのですが、このように別のアライアンスの航空会社に出資する事例は今回は異例かつ初となります。人物像についても納得で、OBの就職活動時の話をそのまま引用すると「自分からいかないと受からない」とのこと。「私が私が」という姿勢がないと難しいとおっしゃっていました。ANAの求める人物像を理解した上で、以下ではトピックにも挙げた「泥水を飲む覚悟」についても言及していきます。参考:「なぜ全日空は客室乗務員を正社員化したのか」「ANA、ベトナム航空に出資し提携今秋にも共同運航」ANAの面接で評価される姿勢エントリーシート(ES)はどんなところを見ていますか。行動の事実や自分の経験をしっかり書いてあるかを見ています。<中略>事実や経験を書くといっても、単発や短期間のものよりは、「日記を18年間続けています」など、しっかり継続している方が説得力もあるし、興味は湧きます。面接はどう臨めばいいですか。話す内容をANAが好みそうだとかを考えて、無理に合わせる必要はありません。自社に合いそうかどうか、どんな部署で活躍できそうかは企業側がよく見ています。<中略>総合職の面接では地道なこともできるかどうかも見ています。本社のネットワークや海外とのアライアンスを扱う部署は花形だと言われますが、仮にそこに配属になっても一生その部署で仕事をするわけではありません。ANAにはいろんな仕事があります。言葉は厳しいですが、泥水も飲む覚悟があるか、をよく見るようにしています。参照:「ANA、アグレッシブな人材を求む人財戦略室の松村宏二郎マネジャーに聞く」私自身も就職活動を始めた当時は「会社が好みそうな経験を話そう」と躍起になりましたが、松村氏も示唆する通り、大事なのは自らが何に対して継続して情熱を注いできたのかを等身大で伝えることだと思います。また、「泥水も飲む覚悟があるか」と述べていますが、やはり就活生の思い描く会社の姿と入社してからのイメージには多かれ少なかれ誤差が生じると思います。例え自分の望まない仕事を務めるとしても、それを責任をもってやり遂げられるかということの言い換えとして「泥水を飲む覚悟」とおっしゃっているのだと思います。その覚悟を測る一つの指標として、「継続力」が見られているのだと感じます。その他評価される姿勢は会社によって様々かと思いますが、基本的には以下の記事にまとめられるとおりだと思いますので、参考にしてみてください。参考:「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」会社や業界をフラットに眺める重要性航空業界の総合職というと、海外に商談で旅立つビジネスマンを支援したり、フライトスケジュールを組んだりといった花形の仕事を私達就活生は想定しがちだと感じるのですが、一方で飛行機が遅れた場合のクレーム処理も仕事の一環です。キャビンアテンダントであれば、搭乗者に対するおもてなしで日本の良さを伝えられる・海外との架け橋になれるといった憧れが先行しがちですが、飛行機で酔ってしまった方の対応といった飛行機内の不測の事態・リスクは低いですが飛行機事故と隣りあわせといった側面もあります。ANAや航空業界にかかわらず、私達就活生は「自分のやりたいこと」を押し出して内定を獲得していきますが、同時に「自分のやりたくないこと」に対する覚悟も必要でしょう。説明会では良い面ばかりがフォーカスされがちですが、OB訪問等を活用して会社や仕事をフラットに見る姿勢も忘れないようにすべきだと思います。終わりに華やかなイメージが先行しがちの航空業界ですが、憧れだからとりあえず受けるといった安易な姿勢で選考に臨むと入社後にギャップに苦しむことになるのではないかと思います。自分の成し遂げたいことを達成するフィールドの一つの選択肢として航空業界が存在し、メリット・デメリットを踏まえた上で航空業界を志望すべきなのではないかと思います。強い意志と覚悟を持って選考に参加し、そのような方々と一緒に働けることを楽しみにしています。航空業界の中での比較としては、以下の記事を参考にしてください。参考:「OB訪問とES設問から見るJAL・ANAの違い」photobyMartinThomas航空業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】志望者必見!航空業界の職種と仕事内容2.【企業研究】航空業界の大手企業一覧3.【業界研究】航空業界の最新ニュースや動向分析〜2020年に向けて〜4.【業界研究】航空業界で役立つ用語まとめ5.【業界研究】航空業界に有利な資格まとめ6.【業界研究】航空業界のおすすめ本まとめ 44,694 views
就活は動物園!?私が遭遇した”トンデモ人間”7選 就活は動物園!?私が遭遇した”トンデモ人間”7選 皆さん、こんにちは。就職活動を終えた19卒の学生です。就職活動は、これまで出会うことのなかった多種多様な人々と出会う良いチャンスです。これまでのコミュニティを飛び出すことで得られるものも多いでしょう。ただし、それは裏を返すと、自分とは相容れないような変わった人々とも沢山遭遇するということです。そこで今回は、私が就職活動を通して出会った”ヤバい”人々を紹介していきたいと思います。最初に断っておきますが、これから紹介する人々に関しては完全に私の主観で捉えたものです。そのため、人によって感じ方は様々かと思います。本記事から得るものは特に無いかと思いますが、皆さんの息抜きになれば幸いです。それではご紹介していきたいと思います。トンデモ人間~面接官編~これは、とある企業の採用面接での出来事です。恐らくこの方の座右の銘は、『原体験』です。志望動機を聞かれたので、私はその業界を志望する理由、その企業を志望する理由、どのような仕事をしたいかについて端的に述べました。するとひたすら、私がそのように考えた経緯について深堀りしてこられました。このような質問を延々と繰り返してきます。巷で流行りのコンピテンシー面接を意識しているのでしょう。ただ、この方の面接はコンピテンシー面接とは程遠いものでした。原体験をただ問うてくるという、質問を考えることを放棄したかのような面接が30分間繰り広げられました。ここで、面接中にも関わらず私の頭の中には1つの疑問が浮かびました。『人間ってそんなに一貫性のある生き物だっけ?????』確かに過去の出来事が今の自分を形成していることは否めません。ただし、全てが全て過去の自分の行動が今の自分に結び付いているのでしょうか?そもそも、この企業で働きたい!とか、この仕事をしたい!という思いが、何か幼少期の原体験に結びついている人なんてほとんどいないような気がします。ましてや幼少期から一貫して同じ思いを抱いている人なんて、そういないでしょう。誰もが誰もソフトバンク創始者の孫さんのような強烈な原体験を持っている訳ではないのです。子供の頃から好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌いです。それに理由なんてあるのでしょうか。過去との繋がりを聞く時間があるなら、今後何を実現したいか、そのために何をしてきたか、今何をしているかを聞いた方がよっぽど有益ではないかと感じました。少し話が逸れたので本題に戻しましょう。このような面接官にあたった場合は、話にストーリー性を持たせるしかありません。私は無理やり原体験となりうるようなエピソードを探し出し、それが今の自分にどのような影響を与えているのかを伝えることで、無事乗り切ることが出来ました。続いては、コンサルを名乗るベンチャーで遭遇した武闘派ジジイの話をします。武闘派と聞くと暴力を振るわれたのかと思う方もいるかもしれませんがそうではありませんのでご心配なく。この方の得意技は、『自身の価値観に基づく言論封殺パンチ』です。自分基準のものさしで相手をぶん殴るという類の論法でした。この面接で開口一番に言われたのは、「で、うちで働いていくら欲しいの?」でした。正直、明確にいくら欲しいとかがなかった私は、「他人よりも少し多めに貰えたら良い」という趣旨の発言をしました。この発言が奴のスイッチを入れることになるとは思ってもいませんでした。私が上記の旨の発言をした瞬間、相手の目つきが変わり、威圧的な態度で「そんな生半可な気持ちで他人より多く金稼げると思ってるの?」と言われました。ここから、この方の自分語りが始まります。私もさすがにうんざりしていたので適当に相槌を打って聞いていました。そもそも、なぜ私がお金に重きをおいていると最初から決めつけているのかも謎でしたし、365日働くことのできる会社のガバナンスは大丈夫なのかと単純に疑問を抱きました。何より、面接という場で初めて会った相手をこういう人だと勝手に決めつけて一方的に批判できる神経には心底驚きました。また、この30分間の面接で私が話した時間は5分にも満たないでしょう。この後も、この方の人格否定とも言える発言は続くわけですが、今思い返しても腹立たしいのでここら辺にしておきましょう。トンデモ人間~学生編~某生命保険の集団面接で遭遇した学生の話です。その学生の学生時代頑張ったこと、いわゆるガクチカは、”ナンパ”を頑張ったというものでした。その時の、女性の面接官の顔は少し引きつっていたように思います。私も「何を言っているんだこいつは?」と戸惑ったのを覚えています。その学生と面接官のやりとりを以下で簡単に紹介していきたいと思います。「学生時代頑張ったことを教えてください。」「私は奥手な自分自身を変える為に、学生時代は女性をナンパすることに力を入れました。」「、、、ナンパ、、なるほど。。それは具体的にどういうことをしたのかな?」「具体的には、ライブで横の席になった女性に声をかけて連絡先を交換したり、道行く女性に話しかけたりしました。」「ナンパをする際にどんなことを心がけていたのかな?ポイントとかはあるの?」「まずは、服装や身だしなみに気をつけるようにしました。第一印象を良くするために流行りの洋服をチェックしたり、香水をつけたり、ダイエットにも取り組みました。ポイントは、まずは相手と共通の話題を探すことですね。自分と共通点があると分かったら、相手も比較的心を開いてくれるので。」「自分自身を変える為にナンパを始めたということだったけど、なんで自分自身を変えたかったのかな?その後どのように変化したかも教えてください。」「もともと高校では太っていて自分に自信が持てなくて、女子とも話すことが出来ませんでした。大学では、モテたいと思って高校の時の自分と変わる為にナンパをするようになりました。ナンパを始めたおかげで、少し自分に自信が持てるようになりました。」上記のようなやりとりが面接官とその学生との間で行われました。非常にツッコミどころが多いため、全てに言及することは出来ませんが、以下の4点が個人的には気になりました。この学生の合否については分かりませんが、選考に落ちたであろうことは想像に難くないです。3月1日が何の日かは皆さんご存知かと思います。そうです、就活解禁日(2019年現在)です。この時期になると早期内定者のマウント合戦が始まります。ここでは、私が遭遇した内定マウンターの話をしようと思います。それは、就活解禁された3月中旬のことです。私はある電力会社の説明会に参加しました。20人ほどの小規模な説明会で、人事が2人に現場社員の方が3名ほど来られていました。説明会が始まる10分前くらいでしょうか。周囲が静かであるのにも関わらず、2人の学生が周りにも聞こえるほどの声で話し始めました。2人はおそらく知り合いなのでしょう。かなり親しげに話していました。時期が時期だけに当然、就職活動の話になり、その後どこの内定を持っているかという話を彼らはしていました。すると、1人が「俺はA社(外資コンサル)の内定持ってるから、就活余裕だわ」ということをもう一方に向かって話していました。3月になり、就活生はみんなピリピリしている中、デリカシーのない発言だなとは思いましたが、内定貰ったら友達に自慢くらいしたくなるよなと聞き流していました。すると案の定、もう一方も「俺もD社(外資コンサル)の内定持ってるわ、実際ここの会社興味ないから説明会来るか迷ったわ」と大声でイキリ始めました。内定を持っていることを自慢するのは良いにしても、興味のない会社の説明会にわざわざ来てやったという旨の発言は、他の学生や社員にあまりに失礼じゃないかと怒りを覚えました。就職活動をしていると少なからず、こういう自己顕示欲に満ちたデリカシーのない人々と遭遇することもあるかと思います。ただし、内定マウントは3ヶ月も満たないうちにその効力を失います。周囲が内定を貰い始めると、ただのイタいやつになるので、ないかとは思いますが皆さんもそうならないように注意してください。インターンに行かれた方は、遭遇したことがあるかもしれません。フレームワークお化けは高確率であなたの周りにもいることでしょう。これは私の偏見かと思いますが、この類のお化けは意識高めの早慶コンサル志望に多く見受けられます。数が多いだけに非常に厄介です。このフレームワークを振りかざしてくる学生の多くが対策本の受け売りです。彼らは自分の頭で考えるより先にフレームワークを使いたがります。フレームワークが手段ではなく目的となっている場合が多いです。私も一度カード会社のインターンでこのお化けに遭遇しました。彼女はチームとして解を出すことよりも、いかにフレームワークを駆使できるかに重点を置いていたように思います。最終的には、彼女自身もフレームワークとはなんなのか分からなくなり、議論は混沌と化しました。もちろん、フレームワークを勉強し、それを活かそうという意識は評価されるべきでしょう。しかし、他の学生は疎か、本人までもがその使い方や意義を理解していない以上、フレームワークのゴリ押しは無意味でしょう。言わずもがな、私たちのグループの発表は見事撃沈しました。これは就活でよくあると言えばよくあることです。インターンでは当然メンバー同士の仲が深まります。そこに20代の男女がいるならば、予期せぬ”事故”も起こるというものです。これをチャンスと捉えるか、ピンチと捉えるかは人それぞれでしょう。ただ、彼氏彼女持ちのインターンメンバーが飲み会の後に闇に消えていったときは、この世の無常を感じざるを得ませんでした。また、遠方から来るメンバーには会社がホテルをとってくれることも多いです。そこで、"何か"が起きたということも就活中しばしば耳にしました。これから就活をするという方々は、これらの話が本当なのか嘘なのかを身を以て判断して頂ければと思います。トンデモ人間~番外編~就職活動をするにあたって、SNSで情報収集をしている方も多いことかと思います。私もその一人で、ツイッターで就活垢(就活用アカウント)を作って、インターン情報や選考情報を集めていました。上手く使えば就職活動を有利に運ぶことも可能なツイッターですが負の側面も当然あります。その1つが、『再現性ゼロアドバイスおじさん』です。こういう方々は”就活アドバイザー”を名乗っていることが多いです。このようなアカウントは、n=1の成功例でしかないにも関わらず、あたかも再現性があるかのような口調で就活生にありがたい指導をしてくださいます。しかし、このような方々のアドバイスをむやみに信じることは非常に危険です。常に自分の頭で情報の取捨選択をすることが重要です。また有難いことに、リプライやダイレクトメールを一方的に送りつけてきて、そんな就活のやり方をしてたらダメだよとわざわざ忠告してくださる方もいます。ツイッター界隈には優秀な方々が多いため、上手く活用すれば就活をスムーズに進めることも可能です。一方で、マルチや宗教くさいアカウントもあったり、偉そうに説教を垂れて来るアカウントもあるため、個人のネットリテラシーが問われます。皆さんもSNSの利用法には十分注意を払いましょう。最後に就活は、これまで接する機会のなかった人々と交流を深めるチャンスが随所にあります。この記事では、ネガティブな書き方をしてしまいましたが、皆さんにとってはそれ以上に有益な出会いがあることかと思います。私も就活後も飲みに行ったり旅行に行ったりすることのできる友人が出来ました。就職活動を単なる内定獲得ゲームと考えるのではなく、友人・知人を増やすチャンスだとポジティブに捉え、就活後も繋がりを持つことのできる関係を築くことができれば、就活も後の人生において有意義なものとなるでしょう。 21,724 views
キンコン西野亮廣『新世界』|これからはお金を貯めるより信用を貯めるべきである!? キンコン西野亮廣『新世界』|これからはお金を貯めるより信用を貯めるべきである!? こんにちは。unistyle編集部のせいちゃんと申します。人に感動を与えられる人になることが目標の大学4年生です。恋愛コンテンツクリエイターという肩書でnoteやTwitterを中心に執筆活動をしています。なぜその私が就活メディアにいるかというと、就活は自分の人生において大きな決断の時であり、私は「なりたい自分」に向き合う就活生の皆さんの背中を押したいからです。初めて名前を出して記事を出しているので緊張しておりますが、みなさんに「おもしろい!」「知って得した!」と思っていただけるようなものを作っていければと思いますのでよろしくお願い致します!本題に入りますが、今回はみなさんと共に新世界を覗きたいと思います。お金を貯める時代から信用を貯める時代になる、そう主張しているキングコング西野亮廣さん。彼の新著『新世界』には来たる新しい世界について書かれています。信用を貯めるとはどういうことか?どうやって貯めるのか?就活には関係あるのか?そんな疑問を解決すべく、『新世界』を引用しながら解説します。【全文公開中】https://r25.jp/article/621586962847256237貯信時代|労働の対価としてお金をもらう時代が終わる?皆さんは「貯信」という言葉を聞いたことがありますか?私はありませんでした。「稼いだ信頼=その人の手に入れられるお金」ということだそうです。これからの時代は、貯金から貯信の時代に変わると言われているんです。ホリエモンこと堀江貴文さん、幻冬舎編集者の箕輪厚介さんなど、多くの今話題の人物がそう語っています。とは言っても、本当にそうなんでしょうか?キングコング西野亮廣さんの新作『新世界』では、ホームレス小谷さんを例に、信頼が貯まっていれば、いつでもお金に還元することができるということを示しています。ホームレス小谷さんのハナシ芸人として苦戦していた彼に西野さんが「ホームレスになって生配信」することを提案し、それが話題になりました。その後無料でネットショッピングのお店が開けるBASEというサービスを使用し、「1日50円でなんでも屋」を始めます。日給50円で草むしりやヌードモデルやiPhoneの新作発売に並ぶなど、小谷さんはなんでもしました。購入者は50円で小谷さんが良く働くので、お金以外のもので恩返ししようと、昼食を出したり、晩酌に誘ったりします。購入者は、昼飯代を出して、夜飯代を出して、呑み代も出している。50円どころか、そこそこの金額を彼に支払っている。ところが、購入者の口から出てくる言葉は、いつもこれだ。「小谷さん、今日は本当にありがとう」日給を一万円に設定していたら、こうはならない。「一万円も支払っているのだから、それぐらい働いて当然でしょ」って感じで、ホームレス小谷との関係は、そこで終わっていたハズ。(中略)これまでボクらは労働の対価として「お金」を受け取ってきたけど、ホームレス小谷はお金を受け取ること(お金を稼ぐこと)を放棄して、その代わりに「信用」を稼ぎ続けたんだ。【引用】『新世界』西野亮廣「信用」を稼ぎ続けた結果、彼が結婚式を開く際、クラウドファンディングで結婚式の費用を募ったところ、3週間で250万円集まりました。これは過去に彼を50円で買った人たちが中心だったそうです。ここから西野さんは以下のように考察しています。ホームレス小谷は「お金持ち」じゃなかったけど、「信用持ち」だった。信用を稼ぎに稼ぎまくっているから、「クラウドファンディング」という「信用をお金に換金する装置」を手にした時に、お金を作り出すことができた。(中略)現代、クラウドファンディングやオンラインサロンといった「個人の信用を換金する装置」が次から次へとボコボコ登場している。信用さえあれば、お金が作れるようになってきた。『信用持ち』は現代の錬金術師とも言える。お金を貯めた人間ではなく、信用を貯めた人間があらゆるメリットを受け取れる時代が幕を開けた。【引用】『新世界』西野亮廣確かに、仲のいい友人なら、お会計時に「お財布忘れた!」と言われても「しょうがないな、今回は奢りでいいよ。」となるかもしれませんが赤の他人が目の前で「お財布忘れた!」と言ってもお金を快く出すことは出来ないですよね。貯信時代が就職にも変化を与える「貯信か。なんとなく言いたいことは理解できたけど、自分には関係ないだろう。」と思った方もいるのではないでしょうか。貯めた信用を換金することが浸透してくると、会社が人を選ぶ基準が変わってきます。これが変わることで、学生時代の過ごし方や就活の仕方も変わるでしょう。現に、「信頼」という基準をSNSフォロワー数ではかる企業も出てきています。信用を販売することで生きる人が増えてくる。そうなってくると、買い物をする時には「何を買うか?」に加えて、「誰から買うか?」という選択肢が生まれる。あらゆる商品のクオリティーが上がって、商品自体の差がなくなってきたら、尚のこと。商品のクオリティーを競っていた時代から、販売者のブランドを競う時代へと変わる。(中略)サービス業においては、「信用持ち」の販売スタッフがいた方が商品は売れるので、当然、サービス業における「信用持ち」の就職内定率は上がる。(中略)すでに「Twitterのフォロワー数が多ければ、優先的に採用する」という企業も出てきている。【引用】『新世界』西野亮廣サービス業に関わらず、クライアントと接する営業職はもちろんのこと、社内で仕事を頼む際も「信用持ち」に頼みたいということになってきます。これまでは「学歴」が最も信頼できる指標だったかもしれません。しかし、これからは「信用」がその指標になっていくということです。では、信用はどうやって貯めるのでしょうか?信用を貯める方法キングコング西野さんは著書『新世界』で、信用を稼ぐには「嘘をつかないこと」が重要だと主張しています。今の時代、嘘なんてインターネットで調べればすぐにバレてしまい、信用が失われてしまうからです。認知と人気の違いSNSでのフォロワー数が「信用持ち」の1つの基準として使われていると聞いて、「なるほど、とにかく認知度が大事なんだな。」と思いませんでしたか?私は思いました。ただ、ここで注意が必要なのはこの認知と人気の違いです。西野さんは自らの過去を「認知タレント」だったと振り返っています。テレビタレントの給料の出所は、番組スポンサーだ。番組スポンサーさんが番組に制作費(広告費)を支払って、その一部がギャラとしてタレントに支払われる。当然、タレントは”スポンサーさんの都合が良いように”立ち振る舞わなきゃいけない。(中略)たとえばグルメ番組でマズイ料理が出たとしても、ボクたちタレントは「美味しい」と言わなくちゃいけない。(中略)昔はそれでも良かったんだけど、今は、その料理が本当に美味しいかどうかが、『食べログ』やTwitterで調べられてしまうようになっちゃった。つまり今は、これまで検証しようがなかったタレントの嘘が、「嘘」としてカウントされるようになった。(中略)嘘をつくことで露出を続けると、認知度は上がるけど、人気度(信用度)は確実に落ちる。(中略)でも、仕事で「嘘をつくこと」が求められているわけだよね。(中略)嘘は感情ではなくて、環境によって”つかされる”んだ。【引用】『新世界』西野亮廣ここから以下2つのことが分かります。①注目を集めるだけの露出は信用を失うSNSで迷惑行動を撮影してアップロードしている人たちがこれに当たります。バズって有名になるかもしれませんが、信用は失います。採用担当者なら絶対に採用したくないでしょうし、「一緒に活動したい。」「支援したい。」と考える人は出てこないでしょう。②嘘をつかなくていい環境に身を置くべき仕事で嘘をつかざるを得ないのは、タレントに限った話ではありません。顧客に必要ないと分かっていながら、成果を上げるためにあたかも必要であるように営業することも立派な嘘になります。「でも、社会ってそんなもんだろ。」と思った方もいるでしょう。嘘をつかないで信用を稼ぐことを最重要視している人たちは以下のように考えているようです。オンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」でいい仕事をするメンバーのハナシ毎度、「いい仕事をするなぁ~」というメンバーが数人いるんだけれど、どこの会社にも所属していない「フリーランス」の人が多かったりするんだよね。その代わりに、彼らは複数オンラインサロンを渡り歩いている。(中略)その先々で、面白そうなプロジェクトがあれば、「ボク、やります」と手を挙げて、仕事を取っている。彼らは「面白いプロジェクト」にしか参加していないので、「いつも面白いことをしている」という信用を稼いでいる。何度も言うけど、稼いだ信用は換金できる。ある時、彼らに「会社に所属しない理由」を訊いてみると、なんとも痛快な答えが返ってきた。「会社に所属してしまうと、会社の事情で場合によっては『面白くないこと』に参加しなければいけなくなって、信用を落としてしまうじゃないですか」固定給と引き換えに信用を落として、”自分の力でお金を作れない身体”になってしまうことが、貯信時代では最も危険なことだということを彼らは知っているんだ。【引用】『新世界』西野亮廣オンラインサロンとは、ファンクラブと似たようなものです。サロンメンバーは会費を払ってサロンに所属し、サロンオーナーの限定記事を読むことができたり、イベントに参加できたりします。それだけでなく、プロジェクトに参加して働くこともあります。例えば、某アイドルのファンクラブに入っていて、そこで「某アイドルのライブ運営に参加できる権利」が売られていたら、「買いたい!」と思うファンも多いとは思いませんか?これがこれまでの「お金のために働く」という概念からは想像できなかった新しい形として、近年注目を集めています。まとめ貯信時代についてまとめると、以下になります。①信頼が貯まっていれば、いつでもお金に還元することができる②「信用持ち」の就職内定率は上がる③信用を稼ぐには「嘘をつかないこと」が重要④嘘をつかざるを得ない環境で働き信用を落として、”自分の力でお金を作れない身体”になってしまうことが、貯信時代では最も危険今回は貯信時代について解説しました。これは一つの世の中の流れであり、この新しい概念を実証している人たちがいることは事実です。未知の概念は世の中の「当たり前」になるまでは半信半疑のまま行動しない人がほとんどです。ただ、知っておくだけで損は何もありません。思考と行動の幅を広げるためにも、積極的に情報に触れておくと良いでしょう。キングコング西野亮廣さんのSNSも気になった方はチェックしてみてください。Twitterキンコン西野(新刊『新世界』)Amazon『新世界』西野亮廣著者:せいちゃん恋愛コンテンツクリエイターとしてnote、Twitterを中心に毎日発信しています。【「愛してると言えるようになるまで」|Twitter@あんず飴】もっと多くの人が「なりたい自分」になる背中を押すために就活についての執筆もしています。【就活生以外の皆さまに読んでほしい就活日記】平成が終わる前に自著を出版することが目標。 11,667 views

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