アクセンチュア社員が語る、外資系SIerのエンジニアの良い点と悪い点

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最終更新日:2023年10月27日

アクセンチュア社員が語る、外資系SIerのエンジニアの良い点と悪い点

企業研究

始めまして。私は17卒の就活生で、IT業界のエンジニアを志望しています。私が実際に志望する業界としては、Web業界やSIerが挙げられるのですが、今回はアクセンチュアでソリューションエンジニアを担当している若手の社員さんにOB訪問してきました。

今回の私のOB訪問の目的はもちろんSIerで働くことのやりがいや醍醐味について現場で働いている社員さんに伺うことが目的ですが、説明会では聞けないようなSIerのエンジニアの仕事における辛い点や退屈な点をより明確化することも1つの目的でした。非常に聞きずらい質問だったのですが、今回は幸いにもエンジニア業務の悪い点に関する質問に対しても丁寧に回答していただけたので、どのような情報を得たのかについて以下に紹介したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

外資系SIerだからこその国際プロジェクトに取り組む醍醐味

OBから説明していただいた仕事のやりがいや醍醐味について紹介する前に、実際にアクセンチュアがどのようなプロジェクトを行っているかを以下に紹介したいと思います。

(引用)事例紹介:旭化成株式会社


eコマースの波が化学業界全体にも押し寄せるなか、日本における先進企業である旭化成は、「AKchem.com」を立ち上げました。同サイトは、「価格競争に陥ることのない付加価値をもつeコマースサイト」というコンセプトのもとわずか半年で構築されました。このサイト立ち上げの原動力となったのは、アクセンチュアとのチームワークによる徹底的な戦略構築作業でした。

(中略)

戦略構築に引き続きシステム構築が開始された。この間、アクセンチュアはプロジェクトの品質を管理するために、第三者による客観的なチェックを3ヵ月ごとに実施した。eコマースと化学業界に精通したエキスパートが1週間かけて改善点などをアドバイスするもので、アクセンチュア独特のシステムである。約3ヵ月の戦略構築、約半年のシステム構築を経て、AKchem.comは始動したのである。

(中略)

アクセンチュアは、世界中のグローバル企業とともに革新的なビジネスを構築してきました。なかでもeコマースは、近年最も実践的に力をいれてきた領域です。市場を取り巻く環境の総合的・科学的な分析、最新のIT技術を駆使してグローバルに通用するサプライチェーンを構築、新しいビジネスモデル創出のサポートなど、投資を伴うネット事業の支援サービスも積極的に手がけています。最近の例では、ダウ、デュポン社など世界有数の化学企業が設立した“エレミカ”というマーケットプレイスの構築にも協力しました。こうした実績が、「eコマースならアクセンチュア」という定評につながっています。

SIerのプロジェクトは、まず戦略立案を行うことから始まります。実際にコンサルタントがお客様の課題をヒアリングし、それをベースに戦略立案、そしてそれに引き続いてシステム構築を行うことが一般的な流れです。このシステム構築を担当するのが皆さんが思い描くSEの仕事であり、「要件定義」というシステムが満たすべき機能や性能を明確にする作業からスタートしていきます。

今回OB訪問させていただいた社員さんの担当フィールドのも機械メーカーであり、実際に企業が持つ工場に駐在して業務を推進するようなプロジェクトを長い間担当していたようです。

いわゆる大手のSIerの企業の1つの魅力としては、やはり大きな市場規模があるプロジェクトに関われることだとおっしゃっていました。具体的に言うと、プロジェクトの金額は数千万から数百億円までに及びます。かつ、プロジェクトメンバーには国籍を問わない様々な人材が参加していて、そのような多様性があるもとでチームを巻き込みながらプロジェクトを促進することはアクセンチュアだからこそ出来ることだとのことです。

そして、アサインされるようなプロジェクトに関しても、ある程度自分の希望が通るような風土があるとのこと。この社員さんは語学力を活かしながら自分に専門性が付くような、市場価値が高まるような仕事がしたいという思いでアクセンチュアを選んだらしく、実際に関わっている案件は外資系企業や、日系企業の海外進出に関わるものが多いとのことです。


SIerのエンジニアが抱える業務での問題点

しかし、今回のOB訪問では、なかなか説明会などでは聞けないようなSIerエンジニアが抱える仕事に対するフラストレーションや問題点についても教えていただくことができました。

SIerなどを志望する学生の多くはほとんどがご存知だと思いますが、システム開発の業務の流れは簡単に分けると

企画→要件定義→開発→保守・運用

という一連の流れがあります。そして、一般的に要件定義や企画の段階を「上流工程」と呼び、そして開発を行う工程を「下流工程」と呼ぶことが多いです。ソリューションエンジニアの業務はこの中でも企画以外の要件定義から保守・運用までを担当しています。実際にエンジニアがどの段階を担当するかについてはそのエンジニアのスキルや描いているキャリアパス、そして開発チームのメンバーによって大きく変わってくるようです。

今回OB訪問させていただいた社員さんが特に指摘していたエンジニア業務の退屈な点としては、この工程の中での「保守・運用」業務のつまらなさです。保守・運用の工程は設計したシステムの規模が大きければ大きいほど長期にわたることが多いですが、この業務はどうしても退屈に感じてしまうとのこと。お客様に安心してシステムを利用してもらうためにも保守運用を徹底することは非常に重要であることは間違いないのですが、やはり「やりがいがある面白い仕事」とは言えないみたいです。

また、近年の傾向として、アクセンチュアは非常にチャレンジングな案件を受注することが多く、プロジェクトが繁忙期の時は残業時間が非常に長くなるそうです。「入社前から業務が長く残業が多いのは知っていたのである程度は覚悟はしていたが、正直想像以上だった」とのこと。かなりのタフさが求められることは覚悟したほうがいいことはやはり間違いないそうです。さらに、プロジェクトによっても残業代をつけることができるかどうかは変わってくるので、「残業代が勤務した時間だけ正確に出ない可能性もあることは注意したほうが良い」とも脅されてしまいました。もちろん、給与形態については企業によって変わってくるとは思いますが、そのような所にもしっかりと目を向けることは大事でしょう。

また、今回のOBだけでなく、以前私が話したことのある現在Web系ITベンチャーに勤務している元外資系SIerの社員さんも非常に似通った問題点に言及していました。よって、今回紹介したSIerの業務の問題点は、一般的にも言えることなのかもしれません。この方は、構築・保守運用のプロセスだけでなく、サービスやシステムの企画・立案も含めて全ての工程を担当したいという思いでSIer業界からWeb業界へと転職を決意したそうです。

最後に

今回は外資系SIerのソリューションエンジニアにOB訪問をし、その業務が持つ良し悪しについて大きく2つに分けて説明しました。一般的に多くの企業は、説明会において業務の魅力や醍醐味などの「良い点」にしか触れないことから、しっかりした企業選びを行うために「ネガティブなことも聞いてみるOB訪問」を行ってみましたが、いかがでしたでしょうか。

私としては、エンジニアで働くフィールドとしてWeb業界とSI業界、どちらが自分の思い描くキャリアパスとして適しているのかについてかなり長い期間悩み続けてきましたが、今回のOB訪問でWeb業界に対する志望度が高まったというのが正直な感想です。もちろん、SIerのエンジニアにしか味わえない大きなやりがいがあるのも理解はしているので、今回のOB訪問で得た情報をしっかりと受け止め、後悔しないような就職活動をしたいと思っております。

また、今回のOB訪問で私は知った情報はあくまで1人のSIerエンジニアの主観であるので、全てのエンジニアには絶対に当てはまりません。ぜひみなさんも、実際に現場で働く社員さんに直接会って、業界の事情や仕事のネガティブな点を理解した上で後悔しないような企業選びをしてほしいと思います。

 

photo by Ivette Diaz

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