シグマクシスの1次選考GDでボコボコにされた就活生が考えるGD対策の重要性

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最終更新日:2023年10月25日

シグマクシスの1次選考GDでボコボコにされた就活生が考えるGD対策の重要性

こんにちは。17卒の就活生です。

私は「様々な業界と仕事ができる」ことを軸として就職活動をしているのですが、受けている業界の1つとしてコンサルティングファームがあげられます。コンサルティングファームの選考では志望動機だけでなく論理的思考能力も評価の1つとして大事なことはあらかじめ分かっていたので、「東大生が書いた、問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」などを利用してそれなりに対策をしていました。

しかし、対策と言っても一通り本を読んだだけであり、本当に自分に「ケース問題に対する考え方」や「問題に対する思考のくせ」が身についているのかどうかは疑問です。

東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」

また、今回の記事はコンサルティング志望の学生だけでなく、日系大手企業を目指す学生にも参考にして欲しいと思います。

なぜかというと、ケース問題型のGDはもはやコンサルティング業界だけでなく、総合商社などの多くの就職活動生が第一志望にするような企業でも採用されているからです。

以下の記事は、総合商社、日系大手企業志望の学生に対するケース問題対策の重要性について説明した記事です。参考にしてください。

今回、私が選考を受けた会社はコンサル志望の就職活動生ならおそらく知っているであろう「シグマクシス」です。この会社が初めてのコンサルファームのGDであり、そして初めてGDの段階でフィードバックを受けた企業です。

具体的にどのようなお題を解き、そしてどんなフィードバックをもらったかについて話したいと思います。また、コンサルティングファームを受ける就職活動生におススメな記事を以下に紹介しておくので、ぜひ確認してください。

本選考とインターンの締め切り情報

コンサルティングファーム独特の論理的思考力を見るGD

シグマクシスのようなコンサルティングファームでは、ある程度のコミュニケーション能力や頭の柔らかさは前提として、話す上での論理的思考能力などが必要とされているのは言うまでもないでしょう。

これは、GDだけではなく個人面接でも非常に重要なスキルになっています。シグマクシスの出題形式は「3つのお題から好きなもの1つを選ぶ」というものでした。

この3つのお題というのは具体的に書くと

・大学構内のコンビ二において、昼間の混雑を減らせ

・○と△を評価せよ

・女性の就業率を60%から80%まで上げよ

というもので、この3つから私たちは「女性の就業率を60%から80%にあげよ」を選びました。

何故これを選んだのかというと、「チームの中に女性がいたため議論が活発になると思われた」ことや「政府が現在直面している問題であり、議論する上で非常にやりがいがあると思われた」からだと覚えています。

このような「ケース問題型のGD」はDeNAなどのベンチャー体質の企業や大手企業でも出題されているので、コンサル志望の学生に限らず多くの学生が必ず対策すべきものでしょう。

グループワークは35分間で、その後に5分間の発表の時間を与えられました。実際の議論自体は決してそんな悪いものではなかったのですが、「意見を積極的に言う学生が偏っており、6人中2人か3人程度しかいなかった」ことや「事前に決めた各ステップ(定義確認、現状分析…etc)の時間設定が適切ではなく、落ち着いて議論することが出来なかった」ことなどがワーク中に感じた問題点です。

また、最終的に生み出された施策も有効であると思われるものはひとつもなく、いかに思考の柔軟性が足りていないのかを痛感しました。

受けたフィードバックは「この内容じゃ0点。こんなんで大丈夫なの?」

見出しのタイトルは実際に面接官から受けたフィードバックです。「コンサル志望の癖にこの程度のアウトプットしか出せないなら今後の選考でも笑われるよ」とまで言われてしまいました。非常に辛口であるフィードバックでしたが、実際うなずけるほどの悲惨な議論をしていたと思います。

以下に、今回何故このようなフィードバックをもらったのかをしっかり考え、思い当たる原因を挙げてみました。

・まだ就職活動が本格化している時期ではなかったので、グループの学生はほとんどが今回のGDが初めてもしくは2回目程度であり慣れていなかった。そして、自分もコンサル業界のGDは初めてであったため、要求されているレベルの高さを低く見積もっていた。

・メンバーがコンサル志望が抑えておくべき「ケース問題を解くプロセス」を把握していなかったのか、議論が何度も脱線してしまった(半分くらいの学生は「ベンチャー企業だから受けてみようかな」という姿勢で、あまり事前準備をせずに選考を受けた可能性があるかも?)

などが考えられます。

もちろん実際のフィードバックでは先ほど述べたことだけではなく、「具体的にどうしていればよかったのか」についてのアドバイスもいただきました。

具体的に挙げると

・もっと論理的に話す癖を付けて欲しい。議論するときも「意見→根拠」の論理展開を徹底するべきである。

・施策の現実可能性をもっと考えて欲しい。施策の効果についてだけ議論しがちである。

・今後の選考においては面接官が常に学生の主張や意見に対して「なんで?どうして?」を知りたがっていると思って欲しい

などです。議論について褒められた点は1つもありませんでした笑

しかし、この時期にこのGDに参加することが出来て本当に良かったと思います。非常に辛口かつ的確な指摘だったため、現在の自分の能力に何が足りていないのかが浮き彫りになりました。

また、「選考を受けるたびに自分がダメだった点をしっかりと把握し次の企業の選考までに改善することで、今後受ける企業の内定率は間違いなくあがるだろう」といった風に今後の選考に希望が持てました。

大学の先輩などから「なるべく早い時期からベンチャーやコンサルの本選考を受けとけ」とよく言われていたのですが、このアドバイスの意味がやっと分かったような気がします。

さいごに

みなさん、「GDは一次選考だから」といって舐めてかかってはいけません。特に、GDの通過率は他のメンバーによっても大きく変わってきてしまいます。

なので、まず自分1人でも議論を最後まで展開できるような力を付けてください。そうすれば、自信を持った上で選考に望むことが出来ます。

また、何度も繰り返していますがGDに安心して望むためには「自分1人でも設問を根拠付けて解答する能力」が求められます。そのために先ほど紹介した「東大生が書いた、問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」などを利用して本命企業を受ける前にしっかり対策してください。

こちらの動画ではGDの全体像について解説しています。ぜひご覧ください。

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憧れの社員が持っている要素を一つ挙げよ【三井物産GD過去問】 憧れの社員が持っている要素を一つ挙げよ【三井物産GD過去問】 今回は三井物産で行われたGDの解説をしたいと思います。このようなとらえどころのない問題に対してグループでどのようにアプローチすればよいのか、議論をどのように進めていけば、一番よい結論にたどり着けるのか、考えながら読んでいただければと思います。1.議論の流れと時間配分の確認GDにおいては15分〜30分という短い時間でグループとしての結論を出す必要があります。そのためまず始めにスタートからゴールまで議論の流れと時間配分の確認をしておきましょう。議論の流れと時間配分の確認をしないまま、話を進めてしまうと、行き当たりばったりの議論になりやすく、最終的に時間が足りずに納得のいく結論がだせなくなりがちなので注意しましょう。今回のテーマは「自分が憧れる社員の持っている要素」という非常に曖昧なテーマになっていますので、後ほどそれぞれの項目について、詳しく説明しますが、「①前提条件の確認・定義付け⇒②ブレインストーミング⇒③議論の集約⇒④結論⇒⑤発表」という流れで解説したいと思います。実際にGDを行う上では、「上記のような議論の流れを決めません?こんな流れでどうでしょうか?」といった形でファシリテーターを務めることができれば評価されるでしょう。もちろんファシリテーターを務めたから評価が高まるわけではなく、ファシリテーターとして、議論の方向性を決め、議論に「貢献した」ということが評価されます。リーダー役やファシリテーターをやるだけで満足してしまう人が稀にいますが、そうならないように注意して下さい。2.前提条件の確認・定義付けさてこのような曖昧な題材を扱う上では、前提条件の確認と定義付けは非常に重要です。これをしないまま、議論を拡散させてしまうと各々が別々のことを考えながら発言をするため、議論にまとまりがなくなってしまいます。今回のケースで言えば、「憧れる社員」というのがかなり曖昧な言葉です。学生にとっての憧れの社員なのか、新入社員にとっての憧れの社員なのか、全てのビジネスマンにとっての憧れの社員なのかで、話は大分変わって来るでしょう。ここでは就活生が最もイメージしやすいであろう「学生の立場から憧れる社員」と定義して議論を進めたいと思います。この定義があるだけで今後の議論が大分まとまりのあるものになります。実際のGDにおいても、定義付けが曖昧なまま進んでしまい、議論がまとまりそうにないと感じた時には是非、手遅れになる前に「定義付け」を行うように周りに促しましょう。脇道にそれてしまった議論や方向性が怪しい議論を修正できる人もファシリテーターと同様かそれ以上に議論に「貢献した」ものとして高く評価されますので、覚えておきましょう。3.ブレインストーミングさて次にブレインストーミングを行いたいと思います。ブレインストーミングとは、集団でアイディアを出し合うことによって相互工作の連鎖反応や発想の誘発を期待する議論の方法のことです。とにかくアイディアを出す時間と考えていただければと思います。※ブレインストーミングをする上での4原則など詳しい説明はこちらをお読み下さい。今回のようにお題が曖昧で、論理的な答えの出ないような問題においてはある程度定義付けを行った上で、どんどん思いつくものを挙げてその後に集約していく議論の方法が効果的です。一方で、コンサルなどのケース問題のようにある程度、論理的な答えを出すことのできるお題においてはブレインストーミングのように具体的なアイディアを出してから集約させるよりも、予め「何を話すべきか」について丁寧に議論した上で進めた方が効率的なことが多いです。議論の内容によって進め方を変えていくことが必要になりますので、お題が発表された段階でどのように議論をしていくと効果的なのか考える癖をつけましょう。さてそれでは今回のお題に沿ってブレインストーミングとして、思いつくものを全て挙げると、①夢に向かって仕事をしている②自分の仕事が好き③誰もが知っている大きなビジネスに関わっている④取引金額/売上の規模が大きい⑤その会社の中でも一目を置かれている⑥出世している⑦自分の仕事に誇りを持っている⑧楽しそうに仕事をしている⑨人に誇れる結果を残している⑩世の中に影響力のある仕事をしている⑪高い給料を貰っているといった形で学生の立場から憧れる社員の要素が挙げられました。大人数でやるともっとたくさんのアイディアが出るでしょう。またこのようなブレインストーミングを行うと、中にはアイディアを言い出せない人もいると思いますので、そういった人に話を振るなどの気遣いも評価の対象となります。但し、話を振ってもアイディアが出ずに時間だけが浪費されるという事態にも遭遇するのでケースバイケースで判断するようにしましょう。4.議論の集約さて具体的なアイディアが多数出そろったらここからは議論を集約させていきます。議論を集約させるコツは色々ありますが、箱を用意してあげて、同種のアイディアをまとめて挙げると、乱雑なアイディアもすっきりしたものになります。例えば、上記で挙げた11個の要素を大きく三つに分けると、「仕事に対する意識」、「仕事そのもの」、「仕事の結果」の三つに分けられるでしょう。【仕事に対する意識】①夢に向かって仕事をしている②自分の仕事が好き⑦自分の仕事に誇りを持っている⑧楽しそうに仕事をしている【仕事そのもの】③誰もが知っている大きなビジネスに関わっている④取引金額/売上の規模が大きい⑩世の中に影響力のある仕事をしている【仕事の結果】⑤その会社の中でも一目を置かれている⑥出世している⑨人に誇れる結果を残している⑪高い給料を貰っている仕事に対する意識とは文字通り、どのような意識で自分の仕事に取り組んでいるのかということです。やっぱり自分がやっている仕事に愛着のある人、誇りを持って働いている人には誰しも憧れるでしょう。またやっぱり学生の立場からすれば、「仕事そのもの」が魅力的だとその仕事をしている人も魅力的に映り、憧れるという側面は少なからずあるでしょう。最後に仕事の結果として、社内で一目置かれている人、出世している人、結果を残している人、給料が高い人にも憧れるという側面はあるでしょう。結果を残している人は自信を持っていることが多く、それが魅力に繋がることが多いでしょう。このようにブレインストーミングで出たアイディアを三つの要素に集約させることができれば、この議論のゴールはすぐそこです。5.結論さてここまでで、①定義付け⇒②ブレインストーミング⇒③議論の集約まで行い、学生の立場から憧れる社員の像が見えてきました。ここからは三つの要素からどの要素が一番重要かを考えて一つに絞り込んで発表するのみです。今回のケースでは一つに絞る要素があるので、三つの要素からどれが大事かを考えたいと思いますが、【仕事に対する意識】が最も重要な要素であると考えます。仕事に対する意識が高いからこそ、【仕事の結果】が出る訳で、更に【仕事そのもの】も意識が高いからこそどんどん大きなビジネスを育てることができるものでしょう。結論が出たら後は発表するのみです。6.発表発表については一人の発表者がグループを代表して発表するケースから、グループ全員が一言ずつ発表するケースもありますので、自分が発表者になっても大丈夫なように議論を進めていくのが無難でしょう。発表の際には下記3つをまずは気をつけましょう。・結論から伝えること・簡潔にわかりやすく伝えること・結論までの議論の流れがわかるように伝えること今回のケースで言えば、下記のように発表するとちょうど1分程度でまとめられるのではないでしょうか。【発表例】憧れの社員の持っている要素を一つ挙げるとすれば、夢を持って仕事をしている・仕事に対して誇りを持っているなどの【仕事に対する意識】を選びたいと思います。今回のお題では、学生の立場から憧れる社員が持っている要素と定義を行い、どんな社員に憧れるかを具体的にアイディアを出してきた結果、先ほど申し上げた【仕事に対する意識】、取引金額の大きいといった【仕事そのもの】、出世しているといった【仕事の結果】の三要素が挙りました。この中でも【仕事に対する意識】が【仕事の結果】を出す上でも重要で、更に【仕事そのもの】を大きく育てていく上でも重要な要素であると考えたために、【仕事に対する意識】を学生の立場から憧れる社員の持っている要素の一つとして選択しました。最後にGDの流れについてのイメージは持てたでしょうか?今回の流れが正解という訳ではありませんが、とらえどころのないような議論も以外ときれいにまとまるものです。是非これを読んでいる皆さんにはリーダーシップを取って議論を主体的に動かせる人にも、議論が脇道にそれた時に修正する人にもオールマイティに議論に参加していただければと思います。最後に非常に重要なことではありますが、GDにおいては「全員でいい結論を出すこと」が最も大事です。周りはライバルだからと蹴落とす意識の人がいると、いい議論が出来ずにグループ全員の評価を落としかねません。是非参加する際には、全員と仲良くなっていい議論をするというつもりでGDに臨んでいただければと思います。こちらの動画ではグループディスカッションについてわかりやすく解説しています。ぜひご覧ください。 27,118 views
伊藤忠商事、先決め採用のススメ 伊藤忠商事、先決め採用のススメ こんにちは。今回は総合商社の中でも唯一の部門別採用を行っている伊藤忠商事の配属先決め採用に関して実態を探っていきたいと思います。私自身も総合商社を志望しており、伊藤忠商事に関しては配属先決め採用で受けました。しかしその思いは叶わず、友人が見事に採用されたので友人やその他の内定者の話に基づいて執筆致します。配属先決め採用とは?《配属先決め採用》1997年4月「ディビジョンカンパニー制」の導入に伴い、伊藤忠商事が独自に行っている採用方式です。応募の段階で配属先として希望するカンパニー/総本社職能部署を特定することができ、内定と同時に入社時の配属カンパニー/総本社職能部署が決定します。特定のカンパニーや事業に強い興味・希望をお持ちの方や得意分野・専門知識をお持ちの方は、是非ご活用下さい。引用:伊藤忠商事採用情報2017「採用方式」にもあるように、内定とともに配属されるカンパニー(営業)もしくは総本社職能部署(コーポレート)が決定するというシステムです。これにより総合商社に入社する時の懸念点の一つである配属リスクを軽減することができます。他の商社は内定後に配属面談を行ってから配属部署を決めていくので、非常に特殊な採用システムであると言えます。ただ配属するカンパニーは決まりますが、その中での配属部署は再び面談をして決めていくようです。選考フローは?選考フローに関しては基本的に一般採用と同じです。しかし、1次面接から志望しているカンパニーに所属する社員が担当します。2次面接ではそのカンパニーの人事課長、最終面接ではそのカンパニーのプレジデントおよび人事課長と面接を行います。このようにそのカンパニーを志望している以上はそのカンパニーの社員が面接を行い、最後はカンパニー長がOKサインを出せば内定というような選考フローになっています。つまり配属先決め採用に関しては厳密には倍率というものは存在せず、社員達がその学生を欲しいか否かで決まるということになります。実際にどれくらいの人が配属先決め採用で内定をもらえるの?内定者にヒアリングを行ったところ、総合職の内定者が140人程度、そのうち配属先決め採用が10人強ということだったので一割程度といったところです。実際に配属先決め採用にて内定をもらっている人は弁護士や公認会計士などの難関資格の突破者や理系の院生が多いようですが、稀に文系の私立大生もいるようです。専門知識といってもたかが知れていて、本当に大事なのは人柄などのソフトスキルの部分であるというのは一般採用と同じなようです。最後にキャリアを考える上で総合商社の配属リスクは非常に大きなもののように感じます。これを軽減できるのであれば伊藤忠商事の配属先決め採用は革新的な採用方式です。ただもちろん、憧れだけで内定がもらえるような甘い世界ではなので、しっかりと自己分析をした上でどちらが良いのか考えると良いでしょう。参考:総合商社内定者が持つ内定後の不安photobyBillieGraceWard 22,272 views

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