リクルート志望者必見|自己PR・ガクチカ・志望動機・面接対策のポイント解説

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最終更新日:2023年11月20日

リクルート志望者必見|自己PR・ガクチカ・志望動機・面接対策のポイント解説

こんにちは、16卒のリクルート内定者です。

本日は私自身が就職活動をする中でunistyle記事で参考にしたもの、また加えて私自身がリクルートに内定し、その中で感じたことを書いた記事をまとめたいと思います。

今から就職活動を始めて、リクルートに興味がある、という方は是非参考にしていただければと思います。

就職活動を始める上で、読んでおくべき記事は以下でまとめていますので参考にしてみて下さい。

引用:就職活動をスタートする学生がまず最初に読むべきunistyle記事20選

本選考とインターンの締め切り情報

リクルートの選考形態を知る

まずは上記で本選考の情報を確認すると良いと思います。

従来は各カンパニー毎に選考をする形でしたが、19卒以降の入社予定者を対象に、国内9社を統合して新卒採用を行う形となりました。これにより、応募作業の簡略化が行われています。

リクルートの選考で特徴的なのが面接ではないかと考えられます。

深堀が多くされる上に、時間も長く取られています。おそらく他の会社よりも長いのではないでしょうか?特に最終面接近くになると一人約1時間程度面接をしているようです。

基本的なベースとしては学生時代頑張ったことからの深堀が主に面接で聞かれることです。

リクルートの特徴を掴む

リクルートというと「起業家」「熱量のある営業マン」のような印象があるかと思いますが、それは各カンパニーによって異なると思っています。

採用HPは各カンパニー毎で語られている内容が異なっているので、受けるカンパニー毎に読み込むことをお勧めします。

基本的には「個人で努力して成果を上げていく」という力は前提だとは思いますが、それに加えて求められる力は若干異なるかと思います。

そういった微妙な違いを自分なりに定義することは、他の就活生と差をつける点で非常に重要かと思います。

引用:最短4年で課長!?実は全然社風が違うリクルートの実態!
→OB訪問の情報を基にしたリクルートの社風についてまとめた記事です。リクルートに対して理解が薄い方は参考にしてみて下さい。
引用:未来の起業家集団?!リクルート内定者が内定者懇親会に行って感じたこと
→内定者がリクルートの懇親会にいって感じた内定者の雰囲気や社風についてまとめてあります。
引用:営業タイプor企画タイプ!?リクルートの採用方針に見る企業が求める人材の変遷
→企業のサービスのプロダクトサイクルによって実は求められう人材は変遷しています。リクルートの事例で紹介していますので参考にしてみてください。
引用:EXILE…?テニサー代表…?リクルート内定者によるリクルート各カンパニーの分類
→リクルート内定者が入社前の集まりで感じた各カンパニーごとの人物像の違いをまとめています。

私自身のOB訪問をした経験や、内定してから感じた様々なことも記事にしているので、そこから自分なりの各カンパニー毎に求められている人材について考えていただければと思います。

もちろん、これは1人の内定者の意見なので、鵜呑みにしすぎるのは良くないと感じています。

必要なことは「リクルートのカンパニー毎には雰囲気や特徴が異なっている」ということを理解し、その上で自分なりに定義し準備することだと思います。

自己PR・学生時代頑張ったことをつくる

引用:内定レベルの学生時代頑張ったことが10分で書ける学生時代頑張ったことのフレームワーク
→学生時代頑張ったことに関する設問についての解説記事です。評価される内容の選び方や論理的な構成にするためのフレームワークなどの実践的なテクニックが載せてありますので、ESを書く際の参考にしてみて下さい。
引用:内定レベルの自己PRが簡単に書ける自己PRのフレームワーク
→自己PRの書き方について徹底的に解説した記事です。企業が自己PRを通じて知りたいことや、評価される自己PR例、論理的な構成にするためのフレームワークなどが書かれていますのでESを書く際に参考にしてみて下さい。

まずは自分自身の学生時代頑張ったこと・自己PRを上記エントリーを参考に作ってみましょう。

基本的にはこの学生時代頑張ったことを軸として面接は進んでいきます。

私の印象ですが一次面接等ではその頑張ったことへの工夫や発揮した人間性、困難などについて聞かれた記憶があります。

そういった問いに対しては以下の記事を参考にすると良いでしょう。

引用:取組・工夫→結果の評価ポイントと回答例
→ガクチカで深堀られる取組・工夫の評価項目や、評価された回答例をまとめています。
引用:目標と困難における評価ポイントと内定者の回答例
→ガクチカの一項目でもある目標や困難の評価項目や、回答例を示しています。

また二次面接以降では聞かれる内容がガラッと変わるように思います。「工夫」から「動機」を重視するようになっているように感じています。

具体的な質問でいうと「なんでそれをやろうと思ったの?」「その強みはいつからだろうね、それはなんでなんだっけ?」というような具合です。

私自身は下記記事等を参考に自分自身の経験を整理していました。

特に「自分自身の経験に根ざした動機」を自分の言葉にするために、自己分析、他己分析を重ねました。

多くの就活生は「大学での〜〜の経験から」と大学での経験で掘り下げが終わっていますが、内定者の多くは幼少期の原体験まで遡って、一貫した人間性をアピールしたように感じています。リクルートの内定を取る上でもっとも鬼門となるのはここだと私自身は感じています。

引用:「なぜ取り組んだのか」という質問の意図と内定者の回答例
→面接においても非常に重要となる「動機」の評価項目と回答例をまとめています。
引用:自分の生い立ちを語ることで自己PRに説得力を持たせる方法
→自身の強みの原点を語ることにより、自己PRに説得力を持たせる方法をまとめています。
引用:複数エピソードを語ることで自己PRの説得力を補強しよう!
→複数のエピソードを用意し、自己PRの説得力を持たせる方法についてまとめています。

志望動機をつくる

引用:内定レベルの志望動機が10分で書けるフレームワーク
→志望動機の書き方について徹底的に解説した記事です。志望動機のありがちなNGパターンや、論理的な内容にするためのフレームワークなどについて書かれていますのでESを書く際の参考にしてみて下さい。

これも自己PR・学生時代頑張ったことと同様にまずはフレームワークを元に作ってみましょう。

ここで注意しておきたいことが、リクルートでは直接的な志望動機ということはあまり聞かれないということです。

質問のされ方にもよりますが、私の場合だと「選社軸」「将来的にやりたいこと、成し遂げたい目標」などのような形で聞かれることが多かったように感じています。

ここは人によって千差万別な気がしています。実際に「教育格差をなくしたい」というような明確なものを持つ人から、「自分自身がこういう風に生きていきたい」という漠然とした人々まで様々です。

ただひとつ言えるのはその夢が「経験」に根ざしているか、という点だと考えています。下記記事を参考にしてください。

引用:志望動機で書く「夢・成し遂げたいこと」に出会うための方法
→将来会社でやりたいことをどのように考えていくかについて書かれています。過去の内定者のESも多く扱いながら解説しています。
引用:あなたの志望動機が共感されないのは自分の経験に根ざしていないから?
→志望動機に説得力を持たせるためにに自身の経験を盛り込む重要性や、その際の注意点をまとめた記事です。志望動機に悩みを持つ方は参考になるでしょう。
引用:媚を売るのは辞めよう!「御社じゃなくてもいいんです」というのが最高の志望動機
→多くの企業は、説明も出来ないのに第一志望だと答える学生を評価しません。やみくもに「第一志望です」と取りあえず答えるよりもしっかりとその企業の働き方のメリット・デメリットを冷静に比較しておくことが重要になるでしょう。参考記事では面接でも聞かれる頻度の多い質問の一つのキャリアビジョンについての内定者回答を提示します。

面接対策をする

上記の点を確認した上で、自分なりの学生時代頑張ったこと、志望動機を作ることができたら、あとは面接の練習を重ねていきましょう。

先にも述べましたがリクルートでは「面接」が選考の大半を担っています。

まずは面接の基本事項です。当たり前のことが多く書かれているようですが、できていない人も多くいると思いますので下記エントリーを確認してください。

引用:アウトプット能力の向上 面接編
→実際の面接官との対話の中で心がけることがまとめてあります。どれも非常に重要な事項なので必ずお読み下さい。

また面接時に気をつけておきたいことは「等身大の自分を表現する」ということだと、選考を受けていて感じました。

私自身、あるリクルートの社員の方から「お前のそんな綺麗事なんて聞きたくないんだよ、本当はどう思ってんの?」と言われたことがありました。

また、内定先では最終面接でも、「第一志望とは言い切れない」ということを真摯に伝えていました。文化なのでしょうか、自分の本心を語らないと嫌われる、その人の意思を尊重する、そんな社風を感じています。

また嘘をつくのもオススメはしません。面接時間が長く様々な角度から「なんで?」ということをこれでもかというくらい聞かれるので、正直完璧な対策は難しいと感じています。

以下の記事を参考にしていただけると良いかと思います。

引用:媚を売るのは辞めよう!「御社じゃなくてもいいんです」というのが最高の志望動機
→多くの企業は、説明も出来ないのに第一志望だと答える学生を評価しません。やみくもに「第一志望です」と取りあえず答えるよりもしっかりとその企業の働き方のメリット・デメリットを冷静に比較しておくことが重要になるでしょう。参考記事では面接でも聞かれる頻度の多い質問の一つのキャリアビジョンについての内定者回答を提示します。
引用:面接で嘘をつくべきでない2つの理由
→面接で嘘をついたことが大きくデメリットとなった事例とその理由を紹介しています。面接を嘘で乗り切ろうとしているっ方は必ず一度読んでみて下さい。
引用:「御社が第一志望かはわかりません!」面接で嘘をつかずに正直に答えたら通過した。
→多くの就活生が嘘をつく質問ですが、あえて嘘をつかないことによって通過した例もありますので参考にしてみて下さい。

こちらの動画では面接の全体像についてわかりやすく紹介しています。

まとめ

いかがでしたか?

リクルートの面接では経験やスペック以上に「一貫性」というものを深く問われているように感じていました。
社員の方とお話をしていても、幼少期の原体験を原動力として自分自身の強みを発揮している方が多いように感じています。

是非とも、リクルートに興味のある方は、自分自身の経験を棚卸しし、一貫性を持たせた上で、自分の強み、モチベーションの源泉などを自分の言葉で語れるようにしていただければと思います。

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最近ではこの日に限らず労働環境の是正に向けた取り組みが注目を集めています。そんないわゆる働き方改革の一環として、以下の記事が話題に挙がりました。参考:正社員の待遇下げ、格差是正日本郵政が異例の手当廃止(朝日新聞)元々は、非正規労働者の待遇改善を主な目的に提唱された、"同一労働同一賃金"。その状況を、非正規者の待遇を高めるのではなく、正規労働者の待遇を下げることで格差是正を図ったものとして、非難や反発の声が多く挙がりました。この話の良し悪しは別として、対比のような形でメーデーの翌日に取り上げられたのが以下の記事になります。参考:NTT、非正社員も同じ福利厚生健康診断項目も増える(朝日新聞)元々福利厚生関連の諸制度が充実していることで知られ、世間一般が思い描くホワイト企業として名高いNTTグループ。このようなトピックスの存在もあり、良好な労働環境・待遇が受けられるものとして、例年一定の注目を集める企業グループとなっています。特にこれから本格的にインターン期を迎える20卒の間では、来たる2020年東京オリンピックに関連してより注目度が増すことも想定されます。参考:TowardandBeyondNTT「ホワイト企業に何となく関心が高い」「国内外の通信インフラをより発展させたい」「東京オリンピックに何らかの事業活動で携わってみたい」以上より、今回はこのような考えを少しでも抱いている就活生へ向けて、ホワイト企業群"NTTグループ"から内定を獲得するためのストラテジーとして、各社のインターンから内定を獲得するためのストラテジーをご提案します。各社同一年度で複数種類のインターンを開催していますが、今回取り上げるのは、①選考がある②文系・事務系志望の学生が参加可能③複数日開催(1dayではない)以上3つの条件を満たすものとなっています。まずは"NTTグループ"とは何かを知るunistyleでは過去にNTTグループ各社の社員へOB訪問をした就活生が執筆した記事で、NTTグループの概要について説明しています。(この記事の主旨はNTTグループの業界・企業研究ではなく、「グループ他社企業の社員へOB訪問をする意義」になります)参考:要点をまとめると、・連結子会社900社超。近年では通信とは全く関係のない分野まで幅広く事業を展開・新卒就活では毎年一定の人気を集めるものの、最上位とまではいかないレベルまずはこの2点を認識しておけば十分です。次に、主要企業について個別に見ていきます。今回紹介するのは全て、各項目の筆者が実際にインターン選考に参加し合格・もしくは本選考で内定を獲得した企業として実体験も含めた記述になります。(記載内容は18卒・19卒の内容に基づくものであり、20卒以降にも必ずしもこれが当てはまるとは言えません。)なお、グループ内における主要企業は、一般に以下のように分類されます。[主要5社]東日本電信電話(NTT東日本)・西日本電信電話(NTT西日本)・NTTドコモ・NTTコミュニケーションズ・NTTデータ[主要8社](主要5社に加え、)日本電信電話(持株)・NTTコムウェア・NTTファシリティーズ[主要10社](主要8社に加え、)NTT都市開発・NTTファイナンスこのうち日本電信電話(持株)については、例年ほぼ理系学生のみの採用となっているため今回は割愛します。なお、NTTグループを志望する就活生には就職エージェントneoの利用がオススメです。アドバイザーから、NTTグループを志望する理由を基に、ほかに受けるべき企業に関するアドバイスなどが受けられます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。NTT東日本:内容も優遇もオーソドックス。GD慣れがインターン攻略のカギ固定電話やフレッツ光を始め世間的な知名度も高いNTT東日本。※NTT西日本志望者もこちらを参照してください。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GD→参加[本選考]ES+Webテスト→個人面接(3回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)ご自身の『強み』について、そう思う具体的な経験や取組みを踏まえて教えてください。※具体的な経験や取組みは、学業や課外活動等、どのような内容でも結構です。(300文字以下)(2)NTT東日本のインターンシップに応募する目的と、参加するにあたっての目標について教えてください。(300文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)大学時代において、「これだけは誰にも負けない」と自負できる取り組みは何ですか?(100字以内)(2)上記取り組みにおいて、ご自身の主体的な行動や、工夫・苦労などについて教えてください。※主体的に行動したものであればどのような内容、結果でも結構です。またその結果は、成功でも失敗でも構いません。(300字以内)(3)NTT東日本というフィールドで、何を実現したいですか?(200字以内)インターン選考では、書類選考通過後に実施されるGDが最大の関門になります。インターン情報解禁から半年近く経過した時期に実施されるため、既に選考慣れが出来ている学生も多く、ある程度質の高い議論が要求されていると言えるでしょう。他社の選考や以下の記事にあるような能力向上に向けた取り組みをすることが、インターン参加に向けても求められます。参考:◎インターン内容近年の事務系のインターンは、ウインターの時期に4日間のプログラムが設けられています。インターン当日には、通信業界に紐づいた新規事業立案という、インターンではよくあるテーマが組み込まれていました。なお、3月には"5日目"と称して同タームの参加学生と再び交流する機会が設定されています。ウインターの時期に連続では無くあえて本選考解禁後に接触することで、学生のロイヤリティ―を高める意図が感じられます。◎本選考への優遇NTT東日本では、例年広報活動解禁日(18・19卒は3月1日)にプレエントリーするとリクルーターがつくことで知られています。インターンに参加していると、本選考のマイページをそのまま引き継げるほか、自動的にリクルーターがつくため有利に働くことが推測されます。一方、基本的に内定出しは選考活動解禁日(18卒・19卒は6月1日)以降になるため、インターンに参加していても面接が開始するまでしばらく待つ必要が出てきます。ちなみに、19卒ではインターン中に個別に1対1で社員からフィードバックを受ける機会があり、インターン中の取り組みはかなりチェックされていることを感じました。本選考対策に関しては以下の記事も参考にしてください。参考:NTTデータ:インターンルートでもかなり差がつく。学歴重視?国内最大手SIerとして、NTTグループ内でも抜群の人気度を誇るNTTデータ。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES→Webテスト→参加[本選考]ES+Webテスト→GD→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)NTTデータのインターンシップに応募した理由を教えてください。(200字以内)(2)今までの経験の中で、一番やりがいを感じた経験を教えてください。(200字以内)(3)あなたがチームで最も高い成果を上げた経験、役割とチームへ及ぼした影響を教えてください。(200字以内)(4)日常でおかしいと感じていることは何ですか?その内容を理由とともに教えてください。(200文字以内)【本選考ES】(19卒)(1)-1NTTデータでは求める人財像として、次の3つを定義しています。この中でご自身にもっとも当てはまるものを選択してください。(考導力・変革力・共創力)(1)-2上記設問で回答した内容を元に、NTTデータを志望した理由を記入してください。(全角200文字以内)(2)選択いただいたコースで、入社後チャレンジしたいことを述べてください。(全角200文字以内)(3)-1あなたがチームで最も高い成果を上げた経験について、選択してください。(3)-2上記で選択された経験について、そのときのあなたの役割とチームへ及ぼした影響も含めて具体的に記入してください。(全角300文字以内)(4)-1今までの人生の中で一番苦労したことについて、選択してください。(4)-2上記で選択された苦労したことに対して、どのように乗り越え、そこから何を学んだか記入してください。(全角300文字以内)NTTデータのESではインターン・本選考共通して"経験"、すなわち学生時代頑張ったことが複数尋ねられる点が特徴です。インターン参加者を見ても、学生時代に自身を持って取り組んだ何かを持っている学生が多く揃っていた印象がありました。特にインターンではGD・面接なしで書類のみでの選考となるため、各設問短い字数の中で他の学生よりも一歩抜けた回答を創り上げないと通過は難しいと考えられます。また、WebテストはESと同時では無く、ES通過者のみが受験可能となる点に注意が必要です。ES通過者でもこのWebテストで落ちている人は周囲に多い印象でした。本選考では過半数が学校推薦で採用され、インターンでも全体的に上位校の学生が多く集まっていたことから、学歴のスクリーニング要素が高い企業という推測も出来るでしょう。◎インターン内容上記フローを選考で辿うサマーインターンでは、課題解決を軸とした事業立案系のワークということで、内容自体はこれと言って特徴は感じられませんでした。先ほどのNTT東日本では、通信が絡んでいれば基本的に何でもOKに近いテーマでしたが、NTTデータでは同社の事例やビジネスモデルとの関連が比較的重視されている印象がありました。とは言えSIerやNTTデータに関する業務については初日に説明があり、テクニカルな知識についても参加において全く無くても問題ありません。◎本選考への優遇今回紹介した書類選考のみのインターンでは、参加者の中から選抜されて後日限定のイベントに招待されることがあります。こちらに参加出来れば高く評価されていることが想定され、本選考でも優位に働く可能性が高いと考えられます。限定イベントに参加出来なかった場合でも、学生によって早期選考に呼ばれる場合もあれば一般学生と全く同じスケジュールを組まれる場合もあるなど、優遇にはかなり差がつく企業と言えます。タームを多数(19卒ではサマーだけで6つ)設け、インターン参加者自体は数多く存在することから、採用側からすれば出来るだけ多くの学生と接点を持ち、インターンの現場で優秀な学生を発見し囲い込もうという意図が感じられました。そのため、こちらも参加出来ればそれでよしでは無く、インターン=選考の場と考え、レベルの高い学生の中で目をつけてもらえるような取り組みが求められると言えるでしょう。NTTドコモ:インターンの選考フローが特徴的。求める人材が明確NTTグループの中でも圧倒的な収益力を誇り、携帯端末で国内No.1の契約者数を誇るNTTドコモ。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GDまたはプレゼン→参加[本選考]ES+Webテスト→(GD)→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)ドコモに限らず、インターンシップに参加しようと考えた理由を教えてください。(150文字以内)(2)あなたの個性・長所を「漢字1文字」で自由に表現してください。(400文字以内)【本選考ES】(19卒)(1)学生時代にチャレンジしたエピソードを語ってください(成功・失敗問わず)(400字以内)(2)ドコモで叶えたい夢を教えてください(300字以内)「」でも述べた通り、NTTドコモではインターン選考のプレゼンテーションが特徴的なフローになっています。詳細については同記事を参照してください。過去の関連記事でも再三触れていますが、同社では毎年「挑戦心」「行動力」という採用キーワードを掲げており、各選考におけるアピールポイントが明確になっている点でやりやすさを感じるという意見もあるようです。この2つのキーワードを深く解釈し、もう一つの採用キーワードである「個性」をいかに示せるかがポイントになるでしょう。また、エントリーシートについては、少し前までは「ドコモはまだまだつまらない。あなたならどう面白くしますか?」「桃太郎の家来に4匹目がいるとしたら(などといったテーマから一つ選択)」など奇抜な内容が同社の特徴でしたが、18卒以降は上記のような比較的オーソドックスな内容に落ち着いています。◎インターン内容NTTドコモが今後注力するべき新規事業立案をするという、これまたよくあるビジコン形式の内容です。"個性"が採用キーワードになっていたり、プレゼンテーション等で自分を売り込む力に長けた学生が多く集まることから、活発な議論のもと他の学生に埋もれることなく、社員からの評価を得ることが肝心になります。◎本選考への優遇インターンの選考フローにGDが組み込まれていることもあり、参加者は本選考でGDが免除されます。また、インターン中のメンターの評価は本選考の優遇度にも影響するようで、NTTデータと同様に選考時期や面接の雰囲気(深堀りの難易度)は参加者内でも差がついているようでした。NTTコミュニケーションズ:志望動機が勝敗を分ける。最もボリュームのあるインターン◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→個人面接→参加[本選考]ES→(GD)→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)本インターンシップに参加する理由(400文字以下)(2)そのフィールドを選択する理由、そのフィールドに関わりのある経験がある場合はその内容も伏せて(400文字以下)(3)あなたがもっとも自分らしいと思う内容で自己PR(400文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)学生時代に特に頑張った経験について、最も力を入れた内容をご記入ください。(200文字以下)(2)当グループで挑戦したいことや夢/目標をご記入ください。(400文字以下)(3)その夢/目標を自分が実現できると思う理由をご記入ください。(400文字以下)NTTコミュニケーションズのESの特徴として、全体的に志望動機に関する設問が多いことが挙げられます。国際・長距離通信事業が主軸と言われても総合的な事業内容を理解するのがやや難しい企業であり、企業研究を深く行っている志望度の高い学生に受験して欲しいという考えが、ES設問・インターン日程から感じ取ることが出来ます。◎インターン内容本選考解禁前に例年多くのセミナーを開催しているNTTコミュニケーションズですが、メインとなるのは2月に「職場体験型インターン」と称して2週間近くに渡って実施されるインターンです。2月はウインターインターンの最盛期として他社も多く開催している時期であるため、このインターンに参加するということはそれなりの志望度がある学生がほとんどだと思われます。(企業側にも長期間拘束することで他社との関わりを減らし、志望度を高めてもらおうという意図が少なからずあると考えます)これまで紹介した各企業ではグループワーク形式の事業立案がほとんどでしたが、NTTコミュニケーションズではミーティングへの参加・提案資料の作成といった実務に近いプログラムが組み込まれていました。"机上の空論"では無く、実際の仕事内容を知るという意味でインターンに目的意識を持っている方には最も推奨したいインターンになっています。◎本選考への優遇二週間という長期間のインターンになりますが、参加したら即内定ということは無いようです。参加者は基本的に本選考のGDが免除、学生によっては面接の回数もカットになることもありました。志望度を重視する企業であるため、本選考に関連したイベントや面談には二つ返事で参加した方がいいでしょう。NTTコムウェア:インターン満足度No.1。フローの割に本選考への優遇が大きいNTTグループ向けのシステム開発を主な生業とするNTTコムウェア。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→参加[本選考]ES+Webテスト+テストセンター→リク面→(GD)→個人面接(2回)→内定【インターンES】(19卒)(1)NTTコムウェアを知ったきっかけとインターンシップに応募した理由を、あなたがインターンシップを通して得たいことを含めて、400字以内で記述してください。【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社で挑戦したいと考えていることを教えてください(400文字以内)(2)学生時代に一番こだわりを持って取り組んだ経験を記述してください(200文字以内)(3)好きなテーマを以下から選択し、そのテーマについて記述してください(200文字以内)事業内容が重なることからNTTデータと比較して見られることが多いNTTコムウェアですが、インターンのフローはESと"同時に"Webテストが課されるというタイミングこそ異なるものの、書類選考のみで参加可否が決定されるという点では共通しています。ESの内容は志望動機ですが、インターンのESで志望動機のみを尋ねてくる企業は珍しい印象です。本選考では19卒から設問が大きく変更され、自己PRが問われなくなった一方志望動機の比重が高まりました。◎インターン内容上記フローによる5dayのインターンは、夏に3日間・秋に2日間という形で分割されています。NTTデータと同様、SIerの業務に関連した事業立案がメインのグループワークになっています。「また同じか」という声も聞こえてきそうですが、同社のインターンは17卒の楽天みん就「インターンシップ参加学生が支持したランキング」で1位を獲得するなど、コンテンツの満足度がかなり高いインターンになっています。その要因の一つが、PM(プロジェクトマネージャー)と呼ばれるメンター社員のサポートにあると感じました。単純にサポートが「手厚い」というだけでは無く、報告の形式やそもそもの立ち位置など、学生によって有意義なものにするための工夫が随所に散りばめられている、参加価値が高いインターンだと感じました。◎本選考への優遇このインターンに参加すると、全員一律で本選考のGDが免除になるというかなり大きな優遇を受けることが出来ます。選考時期も一般学生と比較して早いスケジュールが組まれます。インターン中の取り組みの評価はそこまで持ち越されること無く、他社と比較すると一律の優遇度に近い印象がありました。さらに、ウインターの時期に開催される1dayのインターンに選考無しで参加できる点もメリットと言えます。しかしこれは、インターンに参加すれば(本来の)GDのフローまで自動的に進めるという意味では無く、インターン生の中でもES落ちしたというケースも報告されてはいます。いずれにせよ、インターン選考でGD・面接が無いのにも関わらず、本選考でGDがカットになるというのは非常に優遇度が高い企業と言えるでしょう。NTTファシリティーズ:優遇なし?「イベント」という名の選考に注意。◎選考概要【選考フロー】[インターン]GD→参加[本選考]ES+Webテスト→GD→個人面接(2回程度)→内定【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社でやりたいことを具体的に記入ください。(400字以内)(2)あなたの性格を自己分析し、その特徴を学校生活(勉強)や課外活動での具体的経験に基づいて説明してください。(400字以内)NTTファシリティーズのインターンでは、「プレイベント」と称して説明選考会の形でGDが課されます。(具体的に「GDを行う」ことは予告されませんでしたが、ここ2年は両方GDが課されました。)唯一のフローであるGDでは、積極性が求められると考えます。この項目の筆者の場合は、議論をリードする力が認められインターン参加に繋がりました。また1次面接の前に採用担当の方と話した際に、本選考のGDでも同様の力を認められたことを伝えられました。また、インターン当日においても積極的に発言する人が少なかったことから、積極的に議論をリードする姿勢が高く評価されると想定できます。(例えばデータやドコモと比較すると発言力に長けた学生が少なかったため、グループの中心的な立ち位置を確保するのはそれほど難しくない印象です。)◎インターン内容3日間のインターンで、1日目はNTTファシリティーズに関する説明・アイスブレイクを兼ねたポスター作り・翌日からのグループワークのためのインプットで、2・3日目がグループワークでした。グループワークはまちづくりを軸とした事業立案系のワークで、実在する地域を舞台としてNTTファシリティーズが実際に持っている技術を使って提案をする点が特徴的でした。◎本選考への優遇インターンの選考フローがGDのみということもあってか、インターン参加者と一般組で選考時期・選考フローで差も付きにくく、優遇はほぼないと考えられます。19卒ではインターン参加者は広報活動解禁前に座談会に招待されました。しかし、1時間半で企業の説明+座談会という簡単なもので、これ以外に特に接触はなく、インターン後の接触機会の少なさからも本選考への優遇はほぼないと考えられます。NTT都市開発:インターン選考のフローの多さと実務との"近さ"が特徴。◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES→GD→個人面接→参加[本選考]ES→個人面接(3回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)あなたがNTT都市開発のインターンシップに参加したいと思う理由をご記入ください。(300文字以下)(2)あなたがアピールしたいことを具体的な経験を交えてご記入ください。(300文字以下)【本選考ES】(19卒)(1)当社を志望する理由と、当社で挑戦したいと考えていることを教えてください。(400文字以内)(2)学生時代に一番こだわりを持って取り組んだ経験を記述してください。(200文字以内)(3)好きなテーマを以下から選択し、そのテーマについて記述してください。(200文字以内)NTT都市開発のインターン選考ではGDと面接が両方課され、今回紹介する企業の中では最も突破すべきフローの数が多い企業となっています。特にGDが鬼門のようで、周囲の学生の多くがここで落とされていました。また、そもそもの実施時期が2月ということもあり、GDや面接経験を積んでいる学生の割合も増えてきているため、何となくのデベロッパー志望の学生が受験しても全く勝負できずに終わることになるでしょう。◎インターン内容インターン参加者は、事業テーマごとに5つ程度の配属部署に分けられます。この部署はエントリーの段階で希望を出し、面接でも「なぜその部署を志望したか」について問われることになります。内容自体はその部署のプロジェクトに関連したグループワークですが、大教室に多くの学生が詰め込まれる他社のインターンとは異なり、実際に社員が働いているフロアでワークを進めることになります。そのため、疑問点があればすぐに現場社員へ質問するなどして、常に実際の業務との繋がりを考えながら取り組める点が大きな特徴になっています。実際に部署で関わる学生も各6名程度と非常に少ない中で多くの社員と交流をはかれるため、企業説明会や採用HPで得られるような情報のインプットに終始することなく、「デベロッパー業界で働くとはどういうことか」について現場視点で理解を深めることが出来ます。この点、充実したコンテンツが組み込まれたインターンだと他社と比較しても感じました。◎本選考への優遇内定直結には至らないものの、人数が少ないこともありインターン参加者には早期選考スケジュールが組まれています。インターンの段階でかなり絞り込まれるとは言え、本選考の採用人数も毎年30名程度とグループ10社では最も少ないため、自己分析等の精度はもう一段階高めておくべきでしょう。NTTファイナンス:昨年度からGDが追加。基準不明の「招待枠」の存在ありNTTグループの金融事業従事者として、ビリング・リース・カードなど幅広い事業を展開するNTTファイナンス◎選考概要【選考フロー】[インターン]ES+Webテスト→GD→参加※招待枠あり[本選考]ES+(テストセンター)→(GD)→集団面接→個人面接(2回程度)→内定【インターンES】(19卒)(1)学生時代に注力したことをご記入ください。(300字以内)(2)今回のインターンシップで活かしたい自分の強みをご記入ください。(150字以内)【本選考ES】(19卒)(1)ご自身の長所をご記入下さい。(30字以内)(2)ご自身の短所をご記入下さい。(30字以内)(3)志望動機をご記入ください。(200字以内)(4)学生時代に注力したことをご記入ください。(400字以内)NTTファイナンスでは19卒からインターン・本選考共にGDのフローが追加されました。選考自体にこれと言った特徴はありませんが、上記フローに加え「招待」という形で実質的な選考が無いまま参加出来るというタームが一つ用意されていました。本項目の筆者は大学近くのカフェで開催されていた交流会に参加したことが招待に寄与したようですが、そうで無くても招待案内が来た同じ大学の友人はおり、選考基準は全くの不明です。企業と接点する機会を見つけたら参加してみると、選考なしでインターン参加の座を掴めるかもしれません。◎インターン内容3日間のインターンで、1日目がリース業界やNTTファイナンスの変遷に関するインプット中心、2・3日目がグループワークでした。グループワークの内容は「NTTファイナンスが取り組む海外新規事業を考える」という事業立案系のワークで、各班に1人メンターがつく以外は特に変わったことはありませんでした。ワークの途中にグループファイナンス部門とグローバル部門の方の講演があり、各部門の理解を深めることができます。総じて「グループワークでリースについて知ってもらい、その他のコンテンツでNTTファイナンスを知ってもらう」という内容のインターンとまとめられます。◎本選考への優遇インターンに参加していると、一般組と比べて選考時期が1か月程度早くなることに加えてGDが免除され、かなり有利に働きます。また、インターン選考の際に提出したWebテスティングサービスの結果をそのまま使い回せ、実質テストセンターを受験する必要が無くなることもメリットと言えるでしょう。インターン後の接触も多く、インターン中の取り組みについてフィードバックを受けるフィードバック面談や、現場で働く職員の方と1対1や1対2(学生2人)で会話することができる社員質問会に招待されます。また、説明会もインターン参加者限定のものに招待されます。おまけ:「ホワイト企業だから」を軸とした"NTTローラー"はアリか?ここまでの内容を総括すると、NTT主要10社では全体的にインターンに参加することで本選考で有利に働く企業が多いことがわかると思いますNTTグループを志望する学生には「ホワイト企業」という軸を設定している人も多く、「NTTグループ主要企業をひたすら受けてホワイト企業から内定を貰おう」という”NTTローラー”を実施する人も一定数いる気がしています。この姿勢には、良い面・悪い面両方があると考えています。NTTローラーのメリット:「チームNTT」の自覚と事業領域の共通性今回取り上げたようなグループ企業は、それぞれあくまで別の法人である以上、各企業はそれぞれにとっての利益を追求することになります。しかし一方で、社員の多くが自分の所属企業だけでなく、「NTTグループの」社員としての自覚を持ちながら業務に励んでいることも事実だと思っています。実際、NTTコムウェアからNTTファイナンスへ異動した社員は冒頭で触れた記事で以下のように述べています。この方曰く、グループへの貢献の仕方が変わっただけであり、他へ移ったとしても自分がグループの一員であることには変わりなく、逆に違った角度からに携わることができて働くうえでもプラスになったとのことでした。参考:例えばファイナンスの近年の代表的な取り組みであるおまとめ請求。ドコモの携帯・東西の固定電話・コミュニケーションズのインターネットなどの請求を一括化するビリングサービスですが、これはファイナンス自体の利益よりも、NTTグループ全体としての業務効率化・コスト削減に寄与した面が大きかったと言われています。出向先であるコムウェアが多くを請け負うグループ内の取引は、コムウェアの売上=東西を始めとした他社のコストとなり、連結会計的には資産の移動に過ぎません。それでも「意味がない」で片づけることなく、というグループを支えている自覚が多くの社員にはあると、これまで多くの方から話を伺い感じてきました。こういった中、グループ内で多くの企業に目を向けることはグループを包括的に捉えることに繋がり、選考にプラスに働くことも多いと思っています。また、近年グループでは多くの企業で””がキーワードになっており、事業内容も重なる点が多くなってきている印象があります。例えば同じ「働き方改革」というキーワードを取ってみても、各社さまざまな切り口から近しい事例を展開していることが読み取れるでしょう。参考:生産性向上で「働き方改革」(東日本)NTT高解像データを扱う建設、製造、医療業界などの働き方改革を支援(データ)NTTドコモと実現する「働き方改革」コムウェアの働き方改革NTT「働き方改革」のヒントはスマートビルディングにあった(ファシリティーズ)NTTこのように、東西=固定電話・ドコモ=携帯電話のような完全な住み分けはなされず共通性が高まった昨今において、複数のグループ他社の選考を受けることは一定の効果を発揮すると言えるでしょう。NTTローラーの注意点:「ホワイト企業」の定義とリスク回避思考の甘さ一方、「ホワイト企業」を軸に企業を選定する場合は、自分なりの”ホワイト”の定義についてしっかりと向き合っておくべきだと考えています。例えば、「若手の意見でも筋が通っていれば採用される風通しの良い社風」をホワイト企業の条件とみなした場合、典型的な大企業で一社時代のベテラン層も抱えるグループ各社においては、それが満たされない可能性は十分あると思われます。また、創業者樋口が取り上げていた記事の通り、「ホワイト企業に入りたい」という考え方の多くは「ブラック企業は嫌だ」というリスク回避的な思考に基づき、結果的にホワイト企業からの内定を勝ち取ることが出来ないケースに繋がりやすいという考え方も存在しています。これ非常に面白かった。ブラック企業に入社してしまう人の傾向として、①リスク回避型である、②自己肯定感が低い、③一方で自尊心は強いという傾向がありそうとのこと。リターンの最大化よりもリスクの最小化を志向した結果、皮肉なことにブラック企業に入ってしまう。https://t.co/VNQRvrOmoB—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2018年5月10日また、そもそもホワイト云々の待遇の話は企業から「与えられるもの」に過ぎず、「自社の利益に貢献できる人材」を選定する採用側からすれば、ホワイトな環境目当てでエントリーしてくる学生は好ましくは思わないでしょう。ホワイトかどうかはあくまで自分の心の中の一つの軸として、採用側にも納得感を示せるような経験に紐づく筋の通った軸を設定しないと、結果として自らの満足のいく内定先を確保できない可能性が高まります。両者より、「NTTローラーは選考上プラスに働く面も大きいが、『ホワイトそうだから』という一辺倒の考え方は、内定獲得を遠ざける」とまとめることが出来ます。是非、今後インターンや本選考でエントリーをする際の一つの参考にしていただければと思います。「ローラーは選考上プラスに働く面も大きいが、『ホワイトそうだから』という一辺倒の考え方は、内定獲得を遠ざける」最後に「就活は情報戦」という言葉をしばしば耳にしますが、今回の「本選考へ優遇があるか」といった話は今後のインターン選びにおいても特に重要な情報となります。unistyleでは今後も就職活動生の皆さんに有益な情報を数多く提供していきますので、是非アンテナ高く活用してご自身の就職活動に役立てていただければと思います。 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総合商社社員が関連会社への出向で劇的に成長する3つの理由 総合商社社員が関連会社への出向で劇的に成長する3つの理由 総合商社の社員となると、海外駐在だけでなく関連会社への出向もかなりの割合ですることになります。割合としては大体ではありますが、本社勤務が4割、海外駐在が3割、関連会社への出向が3割といった感じになっています。出向というと銀行のような出世の終わりといったネガティブなイメージを抱く人が多いかもしれませんが、総合商社における出向、特に若手のうちの出向はポジティブな意味合いが強いものだといえます。今回は総合商社社員が関連会社への出向を通じて成長する3つの理由について説明したいと思います。関連:半沢直樹で誤解して欲しくない!「出向」の現実と総合商社における出向の具体例出向先社員からの厳しい視線総合商社で関連会社に出向する際には、出向先の優秀な社員の厳しい目にさらされることになります。総合商社から関連会社に出向する場合には、関連会社の若手社員と同じような営業の現場に出るケースは少なく、本社の経営企画部や新規事業の部署などに配属されるケースが多いです。関連会社の本社の経営企画部や新規事業の部署には基本的に、関連会社の中でもエース級の仕事が出来る社員が集まります。一方でエース級で仕事が出来る社員とはいっても、給与水準で総合商社にかなうケースは少なく、給与に関しては「出向してきた総合商社社員>>関連会社のエース社員」になります。プライドの高いエース社員ほど、この現実に対して厳しい目線を投げかけます。つまり、「おれより高い給料もらってるんだから当然仕事もできるんだよね?」という目線でみてきます。会社に入るとよくわかりますが、会社員は誰が仕事ができて誰が仕事ができないのかということに恐ろしいほど敏感です。そして自分より仕事ができないのに高い給与をもらっている人に対しては厳しい態度で接してしまうものです。総合商社という同じ会社の中であれば、仕事の出来る出来ないと給与にはある程度の相関性があります。(もちろん下記のコラムで紹介したような仕事ができないが高給をもらう人もいますが。。。)関連:総合商社の窓際族ウインドウズ2000の哀愁総合商社の社員として、こうした関連会社の社員と協力して目標を達成するためには、彼らに認められる仕事を常にして、信頼してもらう必要があります。常に厳しい目線にさらされていることを理解しながらストレッチして仕事をすることで、同質性の高い同じ会社で勤める社員の中で仕事をするよりも、早く成長することが可能になります。年齢の割に高い役職総合商社から関連会社に出向する場合には、年齢の割に高い役職につくチャンスが多くあります。関連会社の社員であれば40代でマネジメント職につくのに、総合商社から出向することで30代のうちにマネジメント職につくことができるといったケースが多々あります。関連会社が非常に小さい企業である場合には、30代のうちに役員として出向するケースもあります。総合商社本社において、マネジメント職である課長につくには40代前後ですが、20代、30代のうちから出向先にてマネジメント職としての経験を積むことができます。もちろんマネジメント職になる上でも、前述の通り、エース級の社員を束ねる必要があり、役職がついているからと無条件で信頼してもらえるわけではなく、出向先で信頼されるマネージャーになる上では通常よりも高いリーダーシップが求められるといえるでしょう。社外でも通用するスキルの習得部署異動があるとは言っても、ずっと同じ会社で仕事をし続けると、社内ルールにやたらと詳しくなるばかりで、社外でも通用するスキルと社内だけで通用するスキルの見分けがきかなくなりがちです。基本的にはどの職場においても、人に協力してもらうために大事なことやリーダーシップを発揮する上で大事なことは変わりません。関連会社に出向してガラッと仕事のやり方や、社内ルールが変わる中で、こういった仕事を成功させる上で大事な考え方という本質的な部分を考えることができると、どんな職場でも通用する考え方、スキルを身に着けやすいです。社外でも通用するスキルというと、語学や技術、資格などのハードスキルに目がいきがちですが、そうではなく「リーダーシップ」、「信頼関係の構築」や「多様な価値観のメンバーとの協力」といったソフトスキルを身に付ける上で、出向先というのは非常によい環境であるといえるでしょう。最後に出向というと、ネガティブなイメージを持つ人が多いのですが、総合商社における出向はこのように劇的に成長する上で大事な要素が詰まっているものです。自分のキャリアを積む上で「ソフトスキル」をどう積み上げるかは非常に大事なもので、出向することで劇的に高めることが可能です。総合商社を志望していない方についても、自分自身のキャリアを考える上で、どのようなソフトスキルを積み上げたいと考えているか、このコラムを参考に考えてみていただければと思います。photobyTheMarmot 35,297 views
NTTコミュニケーションズの社員が伝えたい6つの真実 NTTコミュニケーションズの社員が伝えたい6つの真実 こんにちは、16卒の通信インフラ内定者です。筆者は通信インフラに興味を持っていたため、NTT系列の会社にももちろん興味があり、その中ではNTTコミュニケーションズ(以下NTTコムと呼ぶ)とNTTデータを受けていました。どちらかというと海外事業のイメージが強いNTTコムの方に興味があったので、説明会の参加回数や社員に会った数も圧倒的にNTTコムの方が多かったです。筆者の勉強不足ということもありますが、NTTコムの事業についてはHPを見たり説明会に足を運んでもよくわからず、よく社員の方に自分の理解を確認していました。今回はNTTコムの社員が就活生に伝えたい真実と題して、巷に流れる真偽不明の噂から就活生の知らない事実を紹介したいと思います。同じNTT系列の会社としてNTT東日本のOBにOB訪問した事に関する記事もありますので、そちらも参考にして頂けると幸いです。参考:「ホワイトだからではなくやりがいを求めてNTT東日本に就職した方にOB訪問してきた」お話をお聞きした方(入社6年目・女性)<経歴>新卒の「セールス」としてNTTコムに入社。社会人2年目まで国内のコンビニエンスストアでの通信インフラの営業(例えばコンビニの支払いでPASMOやSuicaで支払いができますが、そのインフラを整えたり営業を行うのはNTTコムとのこと)に携わり、3年目は社内のトレーニー制度を使ってタイでトレーニーとして勤務。帰国後はトレーニーでの経験を活かして、タイの関連会社への商品提案を行っているとのことでした。<今後進んでいきたいキャリアの方向性>いつかまた海外で働くことができるよう、エンジニアとしてのキャリアも積んでいきたいとのことでした。※本記事では上記の1名の社員の方の紹介に絞りますが、以下の記事は他にも5人ほどの社員の方からお聞きした情報を元に書いています。NTTコムの仕事は多様である分、就活生にとってその内容がわかりにくいということはこの方も同意しておりました。実際、HPで綴られているような「ICT技術を活用した新たなコミュニケーションの実現」と言われても、ピンと来ない就活生の方が多いと思います。社員曰く、就活生である間は、会社がどんなことをやっているのか詳細に理解している必要はないが、マーケットクリエイターがインフラ関連業者としてお客様のニーズを開拓し、そのニーズに合う商品をICTエンジニアが開発、その商品をセールスが販売するというのが最も理解しやすいのではないかとおっしゃっておりました。NTTコムの大まかな概観を整理したところで、これからは就活生の盲点である真実に迫っていきたいと思います。①TOEIC850点を取ることはマストではない!「NTTコムTOEIC基準点」と検索ワードで調べると、「TOEIC850点」というのが目安として流布されていることがわかります。その瞬間NTTコムを志望することを諦めてしまう方も少なからずいると思います。しかしながら、この噂にはNTTコムの人事部の方も頭を悩ませているようで、新入社員の中には300点台で入社する方もいらっしゃるとおっしゃっていました。このような高得点の噂はNTTコムが国際通信事業に携わっていることが一因となっていると考えられ、どの企業にも就職活動を進める上で広く言えることではありますが「点数が高いに越したことはない」というのが実情のようです。②巷で噂される「まったり高給」は「まったりの割には高給」の誤り!NTT系列会社=ホワイトというイメージは、就活生の間では強いように感じます。実際にNTTコムでは水曜と金曜では18:00までの退社が推奨されており、上司からは「早く帰れ」というプレッシャーと本人としての「仕事が終わらないんだけどどうすればいいんだろう」という板挟みの状況に陥ることが多いようです。このように、まったりということには社員の方も幾分か同意はできるようですが、高給という点には満足のいっていない社員の方もいるようで、同世代の他の業界の友人と比べると負い目を感じることもあるようです(水曜と金曜に定時退社が推奨されており、その分残業代も出ないので当然といえば当然ですが)。上記の理由から、「まったりの割には高い給料がもらえている」という解釈が正しいとのことでした。余談ですが、NTTコムでの退社率は低く、会社に対する満足度は高いと人事部の方が自慢しておりました。このような「まったりの割には高給」な側面や「有給休暇消化率が高いこと」「定時で帰れる可能性が高いこと」がその要因なのかもしれません。③海外事業にフォーカスされるが、海外で働ける機会は多くない!NTTコムはNTTグループで国際通信事業を担うと明言する以上、必然的に海外事業の割合が大きくなることは納得できるかと思います。しかしながら、NTTコムグループの2015年度第3四半期においては、全体におけるグローバル事業が占める収益割合は26.4%と、海外収益が主体というわけではありません。現在でも収益基盤は依然として国内事業にあると言えます。海外トレーニーとして、上記に紹介した若手社員のように1年間の海外勤務の機会が与えられますが、だからといってトレーニーを終えて帰ってきてからは海外事業関連の仕事でキャリアが形成されると確約されるわけでもないようです。海外で働けるチャンスが多そうだからNTTコムに対する志望度が高いという学生にとっては、入社後のギャップが大きいのではないかとのことでした。参考:「(参考)NTTComグループの事業分野別収益(2016年2月5日発表)」④思っていたより「お固くない」!NTTというと、前進が日本電信電話公社という国営企業であったことからも、お固い社風が今もなおあるのではないか、と考える就活生も少なくないと思います。ここでいうお固い社風というのは、年功序列・若手に発言権がないということをイメージしています。しかしながら、社員の方の話に共通して言えることは、「あくまで部署によりけりではあるものの、若手の裁量権に関する印象が払拭された」とのことでした。上記の社員が実際にトレーニーとしてタイに赴いた際は、3年目の若手にもかかわらず実地ではチーフ(現場監督)を任されるということもあったようです。ある一人の社員は、年功序列であることは否定しなかったものの、上司の方は若手の社員の気持ちを上手く汲み取り、円滑なコミュニケーションが取れるように定時退社の際は飲みに誘ってくれたり、自分が好きな漫画の話を振ってくるなど「大学生っぽさ」を持っているとおっしゃっていました。⑤NTTコムを選ぶ決め手は人と重点事業内容!NTTコムを受けている学生にとって、企業研究を進めていくと「NTTデータとの違い」について疑問に思うことがあると思います。両者とも通信データインフラの印象が先行している分、両者の線引が曖昧になっていると感じます。実際に、働いている社員の方もそのように感じているようで、NTTグループ各会社ととある事業領域では競合するという不思議な構図になるとおっしゃっていました。NTTデータとの仕事領域の違いにフォーカスするのではなくて、「働く人の違い」や「目指す方向性(NTTコムは長距離通信網・NTTデータはSIerが主体)」でどちらが自分に向いているかということをアドバイスされました。⑥会社内の職種変更が比較的容易6人の社員の方からお話をお聞きましましたが、その中の一人は入社形態は「セールス」として入社したものの、現在は「ICTエンジニア」の仕事を任されているという方がいらっしゃいました。全く別の畑での仕事となっている印象ですが、これはその社員の方自らが今後のキャリアを考えた際に「エンジニアとしての経験」が役に立つと考え、上司に相談した結果とのことでした。このように、キャリア形成が自らの志向や考えに基づいて行われるため、会社内の職種変更は他社と比べても比較的容易なのではないかとおっしゃっていました。最後に16卒の就職活動時点では、NTTコムは各大学宛にOBリストを送付しておらず、公式にはOB訪問を廃止しております。その分会社説明会などで社員の声を聞く機会が設けられていますが、公式の機会では聞きたいことを聞くことができないジレンマもあるでしょう。上記の話がNTTコムを志望する学生にとって有益な情報であることを願っております。 75,270 views
不動産2トップ、三井不動産と三菱地所の牙城を崩したのはあの企業。その背景には綿密な経営戦略が!? 不動産2トップ、三井不動産と三菱地所の牙城を崩したのはあの企業。その背景には綿密な経営戦略が!? 1月の今日この頃、就活生は業界研究・企業研究に勤しんでいるかと思います。そこで、今回は就活生からの人気の高い不動産業界の大手企業6社を、各社が発表した2020年3月期第二四半期決算を基に分析してみました。IR情報・第二四半期決算などと聞くと、「IR情報で企業研究って難しそう」と思う就活生も多いかと思います。本記事では、IR情報の基本知識と各社のセグメント別の営業成績を、IR情報に馴染みのない就活生にもわかりやすく分析・解説しているので、業界研究・企業研究・他社比較に役立てていただけると幸いです。◆「IR情報」とはIR情報とは、英語でInvestorRelations、日本語では「投資家向け広報」と呼ばれるもので、企業が投資家向けに経営状況や財務状況、業績動向に関して発信している情報のことを指します。就活生がIR情報を分析するメリットとしては、定量的な数字で企業研究をすることができ、今後の注力する事業領域などを垣間見ることができます。◆年度の数え方IR情報での年度表記は、その年度の通期決算をする時期で表記します。例えば、「2020年3月期」という期間は2019年4月1日から2020年3月31日を指します。◆「第二四半期」とは一年間(12か月)を4つに分割した3か月の期間を四半期と呼びます。その年度の4月から6月末までが第一四半期、7月から9月末までが第二四半期、10月から12月末までが第三四半期、1月から3月末までが第四四半期となります。そのため、「2020年3月期第二四半期」という期間は2019年4月1日から2019年9月30日までを指します。第二四半期決算では、その年度の第二四半期(4月から9月末)までの決算報告となるため、上半期の経営状況の指標として用いられます。また、Quater(四半期)の頭文字「Q」を使って、2020年3月期第二四半期を2020/3-2Qと表記する場合もあります。◆「営業利益」とは売上高から、原価と営業活動に要した費用(販売原価や人件費)を差し引いた利益のことを指します。◆「営業利益率」とは売上高に占める営業利益額の割合です。営業利益率が高いほど効率的な営業活動をしていると言えます。本記事の構成過去4年間の営業利益の推移【2020年3月期第二四半期決算】不動産6社の営業利益比較【住友不動産】マンション供給の「量」×「質」で、第二四半期決算3年連続首位!【三井不動産】賃貸・分譲・マネジメントとバランスよく増益。海外事業のさらなる拡大を目指す。【三菱地所】キャピタルゲインの計上時期が下半期にずれ込むも、通期予想では順調。依然丸の内ビル事業が牽引。【東急不動産】投資家向け不動産販売が不調も、住宅事業は好調。広域渋谷圏構想による渋谷再開発も順調に進行中。【森ビル】投資家向け不動産販売を抑えたことで、分譲事業が前年同期比-82億円と大きく減益。虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工。【野村不動産】住宅事業の第四四半期ずれ込みにより大幅減益も、主力の都市開発事業は順調に推移。デベロッパー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介まとめ過去4年間の営業利益の推移昨年度(2019年3月期通期決算)も含めた過去4年間分の営業利益の推移を示すグラフは以下の通りです。【期間の見方】2016年3月期:2015年4月1日~2016年3月31日2017年3月期:2016年4月1日~2017年3月31日2018年3月期:2017年4月1日~2018年3月31日2019年3月期:2018年4月1日~2019年3月31日上記グラフを見ると、三井不動産・三菱地所・住友不動産の営業利益が過去4年間で順調に推移していることがわかります。不動産業界のトップランナーは変わらず三井不動産。2017年3月期通期決算から三菱地所が次いで二番手。その2社を追いかけるのが住友不動産という構図です。昨年度の不動産業界4位は、過去4年間を通して毎年度微増している東急不動産でした。それに対し、野村不動産・森ビルの営業利益は過去4年間でほぼ横ばいの状況です。【2020年3月期第二四半期決算】不動産6社の営業利益比較【2020年3月期第二四半期決算】は以下の通りです。また、過去4年間分を合わせたグラフを作成しています。【期間の見方】2017年3月期第二四半期:2016年4月1日~2016年9月30日2018年3月期第二四半期:2017年4月1日~2017年9月30日2019年3月期第二四半期:2018年4月1日~2018年9月30日2020年3月期第二四半期:2019年4月1日~2019年9月30日【2020年3月期第二四半期決算】を、前年同期比で対比させてみると以下のようになります。住友不動産:1,375億7300万円(前年同期比9.8%の増益)三井不動産:1,186億400万円(前年同期比5.8%の増益)三菱地所:922億7600万円(前年同期比13.7%の減益)東急不動産:316億8200万円(前年同期比1.5%の減益)森ビル:305億円(前年同期比15.0%の減益)野村不動産:216億8400万円(前年同期比16.7%の減益)このグラフから読み取れることとして、最も大きなポイントが、住友不動産が【2018年3月期第ニ四半期決算】から3年連続で首位に立っていることです。住友不動産・三井不動産が前年度同期比で増益、東急不動産が微増、三菱地所・野村不動産・森ビルが減益という結果になりました。また、不動産業界全体に影響を及ぼすようなトレンドは以下のようなものが挙げられます。「2019年上半期、首都圏の新築マンション供給戸数減少も、平均価格は上昇」首都圏における2019年上半期の新築マンションの新規供給戸数は、前年同期(2018年上半期)の1万5,504戸から2,068戸(13.3%)減少の1万3,436戸で、上期としては3年ぶりの減少となり、「1992年(1万959戸)以来の低水準」となった。2019年下半期の供給戸数は2万3,500戸を見込んでおり、2018年下半期と比べ8.7%増加すると見ている。2019年上半期の1戸当たりの平均価格は6,137万円(同2.9%上昇)で、上半期としては2013年以降7年連続で上昇した。㎡単価は平均90.7万円(同3.7%上昇)で、平均価格と同様、7年連続で上昇した。【引用】「首都圏マンション市場動向」(不動産経済研究所)「2020年東京オリンピック後の不動産マーケットはどうなる?」2020年の東京オリンピック開催が決定したのが、2013(平成26年)年9月ですが、確かに、その位の時期から不動産マーケットは上昇傾向となりました。その時期から地価公示価格の地価変動率推移が一都三県を中心として上昇に転じています。(中略)東京オリンピック後に、リーマンショック級の世界的な経済危機といった不可抗力な事態の発生を除けば、不動産マーケット全体が暴落に転ずることは考えにくく、緩やかな後退をするエリア・分野や、極地的な上昇をするエリア・分野、底堅く平行線をたどるエリア・分野など、かつてないほど多極化した不動産マーケットの状況を迎えるかもしれません。【引用】2020年東京オリンピック後の不動産マーケットはどうなる?(三井不動産リアルティ)ここからは、各社ごとの営業利益の増減要因や今年度の通期予想などについて、【2020年3月期第2四半期決算】を基に分析していきます。【住友不動産】マンション供給の「量」×「質」で、第二四半期決算3年連続首位!住友不動産の2020年3月期第二四半期決算は1376億円の営業利益となり、前年同期の1252億円から9.8%の増益となりました。この結果、第二四半期での営業利益額は三井不動産・三菱地所を抑え"3年連続首位"に立ちました。今期決算分析前年同期比9.8%増益、第二四半期決算では不動産業界首位に立った住友不動産。その要因として考えられるのは、"販売事業の上半期集中"と"賃貸事業の好調"です。住友不動産の過去4年間の第二四半期決算を見てみると、販売事業の通期予想に対する第二四半期までの進捗率に変化があることがわかります。【販売事業の対通期予想進捗率】2016年3月期第二四半期:49%2017年3月期第二四半期:67%2018年3月期第二四半期:77%2019年3月期第二四半期:95%2020年3月期第二四半期:99%このように、2017年度3月期第二四半期から通期予想に対する進捗が上半期に集中していることが分かります。これは、後述する中期経営計画の「量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールしていく」「競争激化の用地取得環境が続く中、『好球必打』で着実に確保する方針は継続する」という方針が関わっていると思われます。不動産業界全体として賃貸・販売の需要が集中しやすい第四四半期を待たずに「好球必打」で確実な利益を確保する戦略のため、通期予想の進捗が上半期集中になっているものと思われます。その結果、マンション供給戸数では不動産業界5年連続首位に立っています。また、供給戸数という「量」で首位であることに加え、今後は量よりも利益重視の方針により甘い値付けや値引きをしないで「質」を追い求めていくようです。そのため、三井不動産(分譲事業:347億円)、三菱地所(住宅事業:47億円)に対して、住友不動産の販売事業は464億円の営業利益を第二四半期で記録し、業界首位に立っています。※分譲住宅マンションの販売を行っている事業が、三井不動産では分譲事業、三菱地所では住宅事業、住友不動産では販売事業にあたります。【参考】「住友不動産、事業主別供給戸数で5年連続の全国・首都圏第1位」(日本経済新聞)マンション販売事業が住友不動産の一つの強みではありますが、セグメント別営業利益を見てもわかる通り、住友不動産の主力事業はやはり賃貸事業です。住友不動産は、三井不動産や三菱地所などのように所有物件の売却を繰り返し数百億円の利益を得るようなビジネスをせず、物件を所有し続け賃貸事業や販売事業に回しています。第七次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)での東京都心への賃貸ビル投資という方針で開発した既存ビルが、昨今の東京都心でのオフィスビルの需要・空室率の低下・賃料の上昇という好調な市場環境の下で功を奏したことが好調の要因です。そのために、賃貸事業では既存物件の賃貸収益だけで、前年同期比61億円の増益、新規物件を合わせて賃貸事業では前年同期比65億円の増益の837億円の営業利益、39%という高い営業利益率を叩き出しています。住友不動産は、第二四半期決算発表後の通期予想営業利益を2,340億円と見込んでおり、これは三菱地所の通期予想の2,300億円を追い抜き、2,800億円を見込んでいる三井不動産に次ぐ業界二位に躍り出る可能性があります。下半期の住友不動産と三菱地所の動向により、不動産業界の情勢に変化が起こる年になりそうです。【参考】【住友不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画住友不動産は2019年5月に第八期中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)を発表し、今年度はその初年度にあたります。経営計画の概要は以下の通りです。第八次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)✔業績目標→中計最高営業成績連続更新、営業利益三か年累計7,400億円の達成(第七次中計+1,268億円、+21%)✔賃貸設備投資計画→収益基盤強化のため、東京都心における賃貸ビル投資を継続推進✔部門別業績目標→東京のオフィスビル賃貸を成長の柱に<事業戦略>①不動産賃貸→好調な市場環境に支えられた七次を上回る利益成長を目指す②不動産販売→七次で実現した高水準の利益規模を維持する③完成工事→リフォーム(新築そっくりさん)は、六次までの停滞から脱した七次の成長路線を継続する④不動産流通→グループの連携を一層強化し、九次以降の成長基盤を構築する住友不動産は、第八次中期経営計画において賃貸事業を継続的に成長させ、三か年累計の目標営業利益は第七次比+1,145億円の5,300億円としています。第七次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)で投資した東京都心のビルが2020年3月期第二四半期では既存ビルとして大きな収益源となったことを踏襲し、継続的に東京都心の賃貸ビルへの投資を行うことでさらに収益力を強化させることで実現させる計画です。また、販売事業においては用地取得が激化している環境を踏まえ、量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールし、「好球必打」で着実に確保する方針は継続することで、七次の利益規模を維持する方針です。【参考】【住友不動産】第八次中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)【三井不動産】賃貸・分譲・マネジメントとバランスよく増益。海外事業のさらなる拡大を目指す。三井不動産の2020年3月期第二四半期決算は1186億円の営業利益となり、前年同期の1121億円から5.8%の増益となりました。全社消去とは→各セグメントのどこにも分類できない営業利益・営業経費を加算したもの。今期決算分析前年同期比5.8%の増益の要因としては、賃貸事業・マネジメント事業の好調が挙げられます。賃貸事業では、日本橋・八重洲を中心としたオフィスビル、LaLaportやMITSUIOUTLETPARKなどの商業施設といった事業が、賃料改定と空室率の低下により、増益しました。(当期:782億円・前年同期比9.2%の増益/前年同期:716億円)三井のリパークやマンション管理などを手掛けるマネジメント事業も好調で、受託物件の増加により安定した収益に成長しました。(当期:288億円・全同期比19.5%の増益/前年同期:236億円)三井不動産は第二四半期決算発表後に、2020年3月期通期決算での営業利益予想を当初の予想よりも130億円上乗せの2800億円に上方修正しました。機関投資家向けの収益不動産の開発・売却を行う投資家向け分譲事業の営業状況が順調で、通期での分譲事業での営業利益を1240億円と見込んでいることが、通期予想の上方修正の要因となっています。住友不動産は第二四半期決算発表後に通期予想2340億円と見込んでいるのに対し、三井不動産は2800億円を見込んでいることから、三井不動産は通期での首位奪還を見込んでいます。【参考】【三井不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画三井不動産が2018年5月に策定した中期経営計画「VISION2025」では以下の3点を重視して取り組んでいくと明言しています。主要な取り組み方針✔街づくりの一層の進化✔リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新✔海外事業の飛躍的成長リアルエステートテック(不動産テック)とは→IoT機器やAIなどのテクノロジーを、不動産販売・賃貸・管理の仕組みに取り組むこと。上記の3点の取り組みの中から、三井不動産の強みである海外事業について取り上げます。2019年3月期通期決算での海外事業営業利益は554億円で他社と比較しても高く(三菱地所海外事業:269億円/2019年3月期)、三井不動産の2019年度連結営業利益のうち19.8%を占めています。2019年3月期における、ハドソンヤード(ニューヨーク)・テレビジョンセンター(ロンドン)の賃貸事業(オフィスビル)や、三井アウトレットパーク台中港(台湾台中市)などの賃貸事業(商業施設)などの竣工が海外事業の成長の一因と考えられます。三井不動産はVISION2025の中で、2025年までに連結営業利益に占める海外事業の営業利益を30%程度まで成長させる目標を打ち立てていることから、賃貸を中心とした海外事業がますます展開されていくと思われます。【参考】【三井不動産】VISION2025【三菱地所】キャピタルゲインの計上時期が下半期にずれ込むも、通期予想では順調。依然丸の内ビル事業が牽引。三菱地所の2020年3月期第二四半期決算は923億円の営業利益となり、前年同期の1069億円から13.7%の減益となりました。今期決算分析前年同期比13.7%の減益の要因は、キャピタルゲインの計上時期・国内分譲マンションの引渡時期の差異が考えられています。【キャピタルゲインとは】保有している資産を売却することで得られる売買差益のこと。キャピタルゲインに対し、資産を保有することで得られる収益(利息や配当)をインカムゲインといいます。三菱地所が保有していた不動産を売却したにも関わらず、その収益を第二四半期決算に計上できなかったために、前年同期よりも減益したと考えられています。キャピタルゲインを下半期に計上した際の取引状況は順調のようです。また国内分譲マンションの営業利益計上も下半期に偏重していることも減益の要因となっています。キャピタルゲインの上半期計上額は前年同期から90億円減益の120億円にとどまりましたが、下半期での計上にずれ込んだことで、下半期は前年同期から120億円増益の390億円、通期では前年度から30億円増益の510億円を予想しています。第二四半期決算だけを見ると三菱地所は不調かと思うかもしれませんが、しっかりと通期予想と併せてIR情報を分析しなければいけないことがわかります。セグメント別に見ていくと、三菱地所の主力事業はビル事業であることは一目瞭然です。連結営業利益の65.9%をビル事業が担っています。昨今の強いオフィス需要による追い風により、丸の内を中心としたビル事業では昨年度から53億円増益の1530億円の営業利益という通期予想になっています。その要因の一つである既存ビルの賃料の改定により、賃料収益の増益が2020年3月期第二四半期で22億円、通期予想で38億円に到達する見込みで、過去5年間で200億円超の増益を実現しました。丸の内のみならず、2019年8月には新宿駅直結ビルリンクスクエア新宿が竣工し、竣工時満室にて稼働しており、ビル事業は順調なようです。また、主力のビル事業のみならず生活産業不動産事業では、御殿場など6サイトのアウトレットで上半期収益で過去最高を更新し、前年同期から24億円の増益となりました。海外事業も好調で、アメリカのビルをリニューアルし2019年12月に全体竣工、リーシング内定率は95%となっています。イギリスでも保有物件を売却し、新規物件の建築工事にも着手しています。【リーシングとは】商業用不動産の賃貸を支援する業務のことで、物件に対するテナント付けや物件の収益性を高めるための一連の業務も含まれます。海外事業においても賃貸収益・キャピタルゲインの増加に伴い、前年同期より100億円増益の370億円という通期予想となっています。前述した通り、アウトレットを手掛ける生活産業不動産事業や海外事業が成長していることは間違いありませんが、連結営業利益の65.9%を占めるビル事業が依然として三菱地所の屋台骨を支えています。三菱地所は第二四半期決算発表後に通期予想2,300億円の営業利益を見込んでいます。これは、通期予想2,800億円を見込んでいる三井不動産、2,340億円を見込んでいる住友不動産に次ぐ三番手となっています。今年度の三菱地所は昨年度の2位から一つ後退し、住友不動産に抜かれる可能性があります。【参考】【三菱地所】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画2020年3月期は三菱地所の中期経営計画の最終年度に該当し、第二四半期決算発表ではその目標に対する予想営業利益も提示しています。今回の中期経営計画は以下の通りです。三菱地所グループ中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)✔丸の内エリアを中心とする大型プロジェクトの竣工・稼働寄与→開発・運営ノウハウ、ブランド力を最大限に発揮し、確実な収益を獲得✔海外事業の拡大・進化→三菱地所グループの競争力を発揮できる事業スタイルに注力し、利益成長を実現✔「回転型投資」のバリューチェーン活性化→優良物件の供給を通じ、売却益を獲得するとともに、多様なフィービジネスを展開三菱地所の中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期の3年間)に対して、各指標が無事に着地する見通しであると決算発表会で述べています。生活産業不動産事業で目標比-20億円、投資マネジメント事業で目標比-40億円と当初の目標に到達しないと予想しています。しかし、中期経営計画において注力すると明言していたビル事業では目標比+150億円、海外事業では+80億円、キャピタルゲインは目標比+130億円と予想しています。そのため、連結営業利益では目標比+100億円の2,300億円に到達すると予想しており、今回の中期経営計画は無事目標に到達する見込みです。【参考】【三菱地所】三菱地所グループ中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)【東急不動産】投資家向け不動産販売が不調も、住宅事業は好調。広域渋谷圏構想による渋谷再開発も順調に進行中。東急不動産の2020年3月期第二四半期決算は316億円の営業利益となり、前年同期の322億円から1.5%の減益となりました。今期決算分析前年同期比1.5%の減益となりました。この要因の一つとされているのが、前年同期比-24億円となってしまった都市事業の不調です。投資家向けビル等売却収益が減益したため、都市事業の減益に影響したようです。この都市事業では、東急電鉄沿線エリア、特に渋谷を中心に都市開発を進めてきました。今期は渋谷ソラスタ、渋谷フクラスが竣工、渋谷駅桜丘口地区再開発も10月に着工し、開発ペースは順調の様子です、減益した都市事業とは違い、住宅事業では前年同期比+24億円と好調で、さらに分譲マンションの引渡時期や物件売却が第四四半期に集中する傾向にあるため、第二四半期時点では通期の計画に対して順調に進捗しているそうです。第二四半期決算発表後の通期予想は、当初の予想よりも100億円上乗せの820億円を見込んでいます。通期予想800億円を見込む野村不動産や、620億円を見込む森ビルなどと比べると、東急不動産が一歩抜きんでるかもしれません。【参考】【東急不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画今年度は東急不動産の中期経営計画「ValueFrontier」(2017年3月期~2020年3月期)の最終年度に当たり、近年の東急不動産の経営計画がどのように決算に影響していたか考察していきます。ValueFrontier✔関与アセット拡大✔新たな需要創出3つの成長戦略(1)ライフスタイル提案型の街づくり→【広域渋谷圏構想】(2)循環型投資事業の領域拡大→インフラ・インダストリー・ホテル・リゾート・学生レジデンス(3)ストックの活用強化東急不動産が強みとしている渋谷において【広域渋谷圏構想】を打ち出し、東急グループ全体での渋谷再開発を進め、個別プロジェクトの開発からエリアマネジメントや管理・運営までを含めたグループの独自性を打ち出す街づくりを進め、関与アセットの価値を高めます。また、太陽光発電事業、風力発電事業などの再生可能エネルギーへの投資も積極的に行っています。この中期経営計画では、2021年度3月期通期決算までに950億円の連結営業利益を目標としていますが、今期の通期予想が820億円に留まっているため、目標達成に向けてさらなる追い上げが必要になりそうです。【参考】【東急不動産】ValueFrontier2020【森ビル】投資家向け不動産販売を抑えたことで、分譲事業が前年同期比-82億円と大きく減益。虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工。森ビルの2020年3月期第二四半期決算は305億円の営業利益となり、前年同期の359億円から15%の減益となりました。今期決算分析今期決算全体では、前年同期比-54億円・15.0%減益の305億円となりました。この大きな要因が分譲事業での前年同期比-82億円の大きな減益が挙げられます。その中でも特に、投資家向け不動産販売事業が前年同期比-181億円の減益となっています。森ビルは通期予想でも分譲事業で前年度比-66億円と見込んでいます。森ビルは2019年8月に虎ノ門・麻布台プロジェクトに着工しました。他にもグローバルビジネスセンターの形成を予定しています。ここから、森ビルが所有している物件を新規プロジェクトに回すために、投資家向け不動産販売事業を抑えたことが要因かと推測できます。他の不動産が用地を取得してから再開発するのに対して、森ビルは六本木ヒルズや虎ノ門、麻布など高稼働・高単価の物件を港区に多数所有しており、その土地を再開発しているために用地取得コストがかからず事業効率が良くなっています。実際に、主力事業の賃貸事業では高単価の賃料と99%のオフィス稼働率(2019年3月期)があいまって、前年同期比+12億円の194億円の営業利益を出しています。この賃貸事業での営業利益利益率は25.2%と高いです。【参考】【森ビル】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料主要プロジェクト:「虎ノ門・麻布台プロジェクト」「ヒルズの未来形」「総事業費は六本木ヒルズの2倍の5800億円」メインタワー付近には、約700人の生徒が学べるインターナショナルスクールを誘致した。「ヒト・モノ・カネを呼び込むには、外国人が働き、住み、学べることが重要だ」(森ビルの辻慎吾社長)。虎ノ門や六本木エリアには外資系企業が集積し、今回のヒルズのオフィステナントも半数が外資系企業になる予定だという。働くだけでなく、子どもも育てられる機能を付加することで、海外の企業や外国人が集まる拠点にしていきたい構えだ。【引用】森ビル、虎ノ門「第2ヒルズ」に勝算はあるか(東洋経済ONLINE)森ビルが構想から30年を経て着手した虎ノ門・麻布台プロジェクト。その総事業費用は六本木ヒルズの2倍である5,800億円を投じる計画です。東京をさらなるグローバルな都市にするために、虎ノ門を「ヒト・モノ・カネ」が集まる街とすることが目的のようです。オフィス面積・居住可能人数ともに六本木ヒルズよりも規模の大きい開発を予定しているため、竣工予定の2023年以降にさらなる賃貸事業・分譲事業で増益が見込めますが、このプロジェクトの成否によって大きく左右されると思われます。【参考】【森ビル】虎ノ門・麻布台プロジェクト【野村不動産】住宅事業の第四四半期ずれ込みにより大幅減益も、主力の都市開発事業は順調に推移。野村不動産の2020年3月期第二四半期決算は217億円の営業利益となり、前年同期の260億円から16.7%の減益となりました。CREとは→CorporateRealEstateの略で、日本語では「企業不動産」という。企業が事業のために保有している事務所、店舗、工場、福利厚生施設などのすべての不動産を指す。今期決算分析前年同期比16.7%の減益となり、今回取り上げている6社の中で最も大きい減益率となりました。その大きな要因となっているのが、野村プラウドなどのブランドが有名な住宅事業での減益です。マンションと一戸建てを併せた今年度の予定計上戸数が5,100戸であるのに対して第二四半期までには997戸で、一見すると低調な進捗に思われます。しかし、今年度計上予定物件の多くが第四四半期に完成予定であり、通期の計上予定物件に対する第二四半期までの契約進捗率は81.8%と順調です。つまり、契約は取れているが、その物件の引き渡し時期が第四四半期に集中するため、第二四半期では大きく減益してしまったと読み取ることができます。野村不動産の主力事業は、オフィスビル賃貸や商業施設賃貸を行う都市開発事業です。2020年3月期の通期予想での連結営業利益に対する都市開発事業の営業利益は48.1%と野村不動産の利益の約半分を担っています。その都市開発事業の今期の営業利益は188億円・前年同期比+11.4%と好調に推移しました。これは、主に物件売却収入の増加が要因になっています。しかし、都市開発事業のオフィスビルや商業施設での第二四半期空室率は4.3%(前年同期比+0.4%)となっています。空室率の上昇は、オフィスビルや商業施設で空きテナントの割合が増加してしまい、その分の賃料収益が減少することを意味しています。ちなみに、三井不動産賃貸事業のオフィスビルや商業施設での第二四半期空室率は2.0%ですので、野村不動産のほうが2倍高いことが分かります。野村不動産は空室率の改善が今後の課題となりそうです。【参考】【野村不動産】2020年3月期第二四半期:決算説明会資料経営計画野村不動産は2020年3月期~2028年3月期までの9年間にわたる中長期経営改革「NewValue,RealValue」を策定し、今年度はその初年度にあたります。経営計画の概要は以下の通りです。NewValue,RealValue✔連結営業利益:850億円(2022年3月期)(都市開発事業:330億円/住宅事業:330億円)✔分譲・売却事業国内・海外を問わず、分譲住宅事業及び収益不動産開発事業を積極的に展開し、開発利益の拡大を実現。✔保有・賃貸事業優良な賃貸資産の開発と戦略的な物件入替により、競争力の高い賃貸資産ポートフォリオを構築し、安定した賃貸利益を実現。✔海外事業国内で培ったノウハウを活かして事業を展開し、フェーズ3(2026年3月期~20228年3月期)における海外事業の利益比率を15~20%まで拡大。第二四半期で収益用不動産の売却収入が好調だったことで、都市開発事業での営業利益が全同期比+19億円の188億円となっています。今後も国内外を問わずに収益用不動産開発事業を拡大させることで、営業利益を330億円までに成長させる計画です。また、中長期経営計画では、海外事業の展開を示唆しています。すでに進出しているタイ・ベトナム・フィリピンなどの東南アジアでさらに事業を拡大させていくだけでなく、新たな国にも拡大し、2028年3月期までに連結営業利益に占める海外事業の割合を15~20%までに成長させていく姿勢です。【参考】【野村不動産】NewValue,RealValue(2020年3月期~2028年3月期)デベロッパー業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際にデベロッパー業界志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。デベロッパー業界志望者向けグループに参加したい方はこちらをクリックまとめ今回は、不動産6社のIR情報を第二四半期決算を基にまとめました。第二四半期では、過去3年間住友不動産が首位となっていますが、その理由を紐解いていくと、住友不動産の中期経営計画に基づく賃貸事業での営業方針が要因の一つとして考えられます。このように各社の経営状況をIR情報を基に分析してみることで、企業ごとの経営方針や各事業部での好不調が見えてきます。さらに中期経営計画と併せて分析してみると、各社が今後注力していきたい事業領域も明白になってきます。第二四半期決算は短期的な実績に過ぎないため、あくまで現時点での各社の経営状況ということに留意した上で、企業研究・業界研究・他社比較に本記事を役立ててもらえればと思います。不動産業界研究科関連記事はこちらから不動産の業界研究記事一覧決算・IR情報に関する記事はこちら不動産6社に関する記事はこちら◆住友不動産◆三井不動産◆三菱地所◆東急不動産◆森ビル◆野村不動産下記の動画では不動産業界の全体像を紹介していますので、参考にしてみてください。 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