就職最悪のバンドサークル出身者が就活で伝えるべき強み5選

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最終更新日:2023年10月19日

就職最悪のバンドサークル出身者が就活で伝えるべき強み5選

こんにちは。軽音楽サークルに所属している17卒の就活生です。

今回はみなさんに「軽音楽サークルに所属する就活生の現状」と「その状況を打破するための方法」についてお話したいと思います。

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悲惨な軽音楽サークルの就職事情

今回このようなタイトルでコラムを書き上げようと思った動機は、私の所属している軽音楽サークルの就職実績がお世辞にも良いとは言えないからです。また、他大学の友人が所属している軽音楽サークルにおいても同じことが言えることが分かりました。

自分が所属している大学は、世間では所謂高学歴と呼ばれる旧帝、早慶レベルの学校なのですが大手企業から内定をもらった生徒は25人中2人のみ。

この25人の中にはまず留年により就職活動が出来なかった者や内定を1社からも貰えなかった者も含まれています。その中で大手企業内定者の内訳を具体的に言うと、メガバンク1名、大手化学メーカー1名です。

私の経験談ですが、軽音楽サークルに所属している人間の中には所謂「ノンフューチャー系」や「チャラい系」の割合が多いのが現状です。それとは対照的に、同じ音楽系サークルでも吹奏楽やアカペラなどは「音楽に対して真摯に取り組み、真剣にサークル活動に励んでいる」というイメージがあると思います。これはおそらくどこの大学にも当てはまるのではないのでしょうか?

しかし、このような軽音楽サークル出身の就活生にも大きな企業に伝えることが出来る強みがあると思います。まずは以前のunistyleの記事でも紹介された「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」を確認してみましょう。

企業に伝えるべき5つの強みとは

下記参考記事に詳しく解説があるので、ここでは簡単に触れる程度に済ましますが、5つの強みとは以下の5点です。

1.個人として努力し、成果をあげることができる
 

2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる
 

3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる
 

4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる
 

5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる
参考:人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み

1.個人として努力し、成果をあげることができる

個人としてしっかりと努力をし、それによって著しい成果や実績を挙げることは、働く上でもっとも基礎となるところといえると思います。

そういった経験をアピールすることは、外せない点だと言えると思います。

2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる

個人として成果を出すことは大切な基礎と言えますが、それだけではまずいです。

多くの企業も求めることですが、信頼関係を構築し、関係者の課題や問題を引き出し、解決のために行動できるかという点は同様に重要なことで、そういった「自律自責型の人材」であることをアピールすることも大切な点と言えると思います。

3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる

働く中で、マニュアル作業がすべてと言うことはなく、特に人気企業の総合職では、自ら考え行動し成果を上げることが求められ、役職や立場に関係なく、自ら主体的にリーダーシップを発揮して行動する能力のことが求められます。

これを就職活動でアピールしようとする際には、仮にそれまで以前に肩書きがなくとも、集団に対して主体的に行動した経験や普段からの考え方を持っていることが大事です。

4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる

企業とは異年齢、多様な価値観を持った人の集合体です。また、自社だけでなく、取引先の企業も自身とは異なった価値観を持つことは大いに考えられます。

ゆえに、そういった中においても全員で協力し、成果をあげられる能力や経験をアピールすることも重要なことです

5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる

決まりきった仕事をこなすだけでは、個人としての成長は中々望めず、引いては企業としての成長も頭打ちとなってしまいます。

ですので、自身には、現状の課題を分析し、新たな仕組みや取り組みを実現することができる能力や経験があることをアピールすることも、やはり大切なことです

これら5つの伝えるべき5つの強みは、じっくり紐解いていけば、軽音楽サークルに所属していた学生にも当てはまるものだと思いました。以下に1つずつの強みについて、バンド活動と繋げて考えてみたいと思います。

1.個人として努力し、成果を挙げることができる

個人としてしっかりと努力して実績・成果をあげることは社会人にとって大事なスキルの1つと言えるでしょう。とりわけ、人気企業で働く社員にとってこのスキルは必要不可欠なのではないでしょうか?

バンドとして1つの音楽を完成させるためには「個人個人が曲をよく理解し完璧に演奏できるようにならなければならない」ことは当たり前です。1つでも上手く演奏できない、もしくはリズムが合わないパートが存在するだけでその演奏は完璧からは遠ざかってしまうでしょう。言い換えると、「演奏者それぞれが重要な責任を抱えている」と表現できるでしょう。

一方で、人気企業の社員にも同じようなことが求められていることは明らかです。組織の一員として与えられた責任をしっかりとこなし、成果をあげることができるというのは重要なことです。

個人としてどのような努力をし、成果をあげてきたかは学歴、資格試験など言葉でなくても伝える手段はもちろんありますが、「サークルのメンバーとして努力してライブを成功させた話」、「どのような使命感を持って楽器を練習し、演奏していたのかについての説明」は上手く話すことが出来れば1つの学生時代頑張ったエピソードとして大きくアピールできるものであると思います。

2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる

信頼関係を構築し、関係者の課題や問題を引き出し、解決のために行動できるかということも仕事においては重要なことの1つであり、またバンドマンにとっても必要不可欠なスキルです。

「信頼関係を構築した経験」についての質問は例年聞かれており、例えば三菱商事や商船三井などではこの経験を実際に実践し、活かすことができるような社員を求める人材に掲げています。

皆さんがご存知の通り、演奏者全員が個々で正確な演奏をできるからと言って必ずしもバンドが上手くいくとは限りません。例えばメンバー全員で演奏をして初めて気づくことが出来る問題点(チューニングのずれ、各メンバーのバンドに対する意識の違いなど)、合奏をして初めて分かる課題があります。

この時、仮にメンバー同士に信頼関係が築けているのならば、演奏の問題や改善点をダイレクトに指摘し、それを改善することが出来るのではないのでしょうか。下記の大手広告代理店のエントリーシートでは、留学生とのバンド活動を始めるに当たって、「留学生たちとどのようにして信頼関係を築き」、「その経験から何を得たのか」について非常に分かりやすく書いています。ぜひ参考にしてください。
 

3.リーダーシップを発揮し、周囲の人と目標を共有し達成することができる

大学時代にチームを巻き込んで成果を出したエピソードを教えてください。

(トヨタ自動車エントリーシートより)

自ら主体的に行動して、リーダーとして存在感を発揮することも多くの企業で求められています。人気企業の総合職の人材の多くはマニュアル作業的なものではなく、自ら考え行動し成果を上げることが求められており、リーダーとしての資質が役職に関係なく求められると言えます。

リーダーシップというとサークルの幹事長や代表と言った肩書きの有無を気にしてしまいがちですが、バンドについて言えばそれぞれのバンドの方針を決めたりスケジュールを取り決める「バンドリーダー」がいます。もちろんリーダーではなくても、サークルやバンドのために主体的に行動した経験を語れば何も問題はありません。以下は大手外資系メーカーの内定者による「バンドサークルを設立した経験」について述べているESです。肩書きについてアピールすることはなく、1人のバンドマンとして「どのように課題や問題を発見し」、「どのようにして他人を巻き込み」、そして「どのように解決案を提案したのか」について上手く説明しています。

4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる

あなたが自分と異なる価値観=外国人、年齢、生い立ちの違い、を持った人たちと協働して目標を達成した経験について記述して下さい。(400文字以内)
 
(三井物産エントリーシートより)

価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげるということも仕事をする上では非常に重要です。会社組織も年齢や立場がバラバラな人が集まる組織です。商社で言えば、リスクマネジメントの人が考えることと、営業が考えることは立場の違いから少し異なっています。部署が違うだけで考え方も違うため、取引先など企業が違えばその違いも大きくなります。そういった組織で全員で協力して成果をあげることができる人材かどうかが面接でも問われています。

価値観が異なるというと、外国人との交流をイメージする人が多いのですが、バンドメンバー同士の趣味の違いやバンドに対する本気度の差も大きな「価値観の違い」と言えます。その違いに対してどのように対処し、そしてどのようにバンドの目標に向かって練習を行ったのかは話しやすいと思います。もちろんバンド内での価値観の違いだけではありません。「サークルの中心メンバーとしてどのようにして趣味趣向の違うメンバーやバンドたちを取りまとめたのか」についてもこの強みは活きてくると思いますし、話しやすい切り口であると思います。

また先ほど紹介した大手広告代理店のエントリーシートでは、「2.関係者と信頼関係を構築し、課題やニーズを引き出し、解決のための提案から実行まで行うことができる」という強みだけでなく、「4.価値観や立場の異なる人と協力して成果をあげることができる」という強みに関してもアピールできていることが分かります。

5.今までにない仕組みや企画を提案し、周囲の協力を得た上で実現することができる

ジョンソン・エンド・ジョンソンは医療業界の中で「新たな価値の創造」や「変革」をリードしてきました。 あなたがこれまでに主体的に「変化」を起こした経験について教えてください。
 
(ジョンソン・エンド・ジョンソンエントリーシートより)

 総合職の仕事では、決められた仕事をこなすというよりも、現状の課題を解決するための新しい仕組みを提案したり、売上をあげるための施策を考えて提案することが多く、今までにない仕組みや企画を提案し、実現する力というものが重要になります。

バンドサークルに所属している学生の経験で言えば、「サークルメンバーのモチベーションを保つためにサークル内ライブに対して投票制を導入し、演奏のランキング付けを行う」ことや、「更なる交流を深めるために、複数のバンドサークルでのイベントを企画する」などが挙げられるのではないでしょうか。

先ほど紹介した大手外資系メーカーの内定者による「バンドサークルを設立した経験」について述べているESでは、「現状のバンドサークルが抱える問題点」について分析し、それを解決するために「今までにない新しい制度を取り入れたバンドサークルを設立する」した経験について話しています。

最後に

バンドマンに対するイメージは世間一般ではあまりいいものではなく、就職活動においてもバンドやサークル活動について話すことに対して就活生は遠慮しがちですが、一番大切なことは「伝え方」です。

評価される近道として実際に就職活動を成功したサークルの先輩に「どのようにバンド活動の経験を伝えたか」について話を伺うのも1つの手段です。ぜひ就職活動を成功させて、「真面目なバンドマン」として社会に羽ばたいてください。

photo by Jesse Acosta

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キャリアにおける「鶏口牛後」〜あえて難易度が低い企業を選ぶという選択〜 キャリアにおける「鶏口牛後」〜あえて難易度が低い企業を選ぶという選択〜 鶏口牛後とは、大きな集団の中で尻にいて使われるよりも、小さな集団であっても長となるほうがよいということ。出典:故事ことわざ辞典鶏口牛後こんにちは、18卒慶應生です。就職活動では、"売り手市場"の追い風もあってか5業界9社から内々定をいただきました。(国内最大手SIer・大手インフラ・非財閥系化学メーカーなど)そして、経団連に属する企業の採用情報解禁を意味する、いわゆる世間的な就職活動が明日からスタートします。引き続き売り手市場とも言われる皆さんも、相対的に企業から引く手あまたの環境に置かれているのかもしれません。しかし、いつの時代も最終的に入社できるのは当然1社ということで、「複数の内定先の中からどの企業に就職するか」ということは(嬉しい悩みなのかもしれませんが)個人的に最も就活中に悩んだ点でした。unistyleでも過去には以下の記事で就職先の選定基準を紹介しています。しかし、自分が「こういうスキルを身に着けたい」「将来こういう自分になりたい」といった考えを深めないままひたすら内定を取っていたこともあってか、あまり参考にすることが出来なかったというのが正直なところです。参考:そんな私が就職先を決定するための一つの基準として考慮に入れたのが、冒頭で示した「鶏口牛後」という考え方です。もともとは中国前漢時代の古典作品『史記』から生まれた言葉である「鶏口牛後」。高校の教科書にも作品が掲載されていることから、ことわざの知識が無くても認知している人は多いと思います。私の就職先の選び方は、まさしくこの「鶏口牛後」の選択。すなわち、「そこまで入社難易度が高くない方の企業に就職し、その環境で上位の立場を狙う」選択と言えると思っています。しかし例えば、・三菱商事と双日両方の内定者が双日に就職する・東京海上日動と損保ジャパン日本興亜両方の内定者が損保ジャパン日本興亜に就職するといったような「牛」より「鶏」の選択、すなわち「業界順位や就職難易度が低い企業にあえて就職するという選択」をする学生は正直多くないと思っています。以下の記事にもあるように、18卒の内定辞退率は64.6%。すなわち今の時代、内定を獲得すれば約3人に2人が内定辞退を経験するということから、「複数内定先から最終的にどの企業に就職するか」という問題はもはや他人事ではないと言えるでしょう。参考:以上より、今回はファーストキャリアにおいて「鶏口牛後」の選択をする意義、及びその可能性について考えていていきたいと思います。【本記事の構成】・「鶏口牛後」の意味の確認・大学受験までは「牛後」が勝ち組・受験偏差値と“就職偏差値”の違い・就職における「勝ち組」とは?・私が「鶏口」を選択したわけ・「鶏口牛後」も一つの考え方。自分として納得したキャリアを選ぶべき「鶏口牛後」の定義冒頭の辞書的意味に従えば、【一般的な定義】鶏...(規模が)小さな組織牛...(規模が)大きな組織口...その組織におけるトップの地位後...その組織における下位の地位という意味になるようですが、本記事では特に断りがない場合、以下のように「鶏」「口」「牛」「後」という言葉を定義します。【本記事上での定義】鶏...相対的に、優秀な人が少なく、入るのが容易とされる組織牛...相対的に、優秀な人が多く、入るのが難しいとされる組織口...その組織における上位の地位(トップに限らず)後...その組織における下位の地位すなわち、「鶏口」は「それほど優秀でない組織の上位層」、「牛後」は「優秀な組織の下位層」を指すことなります。大学受験までは「牛後」こそが勝ち組だった突然ですが、大学受検で複数校に合格した経験がある方にお尋ねします。Q:複数合格校の中で何を基準に入学先を決めましたか?もちろん、「より興味があることを学べる方を選んだ」といった大学という研究機関の入学理由としてふさわしそうな理由や、「家から近い」「楽しそうなサークルがある」といった"意識低め"な理由もあるかとは思います。しかし、正直なところ「偏差値が高かったから」という理由で選んだ方がほとんどではないでしょうか?"偏差値"という数値指標で入学難易度が表される大学受検。その環境では、点数が高い人が勝ち・偏差値が高い大学へ行った人が勝ち、といったような風潮があり、多くの受験生はより偏差値が高い学校を目指します。「学歴コンプ」といった言葉も一部この風潮から生み出されていると考えられます。この「いい大学(=偏差値が高い大学)に行きたい」という想いも、「とりあえず難関大学へ行っておいた方が将来就活で有利そうだから」という考えに基づくケースが多いと思っています。学歴が高い方が就職活動でいうスクリーニング基準を突破しやすくなり、選択肢が広がりやすいという意味ではこの考えも今の日本社会では妥当と言えばそうかもしれません。また、ワンチャンスをものにし自分の学力レベルよりずっと偏差値の高い大学に入ったとしても、入学後に「ついていけない」という事態が発生する可能性はかなり低いと思います。皆さんも、「講義の内容をほとんど理解していないのになぜか単位は取れてしまう」という経験は一度はしたことがあると思います。(特に文系の場合、講義の理解よりも試験への情報力・試験前の詰め込みが単位取得を左右するという話はよくあるでしょう)。すなわち、就職活動以前の一つの人生の分岐点とも言える大学受験は、典型的な「牛後」こそが勝ち組の世界だと言えるでしょう。中学・高校では「鶏口」を選択する人もいる一方、大学受験よりさらに前の中学受験・高校受験については、あえて「鶏口」を選ぶという方も一定数いると思っています。特に中学受験は両親の影響度が高く、一度入学すると6年間同じ環境に通うため、「牛後」の環境があまりに続き卑屈になることを危惧して身の丈に合った学校を選択することもそれなりに多いと思われます。しかし、これらの場合でも受ける学校の大枠を決めるのは基本的にはあくまで"偏差値"であり、自身の学力を前提にしその中から"校風"・"部活動"を考慮するといった流れで受験校を決定するケースが大半だと考えています。大学内ヒエラルキーと高校・中学内ヒエラルキー「口」「後」はそれぞれ組織内における地位を指しますが、中学〜大学では何によってその地位が決定されるのでしょうか。「イケメン/美人」「話が面白い」「スポーツ万能」といった若者の間ではいつの世代でもヒエラルキーを高める要素があるのはもちろんですが、ここでは"学力"にフォーカスして考えます。高校・中学では、「勉強ができる」というのは学内ヒエラルキーを決定づける要素としてある程度機能している印象があります。もちろん、所属部活によるヒエラルキーなどもありますが、勉強さえできていれば先生からの評価も高く、他の生徒から多少なりとも良く見られる傾向にあると思います。一方、大学では最低限の勉強をして最低限の単位だけを取り卒業することの方がいいというような風潮もある気がしています。学業成績よりも、大学生活をいかに"充実"させているか。入社後とは異なり、学力・能力関係なく自分で自由度高くコミュニティーを選択できる点が、大学生活の特徴と言えるでしょう。そもそも、高校までとは異なり大学では基本知らない人の方が多いまま卒業していくわけですから、ヒエラルキーなんてものの重要性は大きく下がるものだと思っています。入試偏差値と"就職偏差値"の違い就職偏差値とは、就職活動における内定獲得の難易度を数値化した基準です。2ちゃんねる(現5ちゃんねる)が発祥とされていますが、現在では多くのサイト上でテンプレートとして用いられている気がします。この就職偏差値と、一般に用いられる入試偏差値には大きく分けて2つの違いがあると考えています。偏差値同士の相違点1:「相性」ー「東大は楽勝だが慶應は受からず」の可能性「難易度」と言ってもあくまでその感じ方は人によって異なり、「偏差値が高い方が簡単に感じた」というケースが起こりうるのは両者に共通しています。しかし、「東大は余裕で受かるのに慶應は全然受からなかった」という学生は稀である一方で、「総合商社の志望動機はすらすら出てきて選考もうまくいったけど(それより偏差値の低い)広告代理店は苦戦した」というようなケースは就職活動ではいくらでもあるものだと思っています。「点数を取った人が勝ち」である大学受験とは異なり、面接において定性的な判断が求められる就職活動では、「相性」の影響度合いが大きく高まるのは自然な成り行きだと思います。unistyle創業者の樋口も、新卒就活における業界の相性について、自身の体験に基いて以下のように述べています。僕も就職活動では商社や金融系はそこそこ相性がよくて、リクルートとか広告代理店は全然駄目だった。どんなに志望していて業界研究しても結局合う、合わないというどうしようもない要素で就職活動の結果は決まってしまうから複数の業界をリスクヘッジで受けることはかなり大事だと思うんだよね。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2017年3月10日偏差値同士の相違点2:"難易度"が表す意味若干失礼な気もしますが、次の質問を考えてみてください。(1)〜もし自由に選べるとしたら、どちらに入学しますか?〜A:慶應義塾大学経済学部経済学科(A方式)B:中央大学経済学部経済学科(一般)(2)〜もし自由に選べるとしたら、どちらに入社しますか?〜A:フジテレビB:東レ二つ目の違いは、その数値が表す意味についてです。もちろん、どちらも入るための難易度を表すという点では表面的には共通していると思います。先述した通り、大学では学内の学力順位ではなく"充実度"が重視される「牛後」の世界なのであれば、単純に「難易度が高い大学に行った方が勝ち」という構図は(研究機関である大学に対する心持ちとして適切なのかは別として)ある程度妥当性があると言えます。一方で、就職活動では偏差値が高い企業への就職=勝ち組とは一概には言えないと思っています。例えば、上記(1)では正直な話ほとんどの学生がA:慶應義塾大学経済学部経済学科を選択するでしょう(別に中央大学がダメとかそういう話をしているわけではありません)。一方、(2)では学生の志向性によって大きく回答が分かれるかと思います。しかし、以下の参考記事によれば、(1)(2)共に"偏差値"はAが約70・Bが約60でそれぞれちょうど同じ10の差があります。("正確"には、慶應67.5・中央57.5、フジテレビ69・東レ59)参考:河合塾2018年度入試難易予想ランキング表参考:2018卒用文系就職偏差値ランキング・テレビ業界を斜陽産業と考え、海外売上率が高くグローバルに事業を展開する東レに魅力を感じる就活生・根源からの価値提供者として東レの相対的な知名度の低さをマイナスに捉え、社会的認知度が高いフジテレビに魅力を感じる就活生「これからの時代は慶應ではなく中央だ」なんて言う学生がまずいない一方で、就職偏差値の世界では、業界知識や企業に求める要素の違いなどにより、このように考え方は大きく分かれます。以上より、"就職偏差値が高い=勝ち組"の式が成り立つとはとうてい言えないことは感じていただけたかと思います。ちなみに、最近では学力ならぬ"就活力"を大学受験のように可視化するために、以下のようなイベントも開催されているようです。参考:全国就活センター試験「勝ち組」とは何だろう?ー「自己実現」よりも「働きやすさ」かもという冷めた見方「幸せ」とか「成功」といったような抽象度の高いワードについては、「人は何のために生きるのか」のような究極的な問いに明確な回答が出ないのと同じように、人それぞれでこれといった正解は無いものだと思っています。しかし、企業に入社するというキャリアの選択をする人にとっては、その時間的ウェイトを考えると、仕事の充実度は人生の充実度と大きく関連すると考えられるでしょう。仕事が充実していると自分で感じることは、「勝ち組」の一要素と言えるかもしれません。10年社会人やって感じたのは、仕事の充実度は人生の充実度に直結してる感じで、学歴は必ずしも人生の充実度との関連性は低い。学歴はすぐに過去のものになるけど仕事は40年間続くから当たり前っちゃ当たり前なんだけど。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2017年2月6日では、仕事における充実とは何ではかられるのでしょうか?もちろん"自己実現"・"やりたい仕事が出来ている"といったことは、充実度を決定する要素になる得るでしょう。しかし、非常に冷めた見方かもしれませんが、どれだけ仕事が充実していても、正直ほとんどの人が月曜朝は腰が重く金曜夜が待ち遠しい一週間を繰り返すことになるのではないでしょうか。仕事の充実度が、休日の喜びに勝る人が果たしてどれだけいるのでしょうか?ともすると、職場という平日の環境においては、いかにストレス無く働けるか、すなわち「働きやすさ」というのもある意味では大切になるのかもしれません。プラスを増やすのではなく、マイナスを減らす考えでは夢が無いという意見もあるのは重々承知ですが、今の日本社会で夢を持って働き続けることが出来ている人がどれだけいるのかは疑問に感じるところです。例えばメガバンクのサービス課では、「女性から気に入られること」が働きやすさを決めるうえで重要だという考え方があるようです。彼女らと良い関係を構築できると良いことだらけです。銀行員としてお客様から預かった申込書を処理するのも彼女たちなわけですが、うまく関係を構築できていれば頼んだらすぐにやってくれます。彼女らがどれだけ事務の仕事を手伝ってくれるかによって、働きやすさや自らの余裕が変わってくるので、関係は良好であることに越したことはないです。そしてかわいがってもらえて場合には、自分の功績を彼女たちの口から役席に伝えてくれるので、いつの間にか自分の評価が上がっていたりします。参考:このメガバンクの例に限らず、「優秀であること」すなわち「仕事ができる」ことというのは働きやすさを高めるうえで重要であると考えます。「こいつは優秀だ」と認められれば、多少のミスをしても大目に見てもらいやすいなど「働きやすさ」も高まりやすいという話はよく耳にします(もちろん優秀な人に仕事が降って来やすくなるというマイナスの面も生じうるかとは思いますが...)。「優秀かどうか」はあくまで他社員と比較した相対的な評価であることから、「牛」よりも「鶏」の方が優秀判定がなされやすい。すなわち、「鶏」の世界の方が働きやすく昇進も見込みやすい環境だという見方もできるのではないでしょうか。また、入社して数年間(人によっては何十年間もそうかもしれません)は、「誰かに評価される」というのも、モチベーション高く仕事をしていく上でとても大事な要素です。評価されないから仕事がつまらないのか、本当にそもそもの仕事内容がつまらないのかは、一度考えてみる必要もあるでしょう。得てして人は評価されると仕事も楽しくなってくるものです。参考:「鶏口牛後」に継ぐ「井の中の蛙」さて、このように社内での立場について「鶏口牛後」を用いて考えていると、「鶏」の世界で上位を狙ってもそれは「井の中の蛙」。すなわちレベルの低い世界で得意になっているだけあり、もっと広く社会を見るべきだという意見も出てくると思っています。井の中の蛙大海を知らずとは、知識、見聞が狭いことのたとえ。また、それにとらわれて広い世界があることに気づかず、得意になっている人のこと。出典:故事ことわざ辞典井の中の蛙大海を知らず就職活動においても、サークルやゼミといった内輪な環境でちやほやされ「口」であることに得意になっていた学生が、いざ選考で他の多くの学生と比較されると全く評価されなかったという話はよく耳にします。内輪でわいわい盛り上がるのは楽しかったりもするのですが、狭いコミュニティーだけで生きている視野の狭い人間だと、一般に批判の対象になりがちな印象があります。とは言え、正直なところ社会に出てからも、"企業"という組織に属している以上は、「井の中の蛙」という状況にそれほど変わりはないのではでしょうか。もちろん、ビジネスの場で多くの企業と関わるなど学生時代に比べれば当然世界は広がるでしょうが、日常の業務をこなすのも・成果評価を受けるのも、それは「社内」というコミュニティーで起こる話であり、そこで昇進が決まる以上は社会人も「井の中の蛙」からは完全には脱却できていないのかもしれません。だとすれば、一企業というあくまで狭いフィールドで生きることが多い以上、「鶏」の環境で「井の中の蛙」でいるのもそこまで批判しにくい姿勢なのかもしれません。私が「鶏口」を選択したわけこれまでの内容で、就職活動の場で大学受験のように"偏差値"や"難易度"といった指標で優劣をつけるのはあまり正しくない判断だというのは感じていただけたかと思います。それを踏まえ、実際に私が就職先を一つに絞るうえで「鶏口牛後」の選択をしたその理由についてお伝えしたいと思います。鶏口の選択理由1:「内定先カードゲーム」への疑問就職活動中には、「どの企業の選考を受けているか」・「どのフローまで進んでいるか」といった話が就活生同士でよく話題になります。当然そこには「どの企業の内定を持っているか」という話も含んでいます。お互いの内定先をちらつかせ、まるで持ち駒をカードのように比べそれを競う、「内定先カードゲーム」のような現象がしばしば散見されます。この"ゲーム"の最大の問題は、「内定先⊃就職先=将来の働き先」、すなわち"カード"の中から実際に自分が働く場を選ばなければならないということを多くのプレーヤーが見落としている点だと思います。カードの強さを決定する基準の一つが内定獲得の難易度になりますが、先述した通り、就職難易度の高い企業への内定=「勝ち組」とは一概に言えません。また、そもそもこのカードは内定〜大学卒業までのわずか数ヶ月の期間でしか効力を発揮しないことも認識しておくべきだと思っています。卒業後、ほとんどの方はその企業で最低でも数ヶ月、もしくは何十年と働く可能性もあるというのに、そのたった卒業までの数ヶ月のために他者評価の高いカードにこだわるというのは合理的とは言えないでしょう。受験では取り敢えず東大、就活では外銀、外コン、総合商社、入社してからは海外MBA取得して出世もしくはキャリアアップの転職を目指し続けるっていう他人のモノサシでいいと言われる人生歩み続けるのはかなり大変そう。どっかのタイミングで自分のモノサシと他人のモノサシの折り合いつけたいね。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2017年2月12日鶏口の選択理由2:社会的地位への無頓着さ私が在学する慶應義塾大学では、自分たちの学生証を提示しただけで合コンでお持ち帰りができるなど、その"慶應ブランド"にまつわる噂は絶えません。慶應受かったら合コン行って学生証見せるだけで彼女できるってまじですか—あっちゃん(@Headphone_EDM)2017年1月18日就職後にも、"三田会"という日本最大級の学閥があり、各業界・企業で幅を利かせているという話もしばしば耳にします。一方で、この"慶應ブランド"が「慶應義塾」という組織に属していること自体を誇りに感じているようで、それをちらつかせるのは、入ってからは大学生活を充実できていない証ではないかと、自分としてはあまり好ましく感じなかったというのが正直なところでした。これまでの自分の学生生活を振り返っても、小中高とそれなりの競技力で続けていたスポーツを大学では体育会ではなく同好会を選択し継続したことを始め、「どこに行くか」ではなく「そこで何をするか・どう活躍できるか」を重視した選択を多くしてきました。体育会の方が周囲からの評価は高かったりもするのですが、どんな環境であれ「選手として活躍したい」という考えが根底にあったのだと思います。鶏口の選択理由3:上位企業に就職すれば「安定」とも限らない近年、より大きな組織、すなわち本来の意味での「牛」に行くことが必ずしも「安定」を意味するわけではないことは皆さん感じているかと思います。就職活動での本来の意味での「牛」は「大企業」ということになりますが、本記事執筆時点では神戸製鋼・日産自動車・商工中金といった名立たる大企業が不祥事を起こすなど、「大企業に行っておけば将来も安泰」という考えが一概に成り立つとは言えない世の中になっています。就活生にも人気な典型的大企業であるメガバンクでも以下のような動きがあることから、真の安定が「組織」ではなく「個人」の能力に起因していく流れは今後も加速していくと考えられるでしょう。(もちろん組織として大企業の方が相対的には安定しているでしょうし、「大企業」と一括りにして述べること自体どうかとは思いますが)。鶏口の選択理由4:成功体験と失敗体験Youlearnfromthemistakesyoumakeandfromthemistakesotherpeoplemake.Thetruthis,youdon'tlearnfromsuccess;youlearnfromfailure."自分が犯した失敗から学んで、他の人の失敗からも学ぶ。事実を言うと、成功からは何も学べないという事さ。失敗から学ぶ物なんだ。"参考:ジョージクルーニーの名言集|成功失敗学び(検索|といったワードで検索すると、上記のように「成功なんかよりも失敗からの方が学ぶことが多い」、もしくは「成功からは何も学べない」といった意見がズラズラと並ぶかと思います。この考えは一理あるとも思うのですが、個人的にはこれまでの人生で成功から学んだことも十分多かったように感じます。特に上記のような名言がしばしば用いられるスポーツの世界においては、成功体験の方が珍しく、基本はうまくいかない失敗体験の方が単純に数として多いと思います。なかなか味わえない成功だからこそ、そこから得られる喜びや学びは一度としては大きいものではないでしょうか。成功体験は自身の中でモデルケースを生み出し、次の成功に繋げるきっかけになるとも考えています。他者から仕事で評価されることは成功体験の一種であり、それが得やすい「鶏」の環境は仕事の楽しさにも結びつきやすいのではないかと考えています。「鶏口」を選択するデメリット上記のような理由から私自身は「鶏口」のキャリアを選択したわけですが、一方でこの選択には当然デメリットもあると思っています。鶏口のデメリット1:優秀な人に出会える可能性の低さ?優秀な人が少ない「鶏」の企業では、優秀な人と仕事を共にする機会が「牛」の企業と比べて当然少なくなります。働く人については「」の記事のように同業比較における理由付けの一つとして機能しうると思っています。仕事において優秀な同期や上司に恵まれることは、人によってはモチベーションになり得るでしょう。先ほども「月曜が楽しみという人がどれだけいるのか」という話をしましたが、一緒に働く人に恵まれればこのような考え方も生まれるのかもしれません。とは言え、優秀な人が多い=人に恵まれているとは必ずしも言えませんので、自分がどういった人と働くことがモチベーションに繋がるのかはしっかり考える必要があると思います。「」の記事にあるように「優秀な人がいること」それ自体を志望動機の核とするのは適策ではないため、就職先を判断するうえでのあくまで一つの目安ぐらいに思ってもらえればと思います。鶏口のデメリット2:転職を考えると若干不利?在籍企業の業界順位やネームバリューは、社会的地位以外にも、転職のときに職歴として見られることになります。もちろん転職先の採用担当者の考え方にもよりますが、有名企業のキャリア経験があった方が相手方の印象が高まることは十分あると思っています。「大手→ベンチャーは容易」だが「ベンチャー→大手は絶対無理」というわけでもないのですが、「とりあえず」優秀な人が集まる企業に行っておいた方が後々潰しがきく場面は少なからず存在するでしょう。とは言え転職するにしても、前の企業が「どこか」ではなく「そこでどのような成果を上げたのか」も当然問われることになりますので、在籍企業のネームバリューに満足することなく日々の業務を意欲的にこなすことは大切になるでしょう。参考:鶏口のデメリット3:スキル・能力が身に付きにくい?就活生が想像する以上に会社で得られるスキルは非常に大切です。そして新卒で就職した1社目で身につくビジネススキルや仕事のやり方は、2社目以降にも大きく効いてきます。参考:こちらの記事では、「働く」を通して得られるものの一つとして能力・スキルがあり、新卒で入る会社では特にそれが重要だという話が述べられています。一定期間継続して規模の大きな事業を展開してきた大企業はノウハウの宝庫であり、「牛」の方が教育研修の充実や携わることができる案件の金額が大きいということは起きやすいでしょう。「鶏口」と「牛後」。最終的にいずれのキャリアを選択するにせよ「牛」の内定は取りに行くべきSNSやWeb上の掲示板で時おりテンプレートとして用いられる、東大生:「学歴なんて関係ない」Fラン生:「学歴なんて関係ない」の説得力が異なるように、「鶏口牛後」を語るうえでは「牛」の内定は必須だと考えています。当たり前ですが、両者から選ぶためには「鶏」「牛」の内定が共に必要であり、それ無しにあれこれ悩むのはクレバーではないと思います。また、「牛」の内定があることで、自分が将来何がしたいのか・どうありたいのかを真剣に考えるきっかけになるとも思っています。周囲の人はだいたい「牛」を勧めてくるはずです。そういった状況で「牛」を切り捨て「鶏」を選択するには、自分なりに納得感のある理由付けをする必要があります。内定も無しにあれこれ不向きを考えるぐらいなら、まずは両方の選択肢があるという状況を作り出すことで、よりリアルに自身の将来に向き合うことに繋がると思います。そのため、本記事から「じゃあ自分も別に『鶏』でいいや」と短絡的に考えるのではなく、「牛」の内定も手に入れたうえで、自身のキャリアと深く向き合うきっかけとしていただければと思います。最後にー自分にとっての"unistyle"を確立し、納得のできるキャリア選択へ繋げよう!皆さんが今現在閲覧している就職活動支援サイト、unistyle。その意味は以下の記事で述べられています。自分は仕事や人生に何を求めているのか、どんな風に生きていきたいのか、そのためには何をすればいいのかということについて就職活動という機会に突き詰めて考えることが重要になってきたと私たちは感じています。私たちは「自分らしい生き方を支える自分独自の考え方」を"Unistyle"と定義し、就職活動を通して"Unistyle"の確立を目指してほしいと考えて、このサイトを立ち上げました。参考:"ただ一つの"を表す接頭語"uni"に、"様式・やり方"をいった意味を持つ"style"。その造語として生み出された"unistyle"。就職活動に関する情報を数多く提供しているサイトではありますが、大切なのは「ふーん、そうなんだ」と読んで終わらせるのではなく、「それについて自分がどのように解釈し、どのような意見を持つか」。そして、「『自分だったら』どうすべきか」を深く思考することにあると思っています。就職活動を始めとしたキャリア選択に絶対的な正解は無く、「鶏口牛後」というのもあくまでその選択肢の一つに過ぎません。「自分だったら」どのような選択をするべきなのか。本記事を機に「鶏口牛後」以外の観点からも考え、ご自身の糧にしていただき、全力で就職活動に取り組んでいただければと思います。明日から本格的に始まる皆さんの就職活動が納得のいくものになるよう、陰ながら応援しています!photobyHollyOcchipinti 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「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説 「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説 本記事では、誰でも言えるマジックワードを意味もなくただただ並べる量産型就活生になることを避けるために、代表的な5つの言葉に注目してその意味を探っていきたいと思います。◆本記事で扱うマジックワード・「ホワイト企業」・「裁量が大きい」・「風通しのいい会社」・「部署による」・「トータルソリューション」そもそも、「マジックワード」とは何か「就活で一番大切なのは自己分析だよ」「弊社は大変風通しのよい会社です!」「最近はホワイト企業を志望する若者が...」就職活動をしていれば一度は耳にすることも多い上記のような言葉。それを聞いたとき、あなたはどのように感じ、どのように考えるでしょうか。何となく、「そういうものだ」で終わらせていないでしょうか。例えば、一番上の言葉。そもそも「就活」とは何か。「自己分析」はなぜ大切なのか。▼「就職活動」「自己分析」という言葉の意味についてはこちら▼参考:参考:就活界では、このように誰もが言うような言葉の数々が"マジックワード"として蔓延っています。人をあたかも魔法のように思うように動かすことができるキーワード。主に意味が曖昧で、使う側の思想によって便利に扱うことが出来る言葉や幅広い意味を持つ呼称(特に蔑称)を指して呼ばれている。参考:マジックワードとは-はてなキーワードマジックワード(magicword)とは、直訳すると文字通り「魔法の言葉」です。魔法といってもいわゆる呪文・おまじないのような話ではありません。ここではマジックワードを、「本来その言葉が持つ意味が形骸化され、汎用性が高く逆に意味がありそう(だがよくわからない)に捉えられる、魔法のように用いられる悪い意味で利便性が高い言葉」と定義付けることにします。マジックワードは、「とりあえずその言葉を使っておけばいいだろう」ぐらいに認識され、思考停止状態で用いられることが多い点に問題があります。この性質から、例えば後輩から「就活って何をやればいいですか?」と尋ねられたときに、「とりあえず自己分析だよ」と意味もわからず返すようなやり取りがしばしば発生しているのだと思われます。特に就職活動では面接で「深堀り」と呼ばれる言葉の背景や意味を探る問いかけがなされるため、マジックワードを並べることには問題が多いものだと考えています。以下では、その代表的なものを紹介します。就活界のマジックワード1:「ホワイト企業」近年、有名企業の若手社員の過労死問題・政府の働き方改革の推進・業務効率化のノウハウの普及などにより、社員を酷使するブラック企業への反発やワークライフバランスへの関心が高まってきているように感じます。これより、ブラック企業=悪・ホワイト企業=善といったような風潮が生み出され、就活生の間でも"ホワイトさ"を軸として企業選びをしている層が一定数存在しています。もちろん、従業員を酷使して過労死に追いやったり、法令に違反するような労務管理をしている企業は、当然絶対的な悪として判断していいものでしょう。では、逆に「ホワイト企業」とはどういった企業を指すのでしょうか?・給料が高い・適正な人事評価・休みが多い・人間関係が良好・定時で帰れる・やりがいのある仕事ができるこれらの例に共感できる人もいれば、「それは違うのでは」と否定的な項目がある人もいるでしょう。一般に、ホワイト企業はワークライフバランスと紐づいて語られがちであり、残業の少なさや有休消化率といった労働時間を基準としたイメージを持つ方が多いと思っています。全ての社員にとってホワイトな企業なんて無いんだってよく分かったよ。無能は無能らしい就職をしろってね。参考:ホワイト企業だったら良いですね。一方、定時帰りや有休消化率100%といった誰もがうらやむような労働環境の企業であっても、この文が示唆するように、それが「自分にとって」ホワイトであると結論づけられるかは定かではありません。この動画の主人公のように、基幹職から外れたことを「会社の中心から外された」と悲観的に考える方もいるでしょうし、温い職場環境をホワイトなものとして好意的に考える方もいるでしょう。また、仕事内容云々よりも定時退社ばかりに目を向けているようでは、実際に働いた際のやりがいの欠如や、貴重な若手のうちにスキルが身につきにくくなり、結果的に一企業に依存する。すなわち、「つまらない」仕事をする「使えない人材」として、長期的に見ればワークライフバランスの取れた生活から外れてしまうという推測もできるでしょう。企業側もアピールを進める"ホワイト感"今や採用HPや就職四季報に限らず、転職サイトや掲示板等でも(真偽は別として)労働環境に関する情報はあらゆるところで入手することができます。こうした学生の関心の高さも相まって、最近では合同説明会や個別説明会でも自社の平均残業時間といったデータを開示し、自社の"ホワイトさ"をアピールしてくる企業は増えている印象があります。就活界のマジックワード2:「裁量が大きい」「若いうちから大きな仕事を任されたい」という考え方を持つ就活生は毎年一定数いると思っています。恐らく多くの方が「裁量が大きい」という言葉をこのような意味で用いているのではないでしょうか。特にベンチャー気質のある企業においてこの言葉はマジックワードとして用いられることが多い印象を受けます。では、「大きな」仕事とはこの場合何を指すのでしょうか。スケールの大きい仕事。ではスケールとは何で図られるのか...「裁量が大きい」という言葉は、先ほどの「ホワイト企業」と似たように、大きいことが良しとされ、小さいと「自分の意見や考えが反映されにくく責任のある仕事を任せてもらえない」といったように語られることが多い気がしています。参考:この記事でも述べたように、例えば「裁量」を「扱う金額の大きさ」と定義すれば、ベンチャーよりも大手企業の方が満たされる可能性が高いわけであり、裁量権が大きい=ベンチャーという短絡的な考え方は改めるべきでしょう。「若いうちから大きな仕事を任されたい」は何もベンチャー志望者だけが考える言葉ではない一方、日系大手企業の場合でも、「若いうちから任せられる」という言葉を採用メッセージとしてアピールしている企業も一定数存在しています。自分は学生時代の経験にやりがいがあり、その経験に繋がる軸を用意していました。「1点目は若手から大きな仕事を任される企業です。2点目は様々な人々と関われる企業です。3点目はグローバルな環境の企業です。」というように答えたところ、1点目の軸に対して面接官からは「若手って何年目までのこと?」「大きな仕事って具体的には何?」「若手の時に1人で中くらいの仕事をするのか、中堅の時に大きな仕事をするのかでも前者が良いの?」「大きな仕事が任されないと嫌なの?」というような質問が返ってきました。参考:例えば某日系大手素材メーカーであるA社ですが、上記のようにESで短い文言で記載した企業選びの軸について面接で厳しく深堀りがなされるようです。このように、裁量権や若いうちから任せられるという言葉について考えるべきなのは何もベンチャー志望者だけではありません。中長期的なキャリアパスを描くことが多い日系企業の場合は、「若いうちから」というだけで無く、その後中堅・ベテラン社員になったときについても自分がどういった働き方をしたいと考えているのかを整理しておくべきでしょう。就活界のマジックワード3:「風通しのいい会社」「風通しのいい会社」という言葉も、先ほどの「裁量が大きい」と並んでしばしば"いい会社"の特徴として用いられることがあります。こちらも人によって定義が分かれますが、一般には「自分の意見を発信できること」が条件となることが多い気がしています。特に新卒就活の場では「若手の意見も積極的に採用してもらえる」という意味を含むことも出て来るでしょう。また、もう少し広い意味で「人間環境が良好な職場」というイメージを持たれるケースもそれなりに多いと思っています。「風通し」については、二項対立では無く「いい」という表現であることに問題があるのかもこれまで見た2つのマジックワードは、ホワイト⇔ブラック・大きい⇔小さいといったような二項対立の言葉を含む一方、「風通し」については「いい」⇔「悪い」という優劣的な文言である点は一部問題なような気もしています。先ほどのA社の深堀りのように、企業選びの軸を選定する際は二項対立で判断することが有効です。参考:「風通し」という何だか爽やかな文言が「いい」のであれば「いい方がいいに決まっている」わけであり、漠然とした好意的なイメージからマジックワードと化してしまっているのかもしれません。しかし、意見を述べるにも評価するにもやり取りが発生する中で、「とりあえず意見を言えば聞いてあげる」といったような姿勢はコスト的に無駄になることもあるでしょう。「風通しがいい」環境においては、「全く理にかなっていない意見」「背景を全く鑑みていない意見」といったようなものもとりあえず発言しようという考えが生じ、建設的な議論を阻害する一因となる可能性も考えられます。(もちろん、「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」ばかりが重視される環境はそれもまた問題でしょうが)「風通し」の場合でも、結局のところ「いい方がいいか」についてはその定義付けや職場での活用のされ方に依存するものであり、絶対的な価値としてマジックワードとして用いることは(企業側も学生側も)賢明な判断とは言えないでしょう。就活界のマジックワード4:「部署による」さて、ここまでは企業側が出す採用メッセージや学生の軸に関するマジックワードが並びましたが、4つ目はやや登場のシチュエーションが異なる言葉になります。ここまでのマジックワードを採用担当、もしくはOB訪問や座談会で現場社員に尋ねたとき、「ここの会社って残業多いって本当ですか?」(ホワイト企業)「若手でも任せてもらえる社風ですか?」(裁量が大きい)「職場の皆さんで飲みに行かれたりしますか?」(風通しのいい会社)(これらの質問が適切かどうかは別として、)恐らく多くの社員は答えるでしょう。「うーん、まあ部署によるかな」。YesともNoとも答えない、学生側からしたら歯切れが悪いとも捉えられる回答。とりあえずこう言っておけばいいだろうぐらいな回答とも感じうるため、面談界のマジックワードとして機能している言葉という考えも生じると思います。「部署による」のはだいたいが"正解"では、なぜ多くの社員の方は学生からの質問を「部署による」で済ませるのか。答えは簡単で、会社全体の傾向を問う質問は、本当に部署によって回答が異なることが多いためです。新卒採用において、総合職の一括ポテンシャル採用をすることが多い日系大手企業。メガバンクのコース採用や伊藤忠商事の先決め採用といった例もあるものの、基本的には入社するまで自分が実際にどのような業務に携わるのかはわからないものです。そこでは、部署・勤務地・職種などが異なれば同じ一企業内でも組織風土が異なることから、「部署による」という回答はだいたいの企業で当てはまるある種妥当なものと言えるでしょう。大方の人が「他の銀行で働いたことがないからわからない」といって答えが終了するので、実は無意味な質問の一つとのことです。みずほFG人事部採用総括次長のインタビューでもそのように語られています。ちなみにですが、質問の仕方を変えて、「なぜ今の銀行を選んだのか」だと、ある程度的を得た答えが返ってくることが多かったです。参考:結局、人事であろうとOB訪問先の社員であろうとあなたの先に入社した先輩に過ぎず、自分が実業務で携わったところ以外のことを聞かれても正直わからないものです。まして上記のように同業と言えども社外のこととなれば尚更でしょう。社員は企業のことを何でも知っているわけではないことを認識することが、質問力向上のための第一歩として重要であり、何よりそれがお互いのためでもあることは認識しておいてもらえたらなと思います。企業理念にも敏感で、企業理念の素晴らしさを面接で語ってしまったりします。実際に中で働いている人が自社の企業理念を知っているかというと必ずしも知っているとは言えなかったりするんですが、ガンジー就活生は企業理念を全ての社員が胸に刻んで働いていると考えてしまいがちです。参考:OB訪問をする際は「部署による」ことを前提とした準備をすべき「」でも述べた通り、OB訪問を学生・OB双方にとって有意義なものにするためには「仮説を持つ」ことが重要です。本記事ではこの仮説=志望動機・学生時代頑張ったこと・自己PRについて自分なりの答えを用意することであると書かれています。そしてその仮説をもとにOBへ質問をする際も、相手の所属部署といった経歴に沿って検証がしやすい問い方をすることが必要になるでしょう。「相手の立場に立つ」というのは就活界でも学生側がしばしば語る文言ですが、実際にそれが行動として出来る人は案外少ないものです。(ある種これもマジックワードかもしれません)相手意識を保つことはビジネスパーソンとして求められる基本的な素養でもあり、明らかに「部署による」で終わってしまうような質問を避けることはその一要素になり得ると考えます。就活界のマジックワード5:「トータルソリューション」就職活動への意識が高い学生が目指す典型的な業界として挙げられる外資系コンサル・外資系投資銀行。特に前者の中でもBCG・マッキンゼーといった戦略コンサルと呼ばれる立ち位置の企業は採用数も非常に少なく、最上位の学生のみが内定を勝ち取る企業群とされています。しかし、この"戦略コンサル"という言葉について、近年変化が生じてきているようです。参考:「パワーポイントで奇麗にまとめた提案資料をクライアントに発表する」といったいわゆるコンサルタントとして思い描かれがちなイメージとは離れ、近年はその実行部分まで携わるビジネスモデルに戦略コンサルと呼ばれる企業も移行しつつあることが指摘されています。これまでの戦略コンサルのビジネスでは、"机上の空論"として世の中のニーズからはずれていっているのかもしれません。そんな戦略策定部分にしか携わらない従来型の戦略コンサルと比較して、実行まで一気通貫で携わることを「トータルソリューション」と呼ぶことがあります。システム開発において、自社は要件定義・外部設計といった上流工程のみ行い、コーディングを始めとした製造部分の多くは協力会社にほぼ丸投げする。こういったありがちな産業構造とは逆の考え方にあたるのがこのトータルソリューションになります。「何でもやります」こそが最高だという風潮このように、案件に一部分しか携わらないよりもフルラインで携わることこそが善であり、「自社で何でもやる」という姿勢が正しいような風潮は少なからずあると思っています。例えば、高い技術力からクライアントへ多様なソリューションを提供できるといったことは強みとして示すには妥当性があるでしょう。IBMは世界最大手のIT企業として約170カ国にわたるグローバルネットワークを有し、さらに長年蓄積されてきたノウハウや製品を保持しています。そのため、顧客の課題を解決する「武器」を多く揃えており、コンサルタントからすればクライアントに提案できる解決策の幅が広くとてもありがたいことだと思います。参考:しかし、近年の業界の流れを見ていると、必ずしも携わるフェーズが多ければ多いほどよいというわけにはいかなくなってきているように感じます。システム開発においては今や利便性の高いパッケージが数多く存在しており、ハードの手配云々から始めるオーダーメイドの提案が効率性に欠けることは想像に難くないでしょう。世界的な技術力の進歩などにより業界として競合性が増す昨今。顧客が求めるものも当然変化しており、オーダーメイドかつ高品質なサービスというよりは、コスト削減や一部分に限定したピンポイントな機能へのニーズが高まってきている傾向にあるとも指摘されています。三菱商事がひとつに連なったバリューチェーン構築(例:「飼料の生産→鶏肉の生産→鶏肉の加工→ケンタッキーなど小売流通」の流れをすべて支配する)に長けるのに対して、伊藤忠商事は既存事業とのシナジーが見込める優良ビジネスをピンポイントで「点的支配」している(例:傘下にファミリーマートを持っている→レジ決済を強化するために決済サービス会社を買収する)、という指摘です。参考:また、この話は何もSIerに限ったものではなく、上記のように例えば総合商社の間でも業界内で「どこまで携わるか」によって立ち位置が異なることなるという指摘もあります(「何でも(全部)やります」の三菱商事・「これだけやります」の伊藤忠商事といったところでしょうか)。これを見ても、「一連の流れに携わる三菱商事は善だが、一点に集中して携わる伊藤忠商事は悪」という考え方にはまずならないでしょう。富士通やNECに代表されるような、自社でハードの製造とシステム開発も行い合わせて販売するようなビジネススタイルは、今後も落ち込んでいくという指摘が広くなされています。クライアント側も情報化社会の波やシステム回りの発注選択肢が広がっていてきていることを受け、「とりあえず富士通に全部任せておけば安心」といったような考えには至らなくなってきているのが市場の流れとして指摘できるでしょう。コスト削減や納入までのスピード感が高まっていけば、アジャイルやプロトタイプモデルといったクライアントからの要望変更に対応しやすい開発手法の割合も高まる可能性も考えられます。SIer志望者の方は、以下のようにトータルソリューションを志望理由の一つとして挙げる際にも、「なぜ自分がトータルソリューションがいいと考えたのか」について、先述したデメリットも考慮しつつ考えておくべきでしょう。私がビジネスコンサルタント職を志望する理由は二点あります。一点は戦略から実行までというトータルソリューションを提供できるという点です。私は戦略だけに留まらず、クライアントの課題解決に最後まで立ち会うことこそコンサルタントの在るべき姿と考えます。もう一点は幅広い業界と関わることで課題に対して多角的な視点を得られるという点です。クライアントに最適解を提供するためには幅広い知識が必要であると考えます。参考:アクセンチュア【内定】エントリーシート(ビジネスコンサルタント)今回のようなコンサルタントやSIerに限らず、世の中の動きやクライアントからのニーズが変われば求められるビジネスモデルも当然変化していくことになります。「『良し』と言われているから良し」ではなく、自身の価値観や市場動向などと照らし合わせながら、「良しの理由」について気づきを得るきっかけとしていただければと思います。おまけ:就職後もつきまとうマジックワード上司:「自分で考えて」顧客:「認識の相違が...」今回は就職活動にまつわるマジックワードについて紹介していきましたが、実際にはビジネスの世界でもマジックワードが蔓延っている組織というものは存在しています。「自分で考えて」と言っておけば、とりあえず自分ボールの状況を脱せるほか、相手方の当事者意識の欠如を指摘するといった教育的側面も「ありそう」(だが実際は自分がわかっていないだけ)というような話です。また、最近ではよくメディア上でもネタ話として取り上げられていますが、本来日本語でも表現できる言葉を横文字で表現することで、あたかも凄そう/賢そうな雰囲気を出すこともあります。コンセンサス・ビジョン・プライオリティ・アグリー・イニシアティブ辺りがその典型でしょうか。最後に「」でも述べたように、エントリーシートの書き方を習得するには、まずは先輩たちの中で評価されたものを真似るような形で記述してみることが有効と考えています。とは言え、なぜそれが評価されているのかを理解しないまま思考停止で何となく写すだけでは意味がありません。これはマジックワードを用いる際にも近しいことが言えると思っています。本来"魔法の言葉"だったものが、気づいたときには空虚な言葉になっていた。そんなことがないように、「正しい」とされる事柄に疑いを持つように。魔法ではない、地に足のついた言葉で自分の魅力を伝えられる就活生になる第一歩として、本記事をご活用いただければと思います。なお、就職活動に不安があるという方には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、自分の就活の軸に合った企業選びを手伝ってもらえるだけでなく、その企業のエントリーシート・面接といった選考対策のサポートを受けることができます。少しでも興味のあるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。 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営業orコーポレート?総合商社内定者が懇親会で見た内定者のタイプ 営業orコーポレート?総合商社内定者が懇親会で見た内定者のタイプ 16卒の総合商社内定者です。筆者は8月の頭に某総合商社から内々定を頂き、内定者懇親会に出席しましたが、そこで内定者が大きく二つのタイプに分類されることに気づきました。今回は倍率100倍を越える難関の選考を突破した総合商社内定者の懇親会においてどのような内定者がいて、それは仕事に置き換えた時にどういう分類をされるのかにクローズアップしていきたいと思います。本記事のコンテンツ・総合商社内定者:営業向き内定者・総合商社内定者:コーポレート向き内定者・総合商社内定者の内訳・最後に・総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介総合商社内定者:営業向き内定者盛り上げ上手で商社マンといったらイメージするタイプの人です。非常に細かい気遣いができ、テーブル全体のボルテージを高めることに長けています。公式な懇親会の後の2次会のお店を抑えていたりするのには驚きです。彼らは入社後も営業部門の最前線で働き、数々の接待と数々の合コンをこなして、様々な案件を獲得するに違いありません。また学生時代から海外インターンやバックパッカーなど自分の意思で積極的に行動していた人が多くここに分類されるように感じます。総合商社内定者:コーポレート向き内定者先ほど紹介したお地蔵さん内定者の他にサポートに徹している内定者がここにグループ分けされます。スーツの上着を脱ぐ人がいればそっとハンガーを手渡す、飲み物が減ってきた人に対して次に何を頼むかを聞く、気分の悪そうな人をそっとトイレに連れていくなど例を挙げればキリがありませんが、宴会というフィールドにおいて完全なるサポート体制を敷いています。宴会においてリスクマネジメントに徹している学生はおそらく面接でもその能力が見抜かれ、リスクマネジメントを行う部署に配属されることでしょう。また宴会を盛り上げている営業向き内定者を引き立てている姿を見ているとまるで商社のビジネスが目の前で行われているような錯覚に陥りました。総合商社内定者の内訳ちなみに内定者の内訳としては体育会が2-3割、帰国子女が1-2割、女性総合職が1-2割でした。ただ体育会だから率先して盛り上げるであったり、帰国子女だからお酒が入ると英語で話し始めるということはありませんでした。また志望部門の話をしてみると営業志望の学生8割、コーポレート志望の学生2割といったところでしょうか。営業部門では若いうちに結婚した上で家族とともに海外に駐在したいと考えている内定者が非常に多いように感じられました。コーポレート部門を初めから志望している内定者は司法試験合格を目指していて法科大学院に通っている人や投資ファンドでインターンをしていて、投資の部署に入りたいなど専門分野に秀でている人が多くいました。最後に最終的な配属は人事社員が決めますが、今回は内定者の目線から内定者がどちらの職種に向いているのかを考えてみました。毎年ある程度、適性を考えた上で採用活動を行っているはずなのでわかりやすいぐらい営業向きの人やコーポレート向きの人が内定者に多くいるように感じられました。就活生のみなさんも人気業界である総合商社を志すのであれば、自分がどの職種で働くのかを考えてみたら良いでしょう。総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に総合商社志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 33,217 views

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