早慶の付属校出身者が就活に強いワケ

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最終更新日:2023年10月30日

早慶の付属校出身者が就活に強いワケ

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こんにちは。
16卒の早慶の付属校出身者です。

就職活動を終えて友人の就活の状況を見てみると、多くの人が志望する業界・企業から内定をもらっていたように感じます。そしてその中でも私の出身の付属高校の友人は総合商社・外資系投資銀行・外資系コンサル・外資系メーカーなどの名だたる難関企業から内定をもらっていました。また先輩方の話を聞いていても、これは毎年のように続いている傾向のように感じます。

今回はなぜ早慶の付属校出身者が就活において他の学生の一段上の結果を出すのか分析していきたいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

①生まれた境遇

これは先天的なものですが、圧倒的に大きな要因です。
早稲田の付属校であれば親が早稲田のOB、慶應の付属校であれば親が慶應のOBであることが多く、家族代々でその文化は受け継がれているようです。また親が一流企業の役員、部長クラスや経営者であることも多いです。親が会社の同僚や部下と休日も接する為、その子供は小さい頃からホームパーティーやイベントに参加することもあり、大人と話すことに抵抗を感じなくなります。

さらには就職活動の際には親のコネや繋がりを利用してOB訪問をすることもできます。
また重要ポストに就いている親は海外転勤をする可能性が多く、子供が小さいのであれば家族で転勤するでしょう。そこで小さい頃から異文化交流を図ることができ、語学も堪能になります。帰国後は帰国子女と呼ばれるようになり、その後に早慶の付属校へと入学していきます。

②周りの意識の高さ

生まれた境遇が非常に良い子供達が小学校、中学校、高校で一同に会するわけですから学力、ポテンシャル共に必然的に似たようなレベルでの競争が始まります。そして親の職業柄、家庭の食卓で交わされる会話のレベルも平均的に高いようです。
また情報感度が高く、非常に早い時期から自分の就職に関して考えている印象を受けます。実際に繋がりの強いOBが説明会を開く機会も多く、自分達が受けた恩恵を再び後輩達にもしてあげるなど良い循環が繰り返されます。
中学や高校の先輩の就職先を聞いたときに「あの先輩があの企業に入れるなら自分も入れる」と思えることは私にも多々ありました。

③プライド

小学校、中学校、高校からエスカレーター式で育ってきた学生は非常に愛校心が強くなります。
私自身も付属校出身者としてのプライドと親に対する感謝の気持ちもあり、自分が志望する難関企業にはなにがなんでも入りたいという気持ちがありました。大学から慶應に入学した人を否定するわけではありませんが、慶應に入学したことで満足してしまい、華のキャンパスライフを楽しんでいる人が多いように感じます。

④体育会の多さ

2013年のデータを見てみると(早稲田と慶應の内部進学の割合)早稲田は内部進学者の割合がおよそ13%、慶應義塾大学が21%です。
これはデータがあるわけではないのですが、私自身が体育会だったので、周りの部活の体育会部員の出身校を見た結果、付属校出身者が多かったように感じます。付属校であれば体育会への練習参加もしやすく中高生の頃から体育会の部活の雰囲気を感じ取ることができます。そういう意味でもミスマッチの少ない体育会に所属することを選択する学生は多いでしょう。
また付属校出身者は大学受験に時間を割かなくて良い為、その分を中学高校を通して取り組んできたスポーツに割けるのは体育会に入部する一つの要因になると思います。

最後に

早慶の学生の就職実績はもともと良く、以下の東洋経済の「本当に強い大学」総合ランキングにおいても上位に食い込んでいます。ただその中でも親が大企業に勤めており、中学、高校からレベルの高い環境でしのぎを削っていて、プライドもある付属校出身の学生の就職実績には目を見張るものがあります。早慶の学生は情報感度の高い付属校出身者と関わりを持ち、早い時期から就職活動について考えることを強くオススメします。

photo by Martin Thomas

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書評:『新卒採用基準: 面接官はここを見ている』 書評:『新卒採用基準: 面接官はここを見ている』 今回紹介するこちらの書籍では、タイトルの通り、企業の新卒採用基準について解説しています。373ページというボリュームのある本であり、その分採用側の視点を詳細に知ることができます。本書の著者である廣瀬氏はリクルート→一部上場企業人事責任者→独立しリンクアンドモチベーションの講師として10,000名以上の社会人に教育研修を担当→就活コーチとして1,000人以上の学生の就活支援を行うというキャリアを歩んでおり、企業の採用活動と人材育成、就活生の就職活動支援の三方の経験を持っています。そんな著者が感じた「企業が求めるもの」と「学生が求められていると思っているもの」とのギャップについても触れており、多くの就活生にとって有用な情報だと感じました。『新卒採用基準』本書の内容本書では、企業が採用の際に注目する「5つの基準」についてそれぞれ説明しています。就活の早い時期はもちろん、志望企業の選定やES提出、テストや面接試験などのどのフェーズであっても有益な情報が書かれているものと思います。筆者が挙げる「5つの基準」は下記となります。①人間性本書では評価される人間性を「自己肯定感が高く、他者軽視感の低い【自尊型】の人材」として語っています。企業が求める人材の代表的なものとしてunistyleで挙げている「リーダーシップのある人材」は、筆者の言う自尊型の人材と近いものと思います。また、一言にリーダーと言っても、先頭に立って高いカリスマ性でチームを引っ張るタイプのリーダーもいれば、各メンバーを十分にケアし信頼を得ていくタイプのリーダーもいます。大きな方向性としては自尊型の人間性を持った上で、その中でもそれぞれの人柄・キャラクターが垣間見えた時に面接官は共感を覚えてくれるのかもしれません。参考:「リーダーシップ」を挙げた自己PRパターン②仕事力新卒採用は基本的には長期雇用が前提であり、1人採用すれば未来に渡って数億円の金額を支払うことになります。そのため、企業が欲しいのはその数億円に見合うだけの「自社に利益をもたらせる人材=仕事ができる人材」だと言えます。本書の中でも、仕事の目的や目標について詳しく語られています。学生時代の経験から「仕事ができそう」だと思われるには、仕事においても活かせる学び・方法論を採用側に伝えることが重要です。「頑張ったから結果が出ました」ではなく、「結果を出す上ではメンバーの士気を高めることが重要→士気を高める上で大切なことは◯◯」といった方法論まで語れると評価されると言えます。参考:あなたの自己PRが嘘っぽく見えないために「方法論」は語るべき③表現力筆者は、いわゆるコミュニケーション能力に加えて、声や姿勢、表情などの要素を含めて「表現力」と定義しています。相手の自分に対する印象をコントロールする力とも言えると思います。仕事においても、相手から見た自分の印象をコントロールすることは常に求められます。本書では「ビジュアル」「ボイス」「バーバル」という3つの表現要素について細かく説明しており、「話す内容」に加えて「話し方」の重要性を伝えています。話す内容も練りつつ、相手に良い印象を与える話し方を習得することは面接通過率を高める上で有効だと感じます。しかしながら、話し方などの技術を覚えた際に、実際の面接でそれらを活かせるかどうかは「慣れ」による部分も大きいと感じています。実際、最終的にトップ企業に内定するような学生でも面接慣れしていないうちは多くの企業でバンバン落ちます。社会人から評価されながら話すのは、友人とのおしゃべりとはまったく異なりますので是非色々な機会を活用して、面接慣れして欲しいと思います。参考:ぶっつけ本番で本命企業面接を受けるというリスク、インターン選考・スカウト系イベント活用のすすめ④就活スキル業界選定や、エントリーシート・面接・グループディスカッションなど各選考段階を通過するためのスキルであり、unistyleで主に伝えている事柄です。本書の中でも自己分析から役員面接まで幅広い選考段階で評価されるための技術を説明しています。unistyleでも「内定数=①エントリー数×②筆記試験通過率×③グループディスカッション通過率×④エントリーシート・面接通過率」と定義しており、就活に向けた準備をしている際にもこの式のどの変数を高めているのかを常に意識して欲しいと思います。また、闇雲に自己分析をするのではなく、まずは一人でも多くの社会人の話を聞いて、多くの業界の働き方を知るべきだと感じます。なお、話を聞く際には自己PRなどの添削もどんどん受けて欲しいと思っています。unistyleの企業選考対策では、各業界の働き方に基づいた求められる人材を考察しているので是非ご一読ください。⑤+α(プラスアルファ)上記の4つの基準に加えて、学歴などのスペックや、ニュースや書籍に触れている頻度がこの+αとなります。スペックについては高いに越したことはないので高める努力も必要ですが、学歴などのどうしようもない部分についてはある程度割り切って考えて欲しいと思っています。また、偏差値上位校であっても「自社で成果を上げられる人材」でなければ採用はされないため油断は禁物だと筆者は述べていますが、まさにその通りだと言えます。学歴などはあくまで「スクリーニング基準」であり、内定の有無を左右するのはその企業ごとの「採用基準」を満たしているかどうかだということをしっかり認識して欲しいと思います。参考:「スクリーニング基準」と「採用基準」の違い「企業が求める能力」と「学生が”企業から求められていると思っている"能力」は異なる企業が注目する「5つの基準」を語る上で、そもそも企業が学生に求めるものについて、多くの就活生が思い違いをしていると著者は述べています。企業は学生に対し、「主体性」「粘り強さ」「コミュニケーション力」といった能力が不足していると感じているのがわかります。(中略)一方、学生は、自分自身について「語学力」「業界に関する専門知識」「簿記」といった、「知識」が不足していると考えています。※『新卒採用基準』より抜粋企業が求めるのは仕事で成果を上げる「能力」である一方で、学生が自身に足りないと感じているのは「知識」という傾向があるようです。このギャップに気付かないままいると、企業の売上や利益に関する知識収集や、資格取得ばかりに躍起になる就活マニア・資格マニアになってしまい、しかも企業からはあまり評価されないという不幸な事態に陥ってしまうため注意が必要です。unistyleでも、業界研究で重要なのはOB訪問などを通して現場社員の「働き方」を知り、自身の経験や価値観と照らして適性の有無を考えることだと伝えています。売上・利益・投資基準などの表面的な企業情報の収集に終始してしまう学生が多いのは非常にもったいないと感じます。参考:こんな志望動機は嫌われる!評価されない志望動機の実例最後に:他者の話を鵜呑みにしてはいけない本書の中でも語られていますが、就活本の情報でも先輩の話でも、結局他者の考えをそのまま鵜呑みにするのは危険だと言えます。先輩やOB・OGに面接について聞いても、「就活では、根ほり葉ほり聞かれたけど、学生生活を充実させていれば大丈夫だよ」程度のことしか語ってくれない人が多いといいます。(中略)たとえ人がうらやむような人気企業に受かった先輩でも、自分がなぜ受かったのか、きちんと把握している人はほとんどいません。※『新卒採用基準』より抜粋就職活動は多くの人にとって一度きりの経験であり、その成功失敗も再現性のある考え方に基づいたものかはわかりません。何が良くて何が悪いのかは、自身で判断して情報の取捨選択を行う必要があります。この考え方の範囲を広げると、例えば企業説明会での「若手にどんどん仕事を任せる会社」といった情報も、裏を返せば、若手に仕事を押し付けてオーバーワークさせがちな会社である可能性もあります。さらに言うとunistyleに掲載している情報や考え方についても最終的にどう判断するかは皆さん次第ですし、今回紹介した『新卒採用基準』の中でも、読み手それぞれにとって重要度の高い情報とそうでない情報とが混在していると思っています。色々な考え方の裏にある「なぜ?」を意識し、情報を適宜取捨選択しながら今後の就職活動を進めていって欲しいと思います。『新卒採用基準』photobyRobertCouse-Baker 26,846 views
「転職」で総合商社を比較する ―投資側への転職なら三菱商事を選べ― 「転職」で総合商社を比較する ―投資側への転職なら三菱商事を選べ― 新卒就活中の皆さんは、どれだけ【入社後の転職】を視野に入れているでしょうか?日本的な終身雇用原則が崩れつつあるなか、同一企業に40年勤め上げることを過度に信奉せず、将来的な転職までを見越して新卒入社先を検討するべきでしょう。unistyleでも「勝ち組企業に内定したと思ってる学生は「ブラック・スワン」を読んでおこう」・「10年前は東電・シャープに入社した人は勝ち組だった」を始めとした記事で、入社時のブランドや給与水準が永劫保証されているわけではないとお伝えしています。また、入社してから転職活動のための業界研究ができる時間は限られていることから、就職活動の段階でベンチャー起業も含めて幅広く様々な業界を受けることが重要であると考えています。参考:優秀な就活生は3年後の転職を見据えて幅広くベンチャー企業まで受けている今回は、いわゆる日本的大企業の代表格とも言える「総合商社」をピックアップしました。実際の転職者データをもとに、【総合商社に新卒入社した方の転職キャリア】について考察していきたいと思います。転職キャリアのリサーチunistyleでは「人気企業に新卒入社したあとに転職して辿り着くエリートキャリア」を考えるため、◆プライベート・エクイティ・ファンド(PE)◆ベンチャー・キャピタル(VC)◆戦略コンサル◆ベンチャー企業の創業者および役員(未上場も含む)以上4つの集団の現職者に対象を限定し、これに該当するビジネスエリート計1231名のキャリアをリサーチすることで「一流転職市場のリアル」に迫りました。(なお、全ての情報は有価証券報告書ないし企業HPから収集したものです)総合商社の転職事情今回は【総合商社からの転職ルート】、特に【ファンドへの転職】にフォーカスします。新卒就活市場において非常に人気の高い総合商社ですが、その後の転職までを視野に入れて検討している学生は決して多くないと思います。・実際に総合商社から転職した方が、その後にどんなキャリアを歩んでいるか・各総合商社を比較したとき、その転職キャリアの傾向に違いはあるか本記事から以上2点を把握し、キャリア選択の好材料としていただきたく思います。a.総合商社から転職する人数は多くない最初の論点は、「そもそも総合商社からの転職者はどの程度いるか」という点です。以下、4つの集団それぞれにおける総合商社7社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、双日、豊田通商)出身者の人数を合計しました。◆各集団の7大商社出身者(人)PE(N=169)VC(N=182)戦略コンサル(N=138)ベンチャー役員(N=742)合計(N=1231)16(1)12(3)7(1)32(4)67(9)※()内は総合商社出身者のうち、各商社に中途入社した人数【総合商社からのエリート転職者は、決して多くはない】と評価していいでしょう。以下の表の通り、母集団1231名のなかでリクルート出身者が63名、マッキンゼー出身者が50名ということを鑑みれば、総合商社7社合計で67名というのは大きい数字ではありません。◆母集団(N=1231)のうち、出身者が多い上位5社(人)1リクルート632McKinsey&Co.503Accenture494BCG345GoldmanSachs33実際のところ、総合商社は給与水準も高いうえ、年功序列・終身雇用の日本企業体質が多分に根付いており、極めて離職率の低い層の企業と言えます。したがって、各総合商社の社員は「そもそも転職市場に出て来にくい」層であり、また「転職市場価値が必ずしも高くない」層だ、というのが実態でしょう。参考:意外に低い総合商社人材の転職市場価値b.総合商社から転職する3類型(投資/経営/起業)しかし、それでも転職に踏み切る総合商社社員が一定数いるのも事実です。総合商社を出る方の転職ルートは、主に3つに分類できると考えられます。◆総合商社を飛び出す転職の3類型「投資」「経営」「起業」志向事業・企業に投資する側に回りたい企業経営の上流に深く携わりたい自ら新規事業を立ち上げたい例・投資ファンド・投資銀行・コンサルファーム・ベンチャー役員・スタートアップ創業【投資】総合商社でプレイヤーとして事業に関わるよりも、そこに投資する側に移りたいと考える層です。商社社内の投資機能では満足できない、あるいはそこへの配属が叶わないケースや、より大きな額の給与を望むケース、その後のキャリアアップの為の助走として利用するケース等が考えられます。例:投資ファンド(PE、VCなど)、投資銀行(ゴールドマン・サックスなど)【経営】若いうちから企業経営の上流部分に携わりたいと考える層です。コンサルタントとして幅広い業界の企業経営に関与する、実際に社内の役員メンバーとして経営に参画する、といった実現方法に辿り着きます。特に前者は、その後のキャリア形成のための修行期間として捉える方も多いようです。例:コンサル(マッキンゼー、BCGなど)、各種ベンチャーの役員ポスト【起業】興したい事業の実現のため、独立・起業という手段を選択する層です。自分の「やりたい事業」のイメージをクリアに持ち、かつそれが総合商社で実現できない、あるいは若いうちに実現したいケースに選択されます(三菱商事の「SoupStockTokyo」、伊藤忠商事の「カブドットコム証券」のような、「総合商社に残ったまま社内起業」という選択肢も無いわけではありませんが、運良くこれを主導できるのは未だレアケースと言わざるを得ません)。例:スタートアップの創業メンバー(CEO、COOなど)参考:総合商社を辞めて起業したUnistyle株式会社を売却しました総合商社における社内ベンチャーの4つの実例安定した大企業に就職する学生におすすめしたい10%起業とバーベル戦略以下では、この3つの類型のうち【投資】、特に投資ファンドへの転職にフォーカスし、各商社間の転職実績比較から「総合商社から投資サイドに転職する際のリアル」を明らかにします。ファンドへの転職:際立つ三菱商事の強さa.投資ファンドへの転職実績を比較するunistyleが調査した、国内PE・VCファンドの現職メンバーにおける各商社の内訳です。◆PE・VCファンドにおける五大商社出身者の内訳(人)三菱商事三井物産伊藤忠商事住友商事丸紅合計PE11(1)2(0)1(0)0(0)2(0)16(1)VC6(1)3(2)2(0)1(0)0(0)12(3)計17(2)5(2)3(0)1(0)2(0)28(4)※()内は出身者のうち各商社に中途入社した人数三菱商事が圧倒的に多く、大きく水をあけられて三井物産、伊藤忠商事と続く格好となっています。住友商事、丸紅はそれぞれ少なく、投資ファンドへの転職という観点においては商社間で明白な差が見えてきます。※なお、各社グループ内ファンド(三菱商事:丸の内キャピタル、伊藤忠商事:伊藤忠テクノロジーベンチャーズなど)は調査対象から除外しています。b.示唆:「ファンドへの転職」なら、三菱商事を選ぶこの比較から導かれるのは、【総合商社で働きながら投資側への転職を見据えるなら、三菱商事が最良の選択だ】という示唆です。2015年度の決算では連結最終損益において設立以来初の最終赤字を計上し、伊藤忠商事に業界首位の座を明け渡した三菱商事。しかし、上記の「投資ファンドメンバー輩出数」においては、同社の揺るがない「人材力」「ブランド力」が透けて見える結果となりました。三菱商事の「17名(うち2名は中途採用で三菱商事入社)」という輩出人数は、他業界の企業を含めたなかでも相当多い数値です(以下表を参照)。上位2社へは中途採用で入社するケースが多いため、こと「新卒入社したケース」に限定してみると、三菱商事の「15名」という数値は全業界の中でも最多となります。将来的な投資ファンド入りを検討しているならば、三菱商事は全企業群のなかでも最良の選択のひとつであると言えるでしょう。◆投資ファンド(PE+VC)メンバー輩出人数・上位5社(人)1McKinsey&Co.24(12)2GoldmanSachs18(6)3三菱商事17(2)3日本興業銀行(現:みずほFG)17(3)5BCG16(6)※()内は出身者のうち、各社に中途入社した人数参考:2016年度総合商社上期決算レビュー三菱商事を抜いた伊藤忠の栄光はいつまで続くのかファンドへの転職事例:外コン・外銀の経由も有効次に、総合商社出身者が実際にどんな転職ルートを辿って投資ファンドに到達しているのか、実例を通じて考察しましょう。a.総合商社からファンドへの転職事例を見る【例1】水谷謙作氏(現・インテグラル/元・三菱商事)慶應義塾大学/理工学部卒慶應義塾大学大学院/理工学研究科修了一橋大学大学院/国際企業戦略研究科(金融戦略MBA)修了1998年三菱商事入社/機械グループ・プラントプロジェクト本部2003年同社/金融事業本部・M&Aユニット2005年モルガン・スタンレー証券/投資銀行本部・M&Aアドバイザリー部2006年GCA入社/M&Aアドバイザリー/メザニン出向2007年インテグラル入社/パートナー(現職)参考:インテグラル株式会社メンバー三菱商事から投資銀行、M&Aアドバイザリーファームへと転職してM&A経験を積み、現在はPEファンド・インテグラル社パートナーとして活躍されています。当初は三菱商事・機械グループにおいてプラントの海外輸出や事業投資に従事されており、その後に「投資」特に「M&A」という切り口でキャリアを展開されたようです。【例2】侍留啓介氏(現・CLSAサンライズ・キャピタル/元・三菱商事)早稲田大学/商学部卒シカゴ大学大学院/MBA2004年三菱商事入社/金融事業本部2012年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社2015年CLSAサンライズ・キャピタル入社/ヴァイス・プレジデント(現職)参考:CLSAサンライズ・キャピタルチーム三菱商事からマッキンゼー・アンド・カンパニーに転職し、その後にポスト・コンサルとしてPEファンドのキャリアを選択された例です。また、シカゴ大にてMBAを取得されていることも、その後のキャリア形成に重要な影響を与えていると推測できます。【例3】久保田雅也氏(現・WiL社パートナー/元・伊藤忠商事)慶應義塾大学/経済学部卒1997年伊藤忠商事入社1998年リーマン・ブラザーズ証券/投資銀行本部2008年バークレイズ証券/投資銀行本部2011年SMBC日興証券/投資銀行本部2014年WiL共同創業/パートナー(現職)参考:WiLTeam伊藤忠商事を僅か1年で退職し、16年間一貫して投資銀行のフィールドを歩んだのち、VCファンド・WiLの立ち上げに踏み切られた方です。なお、同社WiLの共同創業者のお一人である西条晋一氏(元サイバーエージェント、現コイニー取締役など)も伊藤忠商事のご出身です。b.示唆:「ファンドへの転職」なら、外コン・外銀の経由も有効だ総合商社からファンドへの転職を考えるとき、上に例として挙げさせていただいた方々のように【総合商社から外資系投資銀行や戦略コンサルを経由し、そののちにファンドに転身する】というルートを辿る方が相当数いるようです(以下、表参照)。◆総合商社に新卒入社後、投資ファンドに辿り着くまでに経由した企業(人)投資銀行戦略コンサルファンドへ直接その他PE:14名3560VC:9名1035とりわけPEファンドにおいては半数以上が外資投資銀行・コンサルを経由しているため、【将来的にはファンドで投資業務に従事したいが、そのための助走期間として投資銀行・コンサルに転職する】という転職アプローチも有効である、という仮説が立ちます。最後にいかがでしたでしょうか。本記事では、◎総合商社からの転職3類型(投資/経営/起業)総合商社からの転職者は大きく分けて3パターン、①投資、②経営、③起業の3つがあります。◎「ファンドへの転職」なら、三菱商事を選ぶなかでも「投資」の転職としてPE・VCファンドを目指すケースでは、総合商社のなかでは三菱商事が圧倒的な実績を挙げていると言えます。◎「ファンドへの転職」なら、外コン・外銀の経由も有効だそして、投資ファンドを目指す上では、まず総合商社から外資系投資銀行、戦略コンサルに転職し、そこを経由するかたちでファンドに移るというアプローチも有効なようです。以上の3点がポイントになるとまとめることができます。「本当に自分が入社すべきは総合商社なのか」「総合商社のなかでもどこを選ぶのか」という問いを考えるとき、上記のような転職市場における実態というポイントも重要な切り口の1つになるでしょう。皆さんのキャリアを考えるうえで、本記事を参考にしていただければ幸いです。 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