渾身のアピールが評価されるとは限らない!大手企業9社内定の就活生が意識した「伝え方」

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最終更新日:2024年01月22日

渾身のアピールが評価されるとは限らない!大手企業9社内定の就活生が意識した「伝え方」

こんにちは、16卒の金融業界内定者です。

私は2015年の2月から就職活動を始め、最終的に金融機関や大手航空会社、通信、メーカーなど大手企業9社から内定を頂きました。

面接の場で十中八九聞かれる質問として、「学生時代最も頑張ったこと」を聞かれる事になると思います。私は時間的にも労力的にも頑張った「新規事業でのインターン経験」をアピールしていました。幸いこのインターンでは概ね満足のいく成果を残すことができ、面接官もES・面接で人気企業内定者が企業に伝えていた5つの強みとは?を感じ取ってくれるだろうと解釈していました。

しかし、ある出来事をきっかけに「アピール内容の盲点」に気付くことができ、それを修正したことで9社の内定を得ることができたのだと思います。

本記事では、その盲点と就活生の皆様に是非留意して頂きたいポイントについて紹介したいと思います。

私の学生時代頑張ったことのフレームワーク

ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-に沿ってアピールしていたので、ある程度内容をぼかした上で紹介したいと思います。

【(1)結論】
大学生対象の教育関連の新規事業を軌道にのせることに力を注いだ。

【(2)動機】
誰も成し遂げたことのないことに挑戦したい・後輩が将来活躍するきっかけを作りたいと考えていた。

【(3)目標・困難】
新規顧客になりうる大学生予備軍の高校生の入学を促進しようと考え、系列会社の予備校に通う高校生をターゲットとした。系列会社のため協力に対する同意を得る部分は容易だったが、問題はその会社で働く方と私との信頼関係が0の状態からスタートすることであった。そのため、高校生に対して営業を行う上で問題となる点を共有してもらうことさえ当初は困難であった。

【(4)取組・工夫⇒結果】
それまで担当する予備校には電話でのコンタクトを主流としていたが、実際に足を運ぶスタイルに変更した。実際に会って話を聞くことや、自分の事業に懸ける思いを共有することで心理的な距離が縮まり、次第に悩みや問題点を共有してくれるようになった。その結果、私と同じ業務を担当していたインターン生数十名の中でも好成績を残すことができた。

【(5)人柄】
真面目に話に耳を傾ける性格が、信頼獲得の際に活かされた。最後まで諦めずに物事をやり遂げる粘り強さも成功要因だと考えている。

【(6)学び】
相手の信頼を得るためには相手のところまで実際に足を運ぶような真摯な姿勢を見せることが大事だと実感した。自分自身の持ちうる熱意を伝えることが大事だと学ぶことができた。

文面にするとそこまでではないですが、このように独自性はあるものの、聞き手・読み手が初見で理解するには高い能力が必要なアピール内容になっていました。

渾身のアピールが評価されるとは限らない

学生時代頑張ったことを話す場としては、圧倒的に一次・二次面接の時が多い印象です。序盤の私の一次・二次面接通過率として、個人面接はおよそ8割ほど・グループ面接はおよそ3割ほどでした。この通過率の開きについては後ほど考察するとして、当時の私は自分の何が通過率を下げているのか全くわかりませんでした。

上記のようにガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-に沿ってアピールしていたので、毎回自信満々で面接会場をあとにしていたにもかかわらずです。自分の頑張った取り組みについては誰よりも自信があり、特にグループ面接の場においては内容面からも自らのアピールが最も光っていたと自負したこともあったくらいです。

学生時代頑張ったこと以外の部分で評価されず、企業研究が足りないのだと思い込むようにして多くの企業の説明会に参加していました。

模擬面接を経て知った伝え方の大切さ

幾多の企業の説明会に参加する中で、ある金融機関の模擬面接会に参加する機会を得ることができました。学生時代頑張ったことを30分間ひたすら深掘りされ、ブラッシュアップするという趣旨のものでした。

まずは時間制限なく頑張ったことをアピールしてくださいということで、私の上記のように整理した渾身の学生時代頑張ったことをアピールしました。自信満々にアピールし終えた私に面接官の方がおっしゃったことは「何のことだかよくわからない」ということでした。

そこから面接官の追加質問を基に、ホワイトボードに新規事業の中で私が担当していたことや事業の仕組みを図式化して書き出すことを行ったところ、「要するにこんな感じのことを伝えたかったんだよね?」というアドバイスを頂きました。蓋を開ければ自分の意図していたアピールが面接官に伝わっていなかったということがわかり、これこそが私のグループ面接(学生一人当りの持ち時間が短い)通過率の低さの原因だったのだと痛感しました。

新規事業インターン経験をどのように伝えたのか

模擬面接終了後、そこでのアドバイスを基に「具体的にイメージしてほしいのは、損害保険会社の代理店営業です。」と「例え」を前置きするようにしました。

系列会社の予備校に通う高校生が入学してくれるように、予備校で働く方の悩みを解決したり、仕組みを整えるという仕事内容は損害保険会社の代理店営業とほとんど同じだと考えていたからです。この取り組みを実践したことで、一次・二次の個人面接やグループ面接で落ちることはほとんどなくなりました。面接官に私の取り組んだことのイメージを持たせることができた点が評価につながったのだと思います。

3メガ損保の一角の面接の際には特に共感を得ることができ、内定を頂くことができました。

最後に

他の学生と差をつけるために、16卒の就活生でもまれにユニークなインターン・アルバイト経験を伝えている方が見受けられました。取り組んだ内容の凄さがなんとなくは伝わってくるものの、その具体的な内容が他者の頭に入ってこない・面接官の消化不良に陥ってしまっているということは非常にもったいないと思います。

上記のような「例え」を用いるのは伝え方のほんの一例だと思いますし、読者の方も「読者自身の学生時代頑張ったことについて前提知識のない方」にそれをアピールして、聞き手の持った印象を確認してみると良いのではないでしょうか。

自分の頑張ったことは自分が一番わかっているからこそ気づきにくいことですが、アピール内容が相手にとって理解しやすいものか立ち返って考えてみてほしいと思います。

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内定者が伝えるマスコミ業界志望者へのアドバイス5選 内定者が伝えるマスコミ業界志望者へのアドバイス5選 こんにちは。16卒のマスコミ内定者です。マスコミは高倍率であるがゆえに、選考対策をどのようにすればよいのか、迷われている方は多いのではないかと思います。就活中は私自身もどういった方針で対策していけばよいのか頭を抱えていました。しかし選考を受けたり、内定者の人に話を聞くうちに掴めてきたポイントがいくつかあります。なので、今後マスコミを目指す学生の皆さんに向けて、5つのアドバイスをお伝えしようと思います。1.マスコミ志望者が他業界を受けるメリットは実は大きいマスコミ志望者の中には、マスコミしか受けないといった方が一定数います。というか、かなり多いのではないかと思います。しかし筆者としては、メーカーや商社など、マスコミに広告出稿をお願いする側の企業も受けるメリットはかなりあると考えています。その理由を2点、説明していきます。(1)論理的に話すスキルの向上マスコミ面接は短いので、短い言葉で的確に伝えることが必要になります。そのスキルは、本番の面接を受けることで磨かれていきます。マスコミ面接で聞かれること、見られることは一般企業のそれと変わりません。一般的に見られているのは、以下の3つです。コミュニケーション能力問題解決能力リーダーシップマスコミの場合は多すぎる志望者を絞るため「+コンテンツへの愛」を厳しく見られますが、これについては後程述べることにします。(2)マスコミの果たす役割をより全体的にとらえることができるようになる幅広い企業を受けることで、なぜ自分が数ある企業の中でマスコミに就職したいのか、をとらえるきっかけになると思います。一般企業を受ける際も、当然企業研究をしますよね。そうすると、社会の中でマスコミの果たす役割もわかってくると思います。広い視野を持ち、そのうえで自分がマスコミという職業を通じて社会に貢献したいことを伝えられると、説得力が増します。ちなみに、筆者はほかにも専門商社や化学・素材メーカーなども受けていました。メーカーの広告はテレビCMや電車の中でもよく見かけますよね。マスコミというのは、消費者への架け橋であり、消費者から企業に対してのイメージを左右する立ち位置にいるわけです。外貨を稼ぎ日本の経済を支えている、社会の実質的な主役というのは、メーカーなど一般企業なのです。それでもなぜ、自分がテレビや映画といったマスコミに就職したいのか。考えてみるといいと思います。2.ESは他人に見せるマスコミのESは、「今後のテレビメディアはどのようになると思うか。また、今より魅力的にする新しいアイディアを書け」・「2020年東京オリンピックの目玉企画を考えよ」や「うちの局の会社名を思い切って変えるとするとどんなネーミングがよいか」といったアイディアを問うオリジナルの設問が多く、他業界とは大きく異なるため、時間がかかりがちです。こういったESは、真面目な学生ほど一人で悩んで、時間ばかりすぎてしまってもったいないという傾向があります。中には悩んだあげく期限に間に合わなくなり、ESが提出できない人までいます。アドバイスとしては、「一人で悩まずに誰かに相談して、ブラッシュアップしていく」ことを心がけてください。見せる相手はマスコミ関係の人ではなくても親や友人などでもいいです。未完成のものでもいいので誰かに見せて、意見をもらいましょう。めざすゴールはあくまで「内定」です。ES通過も大事ですが、そのあとにもっと大事な面接、筆記試験が待っています。ESにはとにかくまず手をつけさっさと片付けてしまい、面接・筆記対策・企画書作成などに時間を割くようにしましょう。3.提出を求められていなくても企画書を書こう提出を求められるESだけでなく、面接にそなえて企画書を考えていくことは重要です。なぜなら、面接で必ず聞かれるからです。たとえ聞かれなかったとしても、面接官は「コンテンツの企画を考えられる学生」を期待しています。それが「コンテンツ制作会社=マスコミで求められる能力」だからです。そのため、テレビ局などマスコミの面接では座って自己紹介をしたらすぐに「ウチでやりたいことを教えてください」と言われることも多いです。とくに一次面接では時間も非常に短いので(一人平均5分ほど。話の内容によっては2分で切る、という面接官も・・・)、ここで、どれだけ簡潔且つ具体的に、相手の興味をひくような企画を話せるかが勝負になってきます。企画書の書き方は別コラムの「」に記載しましたので、参考にして欲しいと思います。事前にしっかりと企画書を書き、面接でいつでも内容のポイントを引き出せるようにしておくのがよいでしょう。あるいはわかりやすく大きな字で企画の概要やポイントを紙に書くなどして、本番でそれを面接官に見せながら説明するというのも、話が早くて好印象につながると思います。4.コンテンツの勉強をしよう先ほど、「コンテンツへの愛は厳しく見られる」という話をしました。なぜなら、そこが学生の志望度や将来の仕事の出来を推しはかるための重要なファクターになるからです。ポイントは「好き」ではなく「愛」。ただ漠然と「〇〇という番組が好きです!理由は面白いからです!だからその番組を作っている貴社を志望してます!」というだけでは、もちろんアウトです。あるテレビ局内定者の方は、面接で自分が話すつもりの番組を、一年前のオンエアまでさかのぼって見ておき、「何年何月何日OAのどこの場面が好き」くらいまで言えるようにしておいた、と言っていました。また、面接で「ウチの番組挙げられるだけ挙げてみて」と言われたこともあるとのことです。最低、その会社の現行コンテンツは把握して話せるようにしてください。テレビ局なら、その局の番組は全部チェックしておくのがよいでしょう。さらにそれだけでなく、その企業の展開するウェブサービスや関連ビジネスも見ておくことをすすめます。テレビ局はHuluやオンデマンドなど、いまそれぞれに映像配信サービスを展開しています。ほかにも、リアルイベントビジネスなどにも各社の特色があらわれています。日テレは美術館の展示の企画なども行っています。フジテレビは「お台場合衆国」が有名ですね。上記のことを調べた上で、「他社と比べてこうだから、もっとこうした方がいいんじゃないの?」みたいな考えをまとめておき、面接で伝えられたら他の学生と差をつけられると思います。5.世間の人がどんな風にコンテンツと接しているのか観ておこうコンテンツはメディアを通して消費者のもとへと届きます。なので、メディアと消費者がどう接しているかに敏感になることが、コンテンツ制作会社(マスコミ)にいる人には大事だといえます。最近はメディアが多様化しています。たとえばひとくちに映画といっても、今はiTunesで買ったり、映画館で観たり、ニコニコで観たり、ケーブルテレビで観たりと様々な見方があります。自分の身近な人たちはどういったメディアを通して観ているか観察しましょう。今後世の中ではどのようなコンテンツの見方が主流になっていくのかなど、自分なりに考えてみてください。それを把握して、受ける企業が今後どの分野でどうやって戦うべきか、意見をもつようにしてください。最後にマスコミというとミーハー心で突撃して撃沈する人が多い業界だと思います。内定者の人を見ていると、メディアやコンテンツというものに対して普段から自分なりに問題意識を持ち、よく考えている傾向にあると感じます。私はどうしても映画が好きで、どうすれば日本映画がよくなるのか、考えずにはいられなくて、このような結果になりました。好きを仕事に出来る業界の一つなので、虚栄心やミーハー心で受けるのではなく、メディアやコンテンツについて楽しみながら真剣に考えることができる人にぜひ受けてもらいたいと思います。その思いは、面接官にもきっと伝わると思います。【関連記事】 30,503 views
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