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三菱商事を抜いた伊藤忠の栄光はいつまで続くのか

三菱商事を抜いた伊藤忠の栄光はいつまで続くのか

最終更新日:2017年10月25日

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Unistyle株式会社の樋口です。新卒だった2008年に伊藤忠商事に入社しました。
昨日の決算発表で伊藤忠商事が15年度の純利益予想で三菱商事を抜き、総合商社トップになることがわかりました。まだ予想の段階で確定ではないのですが、これは業界の中でもかなりインパクトのあることだと思います。

私が伊藤忠に在籍していた2008年〜2011年は総合商社の中でも万年4位で、住友商事を抜ければすごいといった雰囲気でした。そこから4年間でとても届きそうにないかもしれないと言われていた三菱商事、三井物産を抜き、予想とはいえトップにたったというのは非常に大きなことだと言えます。就職においても現在の純利益ランキングは大きく学生からの人気に影響するため、就職市場でも伊藤忠の人気が更に高まることが考えられます。

参考:16卒の総合商社人気は三菱>伊藤忠>=三井>住友>丸紅?メディアに左右される学生たち

さて今回はタイトルの通り、両社の決算内容から伊藤忠の栄光は一時的なものなのか、それとも継続していくものなのか考えてみたいと思います。

資源価格の下落が三菱・三井不振の原因


石油や鉄鉱石などの資源分野は常にマーケットの価格により利益が左右されてしまうため、ギャンブルに例えられるほど浮き沈みが激しい分野です。三菱商事や三井物産は資源分野の価格が安かった90年代後半から2000年代前半に多額の投資を行えたことが、近年の好調な業績の大きな理由でした。しかしながら2015年に入ってから、世界の原油価格の中でも有力な指標であるWTIの価格がリーマンショック後の水準に迫る勢いで落ちています。

参考:原油先物(WTI)価格の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)

三菱商事の2015年度決算発表によると、資源価格の下落により前年同期比で資源分野の利益が1059億円も減少したと発表しています。2014年度には住友商事も資源分野の大幅減損を発表してニュースになっていました。

参考:住友商事の巨額損失から考える総合商社の投資の責任問題

このように当たれば大きい資源分野ですが、安定的に成長させることが難しくどうしてもマーケット頼みになってしまう不安定なビジネスのため、安定的に総合商社上位にランクインする上では非資源分野が重要になります。


非資源分野トップのブランドを確立した伊藤忠有利か?


伊藤忠は三菱・三井とは対照的に資源分野によらない経営というものを数年前から打ち出しており、非資源分野トップの総合商社というブランドを確立しようとしていました。ブランドビジネスで他商社を圧倒する繊維分野、ファミリーマートなど川下から川上まで強固なバリューチェーンを構築している食料分野を筆頭に、生活産業分野、情報産業分野など非資源分野で大きな利益を稼いでおり、今後も安定的な成長が見込めそうです。

中国リスクが気になりますが、中国の不振は各商社にも大きな打撃となるため伊藤忠だけが大きなダメージを受けるという事態は少ないと思われます。

 

伊藤忠は特別利益で670億円計上していることがきがかり


それでは伊藤忠に気がかりな点がないかというとそうではありません。決算上では株式の売却および税効果により670億円も計上しています。前年同期が60億円であることを考えると、決算上の数字をよくするために優良資産を切り売りしたり、見込めそうな税効果を計上していたりするのではないかということを邪推してしまいます。伊藤忠の岡藤社長は趣味が予決算の達成というぐらい数字に執着する人として知られています。在任期間中に総合商社トップに立つという野望が達成できそうなこのタイミングで会計上問題のない範囲で、無理をして数字を作っているとしたら来期以後は優良資産がなくなってしまうため安定的な成長は期待できません。


カリスマ岡藤社長の任期も近い


総合商社の社長の任期は5年〜6年程度ですが、既に岡藤社長は5年目にあたり、今年もしくは来年には退任すると予想されます。岡藤社長になってから業績が一気に伸びており、カリスマ社長が伊藤忠の好業績の少なくない部分を担っていると考えられ、岡藤社長の退任により、これまでの勢いがそがれてしまうことは十分に考えられます。

もちろん岡藤社長の後任候補の社長がもっと優秀である可能性や、ここまでのカリスマ社長のため、長期政権を築くことも考えられなくはありませんが、これまでの慣習を考えると、社長の任期というのは伊藤忠にとってリスクになりえるでしょう。


最後に


就職を考える上では、どうしても直近の業績や勢いに左右されてしまいがちです。一方でつい5年前までは三菱・三井が不動のトップで、伊藤忠は万年4番手的な存在だったことを考えると、直近の業績や勢いというものはいつまでも続くものではないということがわかるでしょう。もちろん足下の業績というものも就職を考える上で大事な要素の一つではありますが、それだけをもとに判断してしまうと、業績が下がった時に頼りになるものがなくなってしまいます。ぜひ自分なりに業績やブランド、業界内での地位といったもの以外に就職の決め手となる基準を持ってほしいと思います。

photo by Martin Thomas

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