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『ハーバード流宴会術』から学ぶグループディスカッション圧勝法
最終更新日:2022年03月29日
就活生のみなさんの多くは、インターン選考や本選考においてグループディスカッションに直面する機会があると思います。
今回は総合商社出身の児玉教仁氏が執筆した『ハーバード流宴会術』という本を読み、実際に50回以上ものグループディスカッションを経験した16卒大学生が、宴会術を駆使しながらグループディスカッションで圧勝する方法を書きたいと思います。
宴会術がどうグループディスカッションに役立つのか?と思われた方もいらっしゃると思います。しかし、よく考えてみて下さい。初対面の学生数人で一つの方向を向いて問題解決を行うグループディスカッションと、初対面ないしはまだ親睦を深められていない人達を全員が心地よい状態に持っていく宴会には少なからず共通点があります。解決策を考えてみると状況はそっくりです。
この本の筆者である児玉氏は三菱商事入社後、「東京の夜の怪物くん」と呼ばれる宴会マスターの先輩社員に従事し、地獄の宴会千本ノックを乗り切ったそうです。
その後、ハーバード大学経営大学院に留学し、現ライフネット生命CEOの岩瀬大輔氏などとともに同校で習うリーダーシップ論を宴会術に応用し、宴会術を誰でも実践できるよう理論に落とし込みました。
グループディスカッションにおける4つの評価項目
さて、まずはグループディスカッションの評価基準をおさらいしましょう。
グループディスカッションでは、主に以下の4点が評価項目として挙げられます。
- 基本姿勢
- 理解力
- 主張力
- 統率力
宴会術を駆使しながら上記の4つの評価項目をカバーし、グループディスカッションで圧勝しましょう。ちなみに圧勝するというのは一人だけで通過するというわけではなく、グループ全員の通過確率を高めるという風に解釈して下さい。
(1)宴会術の基本原理を用いる
「人は誰しも、自分のことをわかってほしい生き物」です。
人は自分の話を「聞いてくれる人」を待っているのです。
「心のパンツを脱いだ状態」に参加者を誘うことこそ、「信頼関係を構築するため」の宴会においてもっとも大切なことになります。
出典:『ハーバード流宴会術』p.16
「人は誰しも自分のことをわかってほしい生き物」という究極の原理を活用して、参加者全員の「心のパンツ」を脱がし、参加者同士が腹を割って話し合える機会を作る。これこそが真の宴会の役割であると児玉氏はいいます。
これはグループディスカッションにおいても同じです。まずは全員が腹を割って話せる環境を作ってあげる。だらだらと不必要なことを発言しても良い空気を作るのではなく、お互いの心のパンツを脱がし、核心をつくような議論を目指しましょう。
これは特に評価項目の基本姿勢と重複します。人の意見を遮らずに聞き、自分と異なる意見を尊重し、発言しない人に発言を促す。これが宴会でできるようになればグループディスカッションでも実行可能となるでしょう。
(2)参加者各位を主役にする、メンバー全員をチーム・メンバーであると同時にリーダーにする
「チーム全員、一人ひとりが「目的」を徹底的に理解することが重要である。チーム全員が与えられた仕事だけ、こなそうとしているチームは貧弱です。」と児玉氏はいいます。
よく「司会、タイムキーパー、書記を決めた方が良いですか?」と質問してくる就活生がいますが、これは上記のことから必要がないと断言できますね。自分の役割のみに徹した場合、多くが納得するような生産的な議論は行えません。
正直なところ誰が司会、タイムキーパー、書記をやろうがどうでもよいことです。それよりももっと核にある生産的な議論を行うことに焦点を当てましょう。
こちらは評価項目の基本姿勢、主張力、統率力に絡みます。自分と異なる意見でも尊重すること、自分ならではのユニークな主張をすること、問題を的確に理解し、議論を適切に進行することを含んでいます。
(3)ノーブレス・オブリージュを怠らない
ノーブレス・オブリージュとはフランス語の辞書で「高い地位や身分に伴う道徳的・精神的義務。ヨーロッパ社会で、貴族など高い身分の者にはそれに相応した重い責任・義務があるとする考え方」と定義されています。
出典:『ハーバード流宴会術』 p.30
「何らかの力を与えられた者には、弱きを助ける義務がある」と児玉氏はいいます。ここでの何らかの力を与えられた者というのは主導権を握っている人のことです。つまり、会話の主導権を握っているならばその時こそ、発言していない人にスポットライトを当ててみましょう。こちらは評価項目の基本姿勢、理解力、統率力にあてはまります。
特に議論の流れを理解していなく発言を躊躇している弱き者がいる場合は助け舟を出しましょう。これは早い時間帯の方がいいでしょう。
(4)「会話のマウントポジション」をねらえ
「会話の主導権を取る力」は仕事においても貴重な能力であると児玉氏はいいます。
しかしここで勘違いをしてはいけないのは主導権を握るというのは、決して自分だけが多く喋るという意味ではないということです。グループの人に生産的な話をさせる為に主導権を握りに行きましょう。
主導権を握る為にグループディスカッションで実践できるのは席取りと声の大きさです。席替えが頻繁に行われる宴会と違い、グループディスカッションでは席替えはありえません。つまり最初に座った席が最後まで自分の席となります。
グループディスカッションではなるべく早く行き、真ん中に近いポジションを取っておきましょう。また雑談をする時間があるならば声の大きさを調整しながら端の人が聞こえているかどうかを確かめてみましょう。
これは評価項目における主張力と統率力に直結します。声が大きく、席も真ん中のポジションにいることから簡潔にわかりやすい主張がしやすくなります。主導権を握ることでグループを統率させ、一つの目的に足並みを揃えさせることができます。
最後に
宴会術の要素を分析してみると、見事にグループディスカションの評価項目をカバーしていることに気付きますね。
宴会もグループディスカッションも当然高い質で数をこなすことで、当初では考えられないぐらいのレベルに上達します。またグループディスカッションは社会に出てから仕事を行うことに近い状況と言われている為、就職活動だけでなく、今後の仕事の為にもなるといえます。
就職活動中も様々な宴会を行う機会があると思いますが、ぜひ宴会術も磨きながらグループディスカッションで圧勝する力を鍛えましょう。
また今回は何回かグループディスカッションを経験していて雰囲気を掴んでいる学生向けに書かれているのでグループディスカッションをまだあまり経験していなく、何から始めたら良いか分からない人は下記コラムを参考にして下さい。
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