一般職ではなくて総合職を選んだ3つの理由

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最終更新日:2023年10月30日

一般職ではなくて総合職を選んだ3つの理由

みなさん、こんにちは!前回「高学歴女子がぶち当たった3つの壁」というコラムを書いたM(早稲田大学)です。

今回は、私が総合職を選んだ理由について書きたいと思います。一般職か総合職で悩んでいる女子学生の方々に参考にして頂ければと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

海外で働きたい

前回のコラムでも書いた通り、もともと海外で仕事をしたいと思っていました。留学先の上海で、現地採用での就職も考えていました(これは話すと長くなるので端折ります)。
なので、一般職と総合職の区別がある企業にエントリーする時は、海外を含む全国勤務の総合職でエントリーしたのです。一般職は地元で就職できるので、自宅から通勤したいという女子にはお勧めですが、海外勤務も視野に入れているなら、総合職でエントリーしたほうが良いでしょう。
しかし、総合職で就職したからと言って、必ずしも海外勤務できるとは限りません(留学生枠などで、初めから海外に派遣されるという契約なら別です)。
日本で活躍できなければ海外で活躍することはできないので、まずは自分の能力を会社に認められるようになることが大前提です。

自分の能力を試したい

総合職では、男女関係なく個人の能力が試されます。それはそれでプレッシャーも大きいと思うのですが、その一方で、困難を乗り越えた時の達成感や喜びを味わうこともできます。そして、幅広い仕事の経験をすることができるという点で、チャレンジ精神を持って仕事に取り組むことができると思いました。
面接で問われることも多いので、「将来、会社で具体的にどういう仕事がしたいか(どんな地位にいたいか)」を明確にしておきましょう。

結婚とキャリア

総合職の女性は「気が強そう」とか「男性に求める条件が高そう」とかっていうイメージを持たれがちで、男性に敬遠されるという話はよく聞きます。また、総合職だと転勤が伴うため、どうしても婚期が遅れがちになってしまうといのも分からなくはないです。

しかし、男性の給料も以前より減っているというニュースを聞くと、仮に離婚しても、一人でも生活していけるよう、キャリアを積んでおこうという考えもアリなんじゃないかと思いました。
結婚は縁と気合だと思うので、婚期が遅れることを気にして一般職と総合職で悩むよりは、自分のやりたいことを優先して、総合職を選びました。また、結婚後も仕事を続けるかは、その時に決めれば良いと思います。

最後に

日本は海外と比べてまだまだ女性管理職は多くありません(最近は増えつつあるようですが)。キャリア志向の女性がもっと増えて、女性管理職や役員も増えることによって、女性が働きやすい職場環境をつくっていきたいですね。

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株式会社コーポレイトディレクション(CDI)の現役コンサルタントによる全4回のシリーズ寄稿です。**********【前回の記事はこちら】▶︎▶︎▶︎**********戦略コンサルタントは、難しい問題にもパキパキと答えを出していくスマートな仕事、という憧れを抱いたことのある方もいるかもしれません。しかし、これまでの3回分のコラムを読んでくださった方であれば、戦略コンサルティングとは愚直に考え続けることが求められ、決してスマートな仕事ではないことがお分かりいただけたと思います。すでにいい具合に「憧れ」を崩せているとは思うのですが、今回はさらに追い打ちをかけるべく(笑)、どういう心構えでこの業界に飛び込んでいただきたいか、お伝えしたいと思います。「自分の頭で考え続ける」ことのプレッシャーに耐えられるか?第3回のコラムでは、戦略コンサルタントの本質的な価値は解を導くことではなく認識を示すことであること、また、認識を示すことがいかに大変かについて、お伝えさせていただきました。認識にかかわるプロセスは、新米コンサルタントも熟練コンサルタントも平等にかかわることが求められます。とはいえ、新米コンサルタントが最初から議論をリードできることはそうそうありません。ではどうすれば勝負できるかというと、事前にとにかく時間を取って深く考えてから議論の場に臨む、くらいしか方法はありません。概念的には、能力×掛けた時間=アウトプットの質、ですから、能力が不充分なうちはとにかく掛けた時間で勝負するしかありません。しかしながら、新米コンサルタントはそれと同時に基礎力としての「解を導く力」も身につけていかなければなりません。いくら始めに「こうだと思う」と認識することが本質とはいえ、その後で思ったことが正しいと証明できなければ意味が無いからです。前回のコラムで挙げた例で申し上げると、解を導くための「高校までの勉強」と、解くべき問いを立てるという「大学の研究」を同時にやることが求められます。よって、新米コンサルタントとして入社すると、まずは時間的プレッシャーと、自分の頭で考えて自分の言葉で何か言わなければならないという精神的プレッシャーにさらされることになります。新米コンサルタントの生の声として、「調査分析の作業に追われて大変だ」という言い方をされることがありますが、本質は少し違っていて、「調査分析の作業に追われながら、自分の頭で考え続けなければならない」ことが大変さの根源です。作業時間の確保は最悪体力で何とかなりますが、自分の頭で考え自分の認識を示すことには、精神的なプレッシャーも伴います。プロジェクトチーム(およびそのメンバーである自分)の認識・発言で、クライアントの重要課題に関する明暗が分かれる。「そもそもこの『問い』を解くことが本当に正しいのだろうか」「本当にこの提言でよかったのだろうか」。こういった思いは、経験年数にかかわらずどんなコンサルタントでも常に持っている孤独な不安であると思います。常に不安と向き合っているからこそ、極端な話、報告の前日であっても、伝えるべきメッセージが違うと思えば報告書の大幅な組み直しも辞しません。この考え続けるプレッシャーに耐えられるか、もしくはその状況すら楽しんでしまえるかは、コンサルタントとしてきわめて重要な資質になります。第2回のコラムで、考えることが好きな人を好評価しているとお伝えした根本的な理由は、ここにあります。「腰を据えて」取り組む覚悟はあるか?解を導く力は技能に近いので、一定以上の能力を持つ人であれば、しばらく時間を掛けて真面目に取り組めばできるようになる属性の能力です。一方、認識する力とそれを伝える力は、明確な正解が無い分、すぐにできるようになるものではない上、どこまで行っても究めきったというゴールが無い属性の能力です。コンサルティングの本丸である認識の領域で充分なパフォーマンスをするには、個人的な目安としては最低でも3年以上は腰を据えて取り組む必要があると思いますし、そこから先は何年働いてもゴールは無いと思っています。無論、ただ年数を過ごせば良いわけではなく、その間ずっと、前述の精神的プレシャーにさらされ続けることになります。実際に、私自身もコンサル業界の平均勤続年数と言われる3年よりも長く働いていますが、できるようになったことが増えた分だけ(あるいはそれ以上に)できないことが見えてきて、特に認識を示すという点では、まだまだ先は長いという思いです。(私が根から優秀なタイプではないので時間がかかっているという要因もあるでしょうが(笑))。もちろん、3年経たずに他にもっとやりたいことが見つかって業界を離れる人もたくさんいますし、私達もそういう場合は喜んで送り出しています。ですがそれはあくまで結果論であり、入社する時点から数年での転職を前提にしている人は、じっくり考え続けるというこの仕事には合わないと考えます。何より、コンサルティングの本丸である認識を示す仕事に特に興味が無いまま入社し、深く携わることなく短期間で出て行ってしまうのは、単純にもったいないと個人的には思います。CDIのように少人数採用のファームは特に、入社前に「腰を据えて」取り組む覚悟があるかどうかをしっかり見極めるために、採用される側とする側が悪い面も含めて「本音で」語り合って合意形成することを大切にしています。過去に多数の企業の選考を受けたことのある弊社の中途社員の中には、「面接でこんなにネガティブキャンペーンをされた会社は他に無かった」と言う人もいるほどです(笑)。戦略コンサルは「勉強の場」として目指す場所ではないここまで考えると、よく言われるような「勉強になりそうだからとりあえずコンサル」といったモチベーションだけで続けられるような仕事ではないことがお分かりいただけると思います。こういった場合に勉強したいこととして挙げられる内容も、表面的であると感じることが多いです。「パワーポイントやエクセルができるようになりたい」という方には、それができて何になりたいのかを問いたいですし、「とりあえずMBA(注)を取りたい」という方にも、それによってどうなりたいのかをしっかり考えてもらいたいと思います。MBA取得に関しては、もちろん知識・人脈等あらゆる面でプラスがあるのは確かですが、コンサル出身者に限らずMBAホルダーが増え、MBAを持っていること自体では明確な価値を認められなくなってきているのも事実です。また当然ながら、MBAを持っていなくてもビジネスのあらゆる領域の最前線で活躍している方はたくさんいます。大事なのは、膨大なお金と時間を掛けてMBAを取得して、その結果どんな自分になりたいのかを徹底的に問い続けることです。それによって初めて、コンサルからMBAを取得することの、自分だけの価値を見出すことができます。将来自分で事業をやるための勉強として、まずはコンサルを経験したいというモチベーションも聞かれます。これに関しては、自分で事業をやることとコンサルタントであることは根本的に性質が異なるので、経営者としての勉強という目的は、コンサルタントとしての経験では充分には達成できないと考えます。例えるならば、経営者は自分でレールを敷きその上を自分が走る仕事、コンサルタントはレールを走る経営者と並走する仕事です。並走者としてのコンサルタントは、基本的に表に立つことはありません。経営者が社員の誰にも言えない孤独・悩みを打ち明けることができ、時には耳の痛いことも言ってくれる、そんな「良妻」とも言うべき立場です(笑)。初めから経営者になりたいという明確な目的があるのならば、とにかくレールの上を自分が走る経験を積むべきです。今は学生さんでも起業しやすい環境ですし、そういった機会を積極的に活用して失敗も積み重ねながら実践経験を積む方が近道ではないでしょうか。ただ、繰り返しになりますが、結果的に短期間でコンサル業界を離れ他の様々なフィールドで活躍する人(起業する人も含め)はたくさんいますし、それは非常に奨励すべきことです。コンサル業界が優秀な人材のプールになっていると言われるのも、同じく結果論です。初めからスキルをつけることだけを目的にコンサル業界を目指すのは筋違い、目的と結果を混同しないでいただきたい、ということです。「自分の言葉」で就職活動をしてほしいここからはかなり個人的な思いになりますが、戦略コンサルで勉強しておいた方が良いのではないかという考え方が出てくるのは、就職先を選ぶときに、自分がやりたいことをベースにして考えるのではなく、他人からの評価をベースにしているからではないかと思います。「新卒で○○に入っておいた方がいいですか?/××に入るのはやめた方がいいですか?」といった質問を受けることがたまにありますが、「あなたのやりたいこと」がわからないと、答えられません。やりたいことがまだわからなければ、今の時点で何となくでも興味のあることや、他人から評価されやすいことをとりあえず選んでみるというのも一手です。大事なのは、わからないなりに自分で基準を決めて自分で選択することです。これはコンサルに限った話ではないと思いますが、面接官は、あなたが何に対してやる気のスイッチが入るのかや、何に対して憤りを感じるのかなど、生き方の価値観を丸ごと知りたいと思っています。特にCDIのように、規模が小さく、ひとりひとりの考える力というきわめて定型化しにくいものに頼っている企業は、なおさらです。余談になりますが、3年以内で辞める新社会人が多いことの一因は、企業も学生も、ノウハウ化された型に頼った採用・就職活動をしていることによって、お互いの本音をきちんとわからないまま採用をしてしまっていることにあると思います。だからお互い後になって、「こんなんじゃなかった」という結果になってしまうのではないでしょうか。ですので、ぜひ自分の言葉で就職活動をしていただきたい、と思います。業界本に書いてあることや面接の問答例に書いてあるような言葉しか出てこない人は、自分の頭で考えていないな、と思ってしまいます。奇をてらって変わったことを言わなければならないということでは決してありません。「本当にやりたいことはまだわからないけれど、コンサルの●●というところに興味があるので、とりあえず受けてみました」でも構いません。正直なあなたの体験を、あなたの言葉で、教えてほしいです。今回の連載は、ここで結びとなります。これまで4回に渡ってお付き合いいただいたみなさま、本当にありがとうございました。外側からは見えにくい業界の中身をお伝えするのが本連載の目的ではありましたが、「認識を示す」話など、実際に何年か働いてみないとわかりづらい部分は、結局抽象的にならざるを得なかった面もあります。しかし、学生さんの段階では中身をすべて理解している必要はなく、興味を持っていただければ充分だと思います。戦略コンサルティングという業界についてもっと知りたいという興味を持ってくださった方、ここから先は働きながら学ぶ領域です。ぜひ門を叩いてみてください。採用選考でお待ちしています。シリーズ一覧▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎【筆者紹介】​佐藤沙弥(さとうさや)京都大学経済学部卒業後、株式会社コーポレイトディレクション(CDI)に入社。IT事業会社の新規事業開発支援、食品会社のマーケティング戦略立案、サービス事業会社の店舗網再構築のアドバイザリーなど、消費者向けサービス提供会社のプロジェクトを中心に経験。CDIの新卒採用活動にも携わる。◆CDIのホームページはこちら(注)MBA:MasterofBusinessAdministrationの略称で、経営学修士号の意。ビジネススクールと呼ばれる経営大学院で、通常1〜2年の間に必要な単位数についてある一定以上の成績を修めることで取得可能。 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【7大総合商社中間決算ランキング2019年最新版】三菱商事が首位陥落。勢力図に変化あり? 【7大総合商社中間決算ランキング2019年最新版】三菱商事が首位陥落。勢力図に変化あり? 総合商社業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】今更聞けない総合商社とは?仕事・歴史・年収をわかりやすく解説2.【業界研究】総合商社の年収の全てが一目で丸わかり!3.【業界研究】理解している?総合商社と専門商社の違い4.【業界研究】五大総合商社比較5.【業界研究】就活に役立つ総合商社の歴史を解説6.【業界研究】総合商社とは?歴史・仕事内容・年収などを徹底比較|選考対策付き7.【業界研究】総合商社の最新動向まとめ例年、就活生から絶大な人気を集めている総合商社。11月に入り、各社の2019年度第2四半期決算が揃いました。昨年(2018年度)は7社中6社が過去最高の純利益を達成するなど好調だった総合商社業界ですが、今年の上半期は大きな変動のある期となりました。そこで今回は、各社の決算資料やIR情報をもとに、"7大総合商社各社の2019年度第2四半期決算"をまとめました。IR情報と聞くと、「なんだか難しそう」、「読んでも理解できない」と感じる就活生もいるかと思いますが、今回は会計知識の乏しい就活生でも理解できるように執筆してありますので、ぜひ最後までご覧ください。総合商社は各社ともビジネスモデルに大きな違いはないため、「各社の得意領域はどこなのか?、全体の利益はどのように構成されているのか?」という観点を理解することが"志望度のアピール"に繋がりますので、その観点も踏まえて読み進めていただればと思います。※本記事は決算に関する情報を取り扱っているため、専門的な用語を知らない方は以下で用語の意味を確認してから記事を読み進めてください。◆「純利益」とは→「売上金額からすべての費用を差し引いたあと、最終的に企業の手元に残るもうけ金」を指します。つまり、企業がその期間に稼ぎ出した「最終的な利益」のことです。◆「連結純利益」とは→「企業のグループ全体の純利益」を指します。すなわち、「親会社本体の純利益に、その企業の子会社・関連会社の純利益を加算(連結)したもの」のことです。◆「第2四半期決算」とは→1Q(4~6月)と2Q(7~9月)の決算を累計したものを指します。「中間(連結)決算・上半期決算」とも表記されますが、本記事では「第2四半期決算」で統一して表記しています。◆「通期決算」とは→1年間を通した企業の決算を指します。通期決算は途中で修正することもあり、「上方修正・下方修正」の2種類があります。※「純利益・決算」のより詳細な解説を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。本記事の構成昨年度(2018年度決算)の振り返り【2019年度第2四半期決算】7大総合商社各社の連結純利益【三菱商事】3年ぶりに首位陥落。原料炭価格下落と石油の不正取引による損失が大きく影響か?【伊藤忠商事】業界が不調の中、一人勝ち状態で首位を奪還。通期決算でも4年ぶりの首位を狙う!【三井物産】資源分野の強さを示し、増益を確保。中核分野の強化でさらなる増益を目指す!【住友商事】全体的に低調な結果の上半期。既存事業強化と新規ビジネス創出で今後の躍進を狙う!【丸紅】穀物分野の不調で大幅な減益に。3年連続通期決算最高益を目指して巻き返しを図る!【豊田通商】安定した業績で増益を確保。次の戦略はアフリカ分野の強みを活かしたシナジー創出!【双日】主力事業が軒並み不調で全体にも影響。成長の継続には下半期の業績が鍵となるか?まとめ総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介昨年度(2018年度決算)の振り返り今年度(2019年度)の決算を確認する前に、まずは7大総合商社の過去4カ年(2015年度~2018年度)の通期決算(連結純利益)を確認しておきます。上記のグラフを見ると、近年は業界全体として業績が好調に推移していることが読み取ることができると思います。また、2018年度に関しては三井物産を除く6社の最終利益が過去最高を更新しました。以下、2018年度の各社のトピックスと決算との関連性を簡単にまとめましたので、確認してみてください。三菱商事→千代田化工建設絡みの損失による影響が響いたが、2位の伊藤忠商事とは大きな差をつけた。2017年度に引き続き、2年連続の最高益達成。伊藤忠商事→ユニー・ファミリーマートホールディングスの子会社化による影響もあり、初めて5,000億円の大台突破。三井物産→7大総合商社の中で唯一、過去最高の最終利益を更新できず。米子会社の火災事故による損失計上などが響いた。住友商事→米国タイヤ事業関連の変化はあったが、2017年度に引き続き2年連続の最高益達成。丸紅→収益に関しては7大総合商社の中で唯一マイナスを計上。パルプ事業などが牽引し、最終利益に関しては過去最高を更新。豊田通商→自動車関連の事業が好調であり、2年連続で最高益を達成。双日→資源・エネルギー事業の好調が影響し、最高益を達成。ただ、同じ7大総合商社の豊田通商の連結純利益と比較すると、1/2程度の数値となっている。このデータを見れば、「今年度(2019年度)も好調に推移していくだろう」と考える方も多いのではないでしょうか。では実際はどうだったのか、2019年度第2四半期決算をみていきましょう。【2019年度第2四半期決算】7大総合商社各社の連結純利益上記のグラフは過去4カ年の第2四半期決算(連結純利益)になります。こちらに関しては参考程度に見ていただければと思いますが、"首位が入れ替わっていること"が読み取れると思います。そこで、今年(2019年度)だけにフォーカスしてみると以下のような結果となっています。三菱商事:2,424億円(前年同期比21%の減益)伊藤忠商事:2,891億円(前年同期比12%の増益)三井物産:2,342億円(前年同期比5%の増益)住友商事:1,524億円(前年同期比15%の減益)丸紅:1,118億円(前年同期比26%の減益)豊田通商:791億円(前年同期比1%の増益)双日:295億円(前年同期比21%の減益)上述した通り、三菱商事と入れ替わり伊藤忠商事が首位に躍り出たことが分かると思いますが、前年同期比を見ても伊藤忠商事が大幅に純利益を伸ばしていることが読み取れます。また、7社中4社が前年同期比で減益、それも4社とも二桁(パーセンテージ)の減益となっているように、業界全体としてかなり苦しんだ2019年上半期だったようです。7社合計の純利益に関しても約1兆1384億円となり、前年同期比で8%減という結果となりました。2019年度上半期の総合商社業界全体のトピックスに関しては以下のようになります。トピックス◆業界全体として不調傾向となった主な要因は以下の3点→アメリカと中国の貿易摩擦などを背景とした世界経済の減速→石炭などの資源価格の下落→自動車関連の分野や化学品の取り引きの減少それでは、ここからは7大総合商社各社の今年(2019年度)の第2四半期決算を順番に確認していきます。【三菱商事】3年ぶりに首位陥落。原料炭価格下落と石油の不正取引による損失が大きく影響か?三菱商事の2019年度第2四半期決算は、かなり苦しい結果となりました。2018年度第2四半期決算が3,093億円だったのに対し、今年度(2019年度第2四半期決算)は2,424億円と、前年同期比で"約21%の減益"という結果が出ています。その影響により、2019年度第2四半期決算では3年ぶりに伊藤忠商事に首位の座を明け渡し、3位の三井物産にも肉薄される状況となっています。"金属資源分野に強い三菱商事"というだけあり、全体の純利益の1/3以上を金属資源分野が稼いでいます。ただ、前年同期比と比較してみると、「1,312億円→896億円」と約32%の減益という結果になっています。この背景には、原料炭価格の下落や生産コストの上昇による影響があるのですが、この金属資源分野の不調が全体の純利益に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。また、昨年(2018年度第2四半期決算)は229億円の純利益を創出していた石油・化学分野が、今年は一転して221億円の損失となってしまいました。この背景には、「シンガポールの原油・石油製品トレーディング会社における原油デリバティブ取引関連の損失」が大きく影響しています。【参考記事】【三菱商事HP】プレスルーム:当社海外連結子会社での損失発生について金属資源分野と石油・化学分野の不調とは逆に、前年から大きく利益を伸ばしたのが産業インフラ分野になります。昨年の326億円の損失に対し、今年は259億円の利益まで戻すことができています。金属資源分野と石油・化学分野の不調を、産業インフラ分野が穴埋めした格好ということができるでしょう。※ただ、昨年は千代田化工建設絡みの損失による影響が大きかったため、「産業インフラ分野が好調」とは一概には言えないかもしれません。【参考記事】朝日新聞デジタル:千代田化工が債務超過に三菱商事が1800億円支援第2四半期決算の不調を受け、2019年度通期決算の予想も5,200億円と下方修正されています。4年連続の通期決算首位の座を死守できるかは、下半期の動向に掛かっているでしょう。【参考】【三菱商事HP】2019年度第2四半期決算:IR資料【関連】【三菱商事HP】中期経営戦略2021三菱商事の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【伊藤忠商事】業界が不調の中、一人勝ち状態で首位を奪還。通期決算でも4年ぶりの首位を狙う!伊藤忠商事の2019年度第2四半期決算は、「7社の中で一人勝ち」とも言える結果となりました。7社中4社が前年同期比で減益しているのに対し、「2,580億円→2,891億円」と前年同期比"約12%の成長"を見せ、三菱商事を抜いて3年ぶりに首位(第2四半期決算)を奪還しました。上記のグラフを確認すると「金属分野」が最も大きな割合を占めていますが、この金属分野が前年同期比222億円の増益と好調だったのが、全体の純利益に大きな影響を及ぼしたと読み取ることができるでしょう。金属分野に関しては石炭価格の下落はあったものの、「鉄鉱石価格の上昇」などの恩恵を受けたことで大きな増益となったようです。また、"非資源分野に強い伊藤忠商事"と言われているだけあり、今年度の決算に関してもその強みは大きく発揮されたようです。業界が不調傾向にあった最も大きな要因が「世界的な景気の減速、それに伴う資源価格の下落」にあったのですが、伊藤忠商事の今年の決算における資源分野の割合は約22%と他社よりも低く、且つ国内事業にも強みを持っているため、他社に比べて影響を受けなかったといえるでしょう。また、元々強みを持っていた「食料や繊維分野」に関しては、今年の第2四半期決算でも引き続き強さを見せつけた格好となっています。2019年度第2四半期決算では首位に立った伊藤忠商事ですが、通期決算の予想は「5,000億円」と三菱商事を下回る予想となっています。ただ、上半期の調子を維持すれば通期決算でも伊藤忠商事が首位に立つ可能性は充分あり、熾烈な首位争いが繰り広げられることが予想されるでしょう。今後の方針に関しては、まずは"伊藤忠商事が強みを持っている既存事業への投資を優先し、次世代投資に関しては事業性を見極めながらポイントを絞って投資を進める"ことで、さらなる成長を目指していくようです。【参考】【伊藤忠商事HP】2019年度第2四半期決算:決算説明資料【伊藤忠商事HP】2019年度第2四半期決算:IR決算資料(補足資料)【関連】【伊藤忠商事HP】2019年度短期経営計画伊藤忠商事の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【三井物産】資源分野の強さを示し、増益を確保。中核分野の強化でさらなる増益を目指す!三井物産の2019年度第2四半期決算は前年同期比で増益となり、まずまずの結果と言えるでしょう。伊藤忠商事ほど増益幅は大きくないですが、「2,229億円→2,342億円」と"113億円の増益"を確保することができました。昨年(2018年度)の通期決算では7大総合商社の中で唯一減益となってしまった三井物産ですが、今年(2019年度)の巻き返しに期待を持てる結果となりました。"資源分野に強みを持っている三井物産"は、2019年度第2四半期決算を見ても、全体の純利益の70%以上を「金属資源・エネルギー分野」が占めています。そしてこの2つの分野がそれぞれ、前年同期比で大幅な増益を確保することに成功しました。増益の要因としては、「(1)鉄鉱石価格の堅調な推移(2)重油・LNGトレーディングの好調」などが大きく影響しているようです。※記事内で「資源分野が業界全体として不調」という説明がありますが、資源分野の中でも鉄鉱石は好調であり、原料炭・非鉄といった資源が不調となっています。一方で「化学品・鉄鋼製品・生活産業」といった分野は芳しくない業績となっています。この要因としては、「景気減速等に伴い、事業会社の収益が減少したこと」が大きく影響しているようです。今年(2019年度)の第2四半期決算に関しては、「非資源分野の減益を資源分野の増益でカバーした」という格好になっており、良くも悪くも"全体の純利益は資源分野の業績に掛かっている"と言えるでしょう。2019年度通期決算に関しては、当初の計画から据え置きの「4,500億円」となっています。今後のプランとしては、既存事業の基盤強化に加え、その周辺事業の拡大・横展開を通しさらなる成長を目指していくようです。【参考】【三井物産HP】2019年度第2四半期決算:参考資料【三井物産HP】2019年度第2四半期決算:プレゼンテーション資料【関連】【三井物産HP】中期経営計画の進捗三井物産の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【住友商事】全体的に低調な結果の上半期。既存事業強化と新規ビジネス創出で今後の躍進を狙う!住友商事の2019年度第2四半期決算は、かなり苦しい結果となりました。2018年度第2四半期決算が1,793億円だったのに対し、今年度(2019年度第2四半期決算)は1,524億円と、前年同期比で"約15%の減益"という結果が出ています。業界4位の座は引き続き確保している住友商事ですが、業界TOP3(三菱商事・伊藤忠商事・三井物産)とは差を広げられてしまった格好になっています。住友商事は他の総合商社に比べ、"(1)生活・不動産(2)メディア・デジタル分野"に強みを持っていると言われています。ただ、この2つの分野に限らず、ほとんどの分野が前年同期比で減益という結果になってしまいました。特に、昨年の第2四半期決算で最も大きな割合を占めていた「資源・化学品分野」が前年同期比132億円の減益となってしまったのが、全体の純利益に大きな影響を与えたようです。トピックスに目を向けてみると、「(1)北米で鋼管の需要回復が遅れたことによる化学品の取引の減少(2)石炭価格の下落(3)マダガスカルのニッケル鉱山の不振」などが減益の要因として挙げられます。【参考記事】ダイヤモンドオンライン:住商が特損、日本も資源バブル崩壊と無縁ではいられない一方で、減益にならなかったのは7分野中2分野だけであり、生活・不動産分野が前年同期比1億円の増益(微増)、インフラ分野が前年同期比167億円の増益(大幅増加)でした。第2四半期決算の不調を受け、2019年度通期決算の予想も「3,400億円→3,000億円」へと下方修正されています。ただ、住友商事は近年「新規事業(次世代新規ビジネスなど)向けの投資」を進めています。今後は"(1)テクノロジー×イノベーション(2)ヘルスケア(3)社会インフラ"といった成長分野に注力していくなど、この投資関連の事業が今後の躍進・業績拡大の一手となるかもしれません。【参考】【住友商事HP】2019年度第2四半期決算:決算発表プレゼンテーション【住友商事HP】2019年度第2四半期決算:決算説明会プレゼンテーション【関連】【住友商事HP】中期経営計画2020住友商事の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【丸紅】穀物分野の不調で大幅な減益に。3年連続通期決算最高益を目指して巻き返しを図る!丸紅の2019年度第2四半期決算は、かなり苦しい結果となりました。2018年度第2四半期決算が1,520億円だったのに対し、今年度(2019年度第2四半期決算)は1,118億円と、前年同期比で"約26%の減益"という結果が出ています。この26%の減益という結果は、7大総合商社の中で最も下がり幅の大きい数値となってしまいました。"電力・穀物・生活産業分野"に強みを持っていると言われている丸紅。ただ、丸紅の強みである「穀物分野」に関し、傘下の米穀物大手ガビロンの不適切会計の処理(米国の穀物事業の採算が悪化)が響いたようです。また、紙パルプの市況が悪化したことも全体の純利益にマイナスの影響を及ぼしていると考えられます。一方で、前年同期比で大幅な増益となったのが「金属分野」になります。これは業界全体に共通することなのですが、「豪州鉄鉱石事業の好調による増益」が最も大きな要因とされています。2019年度第2四半期決算は減益となってしまいましたが、通期決算に関しては当初の計画から据え置きの「2,400億円」となっています。通期決算で3年連続(2017年度、2018年度と最高益を更新している)の最高益を達成するためには、下半期の巻き返しが鍵となると考えられます。また、「中期経営戦略(2019~2021年度)」を確認してみると"既存事業・領域の充実を優先させ、新たな領域・ビジネスに参入していく計画"という記載があったため、下半期はこのあたりの戦略にも注目ではないでしょうか。【参考】【丸紅HP】2019年度第2四半期決算:IR資料【丸紅HP】2019年度第2四半期決算:IR補足資料【関連】【丸紅HP】中期経営戦略GC2021丸紅の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【豊田通商】安定した業績で増益を確保。次の戦略はアフリカ分野の強みを活かしたシナジー創出!業界全体が不調傾向にあった中、2019年度第2四半期決算において豊田通商は安定した業績を収めました。前年同期比では「786億円→791億円」と、"僅かながら増益"という結果で上半期を終えることができました。豊田通商の特徴は、"アフリカ分野に強みを持っている(アフリカビジネスで先行している)"ことでしょう。(IR資料にもアフリカという分野が設けられています)その強みを持っているアフリカ分野ですが、前年同期比で収益は微増(64億円→68億円)となっています。豊田通商の今年(2019年度)の第2四半期決算で最も好調だったのが「機械・エネルギー・プラントプロジェクト分野」になり、前年同期比で「120億円→277億円」と200%以上の成長率を見せました。この背景には、「電力事業における関連会社株式売却益等による増益」があったようです。ただ一方で、金属分野は大幅な減益となっており、これには「金属資源事業における減損」が背景としてあるようです。そして2019年度通期決算に関しては、当初の計画から据え置きの「1,500億円」となっています。アフリカ分野はもちろんですが、今後は「ネクストモビリティー・再生可能エネルギー分野」にも注力していくと言われており、業界の中でも独自の立ち位置を築いていくのはないでしょうか。【参考】【豊田通商HP】2019年度第2四半期決算:IR資料【関連】【豊田通商HP】2022年3月期中期経営計画達成に向けて豊田通商の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【双日】主力事業が軒並み不調で全体にも影響。成長の継続には下半期の業績が鍵となるか?双日の2019年度第2四半期決算は、かなり苦しい結果となりました。2018年度第2四半期決算が371億円だったのに対し、今年度(2019年度第2四半期決算)は295億円と、前年同期比で"約21%の減益"という結果が出ています。日商岩井とニチメンが統合して誕生した双日は、"航空産業・自動車分野"に強みを持っていると言われています。ただ、この強みを持っている2分野が前年同期比で減益となっています。また、セグメント別の純利益で最も大きな割合を占めている「金属・資源分野」に関しても、前年同期比で「162億円→98億円」と減益となり、このあたりが全体の純利益に大きく影響したのではないかと読み取ることができます。この要因としては、「世界経済の減速・資源価格の下落」が大きいと考えられます。そして今年(2019年度)の通期決算に関してですが、当初の計画から据え置きの「720億円」となっています。上半期の減益をカバーし、通期決算720億円を達成するため、「徹底的なコストの見直し・実行済み投融資からの収益貢献」を中心に着実な成長に繋げていくようです。【参考】【双日HP】2019年度第2四半期決算:IR説明資料【双日HP】2019年度第2四半期決算:決算説明会資料【関連】【双日HP】中期経営計画2020~CommitmenttoGrowth~双日の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちらまとめ本記事では、各社の決算資料やIR情報をもとに、"7大総合商社各社の2019年度第2四半期決算"をまとめてみました。様々な変化・トピックスが見受けられた「総合商社業界の2019年度上半期」となりましたので、総合商社志望の就活生の方は、本記事に記載した情報・知識をしっかりと把握しておくことが望ましいでしょう。ただ、本記事で解説した内容はあくまでも「第2四半期決算という短期的な業績」に過ぎません。上述した過去4カ年の決算の推移を見ても分かる通り、各社の業績は年々変動がありますので、あくまでも参考程度に本記事の内容を理解していただければと思います。※また、本記事では「2019年度第2四半期決算」にフォーカスした内容となっています。今後の経営方針などを確認したい方は、各社の企業HP上で掲載している「中期経営計画」をご覧ください。決算・IR情報に関する記事はこちら総合商社業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別の就活用LINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に総合商社志望者向けのグループでも、各社の選考に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。下記には、総合商社の業界・企業研究の記事を記載しております。是非ご活用ください。総合商社の業界研究に関する記事はこちら7大総合商社各社の企業研究ページはこちら◆三菱商事◆伊藤忠商事◆三井物産◆住友商事◆丸紅◆豊田通商◆双日 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「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記 ー思考の抽出化で道を切り開くー 「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記 ー思考の抽出化で道を切り開くー 皆さん、こんにちは。2014卒総合商社内定者です。まず最初にお伝えしたいことは私は、「体育会」でも「帰国子女(留学体験)」でも「理系院生」でもないごく普通の学生だと言うことです。今日はみなさんに、私が持ち続けた心構え(考え抜くこと、特に「思考の抽出化」について)をお伝えしたいと思います。行動から抽出、思考を抽象突然ですか、みなさんはアルバイトでも活動でも、「考えて」行動していますか?「思考の抽出化」とかっこいいタイトルを使ってしまいました。この言葉を辞書風に解釈するのであれば「一般的な体験から、考えや概念を抽出して、他に応用する」ということです。実際に、具体例を考えてみましょう。例えば、塾講師のアルバイト。働く中で、熱意がある人ならば、「ただ勉強を教える」のではなく、「どうすればわかってもらえるか?」をきっと考えるはずです。ここからもう一歩、踏み込みましょう。例えば、「どうすれば人に物事をわかりやすく、伝えることができるのか」。そして、それは「塾講師と生徒の関係」以外でも成り立つのかどうか。ほかにどんな場面で使えるのか。そのノウハウをさらに他の講師に伝えることができるのか?これは言い換えると「自身が行う行動を徹底的にする」ということに似ているかもしれません。しかし、ここで重要なポイントは「考える」ことはもちろんですが、それを「個別的な」ことにしないことです。どんな行動にも、他に活かせるナニカが潜んでいます。それを見つけましょう。見つけて考えましょう。自分で。そして、行動してみましょう。もちろん自分で。そこには「創造の可能性」が眠っています。「創造性はすでに存在する情報の処理や分析から出てくるものではない。それは人間の思考、絶え間のない洞察力、そして多くの勇気が必要である。」森田昭夫(SONY創業者)就職活動とエピソードいきなり「頭を使えよ!」という話をされても、、、という状況だと思います。就職活動に話を戻しましょう。就職活動はまだまだイメージできないものでしょう。「就活」とは、簡単に言えば、「過去」と「未来」について根掘り葉掘り、問われます。「過去」といえば...「あなたは何をがんばりましたか?」「あなたはどこ大学ですか?(=勉強できますか?勤勉ですか?)」「なにが得意ですか?(=昔のエピソードを聞かせてください)」「未来」といえば…「なんでこの会社なのですか?(=志望理由)」「この会社でなにがしたいですか?」「あなたの能力をどういかしますか?」などです。(流れがわからない人は、当サイトの「https://unistyleinc.com/techniques」を順番にみていってみましょう。試合のルールや流れを知らずに試合には勝てません)総合商社や外資コンサルをはじめとする難関企業を志望する学生はエピソードには苦労しない人たちばかりです。帰国子女や全国優勝など何度も出会います。サークルのリーダー?何万人いるのでしょう。起業経験や甲子園出場なども珍しくありません。一般的な大学生は「パッと見のエピソード」は勝てません。言わずもがな、私も普通の大学生です。そんな中、自身の価値を発揮するには?それは「エピソードの大きさ」ではなく「エピソードの深み」です。自身の頭で考え、実行したこと、大事になのは「自分で」です。社会人は「自分で…」をとても重宝します。理由は明白でしょう。世の中の多くの学生は、「日常を何気なく」過ごします。そして就職活動で聞かれます。「なにをがんばりましたか?なにを工夫しましたか?」そんな時、多くの学生は「そこで」考えます。ただの「過去の解釈」です。そこで生じる「あ、こうしとけばよかった!!」という後悔は、少なくとも迫りくる就職活動において意味を持ちません。そして多くの学生は「捏造」にはしります。捏造には、現実感も熱も帯びません。百戦錬磨の面接官の目は欺けません。なにより自身の会社では、ありのままをだしましょう。考えよう、行動しよう考えるべきタイミングは「いま」であり、その対象は「いま取り組んでいること」です。そうすれば、あなたの活動は生き生きとし始めます。何でも楽しくなります。もしかすると、いま手をだしていることから手を引くことになるかもしれません。しかし、それも前進です。結果的に、あなたの就職活動エピソードは誰よりも素敵で、誰よりもオリジナルなものになっています。またそこで得た学びは、あなたの将来の指針になりえます。本気になって初めて、「自分」はみえてきます。自分の特性や好み、価値観、考え方、すべてを網羅したとき、おのずと「志望業界」は開けてくるはずです。私は私はとあるコーヒーチェーン店で働いていました。人気を博すそのコーヒーチェーンで働く中で様々なことに気づきました。例えば、そのコーヒーチェーンでは店員が気持ちよく働けるよう様々なシステムが構築されています。そのおかげで、従業員は、雑務におけるストレスが少なくなり、目の前にお客様に最大限の力を注ぎ込むことができます。また洗練された教育制度は、誰が誰に教えても、一級品の従業員に育ちます。この他にも素晴らしい「仕組み」がそのコーヒーチェーンでは構築されていました。私はこの体験を通し、「素晴らしい仕組みこそが、働く人々の能力を最大限発揮させる、また働く人を幸せに、働く人を媒介に幸せを伝播していくこと」を学びました。同時に、自分も仕組みをつくりたい、と強く思うようになりました。その後、さまざまな団体やシステム、「仕組み」をつくりました。総合商社を志望した理由が、人々を幸せにするために、「仕組み」をつくる、だったことは言うまでもありません。最後に長々と述べてきましたが、本末転倒になってはいけません。上記のことは「就職活動のために」するのではないと、個人的に感じます。就職は結果です。自身のいま、将来、なにより過去を代え難いものにするために、「自分で考え行動してみてください」。皆さんの成功を心より祈っています。photobywestonhighschoollibrary 41,062 views

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