何の実績もない一般就活生が持つべき心構え

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最終更新日:2023年10月27日

何の実績もない一般就活生が持つべき心構え

16卒のマスコミ内定者です。

今回は就職活動体験記ということで、私が就職活動を通して感じたこと、伝えたいことをつらつらと書いていきたいと思っております。

まず、前提としてお伝えしておきたいことは、就職活動は個々人のスペックや経験によって取るべき戦略が全く異なってきますし、これといった「正解」はありません。一つ学年が上であるだけで偉そうに就活論を語ってくる方もままいますが、そういった方達の言葉を鵜呑みにせず、常に自分なりの価値観、指針を持って就職活動に臨むと良いと思います。(もちろん、この体験記を読む際もそうした意識を持ってください)。

本選考とインターンの締め切り情報

自分が一般人であることを自覚しよう

最初にお伝えしておきたいことが、「自分は一般人であることを自覚した方がよい」ということです。

もちろん超人的なスペック(関東一部体育会、○○日本一、メディア運営者etc…)を持っている方も中にはいるはずですが、大多数の学生は普通にサークルして、アルバイトして、就職活動を迎えます。こうした学生たちは、おそらく社会人からすると「みんな一緒に見える」と思われます。

しかし逆に、学生たちはサークルやアルバイトでの小規模なコミュニティでそれなりの地位を築いていると、「自分って意外とすごい」と思ってしまいがちです。これは特に地元でちやほやされている高学歴の人に顕著だと思うのですが、冷静に考えてみてほしいのです。小規模なコミュニティなどそれこそ無数にあり、そこでちやほやされる学生もまた無数にいるのです。

例えば早稲田大学なら一学年に1万人程の学生がいます。ここに、早稲田ほど人数はいないとはいえ、東京大学、京都大学、一橋大学、慶応大学等の学生も加えて、脳内で全員整列させてみてください。

自分はその中の一人でしかないのです。なぜそれで根拠もなく「自分は大手優良企業に入れる」と思うのでしょうか。私自身そう考えていたクチではあるのですが、甘かったです。インターンの選考に参加した方ならわかると思いますが、普通に落ちまくります。

まず、自分はそこそこできるという驕りを捨てること。これが重要だと思います。

自己分析

一般人はどう戦えばいいのか?

ここまで読むと、普通の学生はいったいどう就活していけばいいんだ、と思われるかもしれません。

その疑問に対する私なりの答えとしては、非常に単純ですが、「戦う土俵を変える」ということです。つまり、スペックで勝負しなければいいのです。

まず、スペックで差がつくのは学生時代がんばったことだと思います。ここはすごいことを書ければそれに越したことはありませんが、普通のことを書いてそれに対する自分なりの考え、価値観が書ければ充分です(unistyleのコラム等を見てそれに沿って書けば十分及第点のものが書けるはずです)。

大事なのは、「やってみたいこと(=新規事業など)」、「志望動機」などの部分です。これらの部分に関しては未来のことを書きますので、基本的にこれまでの経験はそこまで関係ありません(動機の部分は多少必要ですがどうにでもなります)。

これまでの経験が関係ないということは、スペック抜きで当人のビジネス的な素養が見られるということです。つまり、ここで頑張れば超人よりも評価される可能性があるというわけです。

まず、企業の採用基準というものを考えると、そこには企業への理解、理念への共感など様々なものが挙げられると思うのですが、一番大事なのって「企業に利益を生めるかどうか」ですよね。(慈善事業なら別ですが)

その「利益を生めるかどうか」を一番はかりやすいのが、「やってみたいこと」の部分だと私は思いますし、上場企業の社員の方もそうおっしゃっていました。それはなぜか。やってみたいことが考えられない=受動的な人間は仕事を生み出せないし、やってみたいことがたくさん考えられる=能動的な人間は仕事を生み出せるからです。

単純ですが、理由はこれだけです。色々な就活サイトで、主体性、チャレンジ精神が大事と言われていますが、これらの能力は仕事を生み出す力と言い換えてもいいですよね。

以上のことを踏まえると、一般的な学生は「やってみたいこと」の部分で他者と差をつけていくべきだと思います。

「やってみたいこと」の考え方

最後に、「やってみたいこと」の考え方について。

本人の創造性によるところももちろんありますが、アイデアを生む力というのは鍛えることが可能ですし、そういった本がたくさん出版されています。

私のおすすめは「コモディティ化市場のマーケティング理論」「センスは知識からはじまる」「発想の技術」の三つです。

私はこういった本でまずは理論をインプットしてから、いろいろな企業の過去ESなどでアウトプットの練習をしました。自分の頭で物事を考えられない人間は、今後の労働市場で淘汰されていくと言われています。考える力を就活で養っておきましょう。

コモディティ化市場のマーケティング論理

センスは知識からはじまる

発想の技術 アイデアを生むにはルールがある



長々と書いてきましたが、簡単にまとめると、「すごい実績がなくても、自分の頭で考えて、仕事を生み出せそうな人は評価される」ということです。

体験記というよりただのアドバイスになってしまいましたが、この記事がみなさんの就職活動にほんの少しでも役立てば幸いです。ありがとうございました。

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就活だけが唯一の選択肢ではない。理想のキャリアを実現するために就活を辞めたとある学生|筑波大学 齋藤侑里子|unistyleインタビュー 就活だけが唯一の選択肢ではない。理想のキャリアを実現するために就活を辞めたとある学生|筑波大学 齋藤侑里子|unistyleインタビュー 就活における「成功」とは何でしょうか。unistyleでは、自分の理想のキャリアから逆算して考えたベストな企業選びをし、その企業から内定を獲得できることだと考えています。そしてそれは必ずしも、日本特有の「型」にハマった就職活動を行うことでしか実現できないことはないと考えています。今回は理想のキャリアと目の前の就職活動にギャップを感じ、「型」にハマらない行動をとった齋藤侑里子さんを紹介します。今20卒の皆さんの目の前に迫っている「就職活動」を行うことだけが唯一の選択肢ではない、ということを理解していただければと思います。筑波大学4年。1996年10月9日静岡県で生まれる。大学1年生のときに筑波大学のキャリア支援団体に加入。所属団体の先輩・OGの影響で就職やキャリアについて考えるようになる。OGの紹介により大学2年生時にサンフランシスコで短期インターンを経験。サンフランシスコで感じたことを元に、日本に帰国後、スタートアップ企業で実務を中心とした長期インターンを開始。併せてシアトルで5週間ほどの「リーダーシップ・内省プログラム」にも参加。同プログラムの協賛企業への憧れが強くなり本選考へ参加するものの、そこで大きな挫折と、自分自身が在りたい姿を見つめ直す機会を得る。その後就活を辞め、大学3年生時にエストニアへ交換留学。サンフランシスコ、シアトル、日本、エストニアを経て感じたこととは。いわゆる「就職活動」は大学1年のときからはじめていた|unistyle|はじめまして、unistyleの中村と言います。今回齋藤さんのコラムを拝見し、是非unistyleでも取り上げさせていただきたいと思って、お声がけさせて頂きました。急な連絡にも関わらずお時間いただきまして、ありがとうございます。|齋藤|いえいえ、とんでもないです。こちらこそ取り上げていただき、ありがとうございます!|unistyle|早速ですが、まずは齋藤さんのいわゆる「就職活動」についてお聞きしたいと思っています。齋藤さんが就職活動を始められたのはいつからですか?|齋藤|どこからを就活と区切るかがわからないですけど、大学一年生の時から筑波大学のキャリア支援団体に入ってました。キャリアを考えたり行動し始めたことを就活のはじまりと呼ぶのであれば、大学一年かもしれないです。|unistyle|一般的な学生と比較するとかなり早いですね。そもそも、一年生の段階でキャリア支援団体に入ってるのがまず非常に早いし珍しいなという印象を受けました。大学に入学してすぐにキャリア支援団体に入ったんですか?|齋藤|いや、入ってすぐではないんですよね。私はあまりお金がなかったんで稼がなきゃと思って、入学直後あたりはアルバイトしかしてませんでした。大学一年の秋くらいまではアルバイト漬けの日々で、そうすると「自由なお金はあるが、私は何に時間を投資しているんだ?」と思うようになって。育ってきた家庭環境もあり(齋藤さんは母子家庭)幼い頃からしっかりお金を稼がないといけないっていう強迫観念に近いものが元々あったので改めて考え直してみたんです。ただアルバイトするだけでは一時的なお金を蓄えられても長期的な稼ぎや自己投資にはならないだろうなという結論に至り「このままだとよくないな」とキャリア支援団体に入ることに決めました。なんでキャリア支援団体なのかというと、筑波大学って結構僻地にあるじゃないですか?(笑)僻地なんで都心に出る度結構なお金がかかるので、じゃあお金をかけずに都心に行けて人との繋がりを生んでいく方法は?と考えた結果、社会人や面白そうな学生さんと会えそうなキャリア支援団体かなぁっていう、最初は少しノリや勢いに近いところもあって入りましたね。(笑)|unistyle|なるほど、そうだったんですね。キャリア支援団体となると高学年の学生ばかりで構成されている印象なんですがどうでしたか?|齋藤|その団体には4年生しかいなく、1年生なんて当然私だけで。「ここにいればいろんな情報や人との繋がりを得られるだろう」と考えていたら自然と就活も意識するようになりました。そんな中インターンとかもしてみたいなと思ったのが大学二年の春ですね。たまたまキャリア支援団体のOBで私のことをめちゃくちゃかわいがってくれていた先輩から「齋藤ちゃん、こんなところに一年生からいるんだからこういうのもやってみない?」と誘っていただいて、それがサンフランシスコでの2週間のインターンだったので、貴重な機会だしサンフランシスコいってみよう!といった感じで英語全然ダメなんですけど(笑)サンフランシスコのベイエリアでインターンという名の会社訪問をすることにしました。会社訪問が中心だったのでいわゆる実務系のインターンをしていたというよりは、主にスタートアップ界隈の起業家と会ったりカンファレンスやイベントに参加していましたね。2週間ではありましたけど、これまで見たことがない新しい世界と出会うことができ、日本に帰ってきて「次どうしようか」となった時に、インターンとはいえ手を動かしていたわけではなく、同時に今の自分の能力の無さから「実働しないと!」という危機感もあったので、日本のスタートアップ企業でインターンをすることにしました。そのあたりでマイナビさんとかがやっている就職イベントにも行ったりしましたね。時期にしてだいたい大学二年の冬あたりです。スタートアップでインターンしていたのもあってベンチャー系の企業を中心に見ていました。ベンチャーパークというベンチャー特化イベントだったと思います。なので、ちょっと長くなってしまったんですけど、スタートはいつか?と聞かれると一年生かもしれないし、俗に言う”日本の就活”みたいなのを基準とするなら二年の冬かなという感じですね。サンフランシスコで感じた”危機感”サンフランシスコにて。スタートアップ企業の会社訪問やカンファレンスに多数参加。|unistyle|就職支援団体やサンフランシスコでの経験が今の齋藤さんの働くことに対するスタンスやキャリアの考え方に近いものをつくっていったのかなと思うんですがどうですか?|齋藤|確かにスタートアップ企業とかからかなり刺激を受けたっていうのはあります。向こうの人達、もちろん大学生もみんな確固たる夢を持っていて、「将来何したいの?」って聞くと必ず「これがしたい」っていうのが返ってくるんです。向こうの人達って「確固たる何か」を持っているんですよね。強いパッションとビジョンと言えるようなもの。私はその時何もないし、とりあえずお金稼がないとなーって感じでアルバイトをして、でも長期的に得られるものが少なそうだと思ってアルバイトを辞めてキャリア支援団体に入って、縁あってサンフランシスコにきた、ぐらいの感じだったので、「確固たる何か」をもった上で行動していかないと後で苦労しそうだっていう危機感をアメリカで強く覚えました。あのとき感じた危機意識が「日本に帰ったら何かをはじめて、確固たる私をつくろう。自分のパッションに従ってアクションを取っていこう」という姿勢に変わって、スタートアップでインターンを始めた、っていう形ですね。|unistyle|とりあえず自分も何かを実践して、スキルや経験を積まないといけないという危機感が大きかったんですね。|齋藤|そうでもしないと今後やっていけないなという危機感、、、いつも危機感に触発されて私は行動しているという感じなんですよね。出来ないからやる、不安だからやる、、、いつもそんな感じです。それがよくも悪くもモチベーションになるんですよね。モチベーションだけでは足りない|欠落していた”why”(左)日本でのスタートアップ企業インターン(右)シアトルでの内省プログラム|unistyle|なるほど。ありがとうございます。日本に帰国してスタートアップで実務を行うインターンをして大学2年の冬にマイナビとかの合説に参加して、、、そこからどういう流れで就活に突入していくんですか?|齋藤|日本でスタートアップ企業のインターンをしながら、5週間位シアトルでソーシャルイノベーションプログラムというものに参加しました。そこではとにかく”内省”をしまくるんですよね。これまでの私の人生をとことん省みました。参加した理由は、それまでは「とりあえずやらなきゃ」でなんとかこれたんですけど、「なぜやるのか」が自分の中で明確じゃなかったんですよね。というか、なかった。だから”なぜ”を掘り下げるためにこのプログラムに参加しました。「なぜやるのか?」「私は何がしたいんだろう?」を深堀っていく中で自分のバックグラウンドからすごい影響されてるなと思ったんです。こうあるべきだ、お金を稼がなきゃいけないっていうネガティブなのかポジティブなのかわからない状況が自分を突き動かしてることに改めて気付いて、同時に「じゃあ私は社会に何をもたらしたいか」を考えたときに、母子家庭で決して裕福とは言えなかった経験もあって、女性を中心とした社会的自立を求める人達に対して「大丈夫、できるよ」と支援してあげられることがやりたいなとなったんです。「なぜやるのか?」「私は何がしたいのか?」を徹底的に考えることによって"why"の部分から進路を考えられるようになり、女性向けのサービス提供や支援をメディアを通じて行っている企業のインターンにも行くようになりました。|unistyle|もう一つインターンに行ったんですね。ということはインターン2つ掛け持ちしながら・・・|齋藤|そうです、でも最初のインターンはいわゆるマイナビとかが公開される6月のタイミングで辞めることにしました。|unistyle|就職サイトを使ってのインターン、俗に言う1dayとか5daysと言われるようなものには参加したんですか?|齋藤|はい、自分の中で”日本の会社に就職するためにはやらないといけないこと”みたいな位置付けで認識をしていたのでとりあえずやってみたというくらいではあったんですけどね。義務的に参加していたようにも思います。なのでいろいろと応募はしました。IT企業を中心に受けましたね。(複数の某有名IT企業)とかを受けてその中からいくつか参加させていただきました。|unistyle|IT系企業を中心に受けていたんですね。誰もが知るような有名企業がずらりという所感です。|齋藤|直接の1:1のコミュニケーションも大事だと思いますけど、社会全体に広くリーチしていくにはテクノロジーの力が必要だなと。しかも大企業のほうが露出やインパクトもあり根本からアプローチできそうだと思いサマーインターンに参加していました。で、いくつかインターン行く中でたまたま内定を頂いて・・・。|unistyle|またしても早いですね。|齋藤|周りも「え、齋藤内定?はや」という感じではありましたけど、「だから私すごい」とかいう感情は全くなくて。むしろ「こんな簡単でいいのかな」くらいに思いながら「本当にやりたいことではないし」といった複雑な気持ちでした。内省プログラムの後だったから、余計に違和感を覚えていたのかもしれません。「就活」によって失われかけた自分3年生のサマーインターンにて。IT系企業を中心に複数参加。|unistyle|ここまでは挫折とかネガティブな意味での「就活ってなんだ?」みたいなのはなかったように思いますがどうですか?|齋藤|ここまではそういった感情は確かになかったです。当たり前のように就活しなくてはいけないと思って、サマーインターンも参加していたし、ありがたいことに夏に内定も頂いたりしましたし。|unistyle|その後に何があったんですか?|齋藤|先ほどお伝えしたソーシャルイノベーションプログラムの協賛企業が外資系のIT企業だったんですよ。プログラムがよかったのもあるんですがそこで出会った人たちやビジョンに惹かれ、その後5ヶ月ほどその企業の長期インターンにも参加させてもらうことになりまして。するとその企業への憧れがどんどん強くなっていって、当然入社意欲もどんどん強くなっていって、そのまま本選考を受けたんですよね。色んな社員さんから「斎藤さん、うち来るんでしょ?」とか言って頂いたんですが、選考初期のグループディスカッションで落ちたんですよ。そのグループディスカッションは人事の方が選考官ではなかったんですが、元々人事の方とは仲が良かったので落ちてしまったこと伝えると「もう一回受けてみて」って再チャレンジさせていただけることになって。特別にもう1回受けさせていただいて、で、また落ちました。そのときに、「あ、経験があったり熱量持って取り組んだことは役に立たなくて、一方で、戦略的に準備してきた人とかは熱量や経験に関わらず突破してしまうんだ」って感じてしまったんですよね。これまでの経験とか熱量とかって選考の初期段階だと選考官の方に伝える機会ってあんまりないじゃないですか?仕方ないとは思うんですけど。しかももう一回来てって言われてもう一回行ったのにまた落ちる。大事なのは就活テクニックのようなもので、私の実力不足であることはわかっていながらも、何だこれって思ってしまったんですよね。|unistyle|そういう、”就活用の表面的なところ”と言ってしまうと語弊がありそうですが、これまでの経験とか熱量とかがなかなか判断材料にならないことに対して憤りにも近いものがあったと。これが齋藤さんの「就活」であり、この経験が「本当の理想のキャリア実現のための行動」に繋がったという感じでしょうか?|齋藤|そうですね、この一連の出来事で「もう留学行きます!」ってなって、留学することにしました。逃げの部分も多少ありましたけど日本で受けたいと思える企業もそんなになかったですし。私の思う”評価”を求めたところが大きいと思います。私の知っている海外でなら”評価”を得られるんじゃないか、って。再度、世界にステージを移してエストニアにて。理想のキャリアを実現させるため、”就活”を辞める。|unistyle|どこに留学に行ったんですか?|齋藤|エストニアです。インターン時にブロックチェーンに関する記事を読む機会があって、それで偶然エストニアを知りました。記事の内容は「世界最先端のデジタル国家として今後伸びるんじゃないか?」というもので、直感的に「よし、行こう」ってなったんですよね。|unistyle|エストニア・・・あまり日本人は馴染みのない国ですよね。サンフランシスコでいろんな人と出会い、日本でやりたいことをしながら就活で絶望し、その後エストニアに行ったことで気付いたことや感じたことはありますか?|齋藤|思ったのは、あのまま日本にいると大手ブランドに惹かれている自分や「あの憧れの企業の人になりたい」っていう想いがどんどん強くなっていただろうなって感じました。というのも今思えばなんですが、折角内省プログラムを5週間して帰ってきたのに、私もマイナビとか就活サイトを見てみんなと同じようにサマーインターンのエントリーとかしてる中で”why”よりも”how”ばかりをしてしまっていた自分に気付かされたんですよね。やっぱりサンフランシスコやエストニアで出会った人達は大前提パッションがあって、さらに”why”があるから今これをしているっていうのが明確で。日本に居続けて、内定を獲得するためのスケジュールなんかもしっかり組んで、とにかく戦略的に効率よくこなしていく就活をしていたら、「あー第一志望落ちたー。次どうしよう」みたいな”how”ばかりに目がいってしまいそうで。周りに合わせて大手から順番に受けるという感じになっていたかもしれませんし。エストニアに行って、やっぱり”why”が大切で、その先に"how”があるっていうことに改めて気付けたことが、一番よかったことなんじゃないかなって思います。|unistyle|改めて本質に気付けたというか、大切にしないといけないことが蘇ったという感じですかね。更にその上で、エストニアにいたときに気を付けたこととか取り組んだこととかはありますか?|齋藤|2つあります。1点目は、好きなことをやり続けることです。好きなことにやる気になれれば、知らない土地や知らない人とも実現できるっていう自信が自分の中で芽生えました。2点目は、ブランディングや流行りに寄りすぎないことです。エストニアがIT界隈ではブームなのもあるんですが、エストニアブランディングに寄りすぎるとまた似たようなことになるっていう自分に喝を入れるようにしています。要するに大手ブランドを持ってしまうみたいなところですかね。大手○○会社の私、みたいな。就活生に伝えたい、私が思うやるべき2つのこと|unistyle|今回お話をお聞きして、齋藤さんは自分のやりたいこととか不安な部分をうまく両立させて、それによって本質だったり”why”が見えてきたんだろうなと感じているんですが、実際にはほとんどの就活生は齋藤さんのように器用にできる人は多くないと思うんです。様々な経験をしてきて、酸いも甘いも知った齋藤さんだからこそ、就活生や近い将来キャリアを考え始める学生に対して、どんなアドバイスをしますか?|齋藤|まず1つ目は、友達とか家族とか恋人と自分自身について話す時間をつくることは大事なんじゃないかなって思っています。いわゆる就活でやるような自己分析を「就活だから」という理由でやるのではなくて、大学1、2年生のうちに自分について考える時間を作ったほうがいいなって思います。もっと言えば高校生くらいからやった方がいいんじゃないかって思っているくらいで!私の場合はサンフランシスコ、日本でのインターン、内省プログラムなどもありましたし、そもそも誰かとお互いの価値観を話し合うみたいなことが好きだったので自然と育まれていった部分もあります。性格的なところは個人差があると思いますが、やっぱりまずは「早い段階で自分自身について誰かと話す」ことかなって思います。2つ目は、「じゃあ自分って世の中に対してどうしたいんだろう」といったところもじっくり考えてみる時間を設けた方がいいと思っています。とはいえこういうのってなかなか出てこないと思っていて、それは”知らないから”だとも思うんですよね。「なるほど、そういう考え方もあるんだ」って知るキッカケがあれば考えるようになると思うし、キッカケがなかった人は考える余地を得られないまま”型”にハマってしまった就活をしてしまうんじゃないかなって。一言でいうと、情報と経験からくる刺激が必要なんだろうなって思っています。|unistyle|仰る通りですね。unistyleでも、就活のために自己分析をするのは違うと訴えていますし、何かのきっかけで気付きが生まれてアクションをとってみようとか、アクション取ってみた結果何か刺激を受けて考え方や動きが変わると、もっと将来の時間を有効に、大事な自分の価値観を守りつつも、とはいえ有意義にこれからの人生を過ごしてくれる人が増えるんじゃないか、って思うんですよね。|齋藤|そうですよね、その気付きのタイミングは重要だと思います。そういうのをどれだけ散りばめられるか。自分で掴みにいくのもそうだし、誰かに会って話すだけでも変わるし。私は多分幸いにも多い方だったと思いますし、だからこそこれから就活やキャリアを考えていく人にとってはこれだけは伝えられるんじゃないかなって思っています。|unistyle|齋藤さんは4月から学生を卒業し社会人になると思いますが、現時点においてファーストキャリアをどのようにされるおつもりですか?|齋藤|結論は正直まだ出ていません。キャリア選択に妥協したくないというのもありますし、やりたいことも多いと思っているので慎重になっていますが、実はインターン先の上司からオススメされた某IT企業を3年生の12月に受けたんですが、そこから内定を頂いておりまして。”理想も求めつつ現実的な足場も固めてキャリアを積んでいきたい”と考えたときに、これまでの経験から「ITやメディアを通して人の支援とコミュニティー作りがしたい」「海外での就職は今は考えていないけど将来的には可能性があると思っている」「常に新しいことへの挑戦ができる環境にいたい」「とはいえ足場も固めないといけない」という贅沢な私の中長期的な理想を満たせるものはなにかなと。なので、内定先の企業も検討しつつ、まだ卒業まで時間もあるのでじっくり考えてみたいと思います。ファーストキャリアはそのくらい考えて決めるべきことなんじゃないかなって思っています。最後に|unistyle編集部から誰もが必ず「自分の未来」について考える機会となる就職活動。描く未来は、本当に自分自身が腹落ちして、ワクワクしながら目指せる未来になっているでしょうか。また、そこから逆算して、新卒1社目の会社はどんなところに入社すればいいのか?を考えて企業選びができていますか?あるいは、前向きな意味で”就活をしない”という選択肢も視野に入れていますか?多くの就活生と接していると「そもそも夢・目標、やりたいことが見つからない」「就職活動のために作った夢・目標を掲げている」「周りに流されて自分のキャリアを決めてしまっている」という人が多いように感じています。そんな方にとって、本記事が「自分の未来」について考え直し、行動するきっかけとなれば嬉しく思います。齋藤侑里子さんとunistyleのコラボイベントunistyle×サイトウユリコ|限定コラボイベント人生100年時代を生き抜くための、自己発見セミナー 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P&Gはやはりマーケティングの会社?内定者が語るP&Gの職種間格差 P&Gはやはりマーケティングの会社?内定者が語るP&Gの職種間格差 P&GCBD(営業)の内定者です。P&Gといえば多くの高学歴学生が受ける企業として有名かと思いますが、就活生の中で職種間の格差が存在することを理解している人はどれだけいるでしょうか。今回は内定者研修などを通して感じたP&G内部の職種間格差について書きたいと思っています。P&G関連のエントリーシート・インターン情報公式HPでも大々的にP&Gは「ブランドの会社」と言い切る職種間で差があることを採用HPでも特に隠しているわけではありません。採用HPでも下記のようにP&Gはブランドの会社であると言い切っており、更には出世する人の多くがマーケティング出身であることを伝えています。皆さんが、P&Gのマーケティングに入社する選択をされることは、すばらしいグローバルリーダーになるための第一歩を歩まれることとなります。P&Gのジェネラルマネージャーの多くは、マーケティング部門の出身です。世界中で、ジェネラルマネージャー10人に対し7人から8人がマーケティングの出身です。このことは、道理にかなっていることだと思います。なぜなら、P&Gは、ブランドをまず第一に考える企業だからです。(P&G採用HPより)ジェネラルマネージャー10人のうち7~8人がマーケティング出身でありそれは道理にかなっていることだと採用HPでうたっています。確かにBtoCの消費財メーカーにとっては消費者の持つイメージ、つまりブランドが大きな力になります。テレビCMなどで話題になるものを買う人もまだまだ多く、いくら優秀な営業マンでも、売れる可能性の低い商品を店舗で扱ってもらうのは難しいことです。優秀なマーケティングチームにより、商品の強固なブランドを築くことで販売しやすい体制を築くことが企業にとって重要であるといえるでしょう。企業がこのようにマーケティングの会社であることを大々的にうたっているため、内定者研修からその差を実感することになります。ここからは自身が内定者として感じたP&G内部の職種間の差について書いていきたいと思います。マーケティング内定者は内定者の時のフォローが手厚い?P&Gでは内定者にはメンターがつくことになりますが、メンターと会って話をする頻度はマーケティング内定者の方が営業の内定者に比べると多い傾向にあると感じました。もちろん、メンター社員のスケジュールなど個々人の事情があるとも思っており、営業の中にも手厚いフォローを受けていたり、逆にマーケティングでもあまりフォローされずにいる人もいるかもしれません。また内定者時代に会社からいわれる身につけてほしいスキルにも差があり、マーケティング内定者は英語でプレゼンが出来るようになることが必須として求められているのに対して、営業部門の内定者はエクセルと商品知識に関するもののみであるといったように、入社前からスキル・方向性に大きく差が出るように感じています。内定者研修は、前半2日間と後半3日間開催されます。後半3日間では全て英語による質疑応答、座学などが行われるのですが、入社前からの研修や英語力の差からか、マーケティングやファイナンスの内定者が場を主導し、営業の内定者はあたふたするといったような感じで進みます。部長クラスの人も「社長はマーケティング出身者が多い」と発言上記のような状況であるため、内定者研修にて、営業、マーケティング、ファイナンス、HR、R&Dなど内定者が一同に介した場でも部長クラスの人が「社長はマーケティング出身者が多い」といったことを公言しています。個人的にはここまでP&Gにおいて職種間の差が激しいとは思わなかったので結構ショックを受けました。営業の同期がどのように思っているのかわかりませんが、あまりいい気持ちがしないのではないでしょうか。営業・生産管理よりもマーケティングなど本社機能を担う部署の方が出世しやすい?P&GはBAND制というものを採用しており、BAND1、BAND2、BAND3、BAND4といった感じで昇進していき、給与もそれに応じて上がるそうです。先輩から聞いた話だと、08年前後のP&Gではマーケティングと営業では給与に差がついており、大きな年収差があったようです。しかし現在では営業もマーケティングも新卒時では差がないような体系に変更されているようです。出世についてはマーケティング、ファイナンスやHRなど本社機能に近いほどしやすく、営業や生産管理など本社機能から遠い部署ほど不利になると話を聞きました。もちろんこちらも当然職種云々だけでなく、個々人の能力によって変わってくるものだとは思っています。P&G営業のいいところ社内的には営業の立場が弱いことを伝えましたが、キャリアを進むにあたってP&Gの営業のよいところもあると考えています。一つ目は研修内容については、マーケティングやファイナンスなど他部門と同じP&G方式の非常に体系だった高いレベルの研修を受けることができることです。P&Gは英語や書類の作成方法についてもP&G方式のような感じで細かく決まっています。そうした高いレベルの研修・教育を受けることができるのは今後のキャリアに大きく役立つと考えられます。二つ目は営業の働き方としてかなり自由に裁量が認められているということです。基本的に営業は直行直帰で現場にいきそのまま帰ることが許されており、成績さえあげることができるのであればまったく出社しないことも許されます。先輩社員の中には子育て中のため、子供の送り迎えをしながら働いている人もいるようで、自由な働き方を目指す人にとっては非常によい環境であるといえます。伝説的な社長は営業部門出身P&Gジャパンの伝説的な社長で、日本人初のP&G本社のアジア統括責任者に就任した桐山氏は営業部門の出身です。ここまで見てきた通り、マーケティングが優遇される組織において営業畑出身でここまでの地位にのぼりつめたのは異例のことだといえます。先ほど部署間の出世格差について触れましたが、きちんと結果を残し周囲に認められることが出来れば、営業部門といえどもしっかりと出世できることを示してくれています。営業部門の内定者としては希望の星と感じています。最後にP&Gという名前に惹かれているだけで営業職を受けてしまうと、内定してから社内における職種間格差に驚いてしまう可能性があると感じています。このような事実を知った上で、営業としての働き方や営業という仕事自体の魅力を感じて、それを発揮する場としてP&Gを選ぶのであれば上記の通り、よい環境だと思えます。就職活動というと名前や企業のブランド、周囲の評判などに目がくらんでしまいがちですが、自分自身がどんなキャリアを歩みたいのか、決断する上で何が大事なのか考えた上で働く場所を選んでほしいと思います。P&G関連のエントリーシート・インターン情報(※2015年9月4日に一部追記・修正しました) 65,929 views

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