【例文9選】ガクチカで研究をアピールする書き方のポイントは3つ!

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最終更新日:2024年01月18日

【例文9選】ガクチカで研究をアピールする書き方のポイントは3つ!

本記事では理系学生だけでなく文系学生にも焦点を当てて"研究経験(研究室・ゼミ)に特化したガクチカの書き方・大手企業選考通過者の例文"を通し、「企業から評価されるガクチカ」を作成するためのヒントを提供します。

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研究経験(研究室・ゼミ)のガクチカ例文一覧

まずは、「研究経験(研究室・ゼミ)をエピソードにしたガクチカの例文」を紹介します。

今回は、unistyleに寄稿されたESの中から以下の9つを抜粋し、理系学生、理系院生、文系学生に分けて紹介していきます。

【理系学生】研究経験(研究室)のガクチカ例文(1)味の素

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【理系学生】研究経験(研究室)のガクチカ例文(2)富士フイルム

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【理系学生】研究経験(研究室)のガクチカ例文(3)森永乳業

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【理系院生】研究経験(研究室)のガクチカ例文(4)本田技研工業

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【理系院生】研究経験(研究室)のガクチカ例文(5)野村総合研究所

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【理系院生】研究経験(研究室)のガクチカ例文(6)ロッテ

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【文系学生】研究経験(ゼミ)のガクチカ例文(7)三井住友銀行(SMBC)

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【文系学生】研究経験(ゼミ)のガクチカ例文(8)アビームコンサルティング

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【文系学生】研究経験(ゼミ)のガクチカ例文(9)明治安田生命

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研究経験をガクチカのエピソードとして用いるメリット

メリット

次に、研究経験(研究室)をガクチカのエピソードとして用いるメリットを紹介します。

そのメリットは以下の3点に大別されると考えています。

  • ガクチカにおける目標や目的を明確化しやすい
  • 面接官の興味・関心を惹きやすい
  • 業界・企業・職種の志望動機と直結する

ガクチカにおける目標や目的を明確化しやすい

一つ目は活動における目標や目的が明確化しやすいことが挙げられます。

一般的に、研究活動では卒業論文や学会発表などが課せられており、それを集大成とする就活生も多いのではないでしょうか。

記事の後半で「ガクチカを書く際のフレームワーク」を紹介していますが、それを見てもらえればわかる通り、いくつかのポイントを押さえてストーリー構成で書くのが望ましいとされています。

研究活動ならば、「目標(卒業論文の完成や学会での発表)を成し遂げるため、~のような困難を乗り越えた」などといったストーリーを立てやすいでしょう。

面接官の興味・関心を惹きやすい

二つ目は面接官の興味・関心を惹きやすいことが挙げられます。

研究活動は専門的な内容を扱うことが多いですが、面接官がその研究内容に関して専門的な知見を有しているケースはあまりありません。そのため、面接官にとってはその研究内容を新鮮に感じ、知的好奇心を刺激する可能性が高いと言えます。

また、多くの就活生がガクチカで用いる「サークル・アルバイト経験」と比較しても、大学生の本文である"学業"のエピソードを用いている点で面接官の関心を惹きやすいでしょう。

毎年、就活期には「サークルの副会長・幹事が大量発生する」という噂が立つように、多くの就活生がサークル経験ガクチカのエピソードとして用いるため、面接官の中には「またサークルか…」と辟易している方がいる可能性も0ではありません。

その点、研究活動のエピソードを用いることで、学業に真面目に取り組んできたことを印象づけることができ、且つ研究内容も千差万別であるため、興味・関心を惹きやすい側面があります

業界・企業・職種の志望動機と直結する

研究経験をガクチカのエピソードとして用いる就活生のなかには、自身の研究内容を活かすことのできる「業界・企業・職種」を志望する方もいると思います。

そういった方であればガクチカで研究活動のエピソードを用いることで、「研究での学びを活かして働きたい・●●職は専門分野です」などと志望動機に根拠を持たせることができます。

具体例を挙げるのであれば、ガクチカの質問で研究活動のエピソードを述べたあと、志望動機に関する質問で「研究室で▲▲を学んでいるため、研究内容と直結する御社の■■職を志望しています」というように回答することができます。

"研究内容を仕事でも活かしたい"と考えている就活生であれば、ガクチカで研究活動をアピールすることは最適でしょう。

なお、ガクチカで研究をどうアピールすればいいのか分からないという就活生には就職エージェントneoがオススメです。

アドバイザーから、研究をアピールするコツに関してアドバイスがもらえます。

少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。就職エージェントneoに就活相談しよう

研究経験をガクチカのエピソードとして用いる際の注意点・ポイント

注意点・ポイント

研究経験をガクチカのエピソードとして用いるメリットを紹介しましたが、「用いる際の注意点とポイント」もあります。

基本的に、注意点・ポイントは以下の3点に大別されると考えています。

  • 5W1Hを意識する
  • 企業が求める人物像を意識する
  • 企業での活かし方を述べる

5W1Hを意識する

一つ目は5W1Hを意識することです。

ガクチカを書く際は、「5W1H(Who・When・Where・What・Why・How)」を意識することが重要だと言われています。

それは研究経験をテーマに述べる際も同様で、特に"What(何を)・Why(なぜ)・How(どのように)"を意識するといいでしょう。

研究内容をただ述べているだけでは大きなアピールにはなりません。「研究の何に興味を持ったのか」「何ををどのように頑張ったのか」を具体的に伝えることができれば充分なアピールになるでしょう。

企業が求める人物像を意識する

研究経験を考える際に必ず念頭に置いて欲しいのは"志望企業が求めている人物像を意識してアピールすること"です。

仮に素晴らしい実績・エピソードを持っていたとしても、その経験や培ったものを企業が求めていなければ高い評価を得ることは難しいでしょう。

では企業の人物像を知るためにはどうすればいいのでしょうか。それは企業の採用HPから把握することができます。

多くの企業が自社の採用HPに求める人材像を明記しています。そのため、採用HPを見ることで「その企業がどのような人材を求めているか」を知ることができます。

もっとも単純且つオーソドックスな方法になりますが、各社の採用HPは必ずチェックしておきましょう。

企業での活かし方を述べる

ここがガクチカでの最重要ポイントです。

その企業の仕事内容をしっかりと理解した上で、研究経験が入社後にどのように活かされるのかを提示しましょう。

企業側が重視するのはあくまでも「あなたが企業の利益に貢献できる(=企業で活躍できる)人材かどうか」です。したがって、これまで経験してきたことが、入社後にその企業に貢献するための武器になるものでなければ意味がないと言えます。

ガクチカの最後に「その企業での仕事内容」と「これまでに培ってきた経験から得られた強み」が結びついていることを示し、あなたがその企業にとって「採用すべき人材」であることを証明しましょう

研究経験をエピソードにしたガクチカの書き方

研究活動(研究室)のガクチカの書き方

続いては「ガクチカの書き方」を解説していきます。

ガクチカは基本的に上記のフレームワークに沿って書くと論理的な文章になると言われています。

このフレームワークを基に、「研究経験をエピソードにしたガクチカの書き方」を紹介していきます。

今回は、下記のガクチカを具体例として解説していきます。

※下記でそれぞれ解説しているフレームワークの6つの要素に関しては、「全ての要素を必ず盛り込まなければならない」というわけではありません。ESの設問形式や指定文字数を考慮しながら、構成を調整していただければと思います。

(1)結論
考察力という長所を活かして「●●技術の開発」に取り組み、学会での発表を目指した。
 ⇩
(2)動機
学部■年次に、自己成長の観点から従来とは異なる分野の研究室への配属を志望し、実験的なテーマを選択した。
 ⇩
(3)目標・困難
学会での発表を目指して開発に取り組む中で難しかったのが、問題に直面した際にその真因の特定および解決が困難だったことである。マイナーなテーマであるがゆえに先行研究が少なく、論文による調査が難しかった。
 ⇩
(4)取組み・工夫とその結果
そこで私は以下の2点において創意工夫を凝らした。1点目は「真因の特定に対して原因と考えられるものを洗い出し、検証実験によって真因を絞り込むことで効率を高めたこと」である。2点目は「真因の解決に対して、実験面だけでなく解析面からもアプローチを試み、多角的な視点から捉えることで実現可能性を高めた」ことである。この工夫により真因を特定して解決することができ、●●技術の開発に成功した。その結果、国内外の学会に参加して口頭発表を行う機会を得ることもできた。
 ⇩
(5)人柄
失敗も多くあったが地道な作業を繰り返したことが開発の成功に繋がった。
 ⇩
(6)学び
学生時代の研究内容、そして高い考察力という自身の長所を活かし、▲▲職として御社の成長に貢献していきたい。

フレームワークの各項目の具体的なポイントは、以下に記載した記事からご覧ください。

【参考】
ガクチカの書き方とは-6ステップで書けるESテンプレを基に解説-
→フレームワーク含め、「ガクチカの書き方」について網羅的に解説している記事になります。「ガクチカをうまく書けない」と悩んでいる就活生にとっては必読の記事になります。

ガクチカを研究経験にする際によくある質問

よくある質問

次にガクチカを研究経験にする際のよくある質問を紹介し、解決していきます。

よくある質問は以下になります。

研究成果や実績がない場合はどうするべきか

研究成果や実績がない場合では、些細なことでも頑張った出来事を伝えるようにしましょう。

例えば、地道な作業や研究でも諦めずにPDCAサイクルを回していることを伝えるだけで、粘り強い人柄をアピールできます。

このように研究過程や動機、自分自身の人柄などを明確に伝えることで企業にアピールすることができます。

【ES例文7選】ガクチカとは?自己PRとの違いからポイントまで徹底解説-unistyle独自取材付き-の「ガクチカの評価基準」でも紹介していますが、ガクチカの評価基準は「成果・実績自体のインパクト」だけではありません。

ガクチカを通じて、"思考力・モチベーションの源泉・人柄はどうなのか?企業で活かせる学びを得ているのか?"も知りたいと考えています。

企業はガクチカを通じてそれらを知ることで、「その就活生が自社にマッチした人材なのか、入社後も自社の利益に貢献する人材に成長するのか」を評価しています。

そのため、ガクチカでは「(1)なぜ取り組もうと思ったのか:動機(2)どのような工夫の上で取り組んだのか:方法論(3)どのような立ち位置で取り組んだのか:人柄」といった観点をアピールすべきだと考えられます。

そしてそれは研究室・ゼミ活動をエピソードとして用いる場合も同様です。輝かしい実績があると、どうしてもそれを全面に押し出したくなりますが、それだけだと企業は学生を「ただ頑張った人」といった評価しかできない恐れがあります。

また、そういった実績を持つ就活生も多数いるはずですから、もし自分より高い成果を挙げた就活生がいた場合、それだけで相対的に低い評価を受ける恐れがあります。

それを避けるためにも、ガクチカでは"目標を達成するまでの過程"を大きくアピールすべきでしょう。

専攻分野とは別の業界でもガクチカで研究内容についてアピールできるのか

専攻分野とは別の業界でも研究活動をガクチカのエピソードとして用いることは問題ありません。しかし「その内容を評価する人が専門の人ではない」という点は注意する必要があります。

頑張ったことについてのプロセスを伝える際、研究内容についても触れることがあると思いますが、採用担当が研究職の人とは限らないため、「研究内容を理解できずに何を伝えたいかがわからずに終わってしまう」ということはよくあるパターンです。

専門でない人が見ても(聞いても)しっかりと理解できるような内容を意識しましょう。

ただ、研究職(理系職)を志望する場合は「ESで別途研究概要を書く・面接でじっくり質問される」場合が多くあります。

研究概要に関しては、企業によっては文系でも分かるような内容を求めてくる場合もあれば、学会要旨のように専門的な内容で求められる場合もあるため、臨機応変に対応するようにしましょう。

文系学生でも研究(ゼミ)の内容をガクチカとして使って良いのか

文系学生はアルバイトやサークル、部活動などをがガクチカとして使っている方が多いですが、研究(ゼミ)活動もガクチカとしてアピールすることができます。

以下は22卒、23卒のESを対象にガクチカでどのエピソードを話しているのか独自調査した結果になります。

対象期間:22卒・23卒のES
対象のES:unistyle上にある本選考ES(200人)のガクチカ欄
対象業界:全業界(公務員を除く)
分類方法:学業、サークル、留学、長期インターン、部活、アルバイト、学園祭実行委員、その他で分類

このブラフからわかるように学業は4番目に多くガクチカとして利用されており、文系学生でもガクチカでゼミ活動をアピールしている就活生は多くいます。

理系学生・理系院生向け就活用LINEオープンチャットを紹介

理系学生・理系院卒向けオープンチャットの紹介

unistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。

実際に理系学生・理系院生向けグループでは、選考や企業に関するトークが活発に交わされています。

下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。

理系学生 理系院生 オープンチャット

最後に

最後に

本記事では、多くの就活生(理系学生)がガクチカのエピソードとして用いる"研究経験(研究室・ゼミ)のアピール方法"を解説しました。

研究経験(研究室・ゼミ)をガクチカのエピソードとして用いる就活生は他の就活生と差別化を図るのが難しく、それゆえに適切なアピール方法を理解しておく必要性があります。

本記事の内容を参考にし、自身の研究活動(研究室・ゼミ)のエピソードを魅力的にアピールしていただければと思います。

ガクチカ完全攻略記事一覧
1.そもそもガクチカって何?
2.ガクチカがない人の対処法
3.ガクチカの書き方を徹底解説
4.ガクチカの例文を紹介
(1)ガクチカでゼミ活動をアピールするには
(2)ガクチカでサークル活動をアピールするには
(3)ガクチカで留学経験をアピールするには
(4)ガクチカで長期インターンシップをアピールするには
(5)ガクチカでボランティアをアピールするには
(6)ガクチカで研究(研究室)をアピールするには【理系学生向け】
(7)ガクチカで体育会系部活動をアピールするには
(8)ガクチカで資格・TOEICをアピールするには
(9)ガクチカで趣味をアピールするには
(10)ガクチカでアルバイトをアピールするには
ガクチカでカフェアルバイトをアピールするには
ガクチカで塾講師アルバイトをアピールするには
ガクチカで飲食店アルバイト(居酒屋・焼き肉・レストラン)をアピールするには
ガクチカでカラオケアルバイトをアピールするには
5.面接でのガクチカ対策と頻出質問10選

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【厳選】すべての就活生が読んでおくべき4冊の必読書 【厳選】すべての就活生が読んでおくべき4冊の必読書 かつて伊藤忠商事で社長・会長を歴任した丹羽宇一郎氏も、著書『死ぬほど読書(幻冬舎新書)』のなかで「本はいってみれば、人間力を磨くための栄養です。草木にとっての水のようなものといえます」と綴っています。本記事では、就職活動を控えた方や、真っただ中の方に向けて、選りすぐりの必読書・4冊をご紹介します。また、記事の最後ではそれとは別に、就職活動の各フェーズで効果を発揮する5冊の選考対策本も紹介していますので、こちらも併せて参考にしてください。【本記事のトピック】■就活生が本を読むべき2つの理由■必読書・4選└内田和成『仮説思考』└杉野幹人『超・箇条書き』└伊賀泰代『採用基準』└橘玲『幸福の資本論』■付録:【完全版】おすすめ選考対策本・5選└【テスト対策】『これが本当のSPI3だ!』└【GD・ケース対策】『東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』└【GD・ケース対策】『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』└【自己分析】『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0』└【業界研究】『日経業界地図2018年版』■最後に:就活生よ、本を読もう!就活生が本を読むべき2つの理由まずは導入として、「なぜ就活生は本を読むべきなのか」、この問いについて少しだけ検討してみましょう。就活生の皆さんが(これまでにも増して)活字を読むべき理由は、2つあります。①キャリアを考えるための土台になる1つめに、あなたの幸福なキャリアを深く考えるための土台ができるためです。就職活動とは、数ある選択肢のなかから、あなた自身の幸福を最大化するようなファーストキャリアを選び取るプロセスです。さまざまな考え方や知識をインプットして見識を広め、改めてあなたの価値観を見つめなおすには、最適なタイミングのひとつであるといえるでしょう。②選考で評価されやすくなる2つめに、思考法や伝え方の原則を学ぶことで選考で評価されやすくなるためです。効率のよい思考法や相手が理解しやすい伝え方を心得ているだけで、就職活動の選考でのパフォーマンスは大きく改善されます。とりわけ、ビジネスの現場で活躍している著者の書籍を読み、そこから彼らの思考法やコミュニケーションスキルを学び取ることは、企業の選考で課される面接やグループディスカッション(GD)に直接的に活きてくるはずです。これらの理由から、読書は就職活動で納得のいく結果を手にするための最強のソリューションのひとつだと言えます。必読書・4選前置きが長くなりましたが、以下、unistyleから学生のみなさんに推奨したい4冊を紹介します。必読書①:内田和成『仮説思考』トップファームのひとつ、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)でディレクターまで上りつめた内田和成氏が、短時間で高い成果を出すための思考法を分かりやすく解説した一冊です。仮説思考BCG流問題発見・解決の発想法「仮説」とは、「まだ証明はしていないが、最も答えに近いと思われる答え」(本書より抜粋)のことであり、これを用いた思考法のことを「仮説思考」と呼んでいます。これは、絶対的な解が存在しないビジネスの世界において、高い成果を出すためには欠かせない思考法のひとつだといえます。これを会得し、実践することは、面接で高く評価されるような魅力的な経験・エピソードにつながるほか、GDやケース面接での議論にも活きてくるはずです。また、中長期的なメリットとして、入社後に実際のビジネスの現場で活躍するための素地をつくることにもつながるでしょう。必読書②:杉野幹人『超・箇条書き』トップティアのコンサルティングファーム、A.T.カーニーでマネジャーを務める杉野幹人氏の著書。超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術「短く、魅力的に伝える」ための必須スキル「BulletPoints(箇条書き)」について、実践的なテクニックまでが詳細に解説されています。皆さんがどんなに魅力的なアピールポイントを持っていたとしても、それを正しく企業側に伝えることができなければ、残念ながら何の意味もありません。本書が指南する「超・箇条書き」というスキルは、ESの作成はもちろん、面接でのアピールやGD・ケース面接でのディスカッションなど、就職活動のあらゆるフェーズで劇的な効果を発揮するはずです。必読書③:伊賀泰代『採用基準』マッキンゼー・アンド・カンパニーの採用マネジャーを12年のあいだ務めた伊賀泰代氏が、社会から本当に必要とされる優秀な人材像を明らかにした一冊です。採用基準「マッキンゼーが求める人材」は、実は「いまの日本社会が必要としている人材」とまったく同じであるとしたうえで、その条件(採用基準)となるたった1つの資質を解説しています(その資質が何であるかは、ぜひ実際に著書を手に取って確認してください)。マッキンゼーのようなコンサルティングファームを志望する学生だけでなく、これからビジネスのフィールドで活躍したいと考えているすべての学生が読むべき内容になっています。なお、本書については、unistyleにおいて以下の記事でも言及しています。■必読書④:橘玲『幸福の資本論』作家・社会評論家である橘玲氏が、「これからの社会で”幸福に生きる”ためには、どのように人生を設計すべきか」という本質的な論点を検討した一冊です。幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」橘氏は、人間が手にすることのできる資本を「金融資産(資本)」「人的資本」「社会資本」の3つに分けて定義したうえで、すべての人間の「幸福」な人生パターンはこれら3つの組み合わせによって説明できるとしています。ファーストキャリアとする企業を選び、社会人生活のエントランスをくぐる前に、ぜひ本書をヒントに「自分にとって”幸福な人生”とは何か」を考えてみてください。付録:【完全版】おすすめ選考対策本5選ここまで紹介してきた必読書とは別に、自己分析や業界研究、面接対策など、実際の選考に向けて具体的な対策を行うための5冊のおすすめ就活本も挙げておきます。書店の就活コーナーには大量の書籍が並べられており、どれを買えばいいか分からなくなってしまう方も多いかと思いますが、ひとまずは以下の5冊を選べば間違いはありません。【テスト対策】『これが本当のSPI3だ!』主要3方式<テストセンター・ペーパー・WEBテスティング>対応】これが本当のSPI3だ!【2019年度版】SPIの主要3方式(テストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティング)すべてに対応したテスト対策問題集。(もちろん、個人の得手・不得手にもよりますが)これ一冊をしっかりと解き込んでおけば、一般的な水準のテスト対策としては十分でしょう。▼テスト対策については、以下の記事もご覧ください。■■【GD・ケース対策】『東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」本来は外資コンサルなどの選考で課されるケース問題対策本ですが、グループディスカッション(GD)対策としても高い効果を発揮します(なぜなら、GDとケース問題の違いは「与えられた問題を複数人で解くか、ひとりで解くか」にすぎないため)。また、以下の記事にもあるように、最近では総合商社を始めとした日系大手企業でもケース問題が課される機会が増えています。■シンプルなフレームワークの助けを借りながら例題に取り組めば、みるみる実力がつくはずです。コンサル志望者はもちろん、グループディスカッションに苦手意識がある日系大手志望の方も今すぐ取り組みましょう。▼GD対策については、以下の記事もご覧ください。■■■【GD・ケース対策】『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!上記の『ケース問題ノート』と併用したいのが、こちらの『フェルミ推定ノート』です。フェルミ推定とは、「日本全国にマンホールはいくつ存在するか」など、正確に求めるのが難しい数値を論理的に概算することをいいます。ビジネスライクな数的思考力を鍛えられるほか、ケース問題やグループディスカッションのなかで売上推定を行うときなど、ケースワークに取り組むうえで大いに役立ちます。本書は数学が苦手な文系学生でも親しみやすいよう、具体的な例題を交えながらシンプルに書かれており、効率よく学習を進めることができます。すべての就活生におすすめしたいワークブックです。【自己分析】『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0』さあ、才能(じぶん)に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0あなた自身の強みを知るために一役買う、ベストセラー本です。一冊ごとに固有のシリアルナンバーが付属しており、Web上でこれを入力して〈ストレングス・ファインダー2.0〉という診断テストを受けると、あなた自身が持つ「5つの資質」を知ることができます。独力での自己分析に行き詰まってしまったとき、新しい視点から自分を顧みたいときなどに活用するとよいでしょう。ただし、こうした書籍はあくまでツールに過ぎません。「やって満足」で終わらないよう、戦略的に自己分析を進めましょう。▼自己分析については、以下の記事を必ずご覧ください。■■【業界研究】『日経業界地図2018年版』日経業界地図2018年版日経新聞社が毎年リリースしている業界地図も、さまざまな業界を広く・浅く俯瞰するのには役立ちます。志望業界の見当がつかない方や産業構造を広く知りたい方などは、本書を入り口にして業界研究を始めるとよいでしょう。(もちろん、より本格的な業界研究を行う際は、また別の手段を講じる必要があります。)▼業界研究については、以下の記事を必ずご覧ください。■最後に:就活生よ、本を読もう!本記事では、unistyleが学生の皆さんにおすすめしたい4冊の必読書、さらに付録として5冊の選考対策本をご紹介しました。以下、ラインナップを再掲しておきます。【4冊の必読書】■内田和成『仮説思考』■杉野幹人『超・箇条書き』■伊賀泰代『採用基準』■橘玲『幸福の資本論』【付録:5冊の選考対策本】■『これが本当のSPI3だ!』■『東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート』■『現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート』■『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう新版ストレングス・ファインダー2.0』■『日経業界地図2018年版』就職活動というタイミング、そして本記事で挙げた4冊の良著をきっかけにして、ぜひたくさんの本を読んでみてください。読破した本たちはきっと、皆さんの人生の肥やしになるはずです。下記には、その他各業界志望者におすすめの書籍を紹介した記事へのリンクもありますので、併せて参考にしてみてください。参考: 160,643 views
「ベンチャーで学歴は関係ない」はホント?スタートアップ役員の学歴を調査! 「ベンチャーで学歴は関係ない」はホント?スタートアップ役員の学歴を調査! Unistyle創業者・樋口(Twitter@happytarou0228)のtweetです。参考:KotaroHiguchiTwitter(@happytarou0228)リンク先のTechCrunchのポスト「大学別スタートアップ数&調達額ランキング」では、アメリカ国内の大学別に「卒業生が立ち上げたスタートアップの数」とその「資金調達*額」の調査結果がまとめられています。このランキングの上位は、スタンフォードやマサチューセッツ工科大(MIT)、ハーバードなど、グローバルに名の知れた名門大学ばかりで占められており、【スタートアップ・ベンチャーのフィールドでも、学歴と資金調達額のあいだには相関がある】というメッセージを読み取ることができます。*資金調達:企業が事業を行うために必要な資金を外部から獲得すること。この場合は特に、「スタートアップ企業がベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けること」を指します。「VCの投資審査をパスした」すなわち「専門家から一定の水準以上の成長性を見込まれた」という解釈ができるため、調達金額はスタートアップの企業価値を知るうえで参考になる指標の1つにもなります。参考:日本でも急成長中?ベンチャーキャピタルの仕事内容と就職のための道しるべなんとなくでVCから資金調達は絶対にしちゃダメ!(外部記事)本記事では、この「学歴と資金調達額のあいだの相関」が日本国内のスタートアップでも観測できるかどうか、実際のデータを用いて検証したいと思います。仮説検証のためのアプローチunistyleでは、トップキャリアを歩む全1,333名のビジネスパーソンの経歴を調査し、独自のデータベースとして保有しています。ここでは上記データベースのなかから、【直近5年間に総額1億円以上の規模で資金調達を行った未上場スタートアップに勤務しており、そこで役員クラス以上の職位にある人物】という条件で絞り込みを行い、該当するスタートアップ役員310名をピックアップ。公開されているプロフィール情報などを通じて彼らの学歴を調査し、それらを統計的にまとめ直すことで日本のスタートアップ・ベンチャー役員の学歴の傾向に迫りました。日本のスタートアップ・ベンチャーの役員は高学歴か上記の母集団の学歴調査から、各大学の出身者数をランキング形式にまとめ直してみると、その傾向がくっきりと見えてきました。トップは、40名のスタートアップ役員を輩出している東京大学。慶應・早稲田が僅差で続き、その次は14名の京都大学です。学生の絶対数が少ない東京工業大学・一橋大学もそれぞれ5位・6位とするなど、冒頭で取り上げたアメリカ国内のケースと同様、一般的に高学歴とされる大学が上位を独占するかたちになっています。また、今回の母集団全体の構成比率をみても、高学歴層がマジョリティを占めていることがわかります。いわゆる東京一工(東大、京大、一橋、東工)と早稲田・慶應だけで半数近くを占めており、その他の旧帝大・上位国立大とMARCHまでを合算すると、一般的に高学歴とされる層が全体のちょうど60%を占める結果となりました。また、大学院卒業者の多さも興味深いポイントのひとつです。※文部科学省学校基本調査(平成29年度)対象母集団としている未上場スタートアップ役員のうち、実に30.1%にあたる96名が大学院修士以上(博士卒も含む)の学歴を保有していました。文科省「学校基本調査」によれば、2017年春に大学(学部)を卒業したすべての大学生のうち、大学院へ進学するのは11.0%。スタートアップ役員は全国平均のおよそ3倍の水準ということになります。結論として、やはり日本国内においても【スタートアップ・ベンチャーのフィールドにおいても、職務上の成果・ポジションと学歴とのあいだには相関がある】という傾向は指摘できそうです。(なお、ベンチャー企業への就職を検討している方にとっては、以下のunistyle記事もヒントになるはずです。)参考:三井物産からの内定を辞退してベンチャー企業へ、京大卒20代取締役が考えるキャリア観「ベンチャー企業なら大手より成長できる」は本当か?最後に本記事では、実際のデータを用いながら「スタートアップ・ベンチャーのフィールドにおいて、学歴と成果のあいだに相関が認められるか」という点を検証しました。結果はアメリカの場合と同様で、スタートアップ役員の大半が東京一工や早慶などいわゆる「高学歴」によって占められていること、さらにそのうち約30%は大学院修士まで卒業していることが判明しました。近年盛り上がっている「大企業orベンチャー」という二項対立の議論。「ベンチャーで学歴は関係ない」というイメージが語られることも多いように思いますが、果たしてこれは本当でしょうか。そのような採用戦略をとっている企業があるのも事実でしょうが、これまで見てきたように【スタートアップ界隈で成果をあげた人材のうち、大半が高学歴であること】ことを考慮すれば、そこには再考の余地がありそうです。次回の記事では、コンサルやPEファンド、ベンチャー・キャピタルなど各業界在籍者の学歴を調査することで、新卒での就職活動にあたって自分の学歴とどう向き合っていくべきか、より深く検討を重ねたいと思います。【unistyle転職シリーズ】#1「転職」で総合商社を比較する#2「転職」でみる電通/博報堂#3銀行員の「転職」にみる、日系大企業の栄枯盛衰#4外資系戦略コンサルの「転職」を切る!#5PEファンドへの「転職」をねらえ#6ベンチャー役員を目指すなら、最適解はリクルートだ#7WhatisanMBA?MBA留学でキャリアを磨こうphotobySebastiaanterBurg 18,979 views
【ケース】地方私立大学の生き残り戦略を立案せよ【アクセンチュア過去問】 【ケース】地方私立大学の生き残り戦略を立案せよ【アクセンチュア過去問】 外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開!今回は過去アクセンチュアのグループディスカッションにて出題されたケース問題について説明したいと思います。今回はフェルミ推定ではなく、地方私立大学の生き残り戦略という戦略立案のケースになりますので、様々なアプローチが考えられます。今回の説明ではなるべく多くの可能性を網羅した上で、地方私立大学の生き残り戦略について説明したいと思います。1.前提条件の確認とアプローチ方法の選定【前提条件】地方私立大学の役員として、大学側の立場から改革案を立案するものとし、現行法の変更などは行わないものとします。大学の規模は1学年300人程度、ブランド力は低く、偏差値も低い地方にあるA大学を想定しています。「生き残る」とは長期的に収益を挙げ続けるものとします。こういった戦略立案を行うケース問題においてはどのような立場から考えるか、どのような状況に置かれているのかある程度、前提を固めておかないと戦略立案のベースがぶれることになります。例えば、「立場」で考えると、文部科学省の役人として、地方の生き残り戦略を考えるのと、大学の役員として戦略を考えるのではまったく別物になります。【アプローチ方法】まずは大学のビジネスモデル、ターゲット、現状など「戦略」を立案する上で重要な現状分析を行いたいと思います。その現状から地方私立大学が抱える課題を特定し、打ち手の立案を行いたいと思います。2.現状分析◆ビジネスモデルの確認前提条件で「生き残る」とは長期的に収益を挙げ続けると定義しましたが、大学のビジネスとはどのように成り立っているのかから考えましょう。大学の売上は主に、①授業料+②入学金+③受験料+④その他収入で成り立っていると考えられます。地方私立大学の場合は、おおよそ①授業料:100万円②入学金:30万円③受験料:3万円となっております。受験料で授業料と同じ程度の収益をあげるとなると、定員の33倍超の受験者を確保せねばならず、現実的な施策とは言えません。ここは正攻法に入学者を増やし、長期的に定員以上の学生を確保し、授業料で成り立つ大学を目指すべきだと言えます。◆ターゲットの確認ビジネスモデルの確認を行ったところで、大学ビジネスのターゲットについて考えます。大学のメインターゲットである大学入学を目指す高校生も含めて大学ビジネスのターゲットは以下の4つが考えられます。①大学進学を目指す学生:メインとなるターゲット②留学生:海外から日本の大学進学を目指す学生も一定数いるはず③社会人:MBAや法科大学院だけでなく、社会人入学の制度を整えている大学も多い④シニア:定年退職後のシニア層が入学するというニュースもあり、通信制などの大学制度もあり②〜④の層については、まだまだ需要の掘り起こしの余地がありそうな分野ではあるものの、ノウハウも少なく、マーケットとしても①に比べるとどうしても小さくなりがちなため、まずは①のメインとなるターゲットのアプローチ方法を考えた上で、②〜④の可能性について検討することします。◆ターゲットの競合次はメインターゲットとなる高校生の大学進学における競合について考えたいと思います。そもそも日本の大学進学率は50%程度であり、残りの50%は専門学校へ進学するか、高校を卒業して就職します。大学進学:専門学校進学:就職のそれぞれの割合は、50%:25%:25%程度であると考えられます。多くの学生が進学先や就職先を選ぶ基準としているのは、「学費などの機会費用の損失と将来得られる利益」を天秤にかけて、4年分の学費と時間を払ってでも進学する方が利益になると考えれば大学に進学し、一方で進学したとしても就職に有利になる大学に進学できないと判断した場合は、専門的な知識の習得のために専門学校に進学したり、高校卒業時点で就職するという選択をするものと考えられます。不況期に突入し、今後も日本経済が明るく兆しが見えない中では、子供のためのモラトリアムとして大学生勝つを遅らせる余裕がどんどんなくなることが予想され、この傾向は年をおうごとに強くなることが考えられます。現在の地方私立大学は、ブランド力も低く、進学後の就職実績も低く、さらに地方にあるということから学生が中々集まらずに経営が苦しいというのが現状です。逆に考えれば、就職に有利になる教育内容、大学制度を整えることができれば、従来はターゲットではなかった専門学校や就職する層に対してもアプローチが可能になります。この層に対して施策を考えることも重要になります。◆ターゲットはなぜ大学に進学するのか次に、大学進学を考える学生がなぜ大学に進学するのか、その目的を明らかにした後に、大学間の競争について考えたいと思います。受験生の大学進学の目的は、①大学教育、学歴を得ることによるよりよい雇用機会の獲得(医学部、薬学部など卒業することで資格がもらえる大学も含めて考えます)、②将来研究者になるための研究機会の獲得、③将来を考えるためのモラトリアム・社会勉強の三つがメインとして考えられます。中でも②はほとんどの場合が理系であり、元々研究者を目指す学生はかなり少数であること、また③のモラトリアム・社会勉強としての進学は社会情勢も考えると今後どんどん減少していくことが考えられます。よって、①のよりよい雇用機会の獲得に集中して、顧客のニーズを満たすことが、大学進学を考えていない層も含めてアプローチする上で非常に重要なことになると考えられます。◆大学間競争どの大学に進学するかの要因は様々なものが考えられますが、メインとなるのは、①学費(国立・公立or私立)、②立地(地元or都市or地方)、③偏差値(高or低)の三つが考えられます。それぞれの大学がどのようなニーズを満たしているかを表にまとめてみたのが下記の表になります。各大学の特徴より、黄色く色づけした大学がメインの競合になると考えられます。上記の通り、メインの競合以上に、「よりよい雇用機会を提供し」、「かつ入学しやすい制度を整備」することで、大学間競争に勝てるものと考えられます。3.課題の特定最も大きな課題は、メインターゲットの「より良い雇用機会を得たい」というニーズを満たす教育を提供できていないことにあると考えられます。もしこのニーズを満たす大学教育及び制度を整えることができれば、従来は専門学校や就職を選択していた層に対してもアプローチをすることが可能になります。またニーズを満たした上で、受験・入学がしやすい制度を整えることも重要になるでしょう。地方という土地柄、全国何処でも受験できる制度や入学金・受験料、学費の減額は考慮すべき事項だと考えられます。4.打ち手の立案◆就職実績を上げる3で述べた課題を解決する上では、「就職実績を上げる」ということが考えられます。就職実績を上げるための施策も、①キャリア支援と②学生の質を高める教育の提供の二つが考えられます。①のキャリア支援では、キャリアセンターなどの充実以外にも、地元企業とのコネクションを作り、寄付口座の開講やインターンシップの充実、企業説明会の誘致などが考えられます。②の学生の質を高める教育という点では、語学やプログラミングなどビジネスで必要となる知識を提供するなどが考えられます。◆受験・入学しやすい制度の整備次に地方にあるということも考え、メインとなるターゲットが受験しやすい環境を整えることは重要になります。特に、メインの競合となるであろう地元の私立大学、地元以外の地方の私立大学、都市部の私立大学から、学生を獲得する上では上記の「就職実績」というニーズを満たすものと同時に、受験・入学のしやすさという制度を整えることが重要になります。入試制度を4Pで分析すると、下記のように考えられます。①Product:教育内容=上記の通り、「ビジネスに役立つ知識の提供」をメインとする②Price:学費、受験料、入学金についてはトータルで増加するのであれば減額を考えてもよい③Promotion:多くの学生に認知してもらうためにも大規模なマーケティングキャンペーンが実施できるとよい④Place:センター利用入試など、全国各地で受験できる仕組みは必須といえる◆打ち手の確定「日本発のビジネス専門学部」を開設し、就職実績の高い地方私立大学としてのブランドを確立します。優秀な学生を集めるためにも、初期はプレスリリースを中心としたマーケティングを実施し、尚かつ受験しやすいように受験料、学費、入学金をできるだけ安くし、学生を集めます。教育内容としても、一年間の留学経験、プログラミング言語の必修化など、今後のビジネス社会において役に立つ知識を詰め込む教育に特化した学部として知名度を高める戦略を取ります。5.検証実際に特色ある地方大学として近年注目を集めているのが、秋田国際教養大学です。秋田国際教養大学では、一年間の留学が必須であり、授業も英語で行われるなど、国際化の流れを意識した教育プログラムとなっています。また過去には金沢工業大学がキャリア教育が充実している大学第一位として取り上げられ、就職の強い大学としてブランドを築きつつあります。一方で、最近でも取り上げられたように、地方私立大学が留学生をやたらと入学させて、不法就労の温床となってしまっているのではという指摘があります。地方大学としては入学してもらえれば、入学金も学費ももらえるため、実際に大学に来なくても問題がないと考えてしまい、留学生としても日本の大学から入学許可が出ればvisaも取得できるため、日本に居住しやすくなります。双方の思惑が一致した結果、大学生のほとんどが海外からの留学生で、その留学生もサテライトで授業をするなど、実際に登校している実態がないような大学も多数生まれてきてしまっています。また法科大学院については学生の質が問題視されています。入学水準に満たないような学生を入学させることで学費を稼いでいるのではないかという疑念がもたれています。いくつかの法科大学院においては合格者が極端に少なく、法科大学院としての体裁が保てていないのが現状のようです。少子高齢化、人口減少社会を迎えた日本が今後も発展し続けることができるかどうかの一つの鍵に、「教育」は間違いなく関わってきます。東京大学が秋入学を本格的に検討を始めるなど、今回考えた地方私立大学だけでなく、全ての大学において大学教育を見直す時期に来ています。是非皆さんも自分自身の問題として考えてみて下さい。【ケース問題を解く上で必読の3冊】東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」現役東大生が書いた地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!過去問で鍛える地頭力外資系コンサルの面接試験問題【余裕があったら読んでおきたい+2冊】戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策ビル・ゲイツの面接試験―富士山をどう動かしますか?photobyKārlisDambrāns外資コンサル業界完全攻略記事一覧1.【業界研究】外資コンサルの仕組み・大手企業ランキング・選考対策まで一挙大公開!2.【業界研究|コンサルティング】コンサルティングとは?から選考対策までを徹底解説3.【業界研究】外資コンサル大手企業一覧まとめ4.【業界研究】外資コンサルの年収ランキングを大公開! 43,821 views
アクセンチュア社員が語る、外資系SIerのエンジニアの良い点と悪い点 アクセンチュア社員が語る、外資系SIerのエンジニアの良い点と悪い点 始めまして。私は17卒の就活生で、IT業界のエンジニアを志望しています。私が実際に志望する業界としては、Web業界やSIerが挙げられるのですが、今回はアクセンチュアでソリューションエンジニアを担当している若手の社員さんにOB訪問してきました。今回の私のOB訪問の目的はもちろんSIerで働くことのやりがいや醍醐味について現場で働いている社員さんに伺うことが目的ですが、説明会では聞けないようなSIerのエンジニアの仕事における辛い点や退屈な点をより明確化することも1つの目的でした。非常に聞きずらい質問だったのですが、今回は幸いにもエンジニア業務の悪い点に関する質問に対しても丁寧に回答していただけたので、どのような情報を得たのかについて以下に紹介したいと思います。外資系SIerだからこその国際プロジェクトに取り組む醍醐味OBから説明していただいた仕事のやりがいや醍醐味について紹介する前に、実際にアクセンチュアがどのようなプロジェクトを行っているかを以下に紹介したいと思います。(引用)事例紹介:旭化成株式会社eコマースの波が化学業界全体にも押し寄せるなか、日本における先進企業である旭化成は、「AKchem.com」を立ち上げました。同サイトは、「価格競争に陥ることのない付加価値をもつeコマースサイト」というコンセプトのもとわずか半年で構築されました。このサイト立ち上げの原動力となったのは、アクセンチュアとのチームワークによる徹底的な戦略構築作業でした。(中略)戦略構築に引き続きシステム構築が開始された。この間、アクセンチュアはプロジェクトの品質を管理するために、第三者による客観的なチェックを3ヵ月ごとに実施した。eコマースと化学業界に精通したエキスパートが1週間かけて改善点などをアドバイスするもので、アクセンチュア独特のシステムである。約3ヵ月の戦略構築、約半年のシステム構築を経て、AKchem.comは始動したのである。(中略)アクセンチュアは、世界中のグローバル企業とともに革新的なビジネスを構築してきました。なかでもeコマースは、近年最も実践的に力をいれてきた領域です。市場を取り巻く環境の総合的・科学的な分析、最新のIT技術を駆使してグローバルに通用するサプライチェーンを構築、新しいビジネスモデル創出のサポートなど、投資を伴うネット事業の支援サービスも積極的に手がけています。最近の例では、ダウ、デュポン社など世界有数の化学企業が設立した“エレミカ”というマーケットプレイスの構築にも協力しました。こうした実績が、「eコマースならアクセンチュア」という定評につながっています。SIerのプロジェクトは、まず戦略立案を行うことから始まります。実際にコンサルタントがお客様の課題をヒアリングし、それをベースに戦略立案、そしてそれに引き続いてシステム構築を行うことが一般的な流れです。このシステム構築を担当するのが皆さんが思い描くSEの仕事であり、「要件定義」というシステムが満たすべき機能や性能を明確にする作業からスタートしていきます。今回OB訪問させていただいた社員さんの担当フィールドのも機械メーカーであり、実際に企業が持つ工場に駐在して業務を推進するようなプロジェクトを長い間担当していたようです。いわゆる大手のSIerの企業の1つの魅力としては、やはり大きな市場規模があるプロジェクトに関われることだとおっしゃっていました。具体的に言うと、プロジェクトの金額は数千万から数百億円までに及びます。かつ、プロジェクトメンバーには国籍を問わない様々な人材が参加していて、そのような多様性があるもとでチームを巻き込みながらプロジェクトを促進することはアクセンチュアだからこそ出来ることだとのことです。そして、アサインされるようなプロジェクトに関しても、ある程度自分の希望が通るような風土があるとのこと。この社員さんは語学力を活かしながら自分に専門性が付くような、市場価値が高まるような仕事がしたいという思いでアクセンチュアを選んだらしく、実際に関わっている案件は外資系企業や、日系企業の海外進出に関わるものが多いとのことです。SIerのエンジニアが抱える業務での問題点しかし、今回のOB訪問では、なかなか説明会などでは聞けないようなSIerエンジニアが抱える仕事に対するフラストレーションや問題点についても教えていただくことができました。SIerなどを志望する学生の多くはほとんどがご存知だと思いますが、システム開発の業務の流れは簡単に分けると企画→要件定義→開発→保守・運用という一連の流れがあります。そして、一般的に要件定義や企画の段階を「上流工程」と呼び、そして開発を行う工程を「下流工程」と呼ぶことが多いです。ソリューションエンジニアの業務はこの中でも企画以外の要件定義から保守・運用までを担当しています。実際にエンジニアがどの段階を担当するかについてはそのエンジニアのスキルや描いているキャリアパス、そして開発チームのメンバーによって大きく変わってくるようです。今回OB訪問させていただいた社員さんが特に指摘していたエンジニア業務の退屈な点としては、この工程の中での「保守・運用」業務のつまらなさです。保守・運用の工程は設計したシステムの規模が大きければ大きいほど長期にわたることが多いですが、この業務はどうしても退屈に感じてしまうとのこと。お客様に安心してシステムを利用してもらうためにも保守運用を徹底することは非常に重要であることは間違いないのですが、やはり「やりがいがある面白い仕事」とは言えないみたいです。また、近年の傾向として、アクセンチュアは非常にチャレンジングな案件を受注することが多く、プロジェクトが繁忙期の時は残業時間が非常に長くなるそうです。「入社前から業務が長く残業が多いのは知っていたのである程度は覚悟はしていたが、正直想像以上だった」とのこと。かなりのタフさが求められることは覚悟したほうがいいことはやはり間違いないそうです。さらに、プロジェクトによっても残業代をつけることができるかどうかは変わってくるので、「残業代が勤務した時間だけ正確に出ない可能性もあることは注意したほうが良い」とも脅されてしまいました。もちろん、給与形態については企業によって変わってくるとは思いますが、そのような所にもしっかりと目を向けることは大事でしょう。また、今回のOBだけでなく、以前私が話したことのある現在Web系ITベンチャーに勤務している元外資系SIerの社員さんも非常に似通った問題点に言及していました。よって、今回紹介したSIerの業務の問題点は、一般的にも言えることなのかもしれません。この方は、構築・保守運用のプロセスだけでなく、サービスやシステムの企画・立案も含めて全ての工程を担当したいという思いでSIer業界からWeb業界へと転職を決意したそうです。最後に今回は外資系SIerのソリューションエンジニアにOB訪問をし、その業務が持つ良し悪しについて大きく2つに分けて説明しました。一般的に多くの企業は、説明会において業務の魅力や醍醐味などの「良い点」にしか触れないことから、しっかりした企業選びを行うために「ネガティブなことも聞いてみるOB訪問」を行ってみましたが、いかがでしたでしょうか。私としては、エンジニアで働くフィールドとしてWeb業界とSI業界、どちらが自分の思い描くキャリアパスとして適しているのかについてかなり長い期間悩み続けてきましたが、今回のOB訪問でWeb業界に対する志望度が高まったというのが正直な感想です。もちろん、SIerのエンジニアにしか味わえない大きなやりがいがあるのも理解はしているので、今回のOB訪問で得た情報をしっかりと受け止め、後悔しないような就職活動をしたいと思っております。また、今回のOB訪問で私は知った情報はあくまで1人のSIerエンジニアの主観であるので、全てのエンジニアには絶対に当てはまりません。ぜひみなさんも、実際に現場で働く社員さんに直接会って、業界の事情や仕事のネガティブな点を理解した上で後悔しないような企業選びをしてほしいと思います。photobyIvetteDiaz 31,432 views

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