営業orコーポレート?総合商社内定者が懇親会で見た内定者のタイプ

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最終更新日:2023年10月23日

営業orコーポレート?総合商社内定者が懇親会で見た内定者のタイプ

16卒の総合商社内定者です。

筆者は8月の頭に某総合商社から内々定を頂き、内定者懇親会に出席しましたが、そこで内定者が大きく二つのタイプに分類されることに気づきました。

今回は倍率100倍を越える難関の選考を突破した総合商社内定者の懇親会においてどのような内定者がいて、それは仕事に置き換えた時にどういう分類をされるのかにクローズアップしていきたいと思います。

総合商社内定者:営業向き内定者

盛り上げ上手で商社マンといったらイメージするタイプの人です。

非常に細かい気遣いができ、テーブル全体のボルテージを高めることに長けています。公式な懇親会の後の2次会のお店を抑えていたりするのには驚きです。

彼らは入社後も営業部門の最前線で働き、数々の接待と数々の合コンをこなして、様々な案件を獲得するに違いありません。

また学生時代から海外インターンやバックパッカーなど自分の意思で積極的に行動していた人が多くここに分類されるように感じます。

総合商社内定者:コーポレート向き内定者

先ほど紹介したお地蔵さん内定者の他にサポートに徹している内定者がここにグループ分けされます。

スーツの上着を脱ぐ人がいればそっとハンガーを手渡す、飲み物が減ってきた人に対して次に何を頼むかを聞く、気分の悪そうな人をそっとトイレに連れていくなど例を挙げればキリがありませんが、宴会というフィールドにおいて完全なるサポート体制を敷いています。

宴会においてリスクマネジメントに徹している学生はおそらく面接でもその能力が見抜かれ、リスクマネジメントを行う部署に配属されることでしょう。

また宴会を盛り上げている営業向き内定者を引き立てている姿を見ているとまるで商社のビジネスが目の前で行われているような錯覚に陥りました。        

総合商社内定者の内訳

ちなみに内定者の内訳としては体育会が2-3割、帰国子女が1-2割、女性総合職が1-2割でした。

ただ体育会だから率先して盛り上げるであったり、帰国子女だからお酒が入ると英語で話し始めるということはありませんでした。

また志望部門の話をしてみると営業志望の学生8割、コーポレート志望の学生2割といったところでしょうか。

営業部門では若いうちに結婚した上で家族とともに海外に駐在したいと考えている内定者が非常に多いように感じられました。

コーポレート部門を初めから志望している内定者は司法試験合格を目指していて法科大学院に通っている人や投資ファンドでインターンをしていて、投資の部署に入りたいなど専門分野に秀でている人が多くいました。

最後に

最終的な配属は人事社員が決めますが、今回は内定者の目線から内定者がどちらの職種に向いているのかを考えてみました。

毎年ある程度、適性を考えた上で採用活動を行っているはずなのでわかりやすいぐらい営業向きの人やコーポレート向きの人が内定者に多くいるように感じられました。

就活生のみなさんも人気業界である総合商社を志すのであれば、自分がどの職種で働くのかを考えてみたら良いでしょう。

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びの軸」などが紹介されています。まとめ:自分なりの逆質問を考えるには?「大手企業内定者の逆質問を参考にするのは良いが、丸々真似するべきではない」ことは理解していただけたと思いますので、最後に「自分なりの逆質問を考えるには?」という観点から述べさせていただきます。改めてにはなりますが、大手企業内定者の逆質問をそのまま真似してもあまり意味はありません。大切なのは"逆質問をする目的を正しく理解し、その上で大手企業の内定者が実際の本選考でした逆質問などを参考にし、自分なりの逆質問を作成すること"だと考えられます。unistyleには、逆質問をテーマにした記事がいくつか掲載されています。本記事の内容と関連記事なども確認し、逆質問作成の参考にしていただければと思います。逆質問の考え方・作り方を知りたい方はこちらの記事へ逆質問のNG例を知りたい方はこちらの記事へ逆質問の具体的なイメージを掴みたい方はこちらの記事へ逆質問の考え方・作り方を知りたい方はこちらの記事へ逆質問の作り方・考え方を解説した上で、例文も掲載している記事になります。本記事の内容と関連している部分も多数ありますので、本記事と併せてご確認ください。【記事の構成】●面接官が逆質問をする意図●面接官に好印象を与える逆質問の考え方●面接官に好印象を与える逆質問の作り方●最終面接の逆質問例●最後に逆質問のNG例を知りたい方はこちらの記事へ評価されない逆質問の特徴を解説しています。自分自身で考えていた逆質問がNG例に該当していないか、確認してみてください。【記事の構成】●逆質問は非常に評価されてる、質問は差が出やすい●自分のできなさから来る不安を解消するための質問は評価されない●調べればわかる質問をわざわざ対面で聞くのは評価されない●それ聞いてどうするの?と思われる質問は評価されない●良い質問の最低条件は「質問の意図を伝えること」●最後に逆質問の具体的なイメージを掴みたい方はこちらの記事へ実例を元に「逆質問がどのように進むのか」を紹介した記事です。逆質問のリアルなイメージを掴みたい方にとって参考になる内容が記載されています。【記事の構成】●生命保険の1次面接●シンクタンクの2次面接●ITメガベンチャーの最終面接●全体へのフィードバック 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就職活動の何が怖いのか|”他者評価”をキーワードに考察してみた 就職活動の何が怖いのか|”他者評価”をキーワードに考察してみた 就職活動においては、「自己評価の高い・低いが内定先に大きく影響する」と考えられます。(中略)多くの学生が学歴や学生時代の経験といったスペック部分に注目していますが、意外にも就職活動を大きく左右しているのは自己評価の高さなのではないかと思っています。参考:こんにちは20卒の慶應生です。就職活動において自己評価の高さは内定獲得に大きな影響を与えます。unistyleでも過去には自己評価の高さと内定獲得の関係について考察をしてきました。【参考】・・とはいえ、誰もが常に自己評価が高い状態で就職活動に挑めるかというとそうではなく、時には押しつぶされそうな不安と闘いながら就職活動を乗り越えていくのではないでしょうか。ところで、なぜ就職活動に対して不安・怖いと思うのでしょうか。不安の原因が明確でありかつ、不安に対する明確な解決策があれば就職活動も気楽に乗り越えられるはずです。筆者自身も「超」がつくほど就職活動に対して不安や心配を抱いて過ごしていました。そこで本記事は当時を思い出し、不安・心配を抱えながら就活をしていた当時の自分、そして現役で就活中の皆さんの力になれればと思い執筆しました。なお、就活が怖いという就活生には就職エージェントneoの利用もオススメです。エージェントを利用することでアドバイザーから、就職活動において自分が怖いと感じているポイントはどこなのか、客観的にアドバイスがもらえるため、就職活動への恐怖感を軽減できるかもしれません。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。本記事の構成就職活動の何が怖いのか他者評価という客観的指標他者評価という逃れられない重圧他者評価は一過性のものにすぎないさいごに就職活動の何が怖いのかよっぽど強靭なメンタルを持つ人でない限り、就職活動に対して不安や心配を覚えずに終わる人はいないでしょう。水面下に進む面談・先に内定が出る友人・大学ブランドによるプレッシャーなどその形は様々です。事実、『就活|不安』でGoogle検索をすると1300万件近くヒットすることからも、どうやら就活に対して心配や不安を覚えるのは少数の人だけの悩みではないようです。ところで、就職活動に対する不安や心配事にはどのような形態に分類できるのでしょうか。unistyleのインターン生および、筆者の周りの就活経験者・経験中の学生の声をまとめてみると以下の3つに分類できることがわかりました。もちろんこれらが全てではないのですが、皆さんの悩みも何かしら当てはまるのでないのでしょうか。同調圧力仮定法(もし〜だったら)人間的価値同調圧力同調圧力|集団において、少数意見を持つ人に対して、周囲の多くの人と同じように考え行動するよう、暗黙のうちに強制すること参考:コトバンク|同調圧力同調圧力は英語で"PeerPressure"と呼ばれており"Peer(特定の集団)"に所属することで感じる圧力となります。もっと平たく説明すると、所属する集団で他人と違うことをする/他人と違うと感じることで生じる心理的な圧力になります。「みんな説明会行ってる」「みんなインターン行ってる」「みんな〇〇業界を見ている」といったところでしょうか。みんなやっているから自分もやらなくてはと焦燥に駆られるといった感じでしょう。この「みんながやっているからやる/やらなくてはいけない」という風潮は、やる気を起こす為の材料としては優れているかもしれませんが、時には自分が遅れているのではないかという心理的なプレッシャーになってしまいます。就活の髪型どうあるべき?#1000人の就活生のホンネから見えてきたのは、就活ヘアに対する息苦しさ。今日をきっかけにひっつめ髪をほどいた就職活動がこの国の当たり前になりますように#就活をもっと自由に#HairWeGo#内定式https://t.co/NTv2xxO4oapic.twitter.com/nYHlT8vZMu—パンテーン(@PanteneJapan)2018年9月30日"就活ヘア"という生き苦しさをなくそうというパンテーンの動きは話題を集めました。この場合、"就活ヘア"というのもある種の同調圧力なのかもしれません。仮定法(もし〜だったら)受験英語でお馴染みの仮定法は就職活動でも再び顔を覗かせます。「もし内定出なかったらどうしよう」「もし面接失敗したらどうしよう」「もし〜だったらどうしよう…」多くの就活生がこの「もし〜だったらどうしようパターン(便宜上、仮定法パターンと呼ぶことにします)」で一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。皮肉なことにこの仮定法パターンは、問いかけが無限大にあるだけでなく、仮に問いかけても答えが返ってこない一方通行の問いであり、ただ不安を冗長させるだけの結果になります。よくある「面接が怖い」というのも噛み砕けば「もし怖い面接官だったらどうしよう」「もし面接で否定されたらどうしよう」「もし落ちてしまったらどうしよう」といった仮定法パターンの1つではないでしょうか。人間的価値3つのパターンの中で最も深刻な部類に属するのがこの”人間的価値”まで踏み込んでしまった場合でしょう。就活って落ちると人格否定された、と感じやすい仕組みなんですけど、99%落ちるもんだと思ってるので、気にしないほうが良い派です。めちゃ優秀な友達見てても、99%落ちてました—けんすう@マンガサービスのアル(@kensuu)2019年4月19日「企業に落ちる=いらない人間・価値のない人間」の等式が成り立たないのは了承済みでしょう。企業によって求める人物像はそれぞれであり、単にマッチができていなかった場合もあります。とはいえ、実際に本選考が本格化してくると、違うと分かっていても、順調に就活が進まないと上の等式が成り立ってしまっている様に錯覚してしまいます。他者評価という客観的指標就職活動における悩みや不安は大きく3パターンに分類することができるのは説明した通りです。もちろんこれら3パターン以外の悩みや不安もありますが、上記3つはメジャーな悩み・不安であることは間違いないでしょう。そしてこれら3つのパターンには、ある1つの共通項があります。それは、これら3つが『他者評価(客観的評価)』によって引き起こされる悩み・不安であるという点です。他者評価がどうして悩みの原因になるのかを述べる前に、他者評価とはそもそも就職活動でどのような役割を果たしているのか、その背景を解説するところから始めます。客観的指標の説得力unistyleでは他者評価は自己評価を補完する大切な客観的な指標の1つであるとしています。説明するまでもありませんが、自己評価とは自分で好き勝手に内容を設定できる評価です。(中略)せめて自己評価ぐらいは高めに、悪く言えば自分を正当化して精神衛生上良くしようという考えが生じうると言えるでしょう。参考:「おれ東大受ける実力があるんだ」という学生よりも「(実際に)東大に受かりました」という学生の方が説得力があるのは納得していただけると思います。東大を受ける実力があるというのはあくまで自己評価の範疇に過ぎず、後者の東大に受かったという客観的に評価できる指標がある方がより説得力が増します。この例で着眼していただきたいのは、東大に受かったという客観的な事実が、その学生を他者が評価する指標の1つになっているという点になっているということです。別の例を引き合いに出します。次の2人の経営者が全く同じ内容の講演会を開くとなったとき、どちらの経営者の話が説得力があると思われますか。A:東大→外資系コンサル→海外MBA→ベンチャー企業取締役講演内容:『A氏が語る大企業には未来がない』B:中堅大学→中堅企業→ベンチャー企業講演内容:『B氏が語る大企業には未来がない』話す内容が一言一句同じ講演会だった場合、説得力があると感じるのはA氏でしょう。大切なのはこれはB氏はA氏と比較するとダメであると言いたいのではなく、A氏のキャリアが講演内容『大企業には未来がない』により客観的な説得力を加えていると無意識のうちに理解しているということです。東大生が学歴は関係ないと言うのと、Fラン生が学歴は関係ないと語るのでは前者に説得力があるように感じるのは、東大という学歴を語るに足りるという他者評価をするための指標が加わっているからでしょう。内々定獲得という客観的指標受験や講演会の例と同様に、就活にも勝ち組と見なされる所謂『就活強者』なるものがあります。そして、その就活強者としての客観的指標は『〇〇(有名企業)に内定を貰った』『〇〇個内々定を貰った』など内定に関連しています。というのも、就職活動の中身を客観的に評価をすることは難しく、内定獲得はその人の就活の結果を見るには判断しやすい指標だからです。だからこそ、「〇〇の内定/〇〇個内定」という指標が他者評価に繋がります。反対に、内定という客観的指標を持たない状態で『就活強者』を語られても何も説得力がないのは想像に難くありません。自己評価とは自分次第で高くも低くもすることができるぶん、自己満足の範疇にすぎません。そのため、他者評価と客観的な指標が加わることで初めて、自己評価に説得力を加えることができます。他者評価という逃れられない重圧他者評価は自己評価を補完する大切な指標であることは理解していただけたと思います。他者評価は自己評価を高めることができる反面、時には自己評価を下げてしまうこともある諸刃の刃でもあります。冒頭で就活のよくある悩み・不安は大きく3つに分類することができると説明しました。これら3つの悩みはほとんどが他者評価に原因が行きつきます。究極論ですが、就活が失敗すると困るのは誰でしょうか。もちろん仕事が見つからなかったという点で両親に経済的負担をかけてしまうという見方もできますが、困るのは就活が上手にいかなかった自分自身に間違いないでしょう。就活が上手くいかなかったとしても友達に迷惑をかけるわけでもありません。就活が怖いのではなく就活を怖くしているのではないかではなぜ就活失敗がこれほどにも怖いのでしょうか。理由は単純明確です。『〇〇さん内々定0らしいよ』『〇〇大学なのに、、、大企業じゃないの?』『〇〇さん就活失敗したらしいよ』『みんなに就活失敗したって思われたくない』『面接に落ちたら、使えない人間ってことなのかな』どうでしょうか。全て他人にどう評価されるのかといった点に集約されています。他者評価を気にするのが良いのか悪いのかの議論はさておき、こうした他者からどう見られるか・評価されるのかを気にするのは一部の人に限った珍しい話ではありません。(日本人が人目を気にしやすい事は心理学的に証明されていたりします。興味がある人は”ハスの公的自己意識の実験”を調べてみてください)そのため、上記3パターンで悩んでいる人はおそらく根底では他者にどう評価されるのかといった点で悩んでいるのではないでしょうか。他者評価を気にするのが悪いのではなく、問題は他者評価に依存することで就職活動にマイナスの影響を与えてしまうことではないでしょうか。余談になりますが、少し前にベストセラーになった『嫌われる勇気』を書いた心理学者アルフレッド・アドラー(オーストリア)も著書で『全ての悩みは対人関係の悩みである』と言及しています。※他者評価に依存するメリット/デメリットについてかなり詳細に述べているので、本記事を通して”他者評価”について興味を持ったら是非目を通してみてください。他者評価という逃れられない重圧就活に関する悩み・不安が他者評価に由来するならば、他者評価から切り離して考えてしまえばいいということになりますが、解決策はそんなに単純ではありません。自分がどれだけ他者評価を気にしなかったといえど、他者評価と無縁に生きていくことは不可能です。人は一人では生きていけないという言葉があるように、誰しも他人と何かしらの関係を結んでいます。特に学生であるならば、何かしらのコミュニティに属している筈であり他者と関係を持たない人はいないと思われます。たとえサークルなどの繋がりの強いコミュニティに属していないとしても、大学にコミュニティに属している以上何かしらの情報を耳にすることがあるはずです。そうである以上、自分が好む好まないの問題に関係なく常に他者評価に晒されているという事になります。「あの人〇〇の内定もらって凄いね」「あいつのくせに〇〇から貰ってるのかよ」といった他者評価は自らもするでしょうし、逆にされているものです。そもそもですが、就職活動自体、内定を獲得する(=企業から欲しい人材と評価される)行為であるため、他者評価と切り離す事はできません。他者評価は一過性のものにすぎない他者評価と切り離して就職活動をすることは難しいですが、これから本選考を迎える皆さんにとって覚えておいて欲しいことは他者評価は一過性のものであることです。あいつが〇〇論争は夏休みまで内々定が解禁される6/1以降しばらくは誰がどこどこにいったトークで盛り上がることは間違いありません。とはいえ夏休みを過ぎると、マッキンゼー・三菱商事・国家公務員・パイロットetcの内定獲得者がチヤホヤされたり、反対に就活留年や就活失敗などの噂話が盛り上がることは6月期と比較すると指数関数的に減少します。というのも夏休みを過ぎると、卒業論文や内定先の課題、そもそも最後の学生生活をどう過ごすのかといった方が重要になり少し前の内々定トークはほとんど重要ではなくなるからです。反対にいつまでたっても自分の内定先トークしかできない学生は、それしか話す内容がないのかと周りから白い目を向けられてしまっている印象を受けます。就活生の皆さんに覚えておいて欲しい事は、(就活に関して言えば)良い他者評価もそうでない評価もすぐにどうにでもよくなるということです。就活中の皆さんが思っているよりも、終わってみると皆自分の事にしか関心が向かなくなります。だからこそ、就職活動は人気企業や大手企業など他者評価ベースで選んだ企業ではなく、自分の心から納得した企業を選択するべきだと口酸っぱく言われているのかもしれません。受験では取り敢えず東大、就活では外銀、外コン、総合商社、入社してからは海外MBA取得して出世もしくはキャリアアップの転職を目指し続けるっていう他人のモノサシでいいと言われる人生歩み続けるのはかなり大変そう。どっかのタイミングで自分のモノサシと他人のモノサシの折り合いつけたいね。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2017年2月12日他者評価よりも自己評価以上のことを踏まえるとたった数ヶ月の他者評価の為に長い間苦心することは精神衛生上あまり好ましくないことはわかります。少々話が矛盾しますが、他者評価の重要性を理解した上で自己評価を高めることが、就活をポジティブに乗り切る上で重要なのかもしれません。学歴というものは一度決まってしまったのならば変えることはできないものですし、変えることができないものに悩んで時間を費やすよりも、サークル活動やアルバイトでの経験、定量的なものではTOEICの点数など自分でコントロールできるものにより時間をかけたほうがいいかと思われます。参考:上記記事でも言及されていましたが、自らがコントロールできないことに時間を使うことは非効率的です。そもそも他者の評価というものは自由にコントロールすることができないものではないでしょうか。例えば、名だたる大企業から内定を貰うことは就職活動というフィールドでは高い他者評価を受けることが可能でしょうが、それがその人の人間的価値評価になるわけではありません。さらに言えば、どれだけ大手優良企業から内定を獲得しても、評価する人がその企業を知らなければそもそも価値が生まれません(いわゆる評価されやすいBtoCメーカーが就活生に人気で認知の低いBtoBの人気が低い理由もこの点にあると思われます)。それよりも、希望する結果を手にする為に自らがコントロールできること(ES・テスト対策・自己分析etc)に時間を使う方が効率的です。また、神戸大学が2018年に発表した幸せの測り方に関する調査によると、幸福度を上昇させるのは一般的に考えられている学歴・所得などではなく「自己決定」であると報告しています。学術的にも、学歴・所得などある種の他者評価軸よりも自己決定の方が重視すべきであるとしている点に大きな意味があるのではないでしょうか。(参考:神戸大学所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる|2万人を調査)筆者自身も就活経験者ですので、就活失敗しても大丈夫なんて無責任なことは言えません。他者評価ベースから切り離して考える難しさも理解しています。でも、もし皆さんの就活への不安が他者評価ベースに基づくものでしたら、大した問題ではないんだよと心を落ち着けて自分に今できることに注力していただいたらと思います。さいごに就職活動に対する不安の形や大きさは人それぞれです。今回示したパターンやマインドが全ての人に当てはまるといったこともないでしょう。しかし冒頭でも述べた通り、筆者も就職活動に対してやればやるほど不安や心配が募り暗い気持ちで過ごしていました。いま冷静になって振り返ってみた時、自分自身が就活の何に対して悩んでいたのかを突き詰めていった結果、他者評価に行き着くことがわかり本記事を執筆しました。ぜひ、就活中の皆さんには本記事を参考や反面教師にして、自分自身が納得する就職活動を送っていただけたらと思います。【参考記事一覧】・・・・・・ 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「NTT、辞めました。」ー退職ブームに沸くNTTを中の人が考察してみたー 「NTT、辞めました。」ー退職ブームに沸くNTTを中の人が考察してみたー Webメディア上の記事・コンテンツは"エントリー"と言われ、中でも退職に関して述べたものを、"退職エントリー"と呼びます。日本を代表するような大企業から新興ベンチャー企業まで、様々な企業の退職者が自身の経験を発信していますが、中でも最近ブームと言っていい程退職エントリーが量産されているのが、ズバリ"NTTグループ"になります。参考:6年勤めたNTTを退職しました元々NTT関連の退職エントリーはいくつもあったのですが、上記のエントリーがバズって以来、NTTグループの退職エントリーが世間の注目を集めています。私自身も現在NTTグループの一角の大手企業に勤めており、こういった退職エントリーブームを中の人視点からしていろいろと思うことがあります(筆者は退職しているわけではなく現在も中の人です)。本記事では、そんなNTTの退職エントリーを紹介しながら、「NTT退職エントリーブームが示唆すること」について考察していきます。NTTに限らず、「安定した日系大企業」に共通する大手で働くメリット/デメリットが浮き彫りになりました。NTTに興味がある人もない人も、ぜひご覧ください。まず、"NTT"とは何か"NTT"という言葉自体をご存知ない方はいないと思います。「電話線を引いている会社?」「ドコモのこと?」「フレッツ光の会社?」世間一般では主にC向けの代表商品に紐づいたイメージが先行していると思われますが、NTTグループ自体は2017年度現在で連結子会社922社を要する日本最大級のグループ企業となっています。詳細については以下の二記事で異なった視点から述べていますので、こちらを参考にしていただければと思います。参考:内定者経験|NTT志望者がグループ他社の社員にもOB訪問をすべき理由NTT対策の総まとめ。ーインターン攻略から内定まで主要10社を完全網羅ー一般に、"NTT"と言われるとNTT東西・NTTドコモを始めとした個別企業を差すことも多いのですが、厳密にはNTTグループの純粋持ち株会社である日本電信電話のことをNTTと言います。(日本電信電話は純粋持ち株会社として設立されていますが、実際には自社で研究活動等を行い収益をあげているという点では事業持株会社の側面を持ちます。)最近ブームとなっているNTT退職エントリーの多くは、「〇年勤めたNTTを辞めました」といったように、「NTTグループうちのどの企業について書かれているか」については書かれていません。本来のNTTである日本電信電話の場合もあれば、孫会社と言われるような企業の退職エントリーである場合もあります。(ちなみに中で勤めていると、退職エントリーで書かれている内容がどの企業について書かれているものなのか何となくわかったりもします)「なぜ、辞めないのか」ーNTTで働くメリットー退職エントリーではもちろん「退職した理由」について書かれているわけですが、基本的には前職についての悪口だけをつらつらと述べるものではありません。「〇〇という良い点も確かにあったけど、最終的にデメリットの方が多いと考えて退職しました」という形で、自分の所属組織について良かった点/悪かった点を両軸で述べている印象があります。ここでは、退職理由の前にNTTで働くメリットについて、過去の退職エントリーや私自身の就業経験に基づいて紹介します。メリット1:いい人が多く、クビにならない総じてすげーいい人が多いです。コミュ力重視の採用を長年続けていることもあり、日本語が適切に通じて、かつ人もいい人が多い気がします。良く言えば草食男子、悪く言えばキレが無い、ガツガツしていないという感じでしょうか。私が新卒の時は、ザ・パワハラ上司みたいな人たちもたまに見ましたが、今では絶滅種でほとんど良い人しか見当たりません。出典:【退職エントリ】10年以上勤めたが、いまさらNTTを辞めました。「一緒に働く人」を志望動機の一つとして語る就活生はそれなりにいますが、NTTのグループの退職エントリーでも"人"については魅力として語っているものは多かった印象があります。総じて穏やかな人が多く、理不尽な要求やそれこそパワハラといったものはほぼ無い傾向が各種エントリーから読み取ることができます(もちろん現場によりけりで、「絶対にありえない」とは言い切れないわけですが)。また、元々NTT一社時代から分社化して現在に至るNTTグループでは、高年層を中心に様々な経歴を持った社員が存在します。そのため、得意分野やスキルの異なる社員がよくわからない人員配置をされている気も個人的にはしています。・僕の成績は最低だったが、なぜかクビにならない。国家資格や社内資格に無理やり挑戦させられるも連戦連敗。パートのご婦人の方々に罵倒され、息も絶え絶えに徒然を過ごすなか、無駄に歳を積み重ねる。出典:10年勤めたNTTを退職しました(無能編)こちらの方が生々しく語っている通り、NTTグループでは非常に解雇規制が強く、会社を辞めさせられるという事態はまず起こり得ません。特に成果を上げなくても、会社にいるだけでそれなりに役職が上がったりもします。企業に所属してその対価として得る給与を生活の糧としている人がまだまだ大多数である現代社会において、雇用の安定性が確保されていることはメリットの一つとして挙げていいことだと考えます。メリット2:「ホワイト企業」の代名詞就職活動の場で"NTT"と言われると、ホワイト企業のイメージをまず真っ先に抱く方も多いと思います。『「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説』でも述べた通り、「ホワイト企業」という言葉の定義は個人の価値観によって異なりますが、ここでは便宜上残業が少ない・休暇日数が多いという労働時間に紐づく一般的な定義を扱います。そのためどちらかというと、ホワイトというよりは徹底した労務管理と法令順守意識と言った方が適切かもしれません。・生産性を犠牲にしてでも守る。サービス残業なんてやると逆に上司に鬼のように怒られる。・有給消化率は部署にもよるがほぼ100%。・退職後は非常に手厚い保証。嘱託社員のおじいちゃんによく自慢された。出典:7年勤めたNTT系列を退職して2年半が経過しました(ノンキャリア編)NTTグループがホワイト企業とイメージされる要因の一つが労働組合の強さにあります。若者の過労死や働き方改革などでこの手の話は近年注目を集めるトピックの一つにはなりますが、NTTグループの多くではサービス残業や不当な長時間労働なんてのはもってのほか。法令に違反するような労務管理をしたら最後、組合からお叱りや説明の場を設けられることになります。勤務時間については、PCの使用時間・オフィスの入退出時間・入居ビルの入退出時間までが管理され、どう頑張ってもサービス残業が出来ないような体制が整っているグループ企業も存在しています。また、よくある話で私自身も実感しているところとして、毎年有給休暇の期限切れ直前となる9月には休暇を取得する人が続出し、夏季休暇も相まって人手不足で仕事がなかなか進まないということが往々にして発生します。仕事を進めることよりも、有給休暇を使い切ることを優先する。それが、NTTグループなのです。メリット3:世間で言う安定性は抜群(と思われる)「ホワイト企業」と並んで就活生が話題に挙げる話として、その企業の安定性、すなわち潰れにくいかを気にするケースは多い印象です。元々は三公社の一つの国策企業として発足したNTT。長年日本の通信インフラを支えてきた組織として安定性をイメージする方は多いと思われます。NTTの全体像をちゃんと把握している人はおそらく(私を含めて)少ない数しかいないはずです。とてつもなく大きい企業グループで、本当にいろいろなことをやって日本を下支えしています。国や公共団体の情報通信分野において利用や政策をリードしているのは間違いなくNTTで、私はNTTが終わるようなら日本も終わると思っています。出典:次々出てくる退職エントリー、それでもNTTはすごいよこちらの退職エントリーが指摘する通り、端的に言って今でもNTTグループが日本の通信インフラを支えていることは事実でしょう。MVNOや海外の有名IT企業等が参入する現在においても、結局はNTTのプラットフォームが用いられて多くの事業は行われており、NTTグループが丸ごと潰れるといったことはまず考えられないと言っていいでしょう。もちろん、「10年前は東電・シャープに入社した人は勝ち組だった」でも指摘した通り、今や「~~社に入っておけば絶対将来も安泰」といった絶対的な安定というものは存在しません。とは言え、大企業やこういった社会基盤を支える企業がそうでない企業と比較して相対的に安定していることも事実であり、「NTTが安定している企業か」と言われればYesと回答せざるを得ない面も少なからずあると思っています。あれだけ株価が下がり世間的なイメージも悪くした東京電力が、潰れるどころかむしろ数年後にあっさりと過去最高益を記録した話は記憶に新しいことかと思います。「なぜ、辞めるのか」ーNTTで働くデメリットーこのように、NTTで働くうえでは様々なメリットがある一方で、当然これだけの退職エントリーが出ている分デメリットも存在します。デメリット1:効率性・スピード感の欠如NTTの社内システムは非常に使いづらい印象を受けます。末端までセキュリティ施策を推し進めるのは結構ですが、全体最適化のために推し進められた施策が個々の部署の生産性を大きく押し下げているケースが多々あります。参考:10年勤めたNTTを退職しました(無能編)こちらについては以前unstyle内の記事「NTT東日本のイメージが変わる?OB訪問でわかった実態」でも少し触れましたが、NTTグループ全体の傾向として、リスクに対する慎重な姿勢や非効率な業務運営がなされているケースは多いという指摘が広くなされています。意思決定の遅さというのも、「スピード感に欠ける」という指摘を受ける一要素でしょう。やはり日本の通信インフラを支えている企業らしく、セキュリティーには敏感な性格は強いと言えます。コーディング規約や社内で閲覧できるWebサイトに大幅な制約があるなど、業務を進めるにあたってあらゆる制約がかかっており、結果的に効率性を欠いている面があります。その例として上記のような社内システムの使い勝手の悪さは個人的にも実感しています。情報通信分野のリーディングカンパニーである割には、会議室の予約システムや勤怠管理システムなど、効率的とは言えない面が随所に見受けられます。デメリット2:給与には満足していない社員も一定数いる就職活動におけるNTTグループの代名詞として挙げられるのが、「まったり高給」という言葉。しかし、「NTTコミュニケーションズの社員が伝えたい6つの真実」でも触れた通り、「まったり高給」とは「まったりの割には給料がそれなりに貰える」という意味合いの方が近く、いわゆる「高給取り」と呼ぶには物足りないと感じる人は多いようです。入社7年目のサラリーマンの給料(ボーナスや家賃補助など全部込み)として、僕の年収653万円という数字は先に書いたように年代平均よりは良いしこの数字を貶すのは気が引ける。その一方でここからモリモリ上がるかというと管理職昇格という狭き門を通り抜けない限り良くて800万円になるかどうかというラインを生涯さまよい続ける事になる。出典:6年勤めたNTTを退職しました四十の管理職で650万らしい。ゆ、夢がない。出典:7年勤めたNTT系列を退職して2年半が経過しました(ノンキャリア編)また、役職についても各社上詰まり感が否めない傾向はあるようで、年齢を重ねれば半自動的に課長ぐらいまでは到達できるという時代でも無くなってきているようです。現に、定年が近づいていても、いつまで経っても平社員でいる人はそれなりに見受けられます(そういった人たちが特段スキルが低いようには内部で働いていて感じないのですが...)。その昇進も、いわゆる社内政治といった業務遂行とは直接関係のない分野や、社内システムの仕様といった他企業では通用できない狭い世界のスキルで決まっている面は少なからずある印象です。NTTグループは単純に給与として受け取れる絶対値が高いというよりは、扶養手当・住宅手当といった福利厚生に関する各種手当や、休暇の多さ・残業時間の少なさなど、総合的に加味したうえで待遇の良さが語られるべきだと思っています。一般的な生活をする分には十分な給与がある程度のゆとりをもって得られる一方、若くしてがっつり稼ぎたいという方には物足りない金額なのかもしれません。デメリット3:夢ある仕事?でも実際は...貴社がこれまでに築いたネットワーク技術や膨大な顧客基盤を活かして、今よりも人のつながりが強い社会を実現したい。私の強みである【組織の足りない部分に気づく力とそれを埋めるための行動力】を活かして、隠れたニーズを顧客から引出し、多くの社内外のスペシャリストを巻き込みながら、社会に変革を与える事業に取り組みたいと考える。また多くの分野の仕事に関わるなかで、ゼネラリストを超えたスペシャリストを目指したい。参考:【内定】NTT東日本エントリーシート(総合職)NTTグループの主要事業である情報通信の分野における志望動機のよくある例として、「社会をよりよくする」というビジョンを書くケースは非常に多い印象です。「NTT東日本の新卒採用HP」にも書かれた「つながる」というキーワードから想起されるように、「○○と××を繋げて社会をよりよくしたい」といったものがその代表例です。情報化社会という言葉が誕生してからしばらく経ちますが、今や通信やITが無くては事業活動や我々の日常生活は成り立たないものとなっています。それだけ活用可能性が高い分野であれば、通信やITを用いてあらゆる分野で社会をより良くするというビジョンを掲げ、企業に入社してくるという方はそれなりに多いことでしょう。良くも悪くも、受託開発のSIerの血は根強いです。お客様に言われた仕様のシステムを確実に作って納品する。旧来型のビジネスモデルをアイデンティティにしているため、今現在も全てはお客様ありきです。つまりは、会社は私たちに、プロフェッショナル御用聞きに徹することを望んでいるのです。当社に入社した社員のほとんどは、ITを使って社会に新しい価値を提供したい、社会を変えたいというモチベーションで入社したことでしょう。しかし、全てとは言いませんが、当社の大部分の仕事は、目の前の顧客だけをみた近視眼的な仕事がほとんどです。出典:【退職エントリ】10年以上勤めたが、いまさらNTTを辞めました。しかし、現実問題として、NTTグループの事業のメインは、技術力を活かして社会に新たな価値をもたらすことではなく、お客に要求された仕様通りにシステムを作り上げることだったりもします。もちろん全社方針として海外展開や新規事業へ手を出すといった話を時おり耳にすることはありますが、この方が指摘するように、まだまだ国内の受託開発のSIerとしての性格は根強い印象です。あれだけ海外展開のイメージが強いNTTデータでさえ、国内の売上高が過半数を占めているというのが現状です。インターンシップでよくあるような、「新規事業立案」みたいなものに携われるケースはほんの一握りでしょう。「通信・ITの力で社会をよりよくする」という気概を持って入社する一方、実際に入ってみると「要求された仕様条件を満たす」ことに必死で、ほとんどの社員が自らの仕事の社会的意義のようなものには目を向けず目先の業務に注力しているというのが現実ではないでしょうか。私自身は元々そういったビジョンがあって入社したわけではありませんが、それでもやはり今の仕事をすることで誰が喜ぶのか・社会の発展にどう寄与しているのかといった実感は正直得られないまま日々を過ごしているのは否めない気もしています。こういったミスマッチが、退職者を生み出す一つの要因となっていることが想定されます。優秀な人が日系大企業を抜けているのは、何もNTTに限った話ではないこれまでの内容から、「安定した日系大企業」の典型例とも言えるNTTグループにも、実際に働くとなると様々なメリット/デメリットがあることは認識していただけたかと思います。しかし、NTT退職エントリーブームである現在では、あたかもNTTグループだけで人材流出が加速しているかのように思われるかもしれませんが、このことは日本社会全体にある程度共通している傾向だと考えています。参考:「総合商社、辞めました。」76人の商社マンの転職キャリアを追うこの記事のように、現在新卒就活の最人気業界と言ってもいい総合商社でさえ、優秀な若手の離職率増加に危機感を覚えているということです。先ほど「解雇規制が強く、会社に所属しているだけでそれなりに役職が上がったりする→相対的に雇用が安定していて良い」といった話をしましたが、裏を返せばこれは優秀な若手にとって画一化された報酬・雇用体系による大きな機会損失となる可能性を含んでいると考えることもできるでしょう。新卒一括採用・終身雇用といった日本型雇用慣行が徐々に薄れていく現代において、優秀な若手社員にも雇用の流動化の波が少しずつ押し寄せてきているように感じます。ある意味日系企業の縮図とも言えるNTTグループでそれが顕在化するというのも不思議な話ではなく、今回はたまたまNTTグループで退職エントリーとして連続したからブームのように語られているだけだと考えています。意思決定の遅さ・非効率性・解雇規制といった先述した話の多くは多くの日系大企業にも当てはまるものでしょう。NTTを特に志望していない方でも、現代のキャリア論のある種一つの象徴として今回の一件を捉えていただければと思います。退職エントリーを読む際に注意すべきことさて、今回のような退職エントリーブームとなると、何だかNTTグループ(もしくはそれに代表されるような大企業全般)は辞めることこそが正義であり、残る側の人間=能力が無く企業にしがみつくことしかできない人のような見方をする方も中にはいるかもしれません。しかし、特に就活生の皆さんにとっては、このような考え方については注意が必要です。注意点1:退職しない人は退職エントリーは書かない至極当たり前ですが、案外見落としがちな観点だと思います。退職せずに企業に残る人は、退職エントリーに限らずわざわざ自身のキャリアについてWeb上であれこれ語る割合がぐんと下がります。世界史の分野でも「歴史上のほとんどは成功者の体験により出来ている」といった指摘がありますが、Web上の世界では「大企業を辞めた人」の方が自身のキャリアについて語る割合は高いと言えます。「ひとまず大企業に就職して長期間勤め上げる」というキャリアがまだまだ一般的なモデルケースとしてみなされている現在では、"普通ではない"(と多くの人に思われている)キャリアを歩む人の声が多く発信されるのは自然なことだと考えています。また、実際にNTTグループ・大企業を退職した人の中でも、退職したことに後悔している人が退職エントリーを書くケースは稀だと考えられます。就活生の皆さんには、退職エントリーには生存者バイアスだけでなく、"退職者バイアス"のようなものがかかっていることをくれぐれも忘れないでいただきたいと思います。もちろん、この方のように「残った側の人間」が情報発信をするケースはゼロではないのですが...。参考:5年強勤めたNTTを退職する気はありません(無能編)注意点2:そもそも、NTTグループ各企業を"NTT"と一括りにして考えることが間違っている巷で出回るNTTグループの退職エントリーですが、そのほとんどは辞めた先を"NTT"と表記するだけで、NTTグループのどの企業を辞めたか明記されていないケースは多い印象です。もちろん、NTT本体(=日本電信電話)について述べた退職エントリーもありますし、中の人からすればどの企業について言っているかほぼ特定できるものも存在します。しかし一方で、先述したメリット/デメリットはNTTグループの全体的な傾向ではあるでしょうが、結局は各個別企業ごとに、更にはその中の部署ごとによって実態は異なります。私自身、先述したメリット/デメリットは6つ全て基本的に共感できる内容ですが、隣の部署の同期は連日残業続き・向かいの部署の同期は短い期間で案件を回すスピード感のある(ありそうな)事業に従事といったように、結局は行き先次第で待遇や仕事内容は大きく異なります。そのため、900社超の企業を含むNTTグループを一括りにして「NTTの退職ブーム」とされるのは個人的には若干の疑問が残ります。注意点3:「大企業に勤める=スキルが身につかない=自身の市場価値が下がる」とは思って欲しくない先ほど「他企業では通用できない狭い世界のスキルが評価される」と述べたように、NTTグループの企業に勤めていると社内でしか通用しない知識で評価されるケースも多く、その後のキャリアの選択肢を広げるには適切とは言えない環境に遭遇する確率が高いのは事実だと思っています。こういった話をすると、「スキルが身につかないような上から降ってくる仕事をただただこなすだけだから大企業はダメなんだ。やっぱり今の時代ベンチャーに就職すべき。」といった論調を時おり耳にしますが、就活生の皆さんは本件については慎重に考えるべきです。「大企業」や「ベンチャー」をそれぞれ一括りに語るべきではないというのは前提に、ではベンチャーだったら本当にスキルが身につく可能性が高いと言えるのでしょうか。例えば企業体力がないベンチャー企業では単純に一人当たりがこなすべき業務量が多く、目先の業務を終わらせることに集中してしまう一方、稼働に余裕がある大企業の方が手厚い研修や業務外の時間を活用したスキルアップの機会が多いという考え方もできるでしょう。また、大企業の場合は最悪身動きが取れなくなっても「居続ける」という選択肢が取れる可能性が高いことは現実問題として優位性の一つでしょう。特にNTTグループの場合はジョブチャレンジというグループ他社への転職という機会も設けられています。もちろん、転職市場では「年齢」というのも一つの重要な評価指標になりますので、数十年同じ企業に勤めた後でのキャリアチェンジは困難であることが多いのは事実です。一方で、伊藤忠商事を退職し起業という典型的な大企業を「辞めた側」の人間であるunistyle創業者の樋口も、新卒では大企業に就職したことが結果的に自身の市場価値を高めた一要素となったことを指摘しています。転職活動では日系大企業もいくつか受けて、起業して売却までたどり着いた経験ももちろん評価されたんだけど、同様に新卒で伊藤忠という大企業で3年半過ごしたことも評価されてるように感じた。大企業の組織、仕事の進め方に対するある程度の理解を求めているんだろうと思う。—KotaroHiguchi(@happytarou0228)2018年6月28日最後に:NTT退職エントリーブームが就活生に示唆しているものは何か長々と書いてきましたが、結局この記事で言いたいことは「NTT退職エントリーがブームだよ」といった事実報告や、大企業を退職することを肯定/否定する話ではありません。(今回のNTT退職エントリーのような)一過性のブームに踊らされず、自身が描きたいと考えるキャリアに真摯に向き合い、それに伴う就職活動をしていくべき。「自分のモノサシでキャリアを考えろ」という話は直近の記事で何度もしており、「またか」と思った方もいらっしゃるでしょうが、それだけ繰り返すほど今の時代では大切なことです。新卒の学生は大人が思っている以上に株価や直近の業績に敏感です。もちろん株価や業績が、説明会開催などの採用にかける費用に影響するためという考え方も出来ますが、世の中の「空気感」といったものを感じ取っているように思います。トヨタがリコールの対象になるといった話がでると反射的に人気ランキングが低下するといったことが起きています。世の中の空気に敏感というと聞こえはいいのですが、自分自身の企業選びやキャリアに対する考え方がしっかりしていないために世の中の流れに翻弄されてしまっているとも言えます。参考:10年前は東電・シャープに入社した人は勝ち組だった東京電力やシャープといった大企業でも大きく業績を下げた時期がありました。就活生の最人気業界である総合商社でさえ、「商社の冬の時代」と呼ばれる時期を乗り越え現在の地位まで上り詰めました。いつかは、NTTグループにもこういった苦しい時代が訪れるのかもしれません。人生一度しか使うことができない"新卒カード"。『あなたは』それをどのように使い、どのようなキャリアを歩んでいく将来を描きますか。関連記事: 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