狭き道!?生物系研究職として人気の業界からの内定を得るには

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最終更新日:2023年10月23日

狭き道!?生物系研究職として人気の業界からの内定を得るには

こんにちは、16卒大手食品メーカー研究職内定の者です。

理系の学生の中には、将来大学で専攻したことと全く違うことをやってみたいと考える人もいる一方で、自分が学んだ領域と比較的関連性のある業界を受ける人も多いのが現状だと思います(特に大学院生は)。

理系はざっくり大きく分けると「物理系」「化学系」「生物系」などに分けられますが、その中でも「生物系」の研究職への就職は倍率や難易度が高いと言われています。実際に私の周りでは、物理系の学生は推薦が余る程なのに対し、生物系では推薦もなく何十社もESを出している人がほとんどでした(製薬会社を受ける薬学部を除く)。

今回は、生物系の研究職希望の学生がよくエントリーする「食品」「製薬」「トイレタリー(化粧品含む)」の3つの業界を、私自身が受けてみて感じたことや意識してほしいことを紹介したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

なぜ生物系研究職は狭き門なのか?

答えは簡単です。需要が少ないからです。

「生物学(ヒト、動物、菌、植物等)」を活かした業界の数に対し、物理や化学を必要とする業界が圧倒的に多いのです。生物系の学生に人気の「食品」「製薬」「トイレタリー(化粧品)」業界でも、機械やプログラミング・化学的分析等が必要とされるのに対し、「自動車」「鉄鋼」「通信」業界などには生物学は必須ではありません。

こういったことから生物系研究職を狙う学生は必然的に業界が絞られ、エントリーが集中し、結果として内定の倍率が上昇することになります。

そのため、少しでも内定に近づくためにしっかりと各業界の特色を理解する必要があります。

食品業界

食品業界と言っても中身は非常に多種多様です。飲料・製粉・冷凍食品・調味料・菓子・パン・健康食品等々。就職活動をするにあたって業界研究が必要なように、食品業界の中の各分野における分析も必要になってきます。

少子高齢化により日本の胃袋が縮小化する中で、同類他社と差別化し売り上げを伸ばすことが課題となっています。食品は消費者にとって非常に身近な分、自分なりに今後どうしていくべきかという視点をしっかりと持ちましょう。

もちろん研究職を選択する場合は選考を通じて研究概要なども聞かれますが、研究内容はあまり重視されず、それよりもその過程や意義といった研究の考え方を見られる印象を受けました。

また、食品業界では研究を重視し過ぎることはあまり好まれません。食品業界は理系でも比較的異動が多いため、基礎研究や商品開発・生産・工場に関わることはもちろん、総合職の場合は文系職に異動になる可能性もあります。そのため、「希望の配属先じゃなかったらどうする?」という質問を多く受けました。逆に研究職だけでなく様々なことにも挑戦してみたい人にとってはピッタリかもしれません。

ただ、他業界に比べると食品業界は原料や商品が生命に関わる分野でもあるため生物系出身の人も多く入社している気がします。

製薬業界

製薬業界を受ける上で特に必要なのは、「患者様への想い」と「これまでの研究」だと感じました。

製薬業界は病に苦しむ患者様のために存在すると言っても過言ではありません。そのため、ただ「研究がしたい!」だけではなく、患者様を救いたいという信念や倫理性が強く求められます。「研究への追求心」と「患者様への熱い想い」を推していきましょう。

前文とは逆になりますが、研究が好きであることも非常に重要です。製薬業界の研究職は新薬開発に向けかなり長い年月をかけ研究をしますし、何よりも患者様の命に係わるため生半可な気持ちでは続かないでしょう。

そのため、研究自体があまり好きではない人にはおススメしません。また、研究概要は必ずと言っていいほどプレゼンテーション形式で発表を行い、研究に対する質疑応答の時間も他業界と比べ多く取られます。ジェネリックが推奨されてきていることや、合成化合物の限界など新薬創出は年々厳しくなっています。そのため新たな視点と発想でターゲットを捉えることのできる研究者としての能力も見られます。

研究発表では、これまでの自分の成果に対して学会もしくはそれ以上の準備と気持ちで臨むようにしましょう。

トイレタリー(化粧品含む)業界

トイレタリー業界は、正直その会社による、といった印象を強く受けました。研究を重視する企業もあれば、研究よりもその人の考え方を重視する企業など様々です。

トイレタリーは商品のカテゴリーの幅が広いため、各企業がどういった商品を扱っているのかをしっかり把握しておきましょう。比較的「なぜうちの会社がいいのか」ということをよく聞かれたため、他社との違いやその企業を志望する理由についてしっかり考えておくことが大事だと思います。

最近は、各企業の既存の技術を活かして新たな市場に参入する企業が多いため、お客様のニーズに応えるだけでなく広い視野で潜在的なニーズを提案していくことを意識するといいと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか?

今回は3つの業界について紹介しましたが、同じ生物系に関係する研究職と言ってもその中身は全く違うものだと感じたと思います。自分が将来やりたいことや自分の性格などもよく考えて業界を選んで下さい。

もちろん、最初から業界を絞らず選考を受けていく中で自分に合った業界を探すこともアリだと思います。大切なのは「入社して何を成し遂げたいか」という考えをしっかり持つこと。その答えに背景があるのか、自分の考えがあるのかを問い正すことです。少しでも参考になれば幸いです。

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非・体育会系学生に送る、理系のガリ勉就活生が意識した「体育会系との差別化」 非・体育会系学生に送る、理系のガリ勉就活生が意識した「体育会系との差別化」 16卒の早慶理工学部の学生です。私は理系ですが、就職活動では文系就職を決め、結果銀行やメーカー、IT、航空、損保など様々な業界から内定を頂きました。ちなみに私は大学3年前期までは平日は授業で埋め尽くされていたような、典型的な理系のガリ勉学生です。理系にもかかわらず、文系学生の土俵で勝負する中で、理系の世界しか知らない筆者は「どうやら体育会系や有名な先生のゼミのタテの繋がりというのは優遇される」という所感を持ちました。「就職活動は入学時から始まっている?早慶所属コミュニティ別の就職活動」の通りだと感じています。就活で有利に駒を進められるような切り札を持っていない筆者が何を心がけていたのかについて、非体育会系学生向け・対体育会系学生用の筆者流メソッドを以下に紹介していきたいと思います。前提:就職活動を始めた時からできることは限られている内閣府の公表する「就職・採用活動開始時期変更に関する調査」では、企業の情報解禁日(16卒で言えば2015年3月1日)から就職活動を始める学生よりも、インターンが本格化するサマーインターンの時期(16卒で言えば2014年6月1日)から就職活動を始める学生の方が数で上回るようです。「どのレベルの企業に就職できるか知るために見ておきたい二つの指標」を参考にすると、2014年6月1日時点で学生のスペックはほとんど決まりつつあり、この時期からできることといっても限られますし、たかが知れています。筆者は理系であったこともあり、6月時点では院進学も考えていたため、就職活動を本格的に始めたのは2014年12月でした。大多数の学生と比較しても遅れをとっている筆者が、少ない時間で何に取り組んでいたのか以下に紹介したいと思います。事前準備:体育会系の特徴を整理するまずは同じ土俵で闘う体育会系を徹底的に分析しました。彼らがアピールする内容(=学生時代頑張ったことの内容)、メリット・デメリットをunistyleに掲載されているESやコラムから探りました。筆者なりの分析では、アピールの内容は以下の2種類に大別されると考えました。<アピール内容>①コミュニティ内部における運営・仕組みの改善アピール②圧倒的な努力による成果のアピールメリット・デメリットに関しては、実際の体育会系学生が書いたコラムを引用させて頂きます。<メリット>①面接官が持つプラスのイメージ②理解しやすい自己PR③OBの存在<デメリット>①時間が足りない②他の体育会学生との差別化が難しい参考:「総合商社に内定した体育会系学生が就職活動で意識した三つの差別化方法」これらを意識した上で、どのように就職活動を進めたか、以下に書いていきたいと思います。戦略①:アピール内容の選定面接官の持つプラスのイメージ:体育会系>サークル・アルバイトであるとすれば、サークル・アルバイト所属の私が努力を訴えたり、運営や仕組みの改善を訴えても、頑張りのレベルでは体育会系のアピールは上位互換として存在するため最終的に負けてしまうと考えました。経験そのもののレベルにおいても、「学生時代頑張ったことの結論における4つの評価項目」における「目標達成能力」と「リーダーシップ」では非・体育会系学生の筆者では分が悪いと考え、「インパクト」や「チャレンジ精神」を武器にすることを決めました。そこで、皆が行かないような国への留学経験やそこでの活動、一般に馴染みのないような業界でのアルバイトで勝負していました。戦略②:取り組みにおける工夫頑張りのレベルで体育会系の学生以上の納得や共感を得ることは難しそうなので、その取り組みにおける工夫で勝負していました。例えば体育会系の学生がコミュニティの異なる価値観を持つ人達をまとめ、率いるというアピールをする上では、その方法論として「リーダーとして一人ひとりと地道に向き合って説得していく」ということをアピールする人が多いように就職活動中は感じていましたし、unistyleの公開ESにおいてもそのようなアピールがいくつか見られました。一方で私は「一人ひとりに役割を持たせて当事者意識を持たせる」「コミュニティを更に分割した小コミュニティを作り、小コミュニティをまとめるリーダーとの関係性を強化する」といった工夫を押し出していました。戦略③:伝え方の工夫基本的には「人気企業内定者に共通する、企業に伝えるべき5つの強み」の中のどれかをアピールすることになります。内定する実力のある志望者は5つのうちのどれか(または複数)をアピールしてくるので、内定を取るという点に焦点を当てた場合は「いかに面接官に自分の話を納得してもらい、共感してもらえるか」だと考えていました。戦略①で述べたように、筆者は「インパクト」や「チャレンジ精神」でアピールしていましたが、その内容や取り組む根拠が複雑だったので、伝え方を工夫しなければ面接官が消化不良に終わるという危険性もはらんでいました。そこで、ものの数分で万人が納得できるようなアピールにするべく、社会人やアルバイト・サークルのOBとの擬似面接を通して練習しました。「社会人(面接官)が突っ込みたくなるポイント」を事前に把握し、そこに誘導するようにアピールを展開することによって、彼らの納得や共感を得やすいように努めました。また、練習し過ぎたあまり、台本を読んでいる感が出てしまっていると社会人から指摘されたこともありました。わかりやすさだけではなく、アピールする際の表情や機微からも情熱や達成感が伝わり、それらを総合して評価がされることは念頭において頂きたいところです。この伝え方に関しては、以下の記事に詳しくまとめられておりますので、参考にして頂けると幸いです。余談ですが、私の周囲の友人は理系が大多数です。理系の特に技術職の最終面接では、自身の研究内容をホワイトボードや事前に作ったパワーポイントを持ち込んで発表することもあるようです。技術職採用では院生が多い傾向にある中、学部生で受けた友人はあえてパワーポイントでプレゼンするのではなく、Preziというプレゼンソフトを使って他の学生にはないアニメーションで面接官に感動を与え、内定を獲得していました。参考:「渾身のアピールが評価されるとは限らない!大手企業9社内定の学生が意識した「伝え方」」最後に就職活動を終えた今、自分の志望する企業の内定を取るためには、それ相応の入念な準備が必要だと感じます。素晴らしい経験を持っている非・体育会系学生も、実際は内定を取れる実力を持っているのに戦略を誤ったばかりに本来よりも低い評価をされるのはもったいないと思います。上記の戦略はほんの一例ですが、読者の皆様が就職活動を有利に進める上で参考になれば嬉しいです。 34,503 views

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