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採用側が作り上げたブランドイメージに踊らされる就活生・・・「あの子が欲しい」書評

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採用側が作り上げたブランドイメージに踊らされる就活生・・・「あの子が欲しい」書評

最終更新日:2017年10月25日

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こんにちは。16卒の内定者です。
「あの子が欲しい」は、とあるIT企業の採用担当リーダーの女性が主人公の作品です。
そこには、採用担当者ならではの苦悩が生々しくつづられています。
ここに様々な「就活のリアル」が現れていると感じたので、そのうちのいくつかを紹介しようと思います。

 あの子が欲しい


「あの子がほしい」あらすじ

主人公の川俣志帆子は、昨年の採用キャンペーンの大失敗でイメージが悪化した自社クレイズ・ドットコムの採用を回復させることを求められ、就活生を集めるための施策を考えては実行していきます。
しかし採用活動に伴う恋人とのすれ違いや学生への拭いきれぬ罪悪感などにより、川俣は次第に不安定な精神状況へと陥っていきます。様々なものを犠牲にしてもなお続く、彼女の採用活動のゆくえは――?


採用担当者は何を考えて「オワハラ」をするのか

「あ、オワハラだ」と思ったのが、最後の方に出てくる、川俣が最終面接前に学生を呼び出し、内定承諾書を書くよう迫るというもの。学生に対し、前置きとして、「私はあなたに個人的に目をかけている」だったり、「そのためにあなたを採用できなかったら私はクビを覚悟する」というようなウソの話をし、学生が自尊心をくすぐられたところで、他社の内定をすべて断り、承諾書を書くように迫ります。
学生目線からだと、「なんて最低な採用担当者なんだ」と憤りたくなりますが、このとき、川俣も罪悪感を抱いているのです。ただ、会社の期待に沿うことのほうが重要なので、必死でこのような策を講じているわけです。
本編では、この川俣の口車に乗せられない小柳という学生の青年が出てきます。彼の姿勢はいろんな就活生に参考にしてほしいと思いました。詳しくは本を読んでいただくとわかると思うのですが、彼は自分できちんと考え、企業の脅しに乗りません。しかし、誠意を持って企業と接しています。
学生が「就活」という厳しいシステムにおいて戦っていくためには、自分の中にある「目的達成のためのしたたかさ」と、「良心」を上手く使い分けることが重要になってくるのです。


それ、人事に見られてますよ!就活生の「ネット上での情報開示」の恐ろしさ

さらに、この本では「情報の扱い」について、企業から学生への情報と、学生から企業への情報について描写しています。
「企業から学生への情報」の描写については、クレイズ・ドットコムが昨年の採用キャンペーンの配布物の内容で大失敗しイメージが悪化したことなどがそれにあてはまります。
「学生から企業への情報」の描写については、川俣の採用担当の仲間が、採用を考えている学生が地下アイドルをやっていることをネットで発見し、その学生の採用を見送ろうとするのがその典型といえます。
つまり、採用担当者と学生は、常に「見て見られる関係」ということです。
企業体だと配布物の監修などで出ていく情報をコントロールできますが、学生の場合は「いつの間にか見られていた」というのが起こり得るのが恐ろしいところです。
作品中に描写のあった地下アイドルの学生のように、自分では採用に影響のない事柄だと思ってネットに放置していたことでも、採用担当者からすると大きなマイナスになるというのはありえます。
今どきfacebookやTwitterを自分だとわかるように公開設定にしていれば、まず間違いなく採用担当者にチェックされているとみていいでしょう。
情報の扱いには気をつけたいものです。


採用担当者の「ステマ」

この本の中には、クレイズ(川俣が勤める企業)が工作員を用い、ネットの情報を操作している様子が描かれています。これはこの本の中だけでなく、現実でも起こりうる話だと感じました。
「ステルスマーケティング」という言葉をご存知でしょうか。これは、工作員が商品を販売する企業からお金をもらい、その商品をすすめるようなクチコミを書くことで、消費者に買ってもらうよう仕向けるという商法のことです(通称「ステマ」)。もちろんこういった行為は消費者を欺くもので、決して良いものではありません。しかし、使った人の生の声を参考にしたいと考える消費者には、非常に有効な手段となります。最近では、「ステマ」だということで、yahooニュースから一部サイトが取り下げられるという騒動もありました。

こういった「ステマ」は、採用活動でも起こりうるものといえるでしょう。就活生も、社員の生の声を聞いて参考にしたいと思っています。ネットの掲示板には「その企業を辞めた人」など(本物かはわかりません)がいたりするので、会社の実態を知りたいという就活生の中はチェックする人も多いです。こういった掲示板に、「元社員」や識者をよそおって良い会社だと想起させるような文章を書きこめば、企業側はあくまで自然に就活生に自社の良いイメージ付けを行うことができます。配布物を印刷や説明会でのプレゼンの練習なども必要なく、コストや手間があまりかからないため、こういった情報操作はごく普通に行われている可能性があります。


おわりに

いかがでしたでしょうか。
この本には「就活のリアル」が載っていると感じました。
これから就活を始める17卒のみなさんは、手に取ってみるといろいろと発見があるかもしれません。

 あの子が欲しい

photo by Martin Thomas

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