アニメ業界志望者必見!仕事内容や大手企業一覧、今後の動向を解説

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最終更新日:2023年10月20日

アニメ業界志望者必見!仕事内容や大手企業一覧、今後の動向を解説

アニメ業界はテレビや映画など多くの場面で見かけるだけでなく、現在は海外での人気も高まり国際的な業界に成長してきています。

しかしアニメ業界について、どのような流れでアニメを制作しているのか、制作以外の業務は何があるのかなど理解している就活生は多くないのではないでしょうか。

そこで本記事ではアニメ業界についてビジネスモデルや仕事内容、職種、未経験や文系の就活生も就職できるのかなど解説します。記事の後半ではアニメ業界の今後についても解説しているので参考にしてみてください。

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アニメ業界の市場規模

アニメ業界の市場規模

ここではまずアニメ業界の市場規模について解説します。

日本動画協会によると、2020年のアニメ業界の市場規模は2兆4261億円となっています。

アニメ業界の市場規模

2019年まで安定して成長を続けていたアニメ業界ですが、コロナウイルスの影響を受け2020年は市場規模が若干縮小しました。

ウィンドウ別の市場規模を見てみると、2020年のテレビ、映画分野の市場規模は前年比89%前後となっていますが、配信分野においては前年比135.8%と増加しているため市場規模の縮小が最小限に抑えられたと考えられるのではないでしょうか。

アニメ業界のビジネスモデルとは

アニメ業界のビジネスモデル

次にアニメ業界のビジネスモデルについて解説します。アニメ業界の仕組み、ビジネスモデルは上記の図のようになります。

まず広告代理店がスポンサーの依頼を受けると共に「広告費」を得ます。広告依頼を受けた広告代理店はテレビ局や映画会社に「広告収入費」を払います。

その後、テレビ局や映画会社は得た収入を元に制作会社にアニメ制作を依頼し、「制作費」「放映権料」を払います。

さらに制作会社は制作の全てを担当するのではなく、一部を下請けの制作会社に依頼し作品を完成させていきます。

本記事下部で解説するアニメ業界の大手企業一覧では、主に上記の図の「制作会社(元請け企業)」に当てはまる企業を紹介します。

アニメ業界の仕事内容とは

アニメ業界の仕事内容

ここまででアニメ業界の市場規模や仕組み、ビジネスモデルが理解できたのではないでしょうか。

ここではアニメ業界の具体的な仕事内容について解説していきたいと思います。

まずアニメ業界の仕事内容として、アニメ制作の流れを解説します。アニメが完成するまでの流れは上記の図のようになっています。

アニメ制作はまず企画から始まります。テレビ局や映画会社から依頼を受けた制作会社のプロデューサーや監督が企画、提案を行います。

企画が通るとより詳細な脚本を考えます。脚本が完成するとアニメに登場するキャラクターの設定を固め、制作メンバーの認識を合わせる役割を果たす「絵コンテ」に落とし込んでいきます。

その後、キャラクターの色や背景を決定し、原画を制作したりデジタルペイントを施すなどの工程を行います。ここで3DCGなどよりアニメの映像リアリティーを増すための技術を用いることもあります。

最後に出来上がった画像を落とし込んで動画化し、編集を行うことでアニメが完成します。

アニメ業界の職種

アニメ業界の職種を解説

上記の解説でアニメ業界の仕事内容、アニメ制作の流れが理解できたのではないでしょうか。

ここではアニメ業界の職種について解説します。各職種が何を行っているのかを整理し、自分がどの立場でアニメ制作に関わりたいかを明確にしましょう。

本記事では以下の5つの職種を解説します。

  • アニメ業界の職種(1)アニメーター
  • アニメ業界の職種(2)演出
  • アニメ業界の職種(3)制作進行
  • アニメ業界の職種(4)シリーズ構成
  • アニメ業界の職種(5)3DCGクリエイター

アニメーター 

アニメーターはアニメの元となる絵を描く職種で「作画」と言われることもあります。

アニメーターの仕事内容は「原画」と「動画」に分けることができます。「原画」はアニメの重要ポイントを描いた、動画の元となる絵のことを指します。

「動画」は原画と原画の間、動きをつなぐ絵をかきます。動画は原画をもとに複数の絵を描くため、入社後はアニメーターの中でも「動画」として経験を積むことが多いと言われています。

演出

演出はアニメ制作におけるほぼすべての工程に関わる重要な役割を担います。

演出はアニメ制作をするにあたってまずアニメ制作の設計図にあたる「絵コンテ」を作成します。絵コンテを作成することでカメラのアングルやキャラクターの動きを共有することができます。

絵コンテが完成したらアニメーター(原画)に共有しキャラクターの感情や行動の意図などを伝え、絵に具体的なイメージを反映させます。

作画だけでなく美術や音響とも打ち合わせを行い、アニメ全体の構成を固めていきます。

さらに声優のアフレコにも立ち会い演技指導を行ったり、編集に立ち会い時間配分の調整、予告編に使うカットの決定まで、アニメ制作の全てに関わる重要な仕事といえます。

制作進行

アニメ業界の職種3つ目は制作進行です。制作進行は実際に絵を描くわけではなく、アニメ制作のスケジュール作成、アニメーターなどの人員管理が主な役割になります。

クライアントから依頼された内容と納品日を確認し、納品に遅れないよう段取りを決めます。

アニメ制作の流れを決定したら依頼の規模に応じてアニメーターなどの人員やスケジュールの管理を行います。打ち合わせの準備や日程調整など、制作会社とアニメーターの都合に合わせて調整を行います。

更に原画の回収なども制作進行の仕事内容になります。納期に遅れないよう原画のノルマ管理、質のチェックを行うことも多いです。

納期に間に合うようにアニメ制作のスケジュール管理を行うだけでなく、人員の管理、実際に出来上がった原画のチェックなどアニメ制作の円滑な進行に欠かせない職種でしょう。

シリーズ構成(脚本家)

アニメ業界の職種3つ目は「シリーズ構成」です。シリーズ構成は主に脚本家が担います。

テレビアニメの場合シリーズを通じて一人の脚本家が話の脚本を担当するのではなく、各話ごとに異なる脚本家が担当します。

異なる脚本家が書いた話がずれないよう、シリーズ全体の話の流れを設計するのが「シリーズ構成」です。場合によっては「構成」と呼ばれることもあります。

シリーズ構成を担当する脚本家も脚本を書きますが、他の脚本家の内容も確認しながらずれが生じないように統括するため重要な職種と言えるでしょう。

3DCGクリエイター

近年のアニメ業界では手書きに代わりCGによるアニメ制作が増えてきています。実際にCGで制作されたアニメを見たことがある就活生もいるのではないでしょうか。

3DCGクリエイターはCGの中でも3Dに特化しアニメーションを作る職種です。3DCGを扱うツールを用い、CGのキャラクターやモノに動きを付け、それを動画として撮影することで3DCGアニメを制作しています。

以前までの手書きアニメと替わるアニメ制作方法として今後注目されていく職種でしょう。

アニメ業界は未経験や専門スキルのない就活生でも就職できる?

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アニメ業界の大手企業一覧

アニメ業界の大手企業一覧

ここまででアニメ業界の市場規模や仕事内容、職種など理解が深まってのではないでしょうか。

ここからは実際にアニメ業界にはどのような企業があるのか、大手企業一覧を紹介します。

本記事では以下の5社を紹介します。

  • アニメ業界の大手企業一覧(1)東映アニメーション
  • アニメ業界の大手企業一覧(2)トムス・エンタテインメント
  • アニメ業界の大手企業一覧(3)バンダイナムコフィルムワークス
  • アニメ業界の大手企業一覧(4)創通
  • アニメ業界の大手企業一覧(5)ぴえろ

東映アニメーションの特徴や強み

アニメ業界の大手企業1社目は東映アニメーションです。

東映アニメーションは1948年に日本動画株式会社として設立、その後1956年に東映に買収され1988年の商号変更で東映アニメーションとなりました。

東映アニメーションは「想像力と工夫をもって、新たな作品やビジネスを創造・発信していく創発企業」を目指しアニメ制作やキャラクターグッズ制作などの事業を行っています。

「ドラゴンボール」や「ワンピース」など人気作品のテレビアニメ、劇場アニメの制作を行っており、これまでに制作した作品数は劇場作品258本、テレビ作品231本、総話数にして約13,300話と日本最大のコンテンツ数を誇っています。(※2022年3月末時点)

今後はIP(知的財産)の創出を成長に向けた取り組みとして掲げており、既存作品の育成や新規作品の創出、ハリウッドビジネスへの参入などに注力するとしています。

トムス・エンタテインメントの特徴や強み

アニメ業界の大手企業一覧2社目は「トムス・エンタテインメント」です。

トムスエンタテインメントは1946年に設立され2000年の商号変更でトムス・エンタテインメントとなりました。現在は遊技機やリゾートなども手掛ける総合エンタテインメント会社「セガサミーホールディングス」の完全子会社となっています。

トムス・エンタテインメントは「世界を夢中にさせるアニメーション創造企業」を目指し、「ルパン三世」「それいけ!アンパンマン」「名探偵コナン」などの人気作品を手掛けています。

「作り方改革」「産業構造改革」「人づくり改革」の3つを改革の柱として掲げ、最新技術の導入を行ったり作品がヒットしても制作会社に利益が分配されない構造の改革、社員が働く環境の改革などに注力しています。

バンダイナムコフィルムワークスの特徴や強み

バンダイナムコフィルムワークスは2022年の4月に「サンライズ」、「バンダイナムコアーツ」「バンダイナムコライツマーケティング」の3社が統合し設立されました。

オリジナル作品を含め映像制作に強みを持っていた「サンライズ」、様々なパートナー企業との連携が強みだった「バンダイナムコアーツ」配信プラットフォームを運営していた「バンダイナムコライツマーケティング」それぞれの強みを引き継ぎ総合映像エンタテインメント企業を目指しています。

代表作品としては「ガンダムシリーズ」が挙げられ、心を震わせる作品、人生を変える作品、ちょっとした隙間を埋める作品など、「いいもの」を世界中に届けることを目標としています。

創通の特徴や強み

創通は1965年に設立され、2020年の3月に上述した「バンダイナムコフィルムワークス」と同じくバンダイナムコホールディングスの完全子会社となりました。

バンダイナムコフィルムワークスと同様にアニメの企画や制作も行っていますが、主に「版権ビジネス」を担っている点が違いとして挙げられるでしょう。

版権ビジネスとは玩具・ゲーム・食品・雑貨・衣料メーカーなどのパートナー企業にアニメーションキャラクターの商品化を提案することです。アニメ制作とは異なる方面から収益を上げるだけでなくアニメのブランド力強化も期待できます。

さらに創通はプロ野球球団にグッズ制作の提案をし球場内外のショップで商品を売り出すなどスポーツ事業も行っている点が特徴的と言えるでしょう。

ぴえろの特徴や強み

アニメ業界大手企業一覧の最後は「ぴえろ」です。

ぴえろは1975年に設立されテレビアニメや劇場版アニメ、OVA(オリジナルビデオアニメーション)などを制作しています。

代表作品は「BLEACH」「NARUTO-ナルト-」などが挙げられ、人気コミックや小説から積極的にアニメ化の企画を提唱しています。また「おそ松さん」や「魔法少女シリーズ」などオリジナル作品も手掛けており時代に適応した作品制作を目指しています。

更に、ぴえろが管理するアニメ作品やキャラクターのプロモーションをするために全国でファン向けのイベント開催も積極的に行っています。

アニメ業界含めた各業界トップ企業の企業研究ページ(内定者ES・選考レポート・選考対策記事)はこちらからご覧になれます。

企業間で差が生まれる!?アニメ業界の今後の動向を解説

アニメ業界の今後の動向

ここまででアニメ業界の市場規模や仕事内容、職種、大手企業一覧などを紹介しました。アニメ業界について理解が深まったのではないでしょうか。

しかしアニメ業界を志望する就活生にとって「アニメ業界の今後」も押さえておきたいポイントの一つなのではないでしょうか。そこでここではアニメ業界の今後の動向について2つの観点から解説します。

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最後に

アニメ業界最後に

本記事ではアニメ業界について市場規模や仕事内容、職種、今後の動向などを解説しました。

アニメ業界と聞くと専門的な職種が多く就職が難しいと思われるかもしれませんが、経験やスキルがない、または文系の就活生も職種によっては就職することができます。

本記事を参考にアニメ業界への理解を深め選考突破を目指しましょう。

unistyleでは以下にも選考通過に役立つ記事を掲載しています。こちらも参考に今後の就職活動にお役立てください。

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2.ガクチカがない人の対処法
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(4)ガクチカで長期インターンシップをアピールするには
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(10)ガクチカでアルバイトをアピールするには
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「個人の経験しかない」と感じる就活生はまず個人と組織の関係性を考えてみよう ー嵐「5-1=0」よりー 「個人の経験しかない」と感じる就活生はまず個人と組織の関係性を考えてみよう ー嵐「5-1=0」よりー 「就職活動で話せるエピソードがない」と不安な人には、就職エージェントneoがオススメです。アドバイザーと今までの経験を振り返り、個人で成し遂げたエピソードだけでなく、集団でなしとげたエピソードがないかなど、企業ごとに適したエピソードを一緒に考えてもらう、就職活動失敗の回避につながります。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。5-1=0代数学的には誤った数式です。これを見てピンときた方。何のことか見当すらつかない方もいらっしゃると思います。こちらは2019年1月末に約2年後の活動休止を発表した人気アイドルグループ"嵐"について表した数式として話題を集めたものです。嵐は5人組のグループですが、そこから1人でも欠ければ、それはもう嵐ではない。誰1人として欠けてはいけない。そんな"嵐の定理"とも呼ばれるこの数式は、嵐の仲の良さや絆の強さを表すものとして、一時はTwitterのトップトレンドに挙がるなど大きな話題を集めました。「嵐は最高のグループだ」といった正に称賛の嵐に沸く中、捻くれ者の私にはこのような考えが浮かびました。「果たしてこれが人気グループのあるべき姿なのか?」以上より本記事では、嵐の定理「5-1=0」を起点に、「個人と組織の関係性」、及びそこから導かれる就活生が考えるべき組織論のアプローチを提示していきます。前提として:嵐の今回の決断や考え方は素晴らしいと思う前提として、筆者は「5-1=0」も含めた今回の嵐の一連の活動休止に関する対応に関して、否定的な考えは持っていません。人気グループと言えども、事務所や本人たちが合意した形で決断したことにあれこれ言う権利はなく、ましてや「無責任」なんて考え方には至りえないと思っています。本記事は嵐自体について述べることが主旨なのではなく、「嵐のような考え方を持つグループ・チーム・組織」について、就職活動と照らし合わせながら考察しているという位置づけをまず理解していただければと思います。「あなたがチームで働いている姿が想像できません」章タイトルは私が大学時代に所属していた陸上競技サークルの後輩が東京海上日動のインターン面接で実際に面接官にフィードバックされた内容になります。ご存知の通り、陸上競技は典型的な個人スポーツです。もちろん駅伝のような他人のタイムが自分を含めたチームの結果に影響する競技もありますが、それもあくまで個人のタイムの合計に過ぎません。なぜ企業は集団での経験を求めてくるのかこの手の話は上記例に限らず多くの後輩から相談を受けた記憶があります。における「1.個人として努力し、成果を上げることができる」をアピールするようなエピソードというのは用意しやすいことも多い一方、いわゆる企業ウケがよくないのではと個人としての経験ばかりしていたことに不安や焦りを感じている就活生は一定数存在している印象があります。ではなぜ、企業側は個人としての経験よりもチームとしての経験を就活生に求める傾向にあるのか。unistyleユーザーの皆さんには聞き飽きた話かもしれませんが、それは「仕事は基本的に1人で完結するものではなく、ほとんどが複数人数が関わり合って進めていくもの」だからです。皆さんの多くが目指すような企業は事業部やプロジェクトチームといった組織に細分化されたのち、それぞれに属する個々人が協業することで事業部の成果・企業全体の成果に貢献していくことになります。そのため、学生時代から集団の中で自らの強みを発揮し、チームに貢献した経験をしたことがある人材を企業側が評価するのは自然な考え方でしょう。なお、個人で何かをした経験しかなく、自己PRなどで悩んでいる就活生は就職エージェントneoの利用も検討してみると良いでしょう。アドバイザーと一緒に第三者目線で、過去や現在のエピソードから自分が気づけていないアピールポイントを探すことができます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。勘違いすべきでないこと:「個人としての努力は前提かつ重要」である上記のような背景から、「就活界隈では個人としての経験はチームとして成果を上げるための前提に過ぎず、それについてアピールしてもあまり意味がない」といったような風潮は少なからずあると思っています。確かに個人の努力なくして組織の成果はまず上がらないので"前提"というのはそうなのでしょうが、その重要性自体にも目を向けてほしいと考えています。終身雇用・年功序列といった日本的雇用慣行が薄れ、高学歴卒や「〇〇社に勤めている」という肩書の価値低下が指摘される昨今。もともと学歴フィルターというのも、「高学歴層では目標達成のために愚直に努力できる人材に出会える可能性が高い」という観点での統計的差別によるものと言われています。一方で、「今の時代、正解があること・言われたことをただただ必死にこなす能力はAIでも出来るようになるんだから、学歴なんて肩書の意味はなくなる」のような論調も少なからず耳にします。しかし、起業家のような一見アイデア力で勝負しているように見える人材であっても、結局のところ個人としての努力がベースとなっており、多くの人は「そもそもの行動や努力が足りない」という段階で甘んじている面もあると思っています。就職活動においても、下記で述べたように「何をやるか」以前にそもそも時間をかけて努力する気概が足りていない就活生は多く見受けられます。優秀な就活生は、必ずどこかで個人としての努力を積み重ねています。「人生の夏休み」とも呼ばれる大学生活において、"効率性"を語るほど時間が無い人がどれだけいるのか疑問であり、重要なファーストキャリアを決定する就職活動に圧倒的に時間をかける選択が間違っているとは考えにくいでしょう。出典:以上より、企業がエピソードとして個人ではなく組織での経験を求めることが多いのは事実にせよ、「個人としての努力」それ自体は前提かつ重要であるという立ち位置は把握していただければと思います。「個人と組織」の関係性を考えてみる「ヒト」は組織の構成要素の一つであるヒト・モノ・カネ・情報が経営の四要素と言われるように、当然ですが現代社会においては基本的に人間の力がなくては事業は成り立ちません。ヒトが集まればそのまま組織になるというわけではありませんが、ヒトの集合体は組織の構成物の一つであり、ビジネスモデルによって割合は前後しますが企業の競争力の源泉に少なからず関係しています。例えば皆さんが今ご覧になっているunistyleも、ユーザーが直接目にするのはこういった記事を始めとするコンテンツ(=商材)になるわけですが、現状それを作り出しているのは我々人間です。個人の成果は組織の成果に直結するか企業とは、営利を目的とする組織です。一般的な大企業が利益を上げるためには、先述した通り、事業部・プロジェクトチームといった単位の成果に向けて個々人が行動することが求められます。では、そのような小単位の組織が成果を上げる要因は何か。ヒトにフォーカスして考えてみると、まず個々人のスキルが高いことは当然成果を上げる要因になります。1のスキルを持った人が5人いる組織と、2のスキルを持った組織が5人いる組織とでは、後者の方が成果が出るのは当然でしょう。組織論においてはそれよりも、単純な足し算では同じ成果が期待できるメンバーをうまく稼働させてより大きな成果を出すこと。すなわち、「1+1+1」で「3」より大きな成果を出すことが重要な論点になります。企業全体で見れば、例えば新卒就活においていかに優秀な個人をどれだけ採用できるかはもちろん人事側の重要なミッションでしょう。しかし、それと同時に、限られた人的資源というリソースをどう各組織に割り当てるかというのも、メンバーシップ型をとる日系大企業の多くでは重要になってきます。更に広く新卒就活市場全体で見ても、日本という組織にどう人材を割り振るかを決める活動が就職活動だったりもします。皆さんの学生生活においても、例えば新歓で「いい」新入生をより多く集めることに対する取り組みは多く見受けられるのですが、「いいサークル」というものをつくるには役職決めやメンバー決めといった人的資源配分の観点からも貢献できるという視点も持っていただければと思います。(もちろんサークルやゼミといった組織は一般には営利を目的とした団体ではないため、企業と同じようにはいかない面もあるとは思っていますが)「いい組織」とは何かを考えてみるでは、以上の内容から、「いい」組織とは一体どういうものなのか。どうすれば、「1+1+1」で「3」より大きい成果を出すことができるのか。「仕事が1人で完結しない」理由「仕事は基本的に1人ではせずチームで進めていくもの」である理由として、・単純に業務量として1人ではこなせないため・個人のスキルでカバーできる領域には限界があるための2点が挙げられます。総合職一括採用としてゼネラリストとしての活躍が求められることが多い日系大企業の場合でも、「営業職」「係長」といった職種・役職が設定されているように、個々人がそれぞれの立場から行動していくことで事業は成り立ちます。例えば、メーカーの一般的な仕事の流れである「研究開発→調達→生産→営業」といった役割を全て同時に全うしている人材はまず存在しません。いくら高品質の商品を生み出すアイディアがあっても実際に小売店の棚に並ばないことには利益にはなりませんし、商品を生産する体制が確立していないことには営業活動も意味をなさなくなってしまいます。まとめれば、一つの商材にも、数多くのプレーヤーが関わり合って最終的な利益を生み出しているということ。すなわち、個々人がそれぞれの役割を果たしながらお互いの足りないスキルや知見を補い合いながら協力していくことが求められており、事業の円滑化のためには不可欠な組織の在り方だと言うことができます。(繰り返しますが、「1人で完結できる度合い」といったものはビジネスモデルによって前後します)実際に大企業で1年働いてみて感じたこと筆者は昨年春に大学を卒業し、新卒でSIerと呼ばれる業界に属する大企業で1年近く働いてきました。短い期間ではありますが、実際に社会に出て働いてみて一番実感したのは、先述した「個々人がそれぞれの役割を果たしながらお互いの足りないスキルや知見を補い合いながら協力していくこと」によって組織は成り立っているのだということです。unistyleでもSIer業界は典型的な上記軸に該当する業界だと述べてきましたが、実際に働くまでは「そういうものらしい」と自己PRで述べる強みを寄せようかぐらいにしか考えていませんでした。しかし、実際の企業の現場では・プログラミングは全く出来ないが、コミュニケーションロスを起こさない仕組みづくりにとことん長けた社員・基本無口で正直普段は何をやっているかよくわからないが、データベース周りの故障だけは何でも解決してくれる社員etc...といったように、「それ自体は実体がないサービス」であるシステムを完成させるために、それぞれのスキルや知見を総結集してプロジェクトは進んでいくのだと実感するようになっていきました。また、ICTのソリューションには、企画段階から分析・運用段階まで文系・理系問わず多様な人材が携わっており、それぞれが異なる価値観や要望を持った人が存在しています。参考:エンドユーザーにサービスを届けるためにはグループ他社や情報サービス産業に携わる各プレイヤーと共に事業を遂行していく必要があります。クライアントとなり得る業界・分野は非常に多岐に渡り、あらゆる角度から社会へ価値提供している点が特徴と言うことができます。参考:嵐の定理と日系大企業さて、冒頭で話題に挙げた嵐ですが、活動休止の決断理由は「嵐は誰1人として欠けてはいけない」グループだからでした。リーダーの大野さんが芸能界から一旦離れることを考えていたことをきっかけに、「大野さん(=1)」が欠けた「嵐(=5)」は「嵐じゃない(=0)」というのが嵐全体の考え方に見えます。特に嵐のことを詳しいわけではない一般人の私があれこれ語るのは恐縮ですが、大野さんは嵐の中でも歌が上手く・櫻井さんは司会やまとめ役・二宮さんはトーク力に優れ...といったように、メンバー一人ひとりが自分の役割を持ち、助け合いながら嵐という国民的グループを作り上げたのだと勝手に考えています。そんな中で、大野さん1人が欠けるのでも足りないピースは補い合い切れず、グループとしての意義は大きく薄れるという想いを、メンバーの方々は少なからず抱いていたのかもしれません。お互いがお互いを補い合う"n銃士"的な組織このような、個人がそれぞれの特性を活かしお互いを補い合うチームの代表格として知られるのが、フランスの小説家アレクサンドル・デュマの代表作である『三銃士』です。アトス・アラミス・ポルトスの3人は王妃を救う大冒険へ、それぞれ性格や得意技が異なる中でお互いの役割を発揮しながら足を進めていきます。今では剣裁きに関係なくとも、「切っても切り離せない友情関係」のようなものを"n銃士"として間接的に表現した作品はいくつもあります。(一番有名なのは、2009年にアカデミー賞作品賞を獲得したスラムドック$ミリオネア辺りでしょうか)私自身、小学校の時からこのn銃士的なチームには何となく憧れを抱いており、駅伝のメンバーやエース格のサークルの同期といった仲の良い友人と一緒に"四銃士"なり"六銃士"といった形で勝手に命名したりもしていました。例えば各メンバーが色分けされた戦隊モノのヒーローなんかもn銃士的な考えが一部根底にある印象もあります。「助け合い」「誰1人として欠けてはいけない」「みんながいたから乗り越えられた」といったようなチームは理屈抜きで美しく・格好良く感じるもので、組織の理想的な姿として好印象を持つ方は私に限らず多いものだと勝手ながら思っています。冒頭から触れている嵐についても、典型的なn銃士をベースとしたグループと言えるのかもしれません。考えて欲しいこと:"n銃士"とは「誰にとって」いい組織なのかさて、ここまでの内容では「個々人がそれぞれの役割を果たしながらお互いの足りないスキルや知見を補い合いながら協力できる組織」こそがいい組織なのだという結論に至りそうな形になっています。そんな中で、一つの考え方を提示する一曲を提示します。力を合わせりゃどんな困難も怖くない皆で一緒にいこうぜ!ヨーロッパ丸かじり(Hey!)出典:スタメンKiDS『スタメン七銃士』作詞:kenmochihidefumi(水曜日のカンパネラ)こちらは小学生男子メンバーによる7人組ユニットスタメンKiDSの楽曲である『スタメン七銃士』の一節になります。唐突に嵐と関係のないグループの話になりましたが、就職活動に絡めるためにビジネスにおける組織について両者を踏まえながら考察していきます。組織のメンバーが欠けることはそれなりにある嵐は「一人でも欠けたらそれは嵐ではない」という信念(=嵐の定理)から活動休止の道を選びました。当然ですが、ビジネスの現場では「〇〇さんが退職されたからこの事業部は撤退する」という決断は勝手にできるものではなく、基本的にはメンバーが欠けても全社方針に沿って事業を継続していく必要があります。メンバーシップ型の日系大企業では、本人やチームの本意/不本意に限らず突然の異動というのが発生する可能性はいつでも考えられます。そんな中で、「誰1人でも欠けてはいけない」という状況は継続的な組織運営の観点では好ましくないものであり、知識やノウハウの共有を日常的にするなどして「〇〇が欠けてはいけない」という状況からは少しでも離れた方がリスクは小さいでしょう。(近年の働き方改革の観点でも、業務量的な話で「多少誰かが休んでも仕事が回るような余裕を持った人的資源配分をすべき」という論調を耳にすることは多くなっています)みんな「で」において、やるのは「誰」か?先ほどのスタメンKiDSの楽曲の一節には「皆で一緒にいこうぜ」という言葉がありました。では、この場合の「皆で」とは誰を指すのか。これは(恐らくメンバー)"全員で"という意味でしょう。「みんなで頑張ろう」「チーム一丸となって勝ちに行こう」といった”全員主義”とも言える方針は日本人好みの考え方だと言われることがあります。個人が入学試験会場で合格点を取るかどうかで合否が分かれる大学受験ですら、「受験は団体戦」という言葉で団体意識も求められたことがあるという方もいるでしょう。しかし、個人的な意見ではありますが、この「みんな『で』」という意識と「みんな『が』」という意識には乖離があると思っています。「みんな『で』」一丸となって成果を上げるには個々人の行動が当然不可欠です。しかし、これは見方によっては「個々人がどう活躍するのかは問題ではなく、組織全体がうまくいけばいいもの」として、「みんなのうち誰かがやってくれるだろう」という当事者意識に欠けた集団になる可能性を含むものだと考えています。もちろん、ビジネスモデルによって個々人の成果が見えにくい働き方というのは多数存在していますが、「評価されにくい=行動・努力をしなくてもよい」というわけには当然いきません。「みんな『で』一丸となる」意識は必ずしも必要ではなく、個々人が「自分『が』この案件を成功させるのだ」・「自分『が』この問題を解決するのだ」という強い当事者意識から主体的に行動出来る個人の集まり。これこそが真の「組織として成果を上げることが出来るいい組織」という見方も出来るのでは無いでしょうか。馴れ合いではなく、誰かが補ってくれるだろうでもなく、誤解を恐れずに言えば「自分の力でなんとかしてしまおう」ぐらいの気概を持った個人の集合体は強固に見えます。個人で出来る仕事は個人で済ませてしまった方が意識違いといった障害や稼働を削減する効果もあり、何でもかんでも「みんな『で』取り組もう」とする姿勢は結果的に組織の成果を阻害することも考えられるでしょう。「リーダーシップは全員に」の意味リーダーシップとは、リーダーだけ必要とされる能力ではなく、チームの誰もが持っているべきものだと言えます。出典:上記記事を始めとして、unistyleでは何度も「リーダーシップとはリーダーだけが持つべき素養ではなく、メンバー全員が持つことでより良いチームとなる」という旨を述べてきましたが、ここまで本記事を読み進めた方はその意味が明らかになってきたのではないでしょうか。先述した「自分『が』」という意識・態度は、信頼関係構築や周囲を巻き込むといったリーダーシップを生み出す一因になるということを認識いただければと思います。では、実際の選考では組織論をどう活用していくべきかここまでは個人と組織の関係を一貫して考えていきました。この内容をエントリーシートや面接といった選考フローでどう活用するかは皆さん次第ではありますが、一つ例を挙げながらもう少しヒントを加えます。「チームプレー」と「チームワーク」私事ではありますが、筆者は大学時代陸上競技とダーツという二つのサークルを掛け持ちしていました。身体的な活動量が大きく異なる両者ですが、共通して言えるのがどちらも典型的な個人スポーツだというところです。(ダーツが「スポーツ」かという話は置いておいて下さい)どちらも、複数人数で戦う競技は存在します。陸上競技なら、リレーや駅伝・ダーツならダブルスやトリオスといった団体戦がそれに該当します。しかし、結局のところ団体戦とは言え、その結果はほぼ個人のタイムやスコアを積み重ねたものに過ぎません。「1+1+1」をどう高めるかよりも、1自体を高めないとチームの結果には結びつきません。かと言って、自分1人の力でどうにかなるわけでもありません。何だか個人競技なのか団体競技なのか線引きが難しいような話になりましたが、これを言語化するうえで一つのヒントとなるのが以下の言葉です。『我々の間にチームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ。』出典:ITmediaエンタープライズ荒巻課長は電脳部下の夢を見るか――攻殻機動隊にみるHumanResourceManagementこちらは士郎正宗氏原作の漫画『攻殻機動隊』の有名な一節です。私自身作品自体をあまり深く知っているわけではないですが、この言葉の意味に関して様々な意見が飛び交っていること自体は認識していました。"チームプレー"とは文字通り、「チーム『で』プレーすること」です。先述したお互いが自らの役割を認識し足りないスキルや知見を補い合いながら協力していくn銃士的な側面が大きいと言えます。しかし、作中でこの言葉を残した荒巻課長は、このチームプレーを"言い訳"と表現しています。この部分が「『誰かが何とかしてくれるだろう』という当事者意識に欠けた状態」に近しいものがあると言えます。「データベース回り」といった過度な役割化は、その領域から外れたときに自分ゴトとして捉えられず、荒巻課長の言う”言い訳”に繋がります。(GDで役割決めが本質的ではないとする理由もこれに近いものがあります)チームワークとは、「チームワークを発揮しよう」という直接的な意識から生じるものではなく、個々人のスタンドプレーから結果的に生じるものという意味があると考えられます。陸上競技もダーツも、プレー中は誰かが助けてくれるわけでもなく、結局は自分の力で目の前にある道は切り開いていかなければなりません。それでも、その多くにはチームワークが存在しています。皆さんが持つ、就活ではアピールしにくいと考えがちな、「個人としての経験」。それは確かに直接的なチームプレーではないかもしれません。では、メンバー・サークル全体・バイト先の店舗といった各組織の成果に、一体どのような形で貢献しているのか。本記事を起点に、あなたなりの個人と組織の関係論を導き出していただければと思います。最後にー個人と組織は不可分。だからこそ常に向き合い続けよう最近、「いかがでしたか?」で締めを開始するような中身の無いキュレーション記事乱立の問題点が指摘されています。それらを見ても物事を解決できないことが上記では問題視されています。中身の無い内容を乱立されるメディアは価値が高いものとは言えないでしょう。一方、Webサイトに記載されている内容で解決出来る物事が限られているというのは以前からわかっていた話であり、過度にそこに解を求めるべきではありません。今回も、「こうやって個人の経験を伝えれば内定が獲得出来る」という解を提示したのではなく、個人と組織の考え方について示唆を与えたものに過ぎません。(そもそも、「〇〇すれば内定」みたいなあり得ないテクニックを語ることは適当ではないと思っています)嵐が「5-1=0」を選んだのなら、今度は1人欠けてもグループ活動を続ける道を選んだ関ジャニ∞と対比して捉えてみてもいいかもしれません。途中で述べた、役職決め・メンバー決めといったテーマで学生時代頑張ったことを書き上げてみてもいいかもしれません。unistyleは、「一人ひとりの納得したキャリア選択のための考え方を提示するメディア」であるという意味を、本記事を通して感じ取っていただければ幸いです。話が逸れましたが、個人と組織は不可分です。「個人でも稼げる時代」と言われながら、GAFAを始めとした莫大なデータを持つ組織が世界をも支配するのではという指摘もある、混沌とした時代。「個人『でも』」稼げる時代でも、「個人で稼げるような人材」の組織化は今後も続いていくでしょう。また、今回はどちらというと“n銃士”の弱点側にフォーカスして記述しましたが、あくまでそれはビジネス上の観点に過ぎません。日常生活で何が何でも組織の成果を基準に良し悪しを判断するのは息苦しいことですし、互いが互いを補い合うn銃士は理屈抜きで美しく感じます。私自身、n銃士的なチームにはこれまでの人生で何度も助けられて来ました。明確な役割は無く、チームへの貢献意識すらない中でも、直感的にいいチームだと思える所に所属出来ることは喜ばしいことだと思っています。学生時代の出会いは、社会に出てからと比べれば損得無しに付き合えるものばかりであり、長期的に見ても貴重な存在です。それでは最後になりますが、七銃士とは別かつ私の好きなスタメンKiDSの曲の一節をお借りして、本記事の末筆とさせていただきます。強がって意地張っていきがってみたって蓋を開ければ皆んな同じつまんないことにくよくよするそんな暇なんてないないなーい出典:スタメンKiDS『まつりBAYASHI!!』作詞:kenmochihidefumi(水曜日のカンパネラ)就職活動という場において、就活生の皆さんはスーパーマンや聖人君子である必要はありません。強がって意地張っていきがったところで自分は自分であり、時には周囲に助けを求め、助け合い、補い合うことは社会に出てからも大切になっていきます。是非前向きな気持ちを崩すこと無く、残りの就職活動を全力で駆け抜けていって下さい。皆さんの学生生活・社会人生活がより充実したものになりますように。 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ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!就活で使える”ネタ”の作り方 ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!就活で使える”ネタ”の作り方 こんにちは、18卒就活生です。大手インフラ・化学メーカー・SIerなど数多くの内定を獲得し就職活動を終了しました。インターンや本選考において最初に待ち受ける関門がES(エントリーシート)であると思います。私自身、選考があって参加したインターンでは7社全て、本選考では22社中21社でESが課されていました。外資系企業と比較して選考期間が短く、学生1人あたりに割ける時間も短い日系企業の採用においては特に初期の効率的な選考のためにESが用いられている傾向にあると考えています。その中で、インターン選考のESで最頻出の設問が「学生時代頑張ったこと」ではないでしょうか。「学生時代にあなたが主体的に働きかけ成果を出した経験を述べてください」「あなたがこれまでに何かをやり遂げたと感じた経験についてご記入ください」などこの手の設問にはあらゆるパターンがありますが、いずれもインターン・本選考共に頻出です。そんな背景で学生時代頑張ったことを書こうとした際に、皆さんの中には「大学で頑張ったことなんてそんなにないよ」≒経験の量不足「そんなすごい経験なんて自分はしてないよ」≒経験の質不足といった懸念が浮上してなかなか提出まで至らなかったという方もいるのではないでしょうか。特にインターンではES選考のみという企業もあり、本選考以上にES通過率が低い企業が多いこと、そもそもESを書く経験が少ないことからこの傾向が強まりやすい印象があります。今回は就職活動において切っても切り離せない事項である「経験」「エピソード」という言葉について、unistyleの過去の記事や筆者自身の就活経験を踏まえて考えていきたいと思います。本記事のコンテンツ・ありがちな経験でも受かるガクチカは作れる・経験とは学生時代頑張ったことを述べるためだけのものか?・特別な経験がないと考える学生に向けた二つのストラテジー・日常エピソードから根拠となる経験を述べる3つの意義・最後にありがちな経験でも受かるガクチカは作れる先ほど学生時代頑張ったことが書けない要因の一つとして、「自分はそんなにすごい経験をしてきていない」という考えを持っている学生の存在を挙げました。このような思考に至ってしまう原因として、就職活動における「経験」を「スペック」と読み替えていることがあるのではないかと考えています。これについては、unistyleが考える学生時代頑張ったことの評価基準から妥当性を考察していきましょう。①実績自体のインパクトは十分か②企業で求められている能力をアピールできているか③書いていることから思考力、考えの深さ、人柄を示すことができているか④社会でも通用する学びや考え方を示すことができているか参考:多くの学生が考える「スペック」とは恐らく上記の①に該当するのではないでしょうか。学生時代にどれだけすごい(=並の学生では残せない)実績を残せているかがスペックであり、このレベルの高さが学生時代頑張ったことの評価であると考えているのでしょう。しかし、あくまで実績自体のインパクトは評価基準の「ひとつ」に過ぎず、実際はほとんどの学生がサークル・ゼミ・アルバイトといった「ありがち」な経験でも②〜④を高めることで学生時代頑張ったことの精度を高めることが可能になっています。もちろん、有名体育会・ビジネスコンテスト・起業経験等で輝かしい実績を残すことはそれ自体で評価の対象となり、現にそういったスペックを持った学生を好む企業が存在していることも事実ではあります。いずれにせよ、スペックに高低に固執して卑屈になりすぎることよりも、ある程度それを客観視したあとは、それを就職活動の場で「どう伝えるか」について思考を深めた方が適策であると言えるでしょう。参考:経験とは学生時代頑張ったことを述べるためだけのものか?さて続いて、就職活動で述べる「経験」の位置づけについて考えていきたいと思います。「経験」と聞いて、多くの学生がまず思い浮かべるのが「学生時代頑張ったこと」でしょう。しかし、学生時代頑張ったことのように直接尋ねられている場合以外でも、就職活動の場では経験を述べる必要が出てきます。志望動機でも経験が必要志望動機とは、学生がこの企業でモチベーション高く働いてくれる人材であるかどうかを採用側が見極めるために尋ねる設問形態です。インターン選考の場合では「インターン面接でよく聞かれる質問事例4選」にもあるように、「企業とあなたを結びつけるポイント」を知りたいという採用側の意図が込められています。だた闇雲にエントリーした学生よりも、自社に興味・関心を持って志望した学生の方に参加してほしいという考えに基いた姿勢であると言えるでしょう。そんな志望動機では以下の点が評価項目になるとunistyleでは考えています。①「成し遂げたいこと=志=企業選びの軸」は業界に合致したものか②「成し遂げたいこと=志=企業選びの軸」を自分自身の経験から語ることができているか③「成し遂げたいこと=志=企業選びの軸」に基づき、業界をシンプルに比較しているか④業界の中でもなぜその会社なのかを伝えることができているか参考:このうち④についてはそこまで重要ではないと考えています。特にリーディングカンパニーでない場合は「同業の◯◯社ではなくてなぜうちなのか」をしつこく聞いてくる企業も現に存在していますが、同業他社を複数受けるというのは就活生としては自然な行為であり、「」を参考にある程度パターン化するぐらいの対策で割り切ることも大切なのではと考えています。また、実際に就職する企業は一社ですが、インターンの場合は同業でも複数社参加が可能であり、内定辞退のリスクに比べ参加辞退のリスクは大幅に低いものであるから、一般にそこまで深掘りされることはありません。一方、多くの学生が忘れがちなのが②であり、ここで「経験」という言葉が用いられています。志望動機では、人気記事「」でも項目として設定されているように、当該企業で成し遂げたいと述べた内容について経験に基づいたきっかけを示すことが必要となります。「世界における日本の存在感を高めたい。少子高齢化、GDP3位への転落、ジャパンバッシングなど近年、日本の影響力の低下が事あるごとに取り上げられ、アジアの中でもシンガポール、中国の存在感が高まっています。私は一人の日本人としてこのような事態を憂慮し、解決するための仕事がしたいと思い、御社を志望しています。」参考:このように経験との結びつきのない志望動機は、言ってしまえば内定者の内容をコピペしてしまえば作成できてしまうものであり、説得力のない内容になってしまいます。仮にこのような内容でES選考を通過したとしても、経験とセットで考えないと、面接の場で「なぜそれを成し遂げたいと考えるようになったのか」などと深掘りをされたときに対応することは難しいでしょう。インターン選考で「企業とあなたを結びつけるポイント」を示すうえでも、自身の経験に基づく理由付けをすることが他者との差別化を図るうえで(あなたしか書けない志望動機を書くうえで)必要になってきます。以上より、志望動機を述べるうえでも経験が重要であると導くことができます。自己PRでも経験が必要自己PRとは端的に言えば「あなたの強み」を述べるものであり、学生がこの企業で活躍できる素質を持った人材か採用側が見極めるために尋ねる設問形態です。自己PRは先ほど学生時代頑張ったことと並んで評価項目を示したため察した方も多いかもしれませんが、自己PRにおいても経験は重要な要素になります。「」を参照すると、③具体的エピソードを盛り込む必要があることが読み取れます。例えば、ただ単純に「私にはリーダーシップがあります!」と述べても、それが具体的にこれまでの経験でどのように活かされたのかを示さないと、本当にその素質を持っているのか採用側にとっては疑わしく感じてしまうことでしょう。また、具体的なエピソードは「」にもあるように、強みの再現性を高める上では複数用意しておく必要があります。この場合の経験も先ほどの項目と同様「すごい経験」で理由付けしていかなければならないというわけではなく、以下の記事にもあるように特別な経験がなくても伝え方を工夫することで評価される内容に仕上げることができます。参考:このように、経験とは学生時代頑張ったことを直接述べるための手段だけでなく、志望動機の説得力や自己PRの再現性を高めるうえで重要な要素であるとまとめることができます。なお、この傾向は特に日系企業の選考で該当するものであり、外資系企業の選考ではインターンも含め一概に当てはまらない場合があると考えています。日系と外資系の選考スタンスの違いについては以下の記事を参考にしていただければと思います。参考:特別な経験がないと考える学生に向けた二つのストラテジーここまでの内容をまとめると、「まず学生時代頑張ったことを語るために一つ経験が必要だ。自己PRは〜〜だからそれを根拠付ける経験が、あ、これは複数必要なのか。そうしたら今度は志望動機とセットとなる経験も用意しなきゃいけないし...」と、就職活動で語るべき経験が多岐にわたることが読み取れるでしょう。そうなってくると、冒頭で述べたESが進まない要因のうちの前者である、「大学で頑張ったことなんてそんなにないよ」=経験の量的な面での懸念が浮かんでくるのではないでしょうか。すなわち、自分が「エピソードのネタ不足」という状態に陥ってしまっていると考え、ES提出が進まない。ES提出が進まないから選考経験が不足し、せっかく出したESも通らないという悪循環にはまってしまう場合が考えられると言えるでしょう。これに対しての解決策は二つあると考えられます。解決策1:今から語れるエピソードを作る1つ目は、今からでも就活で語れるようなエピソードを作りにいくというアプローチです。例えば有名体育会での輝かしい実績・長期留学などの期間を要するものについては今から取り組もうとしてもなかなか難しいものがありますが、以下の記事にあるような経験であれば今から動き出すことで作り出すことが可能でしょう。先述の通り、エピソードはスペックに準ずるインパクトの強さだけで評価が決まるものではありません。確かに1年時から本気で何かに取り組んでいる人にはエピソードの質の面で劣るかもしれませんが、あくまで評価項目の一要素であるインパクトを気にしすぎて結局何もせずにいるよりは、今からでも行動を起こすことの方が正しい選択と言えるのではないでしょうか。参考:解決策2:過去の経験の伝え方を再考する2つ目は、これまでの経験で何か使えるものはないか再考してみるアプローチです。エピソードと聞いて多くの学生がまず顧みるのはサークル・ゼミ・アルバイトといった大学時代の経験になるでしょう。例えば、「」の記事にあるように、「」の②強みの原点を語るうえでは自身の生い立ちを語ることが有効です。複数エピソードを挙げる場合は、大学入学以前の経験を語るアプローチも有効です。また、東京海上日動のようにインターンの面接の段階から幼少期から自身の価値観をひたすら深掘りするという選考を実施している企業も一定数存在しています。このように、高校時代の部活動・文化祭の運営・生まれ育った環境といった”経験”ですらも、就職活動の場においてはエピソードのストックとして機能しうるものであることは認識しておくべき内容でしょう。大学3年時ではゼミ活動の経験が増えたというケースが多いかと思われますが、そのゼミ活動や就職活動等で多くの時間が割かれることから、サークルを引退or幹部学年でなくなり活動頻度が減る・アルバイトのシフトが減るなどでエピソードが作りにくくなる学年であるという捉え方もできるのではないかと考えています。すなわち、「無いものを作る」という一つ目のアプローチと同時に、「有るものをうまく活用する」二つ目のアプローチも並行して行っていけるといいのではないでしょうか。参考:ここまでが、unistyleに共通する基本的な考え方になります。筆者はこれだけでなく、就職活動で使うエピソードは顧みずとも日常生活で常に生み出されているのではないかと考えています。朝起きて大学に行き授業に出席する・休みの日に友人と遊びにいくといった何気ない行動の積み重ねにこそ、「あなたらしさ」と呼ばれるようなものは存在しており、企業側も学生のそういった面を知りたいと考えているという見方もできるのではと考えています。参考:参考:日常エピソードから根拠となる経験を述べる3つの意義とは言いつつ、いきなり「日常生活からエピソードを導こう」と言われても何を語っていいのか見当がつかないという方も多いかと思います。例えば、「毎朝時間通りに起きて休むことなく毎回授業に出席した」ことを単体で学生時代頑張ったことについて挙げるのでは企業に評価されにくいことは何となくでもいいので皆さん理解されていることだと思います。日常エピソードはそれ単体をアピールするのではなく、志望動機の説得力や自己PRの再現性を高める策として有効であると考えています。ここでは、そんな日常エピソードから就職活動の経験を語っていく意義とその具体的な事例について考察していきたいと思います。理由1:単純にエピソードの絶対数が増えるこちらはこれまでの内容を一読していれば既に理解されていることでしょう。志望動機・学生時代頑張ったこと・自己PRとあらゆる場面で必要なエピソードについて、その語れるエピソード数は多いに越したことはありません。特に日系の一流企業では一つの経験に対する深掘りだけでなく、「学生時代注力したことを2つ挙げてください」「ゼミ・サークル・アルバイト以外の経験について教えてください」といった形で経験項目の指定や直接的に複数挙げるよう求めてくるケースが目立っています。全体としてNTTドコモでは複数エピソードを求める質問が並んでいることが特徴だと言えます。一般に「持ちネタ」とする学生時代の経験は一つだけだと不十分であると考えられます。そもそも面接官が経験について深掘りを重ねるのは、そのエピソードを知ることで、学生がどのような価値観を持った人物なのか、どのような強みを持った人物なのかを知り、本当に企業に貢献できる素質を持った人材なのかを見極めるためです。面接官は複数の経験について聞くことでそれらについてより深く知ることができるため、このような質問が並んでいるのだと考えられます。参考:例えばこの記事にもあるように、就活生の間でも人気の企業であるNTTドコモでは、上記で指摘した複数エピソードから量(経験を複数聞くこと)・質(一つの経験を深掘りすること)の2面からの深掘りがなされているようです。様々な切り口から様々な経験について聞くことで学生の素質や価値観を把握し、自社が求める人材との間にミスマッチが生じていないのかを考えるのは、長期雇用を前提に多大な採用コストをかける多くの日系企業にとっては妥当なアプローチと言えるのではないでしょうか。理由2:"作られた"エピソードから脱却できる(正直な印象を与えられる)この記事のタイトルにもありますが、学生時代頑張ったことを中心に就活で語る経験は一般に"ネタ"という言葉を用いて「持ちネタ」や「学力(ガクチカ)ネタ」という形で呼ばれることが多いように感じています。多くの就活生は就職活動開始時に「自己分析」という名目でこれまでの経験の中からESで書ける・面接で話せるネタを探し出して、それをうまく活用した者が就職活動を優位に進めるという認識でいることでしょう。これ自体は直接それが間違っているというわけではありませんが、果たして採用側はそのアプローチを学生側に求めていると言えるのでしょうか?特に日系の新卒採用の場では、自社とマッチングする人材が欲しい・その人自身のことをもっと知りたいという意図で面接選考を実施しているケースが大半であり、エピソードを"作る"もしくは"用意する"ことを、少なくとも是非やってほしいとは考えていないでしょう。ましてや話しを盛る・捏造するといった行為はその人自身を知るうえでは障害となり、特に無い話をでっちあげる嘘は学生側にとってもデメリットが大きいと考えています。参考:例えば「塾講師のアルバイトで作業マニュアルを作成した」「サークルの代表として意見の衝突があった中で話し合いの場を設けた」のようなエピソードはあまりに多くの学生が用いるため、たとえそれが本当に実行された話だとしても、面接官からしても「またこれか」と何となく疑わしく感じることもあるかもしれません。一方、日常生活からエピソードを述べるというアプローチは多くの学生が取らないため、採用側にとっても意外性を感じ話を聞いてもらえる、もしくは正直な印象を与えることができるのではないでしょうか。理由3:思考力が身につく(対応力が向上する)個人的にはこれが一番大きいのではないかと考えています。日常生活で話せるエピソードを用意するということは、その行動を取ったときに、就職活動の場で使えるものであることを認識する必要があります。「今のこの行動は就活の場でも使えそうだ」と振り返りながら「日常から常に就活視点(特にES・面接視点)を持つこと」は自分自身を見つめ直すきっかけとなるだけでなく、面接において重要な思考力の向上に繋がると考えています。参考:例えば私は周囲を巻き込むうえで「」では⑤にあたる方法論として、「行動で示すことで事前に成果を出す」という自分なりの考えを持っていました。「主体的に働きかける」という言葉は就職活動で頻出ワードといってもいいありがちな回答でありますが、「行動」と「成果」という2つの言葉がポイントになっています。行動については、いわゆる「密なコミュニケーションで信頼を得る」といったありがちなものとは逆のアプローチであり、「(周囲からの協力や共感を得られなくても)行動から入る」という意味になります。その行動で何らかの成果を出したのであれば、自分の働きかけが意味のあるものだと認識され周囲からの協力も得られるようになることに繋がるというのが私の考えでした(もちろん自分が始めた行動でなかなか成果が出なかったらどうするかといった深掘りにも答えられるようにしていました)。例えば、「売上NO.1」「東大合格者◯◯人」といった「成果」を見て、「何となく実績があるからここの商材を選ぼう」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。上記はこれと近い理論だと考えています。この方法論を、日常生活のエピソードを基に補完していきましょう。突然ですが皆さんは以下のようなシチュエーションに遭遇したことはないでしょうか?【シチュエーション】あなたはサークルの大会の帰りに友人6人と打ち上げとして焼肉を食べに行くことにしました。試合で疲れているため出来れば待ち時間なく店にありつきたいと考えています。普段全員が来ない街であるため取りあえずスマートフォンで検索して近くにお店を1軒見つけましたが、グルメサイトの評価が高く、日曜日という日程や7人という中途半端な人数から席が空いていないのではという意見が出ました。そこまで焼肉にこだわりがあるわけでもないので他の店を検索して再び店選びをしようという流れでありますが、あなたならこの時どう行動するでしょうか?特に正解があるわけではありませんし、答え方も人それぞれ異なる質問だと思います。私はこれに「まずは最初に出てきた店に電話して空席の有無を確認する」と回答しました。そもそもグルメサイト云々の話はあくまで推測でしかなく、恐らく友人たちは「電話して確認する」という行為を何となく障壁を感じており、電話するぐらいならサイト上で済ませてしまいたいという意識がこのシチュエーションから感じることができるためです。実は上記のシチュエーションは私が実際に体験したものであり、回答内容も私が実際にとった行動です(結果的に空席がありその店で打ち上げを行いました)。私はこの経験をしたときに、「今のは就活で使えるな」と自身の就活視点から閃く瞬間がありました。もともと先述した方法論自体は長期インターンの経験から導いていたのですが、面接官からしたら、「その方法で本当にうまくいくの?」と懐疑的に取られていた面があったのだと思います。そこで複数エピソードを挙げることで内容を補完していくことになるのですが、この時に上記の焼肉でのエピソードと共通点があるのではと考えました。両者は「同意がなくても(=他の友人が確認を取ろうとしなくても)行動から入る(=とりあえず自分で電話してみる)」「結果を出す(=実際に予約が取れた)」という形で対応関係にあり、自身の強みを発揮する方法論の補完として役割を果たすという考え方をすることができます。このように、複数エピソードを挙げるときにサークル・ゼミ・アルバイトのようなベタな経験から無理やり捻り出すよりも、上記のような何気ない日常行動から導く方が正直な回答となり、理由2にあるように採用側にも正直な印象を与えることができるでしょう。そして、その既に「持っている」エピソードと日常エピソードの繋がりを考えることが、理由3の思考力の向上と関連していると考えています。この思考力が、面接で想定していない質問にも回答できる対応力に結びつくと言えるのではないでしょうか。また、この就活視点は、日常だけでなく就活中にも常に持てているとより良いと考えます。例えば会社説明会でも何となく人事の話を聞いたりパワーポイントのメモを取るのではなく、「今の話は自分の企業選びの軸と合致しているから面接でも使えそうだな」「今の話って自分の〜〜という経験とうまく結び付けられるのでは?」と、常にESや面接を意識した行動を取ることが選考通過率を上げる一因となるのではないでしょうか。最後に就職活動では高学歴・有名体育会・長期留学といったハイスペックの学生から順番に上位企業の内定を取っていくものだと考えてしまうと考えてしまっている方も少なくなく、「経験がない」「書くことがない」という意識で行動量が減ってしまうのは非常にもったいない行為であると考えています。特に多くの方が企業に評価されるという経験を積んでいないこの時期から自分で勝手に自己評価を下げてしまうことは、「」の記事にあるように就職活動の結果にすら悪影響を与えてしまうかもしれません。今回は日常エピソードと就活エピソードの共通項を類推(アナロジー)して考えていきましたが、何もこの考え方は就職活動に始まったわけではないのではと考えています。例えば高校時代に学んだ数学でも、「この問題を解くときに用いた考え方を単元が異なる一見全く関係のない問題にも応用させる」ことが「応用力」という形で重要視されたでしょうし、社会に出てからも(ビジネスにおけるアナロジーはこれよりもっと奥が深いにせよ)この考え方は活かされる面があるではないでしょうか。就職活動に「これ」という正解はありません。だからこそしっかりと考え、行動し続ける必要があります。そしてこの記事を「ESが書けない」とエントリーを躊躇してしまっている方への就職活動のヒントとして少しでも役立てていただければ幸いです。参考: 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【映画業界大手3社比較】東宝・東映・松竹の違いを解説-仕事内容や強み、年収、社風など- 【映画業界大手3社比較】東宝・東映・松竹の違いを解説-仕事内容や強み、年収、社風など- 本記事では映画業界の中でも「東宝」「東映」「松竹」の3社について比較し、各社の事業内容や強みの違い、売上高や平均年収ランキングなどを解説します。本記事の構成映画業界の現状・今後の動向​​​​​​東宝・東映・松竹の売上高・事業内容・強み比較∟東宝・東映・松竹の売上高比較∟東宝の事業内容・強み∟東映の事業内容・強み∟松竹の事業内容・強み東宝・東映・松竹の社風比較∟東宝の社風∟東映の社風∟松竹の社風東宝・東映・松竹の年収・平均年齢・勤続年数・採用人数ランキング最後に映画業界の現状・今後の動向「東宝」「東映」「松竹」の違いを比較する前に、まず映画業界全体の動向や現状について解説します。映画業界の現状ここでは映画業界の現状について解説します。映画業界はコロナウイルスの影響を大きく受けた業界の1つといえるでしょう。実際に日本映画製作者連盟によると映画業界の入場者数、興行収入は以下のようになっております。■入場者数■興行収入【参照】日本映画製作者連盟『過去データ一覧』上記からわかる通り、コロナウイルスの影響を受けた2020年は観客動員数、興行収入ともに大きく減少していますが、2021年には数値が多少増加しており回復の傾向が見られます。時短営業の解除や、多くの映画館で座席の感覚を開けずに全席販売を再開しているため今後も映画業界の業績は回復していくと考えられるのではないでしょうか。映画業界の今後の動向次に映画業界の今後の動向について解説します。コロナウイルスの影響を大きく受けた映画業界ですが、今後は「映像や演劇の高品質化を行うことで競争力を高める」と考えられるのではないでしょうか。映画業界では既にコロナウイルスの影響による規制を緩和し全席販売などを再開しています。しかしコロナ禍におけるライフスタイルの変化によって配信サービスなどを利用した映像の家庭内視聴が普及し、従来の方法だけでは興行収入の増加は難しいと考えられます。そのため今後は映画業界各社で家庭内視聴との差別化や映像コンテンツの高品質化を図るべく「映像や演劇事業の改革」が活発になるのではないでしょうか。実際に東宝、東映、松竹の3社は以下の施策を行っています。東宝の施策●高集客立地へのシネコンの出店●轟音シアター、IMAXなどの導入による家庭内視聴との差別化東映の施策●「バーチャルプロダクション撮影」導入のために国内の映画配給会社初のLEDスタジオを設立●デジタルヒューマン技術によるショートムービー公開など映像コンテンツの高品質化松竹の施策●MRヘッドセットを装着し歌舞伎を鑑賞するコンテンツの開発上記からも今後の映画業界は表現や演出の幅を広げるなどすることで映像、演劇の高品質化を行っていくと考えられるのではないでしょうか。【参照】東宝『経営戦略』東映『第2四半期決算説明資料』松竹『舞台演劇の拡張体験!!MRヘッドセットを装着し歌舞伎を鑑賞するコンテンツの開発』東宝の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちら東映の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちら松竹の企業研究ページ(選考通過者ES・本選考レポート・選考対策記事)はこちらなお、映画業界から内定を獲得したいという就活生には就職エージェントneoの利用もオススメです。エージェントを利用することでアドバイザーから、選考通過のためのノウハウや他に受けるべき企業など客観的にアドバイスがもらえます。少しでも興味があるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。東宝・東映・松竹の売上高・事業内容・強み比較上記では映画業界全体の現状や今後の動向について解説しました。ここからは映画業界の中でも東宝、東映、松竹の3社を多方面から比較していきます。まずは各社の売上高、事業内容、強みを比較します。東宝・東映・松竹の売上高比較初めに各社の売上高を比較します。各社の売上高の推移は以下のようになっています。東宝東映松竹上記を見ると、3社ともにコロナウイルスの影響を受け2021年は売上高が大きく減少し、2022年には多少回復しています。決算期ごとの売上高を比較してみると、東宝は3社の中で最も売上高が高くなっており、東映と比較しても2倍近くの売上高となっているのが分かります。東宝は今後「アニメ事業」を第4の柱として注力する方針を発表しており、売上高の更なる向上を図っています。東映や松竹を含めた各社の事業内容についても以下で紹介するため参考にしてみてください。【参照】東宝『有価証券報告書』東映『有価証券報告書』松竹『有価証券報告書』東宝の事業内容・強みここからは映画業界各社の事業内容や強みについて解説します。まずは東宝の事業内容・強みです。上記でも述べましたが、東宝は東映、松竹と比較すると最も売上高が高く国内トップシェアを誇ります。1932年の創業以来「大衆本位」「お客様本位」を理念として掲げ、現在は「映画」「アニメ」「演劇」「不動産」の4つの事業を柱としています。「ゴジラ」や「モンスター・ハンター」などの作品で海外と共同制作を行っている点は特徴的といえるでしょう。また今後は2032年の創立100周年に向け「映画キャラクターなどの新たなコンテンツ企画」「人材育成」「映画事業とアニメ事業の両輪展開」を掲げ、更なる成長を目指しています。「アニメ事業」に関しては第4の柱とする方針を発表しており、既に公開している人気アニメの映画に加え今後も人気がある漫画のアニメ化権の獲得に注力するとしています。【参照】東宝『経営戦略』東宝の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから東映の事業内容・強み東映は1951年に東横映画、太泉映画を吸収合併し設立されました。「全世界で人々に愛されるエンタテインメントの創造発信」を企業理念に掲げ、「総合コンテンツ企業」として14の事業領域から多角的なビジネスを展開しています。映画やテレビドラマに加えてキャラクターショーなどのイベントも開催しており、イベントやプロモーションの開催実績は業界トップのシェアとなっています。さらに学校教育や交通安全など教育映画と呼ばれる作品の制作も手掛け、こちらも業界トップシェアとなっている点は強みと言えるでしょう。また事業が多い分、東宝、松竹と比較すると安定して収益を得られるのではないでしょうか。実際に東映の2021年度のセグメント別売上高は以下のようになっています。映像関連事業、興行関連事業が売上のほとんどを占めてはいますが、「催事関連事業」「観光不動産事業」「建築内装事業」の3つでもいくらか収益を得ており、また3事業の売上高は近いものとなっています。一方で東宝、松竹は映像関連事業、演劇関連事業、不動産事業の3つが主な収益源となっており、映像関連事業、不動産事業が売上のほとんどを占めています。コロナウイルス流行により映像事業が打撃を受け3社の売上高が減少した際に、最も下げ幅が小さかったのが東映であることからも事業数の多さは強みと言えるのではないでしょうか。【参照】東映『数字で見る東映』東映『有価証券報告書』東映の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから松竹の事業内容・強み松竹は1895年に大谷竹次郎が京都の新京極阪井座の仕打(興行主)となり、1902年に松竹(まつたけ)合資会社として設立されました。「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」「時代のニーズをとらえ、あらゆる世代に豊かで多様なコンテンツをお届けする」をミッションに掲げ、映像事業、演劇事業、不動産事業を軸に事業展開しています。映画業界のみならず、民間企業全体でも唯一「歌舞伎」を手掛けている企業になります。歌舞伎の企画・制作から興行に至るまで一貫して携わり、さらに歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、京都南座の4つの劇場運営も行っている点は強みと言えるでしょう。2021年度の売上高の構成は映像事業が約56%、歌舞伎が含まれる演劇事業売上高のは約22%を占めています。コロナウイルスの影響を受けた2020年度と2021年度の売上高を比較すると、映像事業は21%の増加であったのに対し、演劇事業は2倍以上になっていることから貴重な収益源であることが分かるのではないでしょうか。また、歌舞伎の配信サービスである「歌舞伎オンデマンド」の海外配信も開始しており、「日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する」というミッションの達成に向けて事業拡大していると考えられます。【参照】松竹『歌舞伎オンデマンド海外配信開始』松竹『有価証券報告書』松竹の企業研究(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから東宝・東映・松竹の社風比較上記では映画業界大手3社の事業内容や強みを解説しました。各社の特徴が理解できたのではないでしょうか。ここでは東宝・東映・松竹の社風について解説します。社風は各社の比較や差別化を図る要素にもなるため参考にしてみてください。東宝の社風東宝は「お客様の幸福のために一人一人が何をすべきか考え行動する」社風があると言えるのではないでしょうか。東宝の特徴・強みでも述べた通り、東宝は企業理念として「大衆本位」つまりは「お客様本位」を掲げています。「東宝の事業はお客様の幸福のためにある」との記載もあり、お客様に夢や感動、喜びを届けることを非常に重視していると考えられるのではないでしょうか。また求める人物像には「東宝の掲げる使命・価値観・理念に共感し、行動していること」「東宝というフィールドで自分自身を高め、成長する力を持っていること」が掲げられています。具体的には「情報の引き出しと興味へのアンテナ、好奇心を持っていること」「今の自分に固執せず、もっと成長したいという向上心を持った方」などが求められており、お客様の幸福を考える過程で自分自身が成長することも求められる社風があると考えられるのではないでしょうか。実際に東宝で働く社員は以下のように話しています。東宝は、仕事として直接作品に関わっていなくても、自分たちがエンタテインメントを支えている意識で頑張る社員が集まっている会社。僕らもこれからもいろんな仕事を経験しながら、エンタテインメントを支えていきたいと思っています!引用:東宝『新人座談会リターンズ』【参照】東宝『経営理念』東宝『求める人材像』東映の社風東映には「役職や部署に関わらず挑戦に前向きな社風」があると考えられます。東映では現在「社員全員が企画者」の言葉の元、部署や職種の壁がなく全員が活躍できる環境の整備が進んでいます。映画の企画を社内公募し採用された社員にはプロデューサー業務に関わってもらったり、新規事業のアイデアを公募するといった活動を部門・部署問わず、社員全員を対象に取り組んでいます。また東映は東京の他に京都にも撮影所を有する唯一の企業であり、社長自らも「自らつくって、自ら売っていく。これが東映のスタイルであり、プライドです。」と話しています。そのため「自ら制作し自ら売る」スタイルを継続するためにも、社員一人一人の意見や考えを重宝しているのではないでしょうか。実際に東映で働く社員の方は以下のように話しています。東映は若手にもチャンスがある環境だと思う。面白いものなら若手の企画でも採用し、任せてくれる。やりたいことを積極的にアピールすれば、どんどんその分野に進んでいける。実際、私も漫画やアニメが好きだと社内で話していたからか、漫画原作の実写映画やアニメ映画を担当させてもらう機会も多い。引用:東映『社員インタビュー04』【参照】東映『東映を知る』松竹の社風松竹には「伝統を重んじつつ革新も尊重する社風」があると考えられます。松竹は日本の民間企業で唯一歌舞伎を制作するなどしているため、伝統を重んじる、固いイメージを抱く就活生が多いのではないでしょうか。実際、松竹は「受け継がれた先人たちの知恵・技・経験の結晶である文化を次の世代に受け継いでいく」ことが大切としていますが、一方で「革新」にも重きを置いています。松竹は採用にかける思いとして「これまでにないまったく新しい文化の創造や新規チャネルの開拓に挑戦していくこと」も大切にするとしており、行動理念にあたるであろう「松竹人の志」では「場数を踏め、種を蒔け」としている点から挑戦を後押しする社風が伺えます。実際に松竹で働く社員は以下のように話しています。松竹で学んだこと・受け継いだこと先人たちが積み重ねてきた伝統を覚えること。時代の変化やお客様の心の機微を感じ取ること。その姿勢の先に、革新のチャンスが待っているということ。これこそが松竹の長い歴史を支えてきたのだということを学びました。お客様からの信頼は一日にしてならず。時代を超えた積み重ねにより築かれるものなのです。引用:松竹『松竹人』【参照】松竹『松竹人の志』東宝・東映・松竹の平均年収・平均年齢・勤続年数・採用人数ランキングここまでで映画業界の動向や現状、さらには東宝、東映、松竹それぞれの強みや特徴を理解できたのではないでしょうか。次に東宝、東映、松竹の年収、平均年齢、勤続年数、採用人数ランキングを紹介します。いずれの項目も就活生が押さえておきたい部分だと思うので是非参考にしてみてください。3社の年収、平均年齢、勤続年数、採用人数ランキングは以下になります。東宝、東映、松竹の平均年収、平均年齢、勤続年数、採用人数ランキング注※各社ごとに数値をまとめ、各項目で最も高い企業の数値を赤字で表記しています。※採用人数は2023年4月入社者数を載せております。上記のランキングを見てみると3社ともに近い数値が並んでいることが分かります。平均年収は東宝が最も高いですが、平均年齢、平均勤続年数、採用人数に大きな差はみられません。各社の差別化を図る際には年収や勤続年数などではなく、本記事上部で解説した事業内容や強み、社風から考えるといいのではないでしょうか。【参照】東宝『有価証券報告書』東映『有価証券報告書』松竹『有価証券報告書』最後に本記事では映画業界の中でも「東宝」「東映」「松竹」の3社について事業内容や強み、平均年収ランキングなど各社の違いを比較しました。3社ともに映画業界の中でも多くの就活生が志望する企業と考えられるため、違いを明確に述べられるように整理しておきましょう。また映画業界の企業は制作の仕事だけでなくその他の事業を行っていることもあるため、本記事を参考に企業研究を入念に行った上で選考に臨むようにしましょう。unistyleでは以下にも選考突破に役立つ記事を掲載しています。こちらも参考に今後の就職活動にお役立てください。志望動機完全攻略記事一覧企業が志望動機を聞く意図・就活生がアピールすべきポイントESにおける志望動機の書き方面接で志望動機を適切に伝える方法インターンでの志望動機の伝え方業界別の志望動機の書き方職種別の志望動機の書き方志望動機の例文一覧(インターン)志望動機の例文一覧(本選考)ガクチカ完全攻略記事一覧1.そもそもガクチカって何?2.ガクチカがない人の対処法3.ガクチカの書き方を徹底解説4.ガクチカの例文を紹介(1)ガクチカでゼミ活動をアピールするには(2)ガクチカでサークル活動をアピールするには(3)ガクチカで留学経験をアピールするには(4)ガクチカで長期インターンシップをアピールするには(5)ガクチカでボランティアをアピールするには(6)ガクチカで研究(研究室)をアピールするには【理系学生向け】(7)ガクチカで体育会系部活動をアピールするには(8)ガクチカで資格・TOEICをアピールするには(9)ガクチカで趣味をアピールするには(10)ガクチカでアルバイトをアピールするには→ガクチカでカフェアルバイトをアピールするには→ガクチカで塾講師アルバイトをアピールするには→ガクチカで飲食店アルバイト(居酒屋・焼き肉・レストラン)をアピールするには→ガクチカでカラオケアルバイトをアピールするには5.面接でのガクチカ対策と頻出質問10選 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