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映画業界内定者による東宝、東映、松竹3社の比較
最終更新日:2022年02月03日
こんにちは。16卒の映画業界内定者です。
映画会社を志す人は毎年多いと聞きます。その中でも、東宝、東映、松竹の3社とも受験する人がほとんどを占めている印象です。
しかし、この3社の比較となると途端に困る人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は東宝、東映、松竹の3社の違いについて、それぞれの会社の成り立ちや、選考を受けていて感じた人の雰囲気や、配給作品の色、さらに最近の邦画を語る上では欠かすことのできない、テレビ局とのつながりから見てみようと思います。
- 本記事の構成
- 会社の成り立ち
- 人の雰囲気から見る3社の違い
- 配給作品から見る3社の違い
- テレビ局とのつながり
- おわりに
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会社の成り立ち
関係者に言わせると、東宝、松竹は「劇場屋」出身、東映は「スタジオ」出身の企業ということです。
どういうこと?と思うかもしれませんが、東宝、松竹は演劇、歌舞伎を上演する劇場を持っていること、東映は大泉などにスタジオを持っていることから、今もその形を見ることができます。
「劇場屋」はつまり、立地のいい場所に劇場を持ち、それを稼働した不動産のあがりが主な収益源ということ。これを特に成功させているのは東宝で、傘下に興行会社(映画のフィルムをかける会社)のTOHOシネマズを持ち、その劇場数は全国各地で他の2社を圧倒的にしのぎます。この劇場数こそが、魅力的な作品が東宝に集まる理由になっているわけです。
反対に「スタジオ」は、スタジオを映画制作や番組制作に貸すことで稼働させたあがりが目的になるわけです。東映がこれにあたります。つまり、東映は、スタジオを稼働させ続けなくてはならないのです。スタジオを稼働させるということは、中で働くスタッフたちの生活を守ることにもなります。以前の東映の時代劇スタッフを食べさせるために仮面ライダーなど戦隊モノをやっているという話もありますね。
人の雰囲気から見る3社の違い
東宝は、揺るぎない安定感を持った人が多かった気がします。そのため一見すると寄りがたいような雰囲気もあります。
しかし実際話してみると非常に気さくで、思いやりのある方だということが多かったです。頭の切れも抜群で、学歴も高い人が多かったです。
東映は、東宝の人にすこし無骨さというか、線の太さを足した感じのように思いました。しかし東映の方も話しやすい方には違いないと感じました。
松竹は、上の2社より線が細く、伝統を重んじる雰囲気だと感じました。
逆に3社に共通するところは、「この会社を自分が変えてやる!」というような、反骨心溢れる人はいないということでした。どれも歴史ある企業であり、かつ規模も中小程度なので、人材の採用においては会社の考え方に合っているということが重視されているのではないかと感じました。
配給作品から見る3社の違い
その前に、ここ数年の邦画3社の興行収入ランキングをご存知でしょうか。
ぶっちぎりのNo.1は東宝です。「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」などの国民的アニメから、「ビリギャル」や「寄生獣」など実写化作品もヒットを飛ばし続けています。
続く2位は東映。「仮面ライダー」など戦隊モノのイメージが強いですが、「ドラゴンボール」、「劇場版 アイカツ!」などアニメ映画でもヒットを飛ばしています。人情ものも手堅いですね。「悼む人」、「アゲイン-28年目の甲子園-」、「深夜食堂」など、良作がそろっていました。
3位は松竹。最近の話題作だと「ホットロード」が大ヒットをおさめました。「パトレイバー」、「紙の月」、「ソロモンの偽証」なども記憶に新しいです。「ソロモンの偽証」はメインとなる小学生役をオーディションで選抜したということで話題になりました。新しい試みをしている印象を受けます。
上に例を挙げましたが、東宝はアニメ、テレビ局製作、実写化などのバランスがいいことが配給作品の特徴にあげられると思います。
東映は戦隊モノやアニメ、人情ものなどが印象的です。
松竹は骨太な作品を出してきている印象ですね。ヒットにつながらないのは、宣伝力の弱さが理由かもしれません。
テレビ局とのつながり
テレビ局とのつながりが圧倒的に強いのは東宝です。ここ数年は映画の公開が近くなるとテレビ番組にその映画に出演する俳優が出て、映画の宣伝をすることも多くなってきました。テレビを利用した宣伝というのがメジャーになってきているわけです。
ここで強いのが東宝なのです。「寄生獣」公開の際にはヒルナンデス!に染谷将太や橋本愛が出演し、番組の宣伝をしていました。なぜ東宝はテレビ局と仲がいいのか?企業方針と努力の成果もあるでしょうが、テレビ局からみたメリットは、先ほど述べた東宝の圧倒的な配給力にあります。
自社(テレビ局)が製作委員会として出資している作品なら、ヒットしてほしいので、より多くの劇場で映画をかけてほしいわけです。そうなると、劇場数の多い東宝がまず候補にあげられることになります。
2番目は東映です。東映はテレビ朝日とピンポイントでのつながりが強いです。「相棒」は東映とテレビ朝日の共同制作ドラマです。
松竹はテレビ局とのつながりに際立った特徴はない印象は受けます。しかし、製作委員会にテレビ局が名を連ねている可能性は大いにあるといえます。
いまやどこの映画会社も、製作委員会というシステムをとっている以上、テレビ局とは切っても切れない関係になっているのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
一見同じように見える3社でも、かなり違いがあることがわかっていただけたと思います。
倍率の高い映画業界ですが、ぜひ企業研究に役立てていただきたいと思います!
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