入社前から辞める条件を強烈に意識しておこう!就職における損切りライン設定のすすめ

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最終更新日:2023年10月26日

入社前から辞める条件を強烈に意識しておこう!就職における損切りライン設定のすすめ

株式投資では適切に含み損が出ている取引の損失を確定させる「損切り」が非常に重要だというのが投資家の間の共通認識です。損切りをせずに多額の含み損が出ているにも関わらず放置する塩漬け状態は、将来的な上昇が見込めないだけでなく、他の銘柄に投資した場合に得られた利益を失うために避けるべきであると言われています。資産の塩漬け状態を防ぐために投資家の多くは、投資を行う際にはどの程度含み損が出たらを基準に損切りラインを設定して投資を行っています。

就職においても、投資と同様に適切に損切りラインつまり、どういった状況であれば辞めるのかというラインを予め設定することが非常に重要であると最近感じているので、そのことについて説明したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

そもそもの仕事における利得と損失

仕事によって得られる利得は、①やりがい、②成長、③給与・待遇の三つに分類されるでしょう。①、②、③の総和が仕事で得られる利得だと言えます。やりがいのある仕事で、成長も実感でき、給与・待遇も満足できるものであればかなりhappyな仕事生活だと言えます。もちろん、若い時には成長を感じることができたものの、年齢を重ねるに従って成長を感じられなくなる一方で給与・待遇は上昇しているため、①、②、③の総和は変わらないなんてこともありえると思います。ここは自分が仕事に何を求めるかに応じてもそれぞれの項目の重要度が変わるでしょう。

利得の反対である損失としては、①時間、②体調の二つが挙げられるでしょう。①と②の総和が仕事で失う損失だと言えます。長時間労働で、体調も崩してしまうような仕事だと、いくらやりがい、成長、給与・待遇がよくても精神を病んでしまったり、会社に行きたくなくなってしまうでしょう。就職活動生に人気の総合商社でもこのような理由で長期休暇を取る人は少なくありません。一方で若いうちは長時間労働して給与・待遇が低くてもやりがいや成長を追い求めてベンチャー企業や外資系企業にいきたいと考える学生も多く、あくまで利得と損失の総和で仕事を選んでいることがわかります。

ちなみに著名なブロガーのちきりんさんはこんなエントリーを書いていますので参考にしてみてください。このエントリーでは「楽しい」か「学べる」かの二軸で判断すればいいのではと書いています。(上記で言う利得の①やりがいと②成長の二つにあたるかと思います)

参考:退職決断のための「黄金基準」はこれだ!

 

外資系・ベンチャー企業は強制的に損切りラインが設定されている

外資系のコンサルティングファームでは、「アップ・オア・アウト(昇進か退職か)」という雰囲気のもと、昇進できない人が定年まで会社に勤め続けるのは難しいと言われています。また「終身雇用ではない外資系、ベンチャー企業の評価・報酬体系」では、サイバーエージェントの下位5%の評価を2度受けると部署異動もしくは退職勧奨のいずれかを選択するミスマッチ制度を紹介しています。

このように外資系やベンチャー企業の多くは、ある程度強制的に損切りラインが設定されているからこそ、次のキャリアや成長を意識しながら意欲的に働く社員が多く、当人としてもその企業を利用して次に繋げようという人が多いと言えます。サイバーエージェントがミスマッチ制度を発表したのは2011年ですが大企業になるにつれて、サイバーエージェントというブランドに惹かれて終身雇用のつもりで入社した結果、文化・社風に合わない人が増えてきたから導入したと推測されます。
ミスマッチ制度は厳しいようですが、この会社で成長や昇進の見込みのないことを率直に伝えることのほうがよほど誠実だと思います。

 

本人のためにも、会社の文化と肌が合わず、いつも不満を感じている人は、一度しか無い人生の時間を無駄づかいすることなく、できるだけ若いうちに転職するべきだと私は思ってます。また会社の価値観と合わない人に対し、どうして21世紀を代表する会社を創らなければならないのか、から経営陣が説明しなおすつもりはありません。

誰にでもみんなに優しい会社は、いずれみんなを路頭に迷わせてしまうだけです。優秀な人に存分に報いるためにも、メリハリの効いた人事制度を心がけていくつもりです。

出典:退職金とミスマッチ制度

 

藤田社長のこの言葉に、早めに見切りをつけて転職をする方が当人にとっても企業にとってもプラスになるという考えが読み取れます。

 

終身雇用の大企業でも損切りラインを設定しておこう

終身雇用の大企業で、それなりの報酬をもらっているため自ら辞める勇気が持てず、本人としてもやりがい・成長を感じられない上、さらに昇進の見込みは薄く周囲からも窓際族の仕事ができない社員と疎んじられてしまう30代、40代の社員の人はかなり多くいます。さらに直近では日系の家電メーカーのように会社の業績が悪くなった結果、追い出し部屋などに追いやられて強制ロスカットになってしまう事例が出てきました。

やりがいや成長も感じられない中、何年も無為に過ごして(投資で言う塩漬け状態)、最終的には企業側から強制的にロスカット=リストラされてしまうことを避けるためにも、入社前や内定者のうちにどういう状況になったら損切りをするのかは考えておくとよいでしょう。

損切りラインの設定は個々人の価値観によって大きく異なりますが、やりがいや成長を感じられなくなったら、別の企業に転職をするというのが思いつきやすい損切りラインの設定の仕方です。昇進の見込みがないなど給与・待遇が十分ではないと感じられた時に辞めるのも一つではありますが、これまでの仕事で十分な実力がなければ転職市場でも評価されないため注意が必要です。

一方で体調や精神面を崩してまで固執する必要はないと考えているので、長時間労働や体調に目を向けての損切りラインも設定しておくとよいかもしれません。なかなか表には出てきませんが、企業の中では長時間労働で勤務中に体調を崩す若手や残念ながら自ら命を絶つ決断をしてしまう人が少なからずいます。そのような事態を未然に防ぐ意味でも損失面に目を向けて捨てる覚悟を持っておくのは大事なことかもしれません。

参考:ゴールドマン辞めれなかった若手バンカーの死-働き詰めの末

辞める条件を考えるというのはなかなか難しい作業で、就職先を決めること以上に自分自身との対話により自分の価値観を意識しないとクリアで納得できる損切りラインを設定することはできないでしょう。損切りラインの設定を通じてより深く自分が仕事や社会に求めるものをクリアに意識できるようになるかもしれません。

 

最後に

入社する前から辞めることなんて考えずに若いうちはがむしゃらに働けばいいんだよという非難も聞こえてきそうですが、前述の通り、辞める条件を考えるということはややもすると大人受けのいい言葉を選んで志望動機を考え就職先を決定してしまいがちな就職活動生にとって、初めて本音で仕事に求めるものや人生に求めるものを考える瞬間かもしれません。また二つ以上の内定を獲得し就職先選択に悩んでいる人にとっては、それぞれの企業を辞める条件を考えることでどちらに入社すべきかがより明確になるかもしれません。

ぜひ内定先を選択した理由を集めて余韻にひたるだけでなく、どういう状況になったら就職先を辞めるのかについても考える時間を設けてほしいと思います。

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れません。もちろん「就職活動とは何か」の記事にあるように、就職活動=職に就くための活動であるためこの姿勢自体は間違ってはいないのですが、採用側から見れば自分が属する環境で高いパフォーマンスを発揮できるかどうかは重要な見極めポイントと言えるでしょう。以下の記事にあるような「今の大学は第一志望の大学ですか?」という質問も、本意/不本意関わらず属することになったコミュニティーで成果を上げられているかを尋ねようという意図を考えると、この3つ目の要因と関連していると考えられるでしょう。参考:「スクリーニング基準」と「採用基準」の違い参考:「現在通っている大学は第一志望で入学した大学か?」という質問の意図以上の要因から、企業が文系学生に対して学業について尋ねるのにも一定の意図があるということが読み取られると思います。すなわち、学業について「将来どうせ役にたたないから意味ない」という姿勢で完全に切り捨ててしまうと就職活動の場ではやや苦しいと言うことができるでしょう。学業の就活での"活かし方”の考えを変えてみるさて、ここまで見ていても就職活動での学業の活かし方はまだ理解されていないかと思います。これについては”活かす”という言葉についての解釈によるものだと考えています。一般には、「大学で学んだ内容が仕事上の実務で直接的に活用される」ことが「活かされる」が表す意味とみなされているように感じています。しかし先述の通り、この意味での活かされ方はほとんどの文系学生にとって実現されません。ここでは学んだことの活かし方の考えを変えてみましょう。◎ツールとして活かす(例:プロダクトポートフォリオ)元々はBCGが生み出した分析手法である一方で、今では経営学やマーケティングの基本用語として知られているプロダクトポートフォリオ。経営・商学系統の学生ならば一度は学んだことがあると思います。企業の製品分析や意思決定プロセスに関わるツールではありますが、これを就職活動に当てはめてみましょう。参考:マーケティング用語集プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント「自分にはどんな仕事が向いているのか」の記事では複数業界に興味を持つうえでクライアント×商材の二軸でポートフォリオを組みましたが、他にもエントリーの段階で企業のレベル×志望度でポートフォリオを組むという使い方も考えられます。「受けたいところから受ける」のはエントリー戦略の基本の一つではありますが、例えば「5大商社しか受けない」といった姿勢は無内定のリスクを高める賢明な判断とは言えず、ポートフォリオを活用してエントリーする企業を整理しておくことは有効な手段であると考えています。そもそも一般的なポートフォリオの使われ方である金融の分野においては、リスクの分散化・投資リスクの軽減という意味で用いられることからこの点と親和性が高いと言えるでしょう。また、人事の側からしても採用基準を設けるうえでポートフォリオを活用している企業は一定数存在していると考えています。例えば「体育会の社風」と言われている企業であっても全員が全員体育会気質ということはほぼなく、ある程度多様性がある採用戦略を取っていることが特に日系企業の場合は一般です。金融業界が理系の人材を一定数採用していたり、リクルートの営業タイプ/企画タイプの方針はその典型と言えるかもしれません。東京海上日動・メガバンク社員が語る「金融業界が理系人材を欲しがる理由参考:営業タイプor企画タイプ!?リクルートの採用方針に見る企業が求める人材の変遷他にも、「弊社は今後市場・製品の2軸で既存/製品新規のそれぞれ計4領域のどこに注力すべきか」というテーマでGDが課されたことがあったのですが、このとき私は大学で学んだアンゾフの成長マトリックスを用いて議論を展開し高く評価されたことがありました。このように、学業は実務上活かす機会はほとんどない一方で、使い方によっては就職活動を進めるうえで有効なツールになることは認識しておくべきでしょう。◎説得力・再現性を高める形で活かす(例:”考え抜く”)こちらについては以下の記事を一読していただければと思います。参考:ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!日常生活から就活で使える”ネタ”を類推するアプローチこの記事では「志望動機の説得力・自己PRの再現性を高めるうえでは経験・エピソードが必要だ」ということが複数述べられています。学業についても学生時代の経験である以上これの例外ではなく、説得力・再現性を高めるうえで活用すべきものであると考えています。例えば冒頭で示した阪大学部長は人文学が「直面した問題を『考え抜くきっかけ』となる」と述べていますが、これを「「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記ー思考の抽出化で道を切り開くー」の学生が用いたらどうでしょうか?コーヒーチェーン店のアルバイト経験からだけでなく、人文学で学んだ内容が思考の抽象化に結びついたと述べることで、多くの他の学生が用いないアプローチから格段に説得力を高められていると言えるのではないでしょうか。以上のように、学業を”活かす”とは何も実務上で直接的に活用されることだけを表すものではなく、ツールとしての活用・エピソードとしての活用という活かし方があるとまとめることができます。学業と就職活動の繋がりについて考えを深める意義これまでの内容で、学業が就職活動で多少なりとも活かされるものであるということは理解していただけたかと思います。では、両者を結びつけて就職活動を進めていくことにはどのような利点があるのでしょうか。筆者は先述した学業を就職活動で活かすということだけでなく、逆にそれが普段の学業にも活かされるという双方向の働きかけができるのではと考えています。理由1:単純に学業に関する設問に答えやすくなる企業が学業に関する質問を尋ねる理由の一つとして、専攻内容をわかりやすく説明できるかを通して地頭の良さを見ているということを先ほど述べました。自分で考えて学業の就職活動での活用法を生み出すということは、それだけ自分の中で噛み砕いた解釈ができていることが前提となります。それができていれば、あとは実際に他の人に伝えるというアウトプットの対策をするだけで選考の場でのわかりやすい説明に繋げることができます。ただ単に専攻内容の説明用として文章を準備しておくよりも、それをうまく活用できている状態にある方がそれを「自分のもの」として身になっており、よりレベルの高い段階にあると言うことができます。このレベルを高めることで、準備した文章を述べるその先にある深掘りへの対応力も同時に高まるのではと考えています。理由2:大学の勉強(ゼミなど)にも役立つこちらは逆に就職活動での活用が普段の学習に役立つという考え方です。「わかりやすく説明する」というのは何もESや面接の場での手段ではなく、普段の学習を進めていくうえでも重要でしょう。例えば普段のゼミ(ゼミ内)やインゼミ(ゼミ外)での発表の際にも、学術的な内容を聞き手に理解できるような説明をしていくことは重要なスキルだと思います。また、「人に理解してもらうようにする」というのは自分の中でそれ以上の理解があることが前提であることから、その学問における自分の中での理解を深める良いきっかけになるとも言うことができるでしょう。理由3:思考の一貫性をアピールできる個人的には、これが一番の利点ではないかと考えています。就職活動におけるエピソードとは何も大学時代の経験だけではなく、「自分の生い立ちを語ることで自己PRに説得力を持たせる方法」の記事にもあるように幼少期からの経験が全て該当します。多くの学生がエピソードとして用いるサークル・ゼミ・アルバイトといった経験の多くは大学時代に限定されたものである一方、学業は程度の差こそあれ小学校から大学まで学生生活と切っても切り離せない関係であったことから、幼少期からの一貫性を示すアプローチとして有効であると考えています。例えば私は大学で専攻していた統計学を「集計したデータの意味を探る学問」だと簡潔に説明したうえで、「なぜこのような相関が生じるのか」「なぜこの変数が重要な意味を持つのか」といった「なぜ」の追究が学問上の特性として重要であるという解釈を述べていました。一方自分は幼少期から両親を困らせてしまうぐらい「なんでー?なんでー?」と目の前の事象の背景を追究する人間であり、その姿勢は大学生になった今でも一貫して持っていることを示していました。例えば小学校から大学まで続けているスポーツの練習においても、「走る」という単純な動作において、「この練習にどのような意味があるのか」「なぜこの時期にこの練習をするのが効果的と言えるのか」といった「なぜ」を追求しており、この姿勢が大学での専攻内容や今の自分の価値観に結びついていると一気通貫の形で示しました。そしてこの姿勢は御社でも〜〜という形で活かされると考えており...と、志望動機や自己PRを補完するうえで学業をうまく活用し高く評価されていたように感じています。また、経営・商系統の分野では(少なくとも私の大学では)マーケティングや経営学が花形とされる中で、地味で人気が低いとも言える統計学を選択したことが、そういった他者からの評価に流されることなく自分がやりたいと考えたことを追求できる根拠の一つとして挙げていました。この姿勢を、特にリーディングカンパニーでない志望度低めの企業の同業比較に繋げ、知名度や就職難易度といったミーハーな基準から企業を選んでいるのではないというアピールから内定の確保へ結びつけました。このように、学業とは専攻内容を説明できるよう準備・暗記しておかなければというネガティブなものではなく、その使い方によっては説得力や再現性を高める良い手法になるとまとめることができるのではないでしょうか。また、学業と並行して先ほどの「ESで「書くことがない」と感じる就活生必見!日常生活から就活で使える”ネタ”を類推するアプローチ」の記事のように日常生活から補完していくアプローチも活用していくとより効果的と考えられるでしょう。確かにこじつけかもしれないが、こじつけは大切だこのような内容を書いていくと、「学業で述べたことなんてそれが実際に企業で役立つかはわからないし、そんなのただのこじつけだ」という意見が出てくるかもしれません。私自身正直この意見は正しく、自らが取ったアプローチをこじつけと言っても間違っていないと考えています。しかし、就職活動における理由付けは学業に限ることなくほとんどこじつけに過ぎないということは認識しておくべきでしょう。例えばテニスサークルで周囲を巻き込んだ提案をしてリーダーシップを発揮したとしても、それが実際のビジネスの場で役に立つかどうかは採用側も学生本人ですらもわかりません。でもそれで評価を得ていくのが就職活動なのです。先ほどの「「考え抜くこと」で総合商社を勝ち取った普通の学生体験記ー思考の抽出化で道を切り開くー」の学生が述べていた「一般的な体験から、考えや概念を抽出して、他に応用する」ことを意味する「思考の抽象化」も言ってしまえば「こじつけ力」であり、その水準の高さから総合商社から内定を得た良い例であると考えています。そしてこのこじつけ力は、それが評価される以上、就職活動に限らずビジネスの場でも応用が効くものでは、と推測できるのではないでしょうか。最後に大学受験までは、「勉学に励む=志望大学への合格のため」という形で努力がダイレクトに重要な成果に繋がったことでしょう。一方、大学生活では真面目に勉強するのはナンセンスであり、サークルや飲み会で遊び呆けていた方が就職活動でも有利になるというような風潮があるように感じています。近代の著名な心理学者アドラーは以下のような言葉を残しました。「何が与えられたかではない、それをどう使うかだ」どんなことでも、「意味ない」として片付けてしまえばそれまでであり、アドラーのようにそれを「どう活かすか」という点について焦点をおき思考を深めていくことも大切なのではと考えています。「学業」は学生の本分とも言われます。その「学業」について、本記事を通して皆さんの捉え方や就職活動における活かし方について思考を深めるきっかけとなれば幸いです。photobyWorldLiteratureToday 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私がメガバンクの内定を蹴ってプロフェッショナルファームに入社した理由 私がメガバンクの内定を蹴ってプロフェッショナルファームに入社した理由 本記事はプロジェクトカンパニーのPR記事になります。「あれ、自分だけ浮いている?」「周りの内定者と価値観が合わない…。」2019年10月1日、一人の大学生が某メガバンクの内定式に参加した際に感じた感想である。そこからの行動は早かった。その大学生はメガバンクの内定を辞退し、翌月には会社規模も業種も異なるプロフェッショナルファームへの入社を決意した。『あの時の選択に後悔は一切ありません』、そう語るのは小西雄也さん。メガバンクの内定を蹴って入社した企業の名はプロジェクトカンパニーである。小西さんはなぜメガバンクの内定を蹴ってまでプロフェッショナルファームへの入社を決め、これまでどんなキャリアを歩んできたのか。そして同社はどのような企業なのか、その真相に迫ってみた。小西雄也慶應義塾大学経済学部を卒業し、2020年新卒でプロジェクトカンパニーへ入社。UIscope事業部にてUI/UXコンサルタントとしてのキャリアをスタート。2021年グループマネージャーに就任、2022年2月より部長に就任。こんな就活生にオススメ◆大手企業とベンチャー企業のどちらに進むか迷っている就活生◆プロフェッショナルな社員が多数在籍している企業で働きたい就活生◆成長環境を求めている就活生目次金融ゼミに所属していたことから志望したメガバンク。内定後に感じた違和感とは。『大手とベンチャーのハイブリット企業!?』メガバンクの内定を蹴ってプロフェッショナルファームへの入社を決めた訳大手ではなし得ない抜擢人事!新卒入社2年で部長に就任するまでのキャリアを探る。働く中で感じた自社の魅力。プロジェクトカンパニーを紐解くキーワードは「プロフェッショナル集団」「本当に価値あるサービスが溢れる世の中を創る」今後実現したいビジョンに迫る。最後に金融ゼミに所属していたことから志望したメガバンク。内定後に感じた違和感とは。メガバンクから内定を貰ったとのことですが、就活を始めた当初は銀行を中心に見ていたのですか?就活を意識し始めたのは大学3年生の夏頃だったのですが、経済学部出身で金融系のゼミに所属していたため、当初は漠然と金融業界を志望していました。ただ、最初の頃は金融以外の業界にも興味を持っており、商社やエンタメ系の企業のインターンシップにも参加しました。最終的には金融業界に絞り、メガバンクから内定を貰った時点で就活を辞めたのですが、いわゆる一般的な文系学生と同じような就活をしていたと思っています。就職活動の軸は何だったのですか?軸は主に3つありました。一つ目は自分の力で人を喜ばせることができるかどうか。そのためにより成長できるような環境がある、早くから地力を身に付けられるような環境のある企業を志望していました。二つ目は社会や人に大きなインパクトを与えられること。私の考える大きなインパクトというのは、規模の大きな企業や経営層と働ける環境があることです。大きなインパクトを与えるには自分一人では限界があるため、その目標を達成できるような組織を作りたいとも考えていました。最後三つ目は金融に関われること。大学で金融のゼミに入っていたこともあり、漠然と将来も金融関係の仕事に携わりたいと感じていました。メガバンクから内定を貰った時点で就職活動を辞め、そのまま10月の内定式に参加したということですが、そこでどんな違和感を感じたのですか?当初からメガバンクが第一志望だったため、内定式で同期の仲間と会えることを本当に楽しみにしていました。ただ、実際に内定者と会話をした際、自身との温度感の差にモヤモヤを感じました。このモヤモヤ感というものを今振り返ってみると、「もっと成長したい!自分自身の手で何かを成し遂げたい!」という想いを持っている人がいなかったのが大きな要因かなと考えています。また、私自身としては「自分で組織を作っていきたい」という想いを持っていたのですが、周りの内定者はそういった想いを持っている人がおらず、仕事に対する想いの強さの違いも感じました。選考段階では特に違和感はなく、何名かの社員の方ともお話させていただく中で自分の軸に合っているなと思っていたのですが、内定式に参加した際にはじめて違和感が生じたのが正直なところです。『大手とベンチャーのハイブリット企業!?』メガバンクの内定を蹴ってプロフェッショナルファームへの入社を決めた訳なぜメガバンクの内定を辞退し、プロジェクトカンパニーへの入社を決めたのでしょうか?メガバンクの内定式でモヤモヤを感じていたところ、ちょうど弊社の代表である土井とお話させていただける機会がありました。実は土井は高校の先輩にあたるのですが、そこでプロジェクトカンパニーの事業やビジョンを聞く中で自然とワクワクする気持ちが芽生えました。その後、代表である土井と直接の面接機会を設けていただき、無事に内定を頂くことができたため、メガバンクの内定を辞退して弊社への入社を決めたというのが一連の経緯になります。ワクワクする気持ちが芽生えたということですが、もう少し具体的に教えていただいてもよろしいでしょうか?この会社なら見たことのない景色を見られそう!というワクワク感が強かったですね。弊社は「プロジェクト型社会の創出」という企業理念を掲げており、この企業理念を実現するためにも、「2045年売上1兆円の達成」を目指しています。そういったビジョンをただ掲げているだけでなく、その当時から2年後には上場することを公言し、且つ会社としても実際に年々成長を続けていました。そのような有言実行の姿勢からも「この先どんなことを成し遂げることができるのだろう」といった期待感がありましたし、こういったビジョンに私も共感したというのがワクワク感の正体かなと思います。不安や周りからの反対はなかったのですか?正直ありました。周りも大手金融機関に進む人が多かったですし、親からも「とりあえず1年くらいメガバンクに勤めてから考えれば?」とも言われました。しかし、プロジェクトカンパニーに関してはベンチャー企業特有の不安は一切ありませんでした。というのも、いわゆる大手企業的な安心感があったからです。例えば、取引先の企業の大半が大手企業であること、難関大学出身者や官公庁・一流大手企業から転職してきた方が多く非常に優秀であること。それに加えて、会社としても毎年安定して成長し続けていたため、ベンチャー企業特有の不安定さも感じませんでした。極論を言えば、弊社と一般的な大手企業との違いは規模とカルチャーだけであり、大手とベンチャーのハイブリットという印象を受けたため、個人的には意思決定の際にそこまで時間は掛かりませんでした。そのため、不安や周りからの反対よりも「プロジェクトカンパニーで挑戦したい!」という気持ちが勝ったのではないかなと感じています。大手ではなし得ない抜擢人事!新卒入社2年で部長に就任するまでのキャリアを探る。入社してから現在までのキャリアを教えて下さい。入社当初から一貫してコンサルティング業務に携わっています。具体的には新規事業開発やサービス支援に携わっているため、比較的上流のコンサルティングに当たるかなと思います。これまで携わってきた案件としては、外資系製薬会社のMR向けのプロダクト開発のコンサルであったり、大手通信会社のtoC向けサービスをどうマーケットフィットさせていくかといったものが挙げられます。入社当初は上司に付き添ってクライアント先に同行したり、一緒に会議に参加したりといった形で経験を積みましたが、2社目以降は自身が主導してプロジェクトを遂行させるようになりました。こういったスピード感は大手のコンサルファームではまずあり得ないことかと思いますが、弊社は若手にもこういった機会を与えてくれる環境があるため、非常に恵まれているなと感じます。1年目が終わる頃にはリーダーに昇格し、その後グループマネージャーを経て現在は部長という役職を任せていただいています。役職は変われど、常に「相手の期待値を超えること」を心掛けて日々の業務に取り組んでいます。小西さんがそこまで仕事に熱中できている理由はご自身で何だとお考えですか?主に2つあります。一つ目は自分の携わったサービスが形となって世の中に出ることです。世の中に出るまでには何年、何ヵ月もの準備が必要になりますが、最終的に形となってそれを消費者にお届けすることができた時は大きな喜びを感じますし、また頑張ろう!という気持ちになります。そして二つ目は成長実感を得られることです。ここで言う成長実感というのは、より良い提案ができるロジカルシンキング、クライアントと信頼関係を築くコミュニケーション力、そして部下をマネジメントするための人間力など様々です。幸いにも弊社にはそういった成長実感を得られる機会を多く頂ける環境があります。そういった成長実感をより一層味わいたいと思うからこそ、日々の仕事に熱中できているのかなと思います。働く中で感じた自社の魅力。プロジェクトカンパニーを紐解くキーワードは「プロフェッショナル集団」ここまでお話を聞いていく中で、貴社は大手とベンチャーの良さを兼ね備えているという印象を受けました。小西さんが考える自社の魅力は何だと思いますか?魅力を挙げるとキリがないのですが、中でも特に魅力に感じていることは優秀でプロフェッショナル意識が高い社員が多数在籍している点です。優秀な社員というのは、難関大学出身者や官公庁・一流大手企業から転職してきた方が多いというバックボーンの強さという側面もありますが、何より当たり前の基準が高いというのが一番大きいです。ただ単にクライアントからの要望に応えるだけでなく、どうすればより相手の期待値を越えることができるかを常に考えており、社員全員が良い意味で切磋琢磨している文化が醸成されています。そういった文化が醸成されているからこそ、会社規模も年々拡大し、設立から数年での上場を達成することができたのではないかと考えています。小西さん自身もですが、なぜ貴社にはそんなに優秀な社員が在籍し、そういった社員が本気で働く文化が醸成されているのでしょうか?成果に見合った対価があるから、つまり頑張ったら頑張った分だけ自分に返ってくる環境があるからだと思います。この対価と言うのは給与という側面もありますし、ポジションや次なるチャレンジの機会という側面もあります。私自身も新卒で入社してから2年目の途中で部長に就任させていただきましたし、頑張った人がその分報われる環境があることは素晴らしいなと感じています。だからこそ成果を出し切らない必要性がなく、社員全員が本気で働く文化が醸成されているのだと思います。まさにプロフェッショナル集団ということですね。そうですね。弊社にはタスクワーカー的な考えを持っている社員はおらず、一人ひとりがプロジェクト型で働くプロフェッショナルを目指しています。また、弊社はビジョンドリブンな経営を推し進めており、そのビジョンに共感して社員が入社しています。それぞれ携わっている業務やプロジェクトは異なっていても、こういった部分が根底にあるからこそ皆が同じベクトルで働くことができているのだと思います。現在の規模感的にはベンチャーに近いかもしれませんが、大手とベンチャーの良さを兼ね備えているプロフェッショナルファームとしてさらなる成長を目指していきたいですし、私自身もそこに貢献できるよう頑張りたいです。「本当に価値あるサービスが溢れる世の中を創る」今後実現したいビジョンに迫る。これまで順調にキャリアを歩んでいるように見受けますが、今後目指したいキャリアを教えて下さい。弊社は将来的に売上1兆円を、100億の事業を100個創ることで実現するイメージを描いています。私はその中の一つの事業の子会社社長に就任したいと考えています。現在は部長という役職を任せていただいていますが、まだまだ至らない点も多いため、これから経験を積み重ねていきながらそういったポジションを任せてもらえられるような人物を目指したいです。その先のビジョンはありますか?学生時代から自分でサービスを創るなど、元来プロダクトの志向性が強かったこともあり、本当に価値あるサービスを作りたいという思いをずっと持っています。本当に価値あるサービスというのは、創る側のエゴを反映させることや、ただ売れることだけを考えたサービスではなく、ユーザーファーストのサービスを指します。どのような組織でどんなサービスを作るのかは未定ですが、そのような本当に価値あるサービスが溢れる世の中を創りたいというのが現在考えている長期的なビジョンになります。最後にビジョンドリブンな経営を推し進め、プロフェッショナルファームとして年々成長を続けるプロジェクトカンパニー。今回はそんな同社に新卒で入社し、2年目で部長に就任するなど活躍を続ける小西さんにインタビューを実施しました。プロジェクトカンパニーはまさにプロフェッショナル集団。「優秀な社員が多数在籍している・取引先の大半が大手企業で事業インパクトが大きい」といった大手の良さと「成果主義・事業のスピード感」といったベンチャーの良さを兼ね備え、プロジェクト型社会の創出を目指して年々成長を続けています。同社は現在24卒就活生向けの採用を行っています。本記事を通じ、プロフェッショナルな組織で働きたいと感じた就活生は下記から選考に応募してみてください!選考への応募はこちらからProjectCompanyInterview#1ProjectCompanyInterview#2ProjectCompanyInterview#3ProjectCompanyInterview#4 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銀行員はモテる?結婚市場における男性銀行員の価値 銀行員はモテる?結婚市場における男性銀行員の価値 こんにちは、以前にUnistyleでインターンをしていた都内支店勤務の銀行員1年目です。入社してはや4ヶ月が経ち、仕事にも慣れてきました。慣れる一方でびっくりすることもあるのですが、その中の一つとして挙げたいのが飲み会の多さで、この4ヶ月で合コンに駆りだされたことも何度かありました。今回は趣向を変えて、筆者がこの4ヶ月で会った先輩社員の話から考える銀行員の結婚市場における価値や、銀行の結婚に関する福利厚生について紹介します。ぶっちゃけ銀行員1年目はモテない銀行内定者にはショックな事実ですが、はっきり言って銀行員1年目はモテません。合コンのロジックを考えれば全体像が見えてきます。合コンに誘われたということは、主催する奴は自分より合コンにおいて市場価値が高い奴を誘うことは考えにくいです。そこでトーク内容で勝負していくことになるわけですが、話の面白さではぶっちゃけ商社や広告業界で働く奴らには後塵を拝することになることが多いと思います。じゃあ社内合コンをやろうとなると話は違うんじゃないかと思われがちですが、社内の若手特定職の女性は出会いを他社に求めて寿退社を狙いがちなので、男性側は遊ばれるリスクを取ってリレーションを深める必要があります。「はあ銀行に入って今相手がいない私は終わった」と思ってしまったそこの読者のあなた、大丈夫です。1年目はモテなくても、チャンスは巡り、陽の光を浴びる時がやってきます。銀行員の最高のモテ期は3年目〜5年目陽の目を浴びずに頑張って乗り越えた3〜5年目、チャンスは突然やってきます。先輩曰く、とにかくモテるとのこと。なぜなのか?銀行員=真面目で誠実なイメージという点にフォーカスすると、その答えは見えてきます。女性側からすると、これも女性の先輩曰く3〜5年目が周囲が結婚し始めて自分も結婚に対して意識し始める時期のようです。他にも「一緒にいると面白くて楽しいけど結婚は考えられない」という女性が急いで相手を探し始めるのもこの時期のようです。このような女性の焦りは将来に対する不安を生み、安定した男性と結婚したいと思うようになるようで、そこで颯爽と現れるのが銀行員です。収入も安定で寿退社できなくもない・誠実だし浮気リスクも小さそうな銀行員の結婚市場価値は、ポケモンGOリリース前の任天堂株の如く上昇します。今相手のいない内定者の方も焦ることなく銀行で頑張りましょう。ちなみに銀行の特定職の女性の皆様はいい方ばかりです。殺伐とした環境の中で毎日働いていても彼女らを見ていると癒されると言っている同期も結構います。6年目以降も堅調にモテる最高のモテ期が過ぎ去った後も、どうやら安定してモテ続けるようです。相手がいないことによって、最初は正確に難ありといったいわくつき物件というレッテルを張られることもあるようですが、40代になって結婚した方も筆者は知っています。6年目以降で結婚していない行員のサンプルを筆者は十分に集め切っているとは言い難いのですが、そのくらい銀行員の結婚している比率は高いです。この頃になって結婚していないと飲み会で上席から「お客様の信頼を得るためにも早く指輪をはめろ」と冗談交じりで言われることもあるようです。番外編①:社内結婚はどのくらい?福利厚生は?会社が社内結婚比率を公表していないので肌感覚ですが、筆者の支店では3,4割が社内婚です。これを多いか少ないかと捉えるかは人次第ですが、個人的には多いのではないかと思います。お祝い金を出したりと、社内婚を奨励するような仕組みがあるのも比率を高める一因だと思います。結婚をすると女性は寿退社して社会復帰は難しいのかなと思われがちですが、総合職の男性が転勤になっても、その近辺にある銀行で働くことができる制度がメガバンクだと整っていたりします。育児休暇取得が奨励されていることからも、(休暇が取れるかどうかは別として)福利厚生は整っている方だと思います。番外編②:社内結婚すると役員になれない?個人的に絶対に偶然だと思いますが、ある銀行の役員の社内婚比率は非常に少ないというのを聞いたことがあります。いわゆるジンクスとして語り継がれているようですが、安易に社内に出会いの場を限定して結婚するような草食系銀行員よりも、出会いを外に求めるような肉食系銀行員の方が出世しやすいのでは?と考察する方も聞いたことがあります。誰かがこのジンクスを破ってくれることを祈るばかりです。最後に飲み会では早く結婚相手を見つけろよといびられることも多い1年目ですが、なんやかんやで楽しくやっているというのが本音です。また、銀行員という肩書を利用すれば、モテないとはいえど普通よりかはモテるようです。仕事だけが人生ではないという意見もありますので、この記事が内定者のワークライフバランスを高めることになれば幸いです。photobySarahC 44,253 views

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