マスコミ業界の時事問題対策!筆記試験の特徴や過去問、対策本を紹介

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最終更新日:2023年10月18日

マスコミ業界の時事問題対策!筆記試験の特徴や過去問、対策本を紹介
【時事問題/一般常識完全版】
一般常識/時事問題試験対策‐企業の出題意図や問題例、解答を解説‐
1.【最新版】就活に役立つ時事問題ネタ15選!各業界への影響も解説
2.一般常識試験のおすすめ本12選を23卒就活生向けに紹介
3.一般常識と時事問題対策におすすめの無料アプリとwebサイト12選を紹介!
4.就活の小論文対策!書き方や時事問題などの頻出テーマを例文付きで掲載
5.【大手企業ES12選】「気になるニュース」を回答する際のポイントは3つ!
6.面接での時事問題対策!答え方のコツや実際に質問した17社も掲載
7.【面接での最近気になるニュースの答え方】回答例・NG例なども解説
8.マスコミ業界の時事問題対策!筆記試験の特徴や過去問、対策本を紹介

マスコミ業界で全般的に言われることは、他業種の企業に比べて採用人数が少なく、倍率がとてつもなく高いということです。

最難関の首都圏大手であってもテレビ局は20~30人、新聞社は60~100人、出版社は10~20人程度の採用人数でしょう。
 
特に、超高倍率のマスコミ選考で鬼門となるのは筆記試験と1次面接です。

本記事では、マスコミ業界や出版社志望の就活生に向けて、時事問題試験や筆記試験対策に特化した内容を紹介します。試験の特徴やおすすめの対策本、出題企業をまとめたので、マスコミ業界の対策をしたい方はぜひ参考にしてください。

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マスコミ業界における時事問題の特徴!筆記試験の過去問も掲載

マスコミ業界の時事問題特徴はじめに、マスコミ業界における時事問題試験の特徴を解説します。以下の4点が挙げられます。

小論文が課せられる場合が多い

1つめは、「小論文が課せられる場合」が多いことです。

採用ホームページやunistyleで掲載している本選考レポートから、選考フローにおける小論文の情報を得ることができます。

朝日出版社や日本経済新聞社では、「ワクチン接種」のような時事問題が題材になった一方で、NHKのように「漢字」をテーマにしたお題が課せられる場合もあります

過去問やunistyleの本選考レポートを参考にして、テーマの傾向を掴みましょう。

選択式だけでなく、記述式問題も出題される傾向がある

2つめは、「選択式だけでなく、記述式題も出題される傾向がある」ことです。

時事通信社の過去問では、一般常識や時事問題に関する語句や漢字の読み書きの問題が記述式で出題されています。

特に漢字の読み書きは対策本でも特化されやすく、出題傾向が高いので、対策を徹底しましょう。

業界や企業独自の問題が出題される可能性がある

3つめは、「業界や企業独自の問題が出題される可能性がある」ことです。

例えば、フジテレビジョンの筆記試験ではエンタメや謎解き、フジテレビジョンに関する問題が出題されたことが、本選考レポートから明らかになっています。

市販の対策本ではカバーしきれない問題も出題される可能性があるので、業界研究や企業研究も兼ねて知識を蓄えてみてください。

テレビ局内定者のなかには、番組や出演者をすべて暗記して選考に挑んだ方もいるようです。

過去問の情報を入手しやすい

4つめは、「過去問の情報を入手しやすい」ことです。

上記に挙げたように、マスコミ業界の筆記試験の情報は企業の採用HPに掲載されている場合が多いです。過去問や先輩社員の経験談、Q&Aページから試験情報を得られます。

unistyleで掲載している本選考レポートでも試験情報を確認できるので、下記をクリックして企業名を検索してみてください。

マスコミ業界の時事問題対策・筆記試験参考書4選

マスコミ業界対策本

それでは、マスコミ業界の時事問題対策・筆記試験参考書4選を紹介します。

マスコミ時事問題対策本(1)「マスコミ就職読本 入門編」

マスコミ就職読本2023 第1巻 入門編

同じマスコミ業界と言っても、テレビ、新聞、出版によって試験の詳細は異なります。さらに、同じ業界であっても企業によって試験の内容は異なります。

企業ごとの細かい試験内容などを確認できる一冊が「マスコミ就職読本 入門編」です。

マスコミ志望者のバイブルであり、マスコミ全般に関する初歩的な基礎知識も掲載されています。どんな種類の問題がどの時期に課されるのかを本書から知ることが、筆記試験対策の第一歩でしょう。

入門編以外にも「放送編」、「新聞・出版編」、「広告・エンタテイメント編」があり、自分の志望業種に合わせて読んでおく必要があります。

マスコミ時事問題対策本(2)「朝日キーワード就職2023 最新時事用語&一般常識 」

朝日キーワード就職2023 最新時事用語&一般常識

筆記試験は大きく分けて(1)一般教養・時事問題(2)漢字(3)英語(4)作文・クリエイティブテストの4つの領域に分かれます。

その中でも「朝日キーワード」は一般教養・時事問題に該当します。漢字や英語も巻末に掲載されており、非常に重宝します。

そして何よりこの「朝日キーワード」が優れている点は、「持ち運びのしやすさ」です。

他参考書に比べて小さく、電車の中やアルバイトの休憩時間などでパッと出して、勉強できます。内容もシンプルに時事問題が解説されており、とてもわかりやすいです。最初に購入する筆記対策本としてはベストだと思います。

マスコミ時事問題対策本(3)「新聞ダイジェスト」

月刊新聞ダイジェスト2021年12月号

マスコミ志望者には超有名な「新聞ダイジェスト」

毎月発売され、その月の新聞の内容がまとめられています。巻末には問題集がついており、復習もしやすく、漢字の学習もできます。就職活動に向けて早い時期から毎月購入し、勉強することが理想的ですが、なかなか難しい人もいるでしょう。

その場合は、就活前の時期に発売される1年間のまとめバージョン「新聞ダイジェスト 時事用語&問題」を購入し、勉強しましょう。

就職活動前の大学1~3年であっても、マスコミ志望者であれば「新聞ダイジェスト」を定期購読しておくことは大切です。

「朝日キーワード」と「新聞ダイジェスト」の2冊で、時事問題は相当な力が付くことでしょう。

マスコミ時事問題対策本(4)「創」

創(つくる) 2022年1月号 (2021-12-07) [雑誌]

時事問題&一般教養、作文対策、そして業界研究などにさらに深みをもたせるために「創」はオススメです。マスメディア批評の雑誌であり、本自体が薄いので抵抗なく読むことができます。

「新聞ダイジェスト」同様に月刊のため定期購読することが大切ですが、準備時間が少なく、特定のマスコミだけを志望するのであれば、「○○の徹底研究」が掲載されている号のみ購入するのもいいかもしれません(テレビ局のみ志望→テレビ局の徹底研究)。

また、時事問題試験対策はマスコミ業界に限らず、他業界の選考対策にも役立ちます。一般常識/時事問題試験の対策本についてさらに知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

時事問題試験が出題されたマスコミ業界の企業一覧

時事問題出題企業最後に、時事問題試験が出題されたマスコミ業界の企業一覧を紹介します。unistyleに掲載されている本選考レポートを基に、出題企業一覧を作成しました。

時事問題試験が出題されたマスコミ業界の企業一覧

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最後に

マスコミ業界の時事問題対策

本記事では、マスコミ業界の時事問題試験の特徴、おすすめの対策本、出題企業を紹介しました。

本記事ではあまり触れませんでしたが、マスコミ志望者の選考においては英語能力が試される場合もあります。英語に対して苦手意識がある人は余裕を持ってしっかりと勉強しましょう。

また、作文・クリエイティブテストについては直前の対策で対応できるものではありません。早い段階からテレビや新聞、上記の参考書でネタを集め、実際に書いてみてください。
 
そして、テレビも新聞も出版もその業種や企業が出している媒体に必ず触れることを心掛けましょう。

テレビ局の対策で言えば「テレビを見ること」であり、新聞社であれば「新聞を読むこと」、出版社であれば「雑誌を読む」ことです。

本記事や下記の関連記事で紹介している内容を参考にし、選考対策を進めましょう。

【時事問題/一般常識完全版】
一般常識/時事問題試験対策‐企業の出題意図や問題例、解答を解説‐
1.【最新版】就活に役立つ時事問題ネタ15選!各業界への影響も解説
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6.面接での時事問題対策!答え方のコツや実際に質問した17社も掲載
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「スクリーニング基準」と「採用基準」の違い 「スクリーニング基準」と「採用基準」の違い 先日、元マッキンゼーの採用担当の方が書いた「採用基準」を読み直しましたが、色々と示唆に富んだ内容でした。その中でも今回は、「スクリーニング基準」と「採用基準」の違いについて、多くの学生から質問が寄せられることもあり書いておきます。採用基準就職活動において、多くの学生が「学歴・学部による有利不利」、「TOEICの点数による有利不利」などの「スクリーニング基準」にばかり目を向ける一方で、どのような人材が求められているかという「採用基準」については無頓着な傾向にあるように感じています。「スクリーニング基準」と「採用基準」の違い一般的な採用基準に関して理解すべきは、「スクリーニングの基準と採用の基準は異なる」ということです。どの企業も、最初に応募者を面接可能人数まで絞り、その次に面接で採用可否を判断します。人気が高い企業では最初のプロセスの倍率が極端に高くなるため、システム上での振り分けに適した要素が、スクリーニング基準として使われます。しかしそこで使われた基準が、採用基準として重要であるとは限りません。(採用基準P81より)上記、引用の通り、「スクリーニング基準」とは面接にくる前の段階で絞り込むために使う基準のことです。「学歴フィルター」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、現在の日本においては、「学歴」が最もスクリーニングとして使いやすいために多くの企業が導入しています。学生にとっても大学受験における偏差値並みにわかりやすい指標であるために、注目されがちです。一方で、「スクリーニング基準」を突破した後は、学歴などのスクリーニング基準ではなく、各企業ごとの「採用基準」で評価されます。スクリーニング基準と採用基準が異なるために、企業も様々な出身大学の学生が存在しており、必ずしも東京大学や京都大学など、偏差値の高い大学でも採用されない人が多数いる結果となります。学歴はそこまで高くないにも関わらず、多くの偏差値の高い大学の学生を押しのけて人気企業に採用される学生が存在するのも、スクリーニング基準と採用基準の違いによるものです。「採用基準」についてはなかなかわかりにくい基準ですが、各社のエントリーシートを見るとどんな人材を採用したいかが見えてくる傾向にあります。最近の企業が求める人材としてあげることの多いのが、「物事を最後までやり遂げ成果をあげられる」、「組織の中でリーダーシップを発揮して、目標を達成することができる」、「多様な価値観の人と協力して成果をあげることができる」、「チャレンジ精神を持ち、既存の枠組みにとらわれず成果を生み出すことができる」といった人材が求められているようです。各企業、業界においてどのような人材が求められているかは、下記のページにて詳しく解説していますのでご参照ください。参考:企業別選考対策掲載企業:P&G、資生堂、マッキンゼー、博報堂、東京海上、日清食品など。随時追加予定。スクリーニング基準を調べることに時間を使わない不安を解消したい気持ちはわからなくもないのですが、上記の通り、スクリーニング基準についていくら心配したところで、最後の内定には直結していません。そのためスクリーニング基準については学歴についてさっと調べて終わりにするのがよいと思っており、調べ方も①OB名簿にてどういった企業への就職が多いか調べる、②就職四季報で採用実績校を調べるの二つ程度でよいのではないでしょうか。残念ながらスクリーニング基準を満たしていなかったと感じた場合も、あきらめるのか、難しいのは承知で受けるのかは個人が考えて判断を下すべきことだと思っています。私が知る限りでもちょっと厳しそうな大学から総合商社や金融機関に内定する例は結構あるので、大学名では負けても学生時代の経験内容やリーダーシップなどの採用基準では負けないという場合は積極的に受けてみてもよいでしょう。就職四季報2016年版スクリーニングでは、学歴と同時にWebテストや筆記テストの点数は見ています。もし学歴や学部など変更するのが難しいスクリーニング基準に不安を感じるのであれば、出来るだけテストで高い点数をとっておきたいところです。SPIなどのテストについては勉強すれば8割取るのは難しくないでしょうから、苦手意識のある人は早めに勉強しておきましょう。[主要3方式(テストセンター・ペーパー・WEBテスティング)対応]これが本当のSPI3だ!【2016年度版】最後に内定者やOB訪問をする際には、せっかく働く人の生の声を聞けるのですから、スクリーニング基準ではなく、どういった人が働いているのか、どんな人が周りにいるのかといった採用基準に繋がることを聞いた方が効率的でしょう。その上で自分が当てはまっているのかどうか、どう改善すればいいのかを聞いてみると、「どんな学歴の人が多いのか」、「英語は出来ないと入れないのか」といったしょうもない質問するよりもはるかに効果的なOB訪問が出来るでしょう。今後は、スクリーニング基準と採用基準の違いについてはぜひ意識して就職活動の情報に触れてもらえればと思います。photobyHonestReporting 47,121 views
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っていることが理由になります。ただ、ここについては何が何でも法人営業というわけではなく、他にも自分は何が得意でという部分の分析は続けてく中で柔軟に修正していきたいと考えています。」ガクチカ・自己PR「学チカ、自己PRについてはどう?自己分析は深まったかな?」「自己分析については深めるというよりは整理するということを最近は意識しています。深く考えていった結果、あれもあったなこれもあったなと情報過多になり、結局自分はこれで何を伝えたかったんだろうと見失ってしまうことが多々ありました。深めるという作業はそこそこやってきたとは思うので、これからはそれを踏まえて、自分を一つの商品と考えたときに、第一に相手に自分がどういう人間と見てをもらいたいのかテーマを明確に決めたうえで、そう感じてもらうためには自分のどういう能力なりどの側面を押し出していくべきか、それを裏付けるエピソードはなにかなど、今までの自己分析の結果を整理していったうえで、足りない部分については適時分析をしていきたいなと考えています。」8月と9月を比較した変化まとめ・自己理解、自己認知度合いが非常に高まりつつあり、これまでの人生をしっかりと振り返ることができている印象。・一方で、まとまりはまだなく、説明するには冗長的に感じるところがあるため、簡潔に伝えるスキルを身につける必要があると感じる。12月にやろうと思っていること「12月以降やっていこうとしていることはある?」「自動車メーカー主催のイベントに参加しようと考えています。就職活動をしていてもなかなか自動車メーカーの社員の方とお会いする機会というものはなかったので、実際に社員の方々とお話して会社の雰囲気や、まわりの学生自動車メーカーを志望する学生の傾向など見れたらいいなと考えています。あと、自己分析という部分に関しては引き続き整理の部分を進めていきたいです。」12月にやろうと思っていることまとめ・業界を絞り込み、企業理解を深めるフェーズに。今就活で悩んでいること「今就活で困っていることとか悩んでいることはある?」「言い方は悪いかもしれないですが、やはり就活ウケのしやすい語り口をいまだに会得できていないことが悩みです。就活で見られているのはこれまで自分が何を成し遂げてきたかではなく、自分はどういう経験の中でどう考えどう行動してどう成長してきた、そしてその再現性の立証という流れを伝えることだとここまでの就職活動を振り返り思うようになりました。しかし、これは伝え方の部分だと思うんで、そういうある意味コツみたいな部分も感覚レベルで理解していけたらなと思っています。」今就活で悩んでいることまとめ・話したいことはまとまったが、表現方法・伝え方に関しての課題意識が強くあり、howtoが見えていない状態。場数を踏み、フィードバックをもらいながら伸ばしていくことが重要。unistyle編集部より乃木鮭くんへのフィードバック活動量はひと段落といった乃木鮭くんですが、ある程度活動したあとはしっかりと振り返りの時間を設けることは大切だとunistyleでは考えているので、9月の過ごし方としてはベターだったと言えるでしょう。まだまだ企業選びの軸やその基となる自己分析・自己理解が定まっていないようですが、これは問題ではないでしょう。ファーストキャリアで全てが決まるとは思っていませんし、今悩んだだけ最後には最適解を導けると思っていますので、悩めるうちにしっかり悩むのが吉でしょう。また、今後の活動の見通しをある程度立てられているのは良いと感じました。言わずもがな、就活は情報戦でありスケジュールがキモになってくるところがあるので、今時点で冬の活動計画が具体的な点は社会人になっても評価されるポイントと言えるでしょう。一方で、情報収集先がほとんどWEBという点に懸念を覚えています。オフラインだからこそ得られる情報は鮮度が高く情報の信憑性も高いと思いますし、自己分析や自己理解についても他者からの評価・意見によって知る側面も多々あると思いますので、積極的に行ってほしいと感じています。ここに関しては、根性論のようになってしまいますが、勇気を出して行動するのみです。就活においては、身の安全を確保したかったら"じっとする"よりも"冒険する"方が僕はいいと思っていて、どれだけ"知らない"を少なく出来るかが勝ち筋なんだよね。やっぱり。就活って不安とか恐怖によって億劫に感じること多いと思うけど、社会人も同じで、やっぱりなー、行動するしかないんだよね。—むたか/就活サイトunistyle(@mutaka_unistyle)2018年10月19日最初はなんでも怖いものです。でもそこで立ち止まってしまうと何の進歩もありません。行動すこそ恐怖に打ち勝つ最良の施策だと思いますので、是非積極的に外に足を運んでみましょう。乃木鮭くんへのオススメ記事戦略的自己分析のやり方|企業視点を踏まえた内定する自己分析の方法→自己分析の「方法」だけでなく、自己分析をする目的や選考での活用法まで書いています。ESを書く際や面接でも役に立つ内容が書かれているので、一度だけでなく何度も読み返してほしい記事です。▼20卒早稲田生限定の就活イベントを企画しました。詳しくはこちら。 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「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説 「裁量が大きい」「風通しのいい」会社とは何か?就活界の5つのマジックワードを徹底解説 本記事では、誰でも言えるマジックワードを意味もなくただただ並べる量産型就活生になることを避けるために、代表的な5つの言葉に注目してその意味を探っていきたいと思います。◆本記事で扱うマジックワード・「ホワイト企業」・「裁量が大きい」・「風通しのいい会社」・「部署による」・「トータルソリューション」そもそも、「マジックワード」とは何か「就活で一番大切なのは自己分析だよ」「弊社は大変風通しのよい会社です!」「最近はホワイト企業を志望する若者が...」就職活動をしていれば一度は耳にすることも多い上記のような言葉。それを聞いたとき、あなたはどのように感じ、どのように考えるでしょうか。何となく、「そういうものだ」で終わらせていないでしょうか。例えば、一番上の言葉。そもそも「就活」とは何か。「自己分析」はなぜ大切なのか。▼「就職活動」「自己分析」という言葉の意味についてはこちら▼参考:参考:就活界では、このように誰もが言うような言葉の数々が"マジックワード"として蔓延っています。人をあたかも魔法のように思うように動かすことができるキーワード。主に意味が曖昧で、使う側の思想によって便利に扱うことが出来る言葉や幅広い意味を持つ呼称(特に蔑称)を指して呼ばれている。参考:マジックワードとは-はてなキーワードマジックワード(magicword)とは、直訳すると文字通り「魔法の言葉」です。魔法といってもいわゆる呪文・おまじないのような話ではありません。ここではマジックワードを、「本来その言葉が持つ意味が形骸化され、汎用性が高く逆に意味がありそう(だがよくわからない)に捉えられる、魔法のように用いられる悪い意味で利便性が高い言葉」と定義付けることにします。マジックワードは、「とりあえずその言葉を使っておけばいいだろう」ぐらいに認識され、思考停止状態で用いられることが多い点に問題があります。この性質から、例えば後輩から「就活って何をやればいいですか?」と尋ねられたときに、「とりあえず自己分析だよ」と意味もわからず返すようなやり取りがしばしば発生しているのだと思われます。特に就職活動では面接で「深堀り」と呼ばれる言葉の背景や意味を探る問いかけがなされるため、マジックワードを並べることには問題が多いものだと考えています。以下では、その代表的なものを紹介します。就活界のマジックワード1:「ホワイト企業」近年、有名企業の若手社員の過労死問題・政府の働き方改革の推進・業務効率化のノウハウの普及などにより、社員を酷使するブラック企業への反発やワークライフバランスへの関心が高まってきているように感じます。これより、ブラック企業=悪・ホワイト企業=善といったような風潮が生み出され、就活生の間でも"ホワイトさ"を軸として企業選びをしている層が一定数存在しています。もちろん、従業員を酷使して過労死に追いやったり、法令に違反するような労務管理をしている企業は、当然絶対的な悪として判断していいものでしょう。では、逆に「ホワイト企業」とはどういった企業を指すのでしょうか?・給料が高い・適正な人事評価・休みが多い・人間関係が良好・定時で帰れる・やりがいのある仕事ができるこれらの例に共感できる人もいれば、「それは違うのでは」と否定的な項目がある人もいるでしょう。一般に、ホワイト企業はワークライフバランスと紐づいて語られがちであり、残業の少なさや有休消化率といった労働時間を基準としたイメージを持つ方が多いと思っています。全ての社員にとってホワイトな企業なんて無いんだってよく分かったよ。無能は無能らしい就職をしろってね。参考:ホワイト企業だったら良いですね。一方、定時帰りや有休消化率100%といった誰もがうらやむような労働環境の企業であっても、この文が示唆するように、それが「自分にとって」ホワイトであると結論づけられるかは定かではありません。この動画の主人公のように、基幹職から外れたことを「会社の中心から外された」と悲観的に考える方もいるでしょうし、温い職場環境をホワイトなものとして好意的に考える方もいるでしょう。また、仕事内容云々よりも定時退社ばかりに目を向けているようでは、実際に働いた際のやりがいの欠如や、貴重な若手のうちにスキルが身につきにくくなり、結果的に一企業に依存する。すなわち、「つまらない」仕事をする「使えない人材」として、長期的に見ればワークライフバランスの取れた生活から外れてしまうという推測もできるでしょう。企業側もアピールを進める"ホワイト感"今や採用HPや就職四季報に限らず、転職サイトや掲示板等でも(真偽は別として)労働環境に関する情報はあらゆるところで入手することができます。こうした学生の関心の高さも相まって、最近では合同説明会や個別説明会でも自社の平均残業時間といったデータを開示し、自社の"ホワイトさ"をアピールしてくる企業は増えている印象があります。就活界のマジックワード2:「裁量が大きい」「若いうちから大きな仕事を任されたい」という考え方を持つ就活生は毎年一定数いると思っています。恐らく多くの方が「裁量が大きい」という言葉をこのような意味で用いているのではないでしょうか。特にベンチャー気質のある企業においてこの言葉はマジックワードとして用いられることが多い印象を受けます。では、「大きな」仕事とはこの場合何を指すのでしょうか。スケールの大きい仕事。ではスケールとは何で図られるのか...「裁量が大きい」という言葉は、先ほどの「ホワイト企業」と似たように、大きいことが良しとされ、小さいと「自分の意見や考えが反映されにくく責任のある仕事を任せてもらえない」といったように語られることが多い気がしています。参考:この記事でも述べたように、例えば「裁量」を「扱う金額の大きさ」と定義すれば、ベンチャーよりも大手企業の方が満たされる可能性が高いわけであり、裁量権が大きい=ベンチャーという短絡的な考え方は改めるべきでしょう。「若いうちから大きな仕事を任されたい」は何もベンチャー志望者だけが考える言葉ではない一方、日系大手企業の場合でも、「若いうちから任せられる」という言葉を採用メッセージとしてアピールしている企業も一定数存在しています。自分は学生時代の経験にやりがいがあり、その経験に繋がる軸を用意していました。「1点目は若手から大きな仕事を任される企業です。2点目は様々な人々と関われる企業です。3点目はグローバルな環境の企業です。」というように答えたところ、1点目の軸に対して面接官からは「若手って何年目までのこと?」「大きな仕事って具体的には何?」「若手の時に1人で中くらいの仕事をするのか、中堅の時に大きな仕事をするのかでも前者が良いの?」「大きな仕事が任されないと嫌なの?」というような質問が返ってきました。参考:例えば某日系大手素材メーカーであるA社ですが、上記のようにESで短い文言で記載した企業選びの軸について面接で厳しく深堀りがなされるようです。このように、裁量権や若いうちから任せられるという言葉について考えるべきなのは何もベンチャー志望者だけではありません。中長期的なキャリアパスを描くことが多い日系企業の場合は、「若いうちから」というだけで無く、その後中堅・ベテラン社員になったときについても自分がどういった働き方をしたいと考えているのかを整理しておくべきでしょう。就活界のマジックワード3:「風通しのいい会社」「風通しのいい会社」という言葉も、先ほどの「裁量が大きい」と並んでしばしば"いい会社"の特徴として用いられることがあります。こちらも人によって定義が分かれますが、一般には「自分の意見を発信できること」が条件となることが多い気がしています。特に新卒就活の場では「若手の意見も積極的に採用してもらえる」という意味を含むことも出て来るでしょう。また、もう少し広い意味で「人間環境が良好な職場」というイメージを持たれるケースもそれなりに多いと思っています。「風通し」については、二項対立では無く「いい」という表現であることに問題があるのかもこれまで見た2つのマジックワードは、ホワイト⇔ブラック・大きい⇔小さいといったような二項対立の言葉を含む一方、「風通し」については「いい」⇔「悪い」という優劣的な文言である点は一部問題なような気もしています。先ほどのA社の深堀りのように、企業選びの軸を選定する際は二項対立で判断することが有効です。参考:「風通し」という何だか爽やかな文言が「いい」のであれば「いい方がいいに決まっている」わけであり、漠然とした好意的なイメージからマジックワードと化してしまっているのかもしれません。しかし、意見を述べるにも評価するにもやり取りが発生する中で、「とりあえず意見を言えば聞いてあげる」といったような姿勢はコスト的に無駄になることもあるでしょう。「風通しがいい」環境においては、「全く理にかなっていない意見」「背景を全く鑑みていない意見」といったようなものもとりあえず発言しようという考えが生じ、建設的な議論を阻害する一因となる可能性も考えられます。(もちろん、「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」ばかりが重視される環境はそれもまた問題でしょうが)「風通し」の場合でも、結局のところ「いい方がいいか」についてはその定義付けや職場での活用のされ方に依存するものであり、絶対的な価値としてマジックワードとして用いることは(企業側も学生側も)賢明な判断とは言えないでしょう。就活界のマジックワード4:「部署による」さて、ここまでは企業側が出す採用メッセージや学生の軸に関するマジックワードが並びましたが、4つ目はやや登場のシチュエーションが異なる言葉になります。ここまでのマジックワードを採用担当、もしくはOB訪問や座談会で現場社員に尋ねたとき、「ここの会社って残業多いって本当ですか?」(ホワイト企業)「若手でも任せてもらえる社風ですか?」(裁量が大きい)「職場の皆さんで飲みに行かれたりしますか?」(風通しのいい会社)(これらの質問が適切かどうかは別として、)恐らく多くの社員は答えるでしょう。「うーん、まあ部署によるかな」。YesともNoとも答えない、学生側からしたら歯切れが悪いとも捉えられる回答。とりあえずこう言っておけばいいだろうぐらいな回答とも感じうるため、面談界のマジックワードとして機能している言葉という考えも生じると思います。「部署による」のはだいたいが"正解"では、なぜ多くの社員の方は学生からの質問を「部署による」で済ませるのか。答えは簡単で、会社全体の傾向を問う質問は、本当に部署によって回答が異なることが多いためです。新卒採用において、総合職の一括ポテンシャル採用をすることが多い日系大手企業。メガバンクのコース採用や伊藤忠商事の先決め採用といった例もあるものの、基本的には入社するまで自分が実際にどのような業務に携わるのかはわからないものです。そこでは、部署・勤務地・職種などが異なれば同じ一企業内でも組織風土が異なることから、「部署による」という回答はだいたいの企業で当てはまるある種妥当なものと言えるでしょう。大方の人が「他の銀行で働いたことがないからわからない」といって答えが終了するので、実は無意味な質問の一つとのことです。みずほFG人事部採用総括次長のインタビューでもそのように語られています。ちなみにですが、質問の仕方を変えて、「なぜ今の銀行を選んだのか」だと、ある程度的を得た答えが返ってくることが多かったです。参考:結局、人事であろうとOB訪問先の社員であろうとあなたの先に入社した先輩に過ぎず、自分が実業務で携わったところ以外のことを聞かれても正直わからないものです。まして上記のように同業と言えども社外のこととなれば尚更でしょう。社員は企業のことを何でも知っているわけではないことを認識することが、質問力向上のための第一歩として重要であり、何よりそれがお互いのためでもあることは認識しておいてもらえたらなと思います。企業理念にも敏感で、企業理念の素晴らしさを面接で語ってしまったりします。実際に中で働いている人が自社の企業理念を知っているかというと必ずしも知っているとは言えなかったりするんですが、ガンジー就活生は企業理念を全ての社員が胸に刻んで働いていると考えてしまいがちです。参考:OB訪問をする際は「部署による」ことを前提とした準備をすべき「」でも述べた通り、OB訪問を学生・OB双方にとって有意義なものにするためには「仮説を持つ」ことが重要です。本記事ではこの仮説=志望動機・学生時代頑張ったこと・自己PRについて自分なりの答えを用意することであると書かれています。そしてその仮説をもとにOBへ質問をする際も、相手の所属部署といった経歴に沿って検証がしやすい問い方をすることが必要になるでしょう。「相手の立場に立つ」というのは就活界でも学生側がしばしば語る文言ですが、実際にそれが行動として出来る人は案外少ないものです。(ある種これもマジックワードかもしれません)相手意識を保つことはビジネスパーソンとして求められる基本的な素養でもあり、明らかに「部署による」で終わってしまうような質問を避けることはその一要素になり得ると考えます。就活界のマジックワード5:「トータルソリューション」就職活動への意識が高い学生が目指す典型的な業界として挙げられる外資系コンサル・外資系投資銀行。特に前者の中でもBCG・マッキンゼーといった戦略コンサルと呼ばれる立ち位置の企業は採用数も非常に少なく、最上位の学生のみが内定を勝ち取る企業群とされています。しかし、この"戦略コンサル"という言葉について、近年変化が生じてきているようです。参考:「パワーポイントで奇麗にまとめた提案資料をクライアントに発表する」といったいわゆるコンサルタントとして思い描かれがちなイメージとは離れ、近年はその実行部分まで携わるビジネスモデルに戦略コンサルと呼ばれる企業も移行しつつあることが指摘されています。これまでの戦略コンサルのビジネスでは、"机上の空論"として世の中のニーズからはずれていっているのかもしれません。そんな戦略策定部分にしか携わらない従来型の戦略コンサルと比較して、実行まで一気通貫で携わることを「トータルソリューション」と呼ぶことがあります。システム開発において、自社は要件定義・外部設計といった上流工程のみ行い、コーディングを始めとした製造部分の多くは協力会社にほぼ丸投げする。こういったありがちな産業構造とは逆の考え方にあたるのがこのトータルソリューションになります。「何でもやります」こそが最高だという風潮このように、案件に一部分しか携わらないよりもフルラインで携わることこそが善であり、「自社で何でもやる」という姿勢が正しいような風潮は少なからずあると思っています。例えば、高い技術力からクライアントへ多様なソリューションを提供できるといったことは強みとして示すには妥当性があるでしょう。IBMは世界最大手のIT企業として約170カ国にわたるグローバルネットワークを有し、さらに長年蓄積されてきたノウハウや製品を保持しています。そのため、顧客の課題を解決する「武器」を多く揃えており、コンサルタントからすればクライアントに提案できる解決策の幅が広くとてもありがたいことだと思います。参考:しかし、近年の業界の流れを見ていると、必ずしも携わるフェーズが多ければ多いほどよいというわけにはいかなくなってきているように感じます。システム開発においては今や利便性の高いパッケージが数多く存在しており、ハードの手配云々から始めるオーダーメイドの提案が効率性に欠けることは想像に難くないでしょう。世界的な技術力の進歩などにより業界として競合性が増す昨今。顧客が求めるものも当然変化しており、オーダーメイドかつ高品質なサービスというよりは、コスト削減や一部分に限定したピンポイントな機能へのニーズが高まってきている傾向にあるとも指摘されています。三菱商事がひとつに連なったバリューチェーン構築(例:「飼料の生産→鶏肉の生産→鶏肉の加工→ケンタッキーなど小売流通」の流れをすべて支配する)に長けるのに対して、伊藤忠商事は既存事業とのシナジーが見込める優良ビジネスをピンポイントで「点的支配」している(例:傘下にファミリーマートを持っている→レジ決済を強化するために決済サービス会社を買収する)、という指摘です。参考:また、この話は何もSIerに限ったものではなく、上記のように例えば総合商社の間でも業界内で「どこまで携わるか」によって立ち位置が異なることなるという指摘もあります(「何でも(全部)やります」の三菱商事・「これだけやります」の伊藤忠商事といったところでしょうか)。これを見ても、「一連の流れに携わる三菱商事は善だが、一点に集中して携わる伊藤忠商事は悪」という考え方にはまずならないでしょう。富士通やNECに代表されるような、自社でハードの製造とシステム開発も行い合わせて販売するようなビジネススタイルは、今後も落ち込んでいくという指摘が広くなされています。クライアント側も情報化社会の波やシステム回りの発注選択肢が広がっていてきていることを受け、「とりあえず富士通に全部任せておけば安心」といったような考えには至らなくなってきているのが市場の流れとして指摘できるでしょう。コスト削減や納入までのスピード感が高まっていけば、アジャイルやプロトタイプモデルといったクライアントからの要望変更に対応しやすい開発手法の割合も高まる可能性も考えられます。SIer志望者の方は、以下のようにトータルソリューションを志望理由の一つとして挙げる際にも、「なぜ自分がトータルソリューションがいいと考えたのか」について、先述したデメリットも考慮しつつ考えておくべきでしょう。私がビジネスコンサルタント職を志望する理由は二点あります。一点は戦略から実行までというトータルソリューションを提供できるという点です。私は戦略だけに留まらず、クライアントの課題解決に最後まで立ち会うことこそコンサルタントの在るべき姿と考えます。もう一点は幅広い業界と関わることで課題に対して多角的な視点を得られるという点です。クライアントに最適解を提供するためには幅広い知識が必要であると考えます。参考:アクセンチュア【内定】エントリーシート(ビジネスコンサルタント)今回のようなコンサルタントやSIerに限らず、世の中の動きやクライアントからのニーズが変われば求められるビジネスモデルも当然変化していくことになります。「『良し』と言われているから良し」ではなく、自身の価値観や市場動向などと照らし合わせながら、「良しの理由」について気づきを得るきっかけとしていただければと思います。おまけ:就職後もつきまとうマジックワード上司:「自分で考えて」顧客:「認識の相違が...」今回は就職活動にまつわるマジックワードについて紹介していきましたが、実際にはビジネスの世界でもマジックワードが蔓延っている組織というものは存在しています。「自分で考えて」と言っておけば、とりあえず自分ボールの状況を脱せるほか、相手方の当事者意識の欠如を指摘するといった教育的側面も「ありそう」(だが実際は自分がわかっていないだけ)というような話です。また、最近ではよくメディア上でもネタ話として取り上げられていますが、本来日本語でも表現できる言葉を横文字で表現することで、あたかも凄そう/賢そうな雰囲気を出すこともあります。コンセンサス・ビジョン・プライオリティ・アグリー・イニシアティブ辺りがその典型でしょうか。最後に「」でも述べたように、エントリーシートの書き方を習得するには、まずは先輩たちの中で評価されたものを真似るような形で記述してみることが有効と考えています。とは言え、なぜそれが評価されているのかを理解しないまま思考停止で何となく写すだけでは意味がありません。これはマジックワードを用いる際にも近しいことが言えると思っています。本来"魔法の言葉"だったものが、気づいたときには空虚な言葉になっていた。そんなことがないように、「正しい」とされる事柄に疑いを持つように。魔法ではない、地に足のついた言葉で自分の魅力を伝えられる就活生になる第一歩として、本記事をご活用いただければと思います。なお、就職活動に不安があるという方には就職エージェントneoがおすすめです。アドバイザーからは、自分の就活の軸に合った企業選びを手伝ってもらえるだけでなく、その企業のエントリーシート・面接といった選考対策のサポートを受けることができます。少しでも興味のあるという方は、下記の画像をクリックしてサービスを利用してみてください。 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ドラフト1位を蹴って三井不動産に就職した慶應卒志村氏に学ぶ「好きを仕事にする」or「仕事を好きになるか」 ドラフト1位を蹴って三井不動産に就職した慶應卒志村氏に学ぶ「好きを仕事にする」or「仕事を好きになるか」 体育会の17卒です。「好きを仕事にする」というのは最近よく言われていることのように感じますが、好きを仕事にするという意味で、日本の最高峰であるプロ野球で、過去にその選択が可能だったにも拘らず敢えて選ばなかった人物がいます。彼にこの究極の選択を決断させた要因はなんだったのでしょうか。私自身の話をすると、入部当初は自分がプロ・五輪選手になってやるという意気込みで三年近く、学生生活の9割を懸けて競技に取り組んで参りましたが、自分と世界との間に存在する壁はあまりに高いことを思い知らされ、今は現実的な将来を考えています。しかし、もし私にプロでやれるだけの実力があればどうでしょうか。率直な想いとしては、プロの道に進みたいです。なぜなら、頂点に手が届く環境が目の前に現れたのにチャレンジせずにはいられないからです。それに、仲間と肉体的にも精神的にも厳しい鍛錬を積み、ライバルに勝利した際の圧倒的な喜びは、スポーツを通じて以外では絶対に味わうことはできません。私だったら挑戦と挫折の先にある、何にも代え難い栄光を掴む機会があるのに、それを手放したくはないです。とはいえ、好きを仕事にするのは、就職という人生の転換期において考えるべき、非常に難しい問題です。慶應大卒、幻のドラフト一位投手今回は80年代後半の慶應大のエース左腕、志村亮投手に関する記事を書かせていただきたいと思います。志村投手は大学時代に六大学野球のスター選手として、5試合連続完封・53イニング連続無失点など数々の記録を打ち立て、プロ9球団からの誘いを受けてドラフト一位は確実であるとの下馬評でした。しかし、蓋を開けてみると野球部すら存在しない三井不動産への就職を決め、プロの勝負の世界とは別れを告げました。参考:志村亮wikipedia志村氏は、「プロ野球は実力を試したいとかいう気持ちだけで入れる世界ではない。段々と現実が見えてきた」、「野球だけじゃないこともやりたい」と語り、グローブに完全燃焼という4文字を刻んで引退を決めたというのは有名な話です。参考:【フレーフレーヨシノブ】桐蔭学園慶大OB・志村亮さん、高1からセンス感じた「立ち姿」(スポーツ報知)野球ファンは残念に思っていたかもしれませんが、現在志村氏は三井不動産でロジスティクス事業に携わり、野球への未練は一切ないそうです。社会人になってからも営業では「六大学野球のスター志村」という肩書きを利用することなく、営業でも自分の出身校を自分からは明かさずに道を切り開いてきたそうです。自分のスポーツ経験で培った人間力を社会で活かすという選択は、自分の全く関わったことのない世界に素人として入るという意味ではプロの世界よりも難しいかもしれません。参考:【人物列伝】潔く野球から退いた男志村亮氏|Jukushin.com卒業25周年記念事業趣意はこちら(PDF)-130三田会ただ一方で、京大卒のロッテ田中投手のように、総合商社の内定を断りプロの道を選択する人物も存在します。田中投手もプロか社会人かという葛藤があったのだと思います。実際に、プロ野球選手になれるのは大卒のタイミングしかなく、社会人として仕事を始めるタイミングは日常に溢れているという考え方もできます。一生に一度訪れるか訪れないかの大チャンスと思えば、自分に賭けてみたくなるかもしれません。体育会に学生生活を懸けてきた身としてプロを目指す選手にとっては就職することで、自分の全てを懸けたスポーツを手放し、新たな土俵から再スタートを切ることが逆に勇気のいる決断なのかもしれません。とはいえ、自分が逆にいざその立場になると、「自分が極めた道以外で何かを極めたい、興味がずっと続くのか」「もっと広い世界をみたい」「プロとして仕事がなくなった後に何が残るのか」という考えが頭をよぎり、プロへの決断に待ったをかけるかもしれません。スポーツのプロとはいえ、一つの狭い世界の中であると考えればそれまでです。好きを仕事にするのは、就職という人生の転換期において考えるべき、非常に難しい問題です。仕事を好きになるという考え方好きを仕事にするという考えだけでなく、仕事を好きになるという考え方もあることを体育会のOBの方から伺ったことがあります。実際にお会いした先輩の多くは、体育会の時と同じかそれ以上に仕事に楽しく取り組んでいる人も多く、「仕事を好きになる」というのもよい選択であるように思います。その意味では、どんな仕事なら好きになれるか、どういう環境なら自分もやっていけるかを自分の今までの経験から考えるのが就職活動なのかもしれません。自己分析を行い、自分を知る必要があるとよく言われるのは、自己アピールと同時に自分の適性を見極める作業であるのは言わずもがなです。私ももう一度自己分析をし直して、自分が一体どのような仕事であれば好きになれるのか考えてみようと思います。最後にプロのスポーツ選手をはじめとして、好きを仕事にするという事は実際には難しく、就活をする際にも、仕事を好きになるならば自分にとってはどのような仕事がいいのかを考える事も大切かもしれません。現在、私も就職活動の一環で、引退と共に競技に区切りをつけて社会人として大企業の第一線で仕事をなさる部活の先輩方のお話を聞きにOB訪問しています。先輩方は皆、「仕事を好きになった」方々ですが、自分が部活動を含めた学生生活で培った人間力を活かしてご活躍されており、「大学の部活が今の仕事に変わっただけ」と仰っていました。志村氏も野球に対する愛情や関心をそのまま失わずに、部活動時代に傾けた情熱を仕事に向けているのかもしれません。 51,219 views

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