経験もお金も手に入れるサマーインターン20選

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最終更新日:2022年03月29日

経験もお金も手に入れるサマーインターン20選

インターンの第一義は職業理解や経験・成長です。しかし、インターンは多くが3〜5日。長いと2週間程度拘束されるものもあります。「どうせやるなら、お金の出るインターンの方がいい」みなさん、そうは思いませんか?少なくとも、私はそうでした。そこで、16卒の私が昨年調べた ”お金のもらえるサマーインターン” を紹介します。なかには日給2万、合計30万円をもらえるものも!新卒学生の方は、必見です。

※給与などの条件については過去のインターンの条件を元に掲載しております。こちらは掲載当時の情報のため、現在の情報については対象企業のサイトまたはunistyle締切情報ページでお調べください。

 

IT業界のお金のもらえるインターン

まず報酬ありのインターンが多いのがIT企業。中でも、比較的年数の浅いベンチャー企業にその傾向が見られます。
高報酬のインターンを行うことで、企業の知名度UPや優秀な人材の獲得を目指す企業が多いようです。

 
(1)DeNA
―10万円(約10日間)

 (2)グリー
―2万円(2日間)※2014年の実施内容です

 (3)ワークスアプリケーションズ
―16万円(20日間)※こちらは16卒向けです

 (4)ネットプロテクションズ
―2万円(5日間)

(5)クラウドワークス
―1.5万円(5日間)

(6)VOYAGE  GROUP
―5万円(7日間)

(7)コロプラ
―3万円(3日間)

 
DeNAは毎年高報酬で話題となる「StuDIG」というインターンを実施していました。「StuBiz」と名前を変えた今年も、例年通りの高報酬で実施が決定しています。しかし、インターンの中でも高い報酬を誇るDeNAは、インターン最難関と呼ばれ、通過難易度は最高レベルとなっています。また、ワークスアプリケーションズは、優秀者には34万の奨励金が給付され、合計50万円の報酬となり、最高レベルの報酬額となります。
 

コンサル・シンクタンク業界

次に多いのが就活生にも大人気の業界。コンサル・シンクタンク。私もこの業界のサマーインターンに参加。高額の報酬に加え、六本木で高級ディナーもご馳走になりました。

(8)PwC strategy&
―3万円(2日間)

(9)ボストン・コンサルティング・グループ
―3万円(3日間) ※2014年の実施内容です

(10)A.T.カーニー
―4万円(4日間) ※2014年の実施内容です

(11)ビービット
―2万円(5日間)

(12)野村総研
―4万円(5日間) ※2014年の実施内容です

(13)日本総研
―1万円(5日間) ※交通費・昼食費としての支給です

コンサルのインターンは優秀な学生が多く参加するだけでなく、選考の過程でフェルミ推定やケース問題などが問われるので、選考の予行練習となり、非常にオススメです。


リクルートグループ

日系大手はほとんど給料が出ないのですが、就活生に大人気のリクルートグループは、5日間で5〜10万を含む、破格の報酬を出しています。ここでは昨年の実施内容を記載します。

(14)リクルートジョブズ
―10万円(5日間) ※2014年の実施内容です

(15)リクルートライフスタイル
―5万円(5日間) ※2014年の実施内容です

(16)リクルート住まいカンパニー
―5万円(5日間) ※2014年の実施内容です

それ以外にもリクルートグループは、2週間ベトナムに滞在するプロジェクトやなど、魅力的なインターンを多数開催しています。

 
番外編:エンジニア向けインターン

インターンの中にはエンジニア限定のものも多くあります。エンジニア向けインターンじは一般的な就活生には敷居が高いですが、期間が長くかなり高額の報酬を支給してくれることが多いです。

(17)リクルートホールディングス
―45万円(30日間)
こちらはエンジニア向けの長期に渡るインターンシップです。

(18)LINE
―40万円(4週間)

(19)マイクロソフト
―50万円(2ヶ月間)

(20)楽天
―20万円(1ヵ月間)


高報酬インターンは高倍率

今回は、報酬のもらえるサマーインターンをご紹介しました。しかし、高報酬のインターンは、お金の欲しい学生が集まるので、ほとんどが高倍率かつ高難易度です。受験者は東大早慶が当たり前、それらの学生も落ちるのが当たり前という世界です。私も7社ほどエントリーしましたが、通過したのは1社だけでした。しかし、だからこそ選考のよい練習になりますし、得るものも多くあります。ぜひ、経験もお金も実りある夏休みを送ってください。

 

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東京海上日動・メガバンク社員が語る「金融業界が理系人材を欲しがる理由」 東京海上日動・メガバンク社員が語る「金融業界が理系人材を欲しがる理由」 はじめまして。現在、理系学部卒として金融業界の東京海上日動やメガバンク3行を見ている17卒の就活生です。一部の理系学生は参加されたかも知れませんが、このような企業では理系の学部生、大学院生を対象にした「理系セミナー」というものが開催されていました。私も実際にこのセミナーに参加し、現場で活躍している理系社員や人事担当の方から、「理系のどのような強みが金融業界で発揮できるのか、そしてどのような働き方が出来るのか」についての話を深く聞くことが出来ました。このセミナーを通して金融業界の志望度が上がったので、実際に社員から聞いた話についてまとめてみました。金融に興味がある、また金融に今まで興味がなかった理系学生もぜひこの記事を参考にしていただけたらと思います。理系の素養が活きるのはアクチュアリーやクオンツだけではない理系学生が研究や勉強を通して培った数理能力などを活かせる職種として、クオンツやアクチュアリー、そしてモデル開発やトレーダーなどが有名です。この背景としては、金融業界におけるテクノロジーの高度化が原因として挙げられるようです。その具体例の一つとして、損保のビジネスではグローバル化やITの進化による「リスクの複雑さ」を処理するために、より定量的に物事を捉えられるような人材が必要であるとのことです。実際に、いわゆる理系専門職といわれる「アクチュアリー」や「クオンツ」などの職業は、数理系を専攻した大学院生が内定者の多くを占めるとも言われております。しかし、理系学生の強みはこのような専門職だけではなく、中小・大企業営業などの「文系がやるイメージ」がある仕事でも活きてくるようです。実際の営業においては、まずお客様の財務状況の分析や役員からのヒアリングを通して「お客様を知る」ことから始めます。そして、実際に得た情報からお客様が抱えるような「問題点やニーズの洗い出し」を行い、そこから導き出した仮説をもとに「事業戦略の立案」を行うのです。そして、専門的知識がないような人でも理解できるような提案方法を考え、お客様にその内容を伝えることが一連の流れとなっております。このプロセスは、実は理系学生が行う研究と非常に似ているところがあります。「お客様を知る」という行動は、研究で行う「文献調査」や「情報収集」などの作業に該当し、また「問題点やニーズの洗い出し」は「得た知識を整理しそこから問題提起を行う」ことに一致しているでしょう。そして、実際の仕事ではその後に「事業戦略の立案」を行いますが、これは実験における「仮説に対する検証を行い、その結果から導き出される結論をまとめる」ステップと同じです。そして最後には、専門知識がない人でも理解できるように「プレゼンテーション」を行うのです。このように、非常に類似性が高いことが分かるのではないでしょうか?実際に緑メガバンクの若手社員は、「学校時代の研究で身につけた結論を導く能力は、現場での営業でも役に立った」とおっしゃっていました。金融業界において理系の社員は未だに少ないので、自分の希望する部署に異動できる可能性が高い金融業界の仕事は多岐に渡るのですが、そのうちの営業職を含む多くの職種が「数字」に対するセンスや「分析」を丁寧に行えるような素質が求められます。しかし、未だに金融業界で活躍する理系社員の数は、文系出身の社員と比べて圧倒的に少ないのが現状です。よって、文系学生に比べると、理系学生は培ってきた「数理能力」などや「分析力」の強みを存分に活かせることが出来るでしょう。これに加えて、特筆できる理系がSMBCや東京海上などの大手金融で働く上でのメリットは、「希望する専門性の高い部署に異動できる、もしくは初期配属される可能性が高い」とのことです。実際に私が参加した社員座談会などでは、多くの理系社員から「理系は人数が少ないので、希望した職種に就けることが多い」という話を聞けました。これは、金融業界ではしばしば議論にあがる「配属リスク」の観点から考えると、非常に重要なメリットだと思われます。さいごに正直な話、私も今回紹介したような話を聞く前は、金融業界に対して「つまらない営業や事務作業をずっとやらされるのではないか」と思っており、それが理由でこの業界を第一志望にすることを少しためらっていました。しかし、参加した理系セミナーや、現場で活躍する理系出身の魅力ある社員を知ることで、大きく業界における仕事の印象が変わり、志望度が上がりました。この記事を読んでいただいた理系学生も、ぜひ「自分の強みが活きるようなフィールド」として金融業界を選択肢の一つとして考えてみたらどうでしょうか?photobyQuinnDombrowski 25,184 views
就職活動は料理と同じ?就活を置き換えて考えてみる 就職活動は料理と同じ?就活を置き換えて考えてみる 就職活動って、料理みたいだと感じることが多いです。料理人が就活生、食べてくれる人が企業の採用担当者、自己分析は自分の持っている材料の確認で、材料に基づいて自己PRや志望動機といった面接で話すコース料理を作っていくようなイメージです。こんな風に考えると肩の力が抜けて何をすると就職活動もうまくいくのか考えやすいのかなと思います。本記事のコンテンツ・凄い経験の学生が落ちて、普通の学生が採用される理由(経験よりも伝え方)・食べる人の好みを知らないまま料理しがち(企業の求める人物像を理解する)・料理音痴の人が陥ること(選考対策は他の人のも参考にしてより良いものに)・料理はたくさん作るとうまくなる(面接はたくさん受けると上手くなる)・最後に凄い経験の学生が落ちて、普通の学生が採用される理由(経験よりも伝え方)料理に例えると、体育会・留学経験あり・学生団体を立ち上げたなど凄い経験をしている学生が落ちてしまい、アルバイト経験しかない普通の学生が採用されるのも何となくわかるかと思います。どんなに素材がA5ランクの和牛だとしても、焼き方が悪くてカチカチになってしまえばおいしいと感じてもらえないでしょう。一方で、普通の肉でも、下ごしらえと焼き方によっては非常においしく食べることができます。就職活動も同じで、経験の善し悪しだけでなく、その伝え方により評価が大きく分かれます。食べる人の好みを知らないまま料理しがち(企業の求める人物像を理解する)就活生の問題点の一つは、企業がどのような人材を求めているのかよく知らないまま、自己分析をして自己PRや志望動機を考えてしまうことだとunistyleを立ち上げてからずっと感じています。これは料理を食べる人の好みを無視したまま、闇雲に料理を作ることに似ています。素材の切り口によっては食べる人の好みに合うはずなのに、食べる人の好みを知らないから大味な味付けの自己PRや志望動機が多いように感じます。だからこそOB訪問などで、自己PRや志望動機を評価・添削してもらい、その業界で働く人の好みの味付けにしていくのは、料理の最後の最後の大事な味付けの部分だと言えます。この最後の味付けの作業をさぼりがちな学生が多く、もったいないなと感じています。各業界・企業ではどのような人材が求められているのか、それを踏まえた上での「味付け」を行うことが大切だと思います。料理音痴の人が陥ること(選考対策は他の人のも参考にしてより良いものに)料理って結局は分量とタイミングの問題で大きく改善されると思っています。料理が苦手な人でもクックパッドや料理本の通りに料理すれば同じ材料でそれなりにおいしいものが作れます。料理音痴と言われる人の多くが、レシピの通りに作ることを放棄して、独自のオリジナルのやり方でやりすぎるあまりに美味しいものが作れないという事態に陥っています。unistyleで17,000枚以上掲載しているエントリーシートは、過去の料理人のレシピ集であると考えています。様々な素材を持った過去の料理人が魂を込めて作ったレシピがエントリーシートです。「サッカー」や「居酒屋アルバイト」など自分が持っている素材で検索すると同じ素材で料理した内定者のエントリーシートが見られるので使ってみてください。就職活動においては、「他人の真似をしてはダメだ、オリジナルな考え方を伝えよう!」とまことしやかに言われていますが、個人的にはまずは過去にどういう料理をした人がうまくいったのか、どんな素材をどのように調理したのか知るというのは大事なことだと感じています。一度はレシピ通りに自己PRや志望動機も考えてみてその上で、オリジナルな要素を付け加えていくともっともっと早く料理が上達するのではないかと思うことが多いです。料理はたくさん作るとうまくなる(面接はたくさん受けると上手くなる)いくらたくさんレシピを集めたり、食べる人の好みの味を知っていても料理はうまくなりません。実際に作ってみて初めてわかることもたくさんあり、実践することが上達の近道です。就職活動においても自己分析やらマニュアル本を読んでばかりいるのではなくある程度、出来ると思ったらOB訪問や実際に選考を受けて、自分の自己PRや志望動機を食べてもらうことが、志望業界に近づく上では重要でしょう。就職活動では一度も料理を作ったことがない状態で、本命の会社の面接を受ける人も多く、本当にもったいないと感じています。多くの人が場数を踏んで納得のいく料理を披露した上で落ちるのであればもっと就職活動自体にも納得感があるのかなと思っています。最後に就職活動というと何していいのかわからないで右往左往してしまう人も多いのですが、上記のように料理に例えると、ある程度わかりやすいのではないでしょうか。まずは・自分の素材を確認してみる・料理を食べる人の好みを知る・実際に料理して評価してもらうこの三つをうまく回していけばあなたの料理をおいしいと評価してくれる人に出会う可能性が高まると思います。photobyWorldSkillsUK 36,278 views
HPを制するものは就活を制す!志望動機・業界研究における企業HP活用のススメ HPを制するものは就活を制す!志望動機・業界研究における企業HP活用のススメ こんにちは、16卒の慶應生です。私自身は広告、メーカー、総合商社、人材、ゼネコン、テレビ局など幅広く就職活動を行っていました。そこで一番大変だったのが「業界研究」「志望動機」の作成です。恐らくどの就活生も「正直会社ごとの違いなんて分からないし…」と思っているのではないでしょうか。もちろんOB訪問を受ける会社全てこなして、違いを完璧に理解した上で面接に行く、という状態が理想であることは間違いありませんが、現実的にはツテもそこまでなければ、時間も限られています。私自身も第一志望の会社には25人ほどOB訪問をしましたがそれ以外の会社はしても2〜3人程度しかしていません、というより出来ませんでした。そこで本記事では、家でも学校でも電車の中でも見ることができるHPを使ってできる業界・会社研究並びに志望動機の作り方について考えてみたいと思います。そもそも志望動機とは【参考】志望動機というものを理解する上で、まず上の3つの記事を参考にするといいでしょう。そもそも業界研究とはなんのためにするのか、それは評価される志望動機を書くためだと思います。評価される志望動機は、「自分自身の経験に根ざした軸が企業にマッチしているか」ということだと思います。ただ口では綺麗事をいうことは非常に簡単です。しかしながらその背景に自分自身の経験があればオリジナリティが出て高い評価を得られるでしょう。こう言った視点で見ると、ただHPに書いてある基本情報、理念等をさらって、取ってつけたようにエントリーシートに書くということはあまり意味がありません。また、社員の方のインタビュー等をみて、「働いてる社員の方に共感を持ちました」とただ口で伝えることも意味がないでしょう。調べていることをアピールすることはできるかもしれませんが、他の受験者と比べていい評価を得ることはできないと考えています。上記から考えるHPの使い方【参照】「志望動機=自分自身の経験に根ざした軸が企業の働き方、向かっている方向性にマッチしているか」という風に考えた上で、上記エントリーを参考にすると、軸というのは(1)どんな価値を提供したいのか(2)その価値をどのように提供したいか(3)提供した価値の対価に何を得たいのかという方向性で考えるといいでしょう。私自身はこのような軸をHPにある事業内容、社員インタビューを見て一つ一つ検証していました。例えばゼネコンの営業職にフォーカスして上の3つの方向性に照らし合わせると(1)人々の生活を支える土台となる建物を(2)どのようなビジョンを持って建物を作りたいか顧客にヒアリングし、社外社内問わず様々なステークホルダーをまとめることで実現し(3)自分自身が0から何億円にもなるものを形にするやりがいを得られる。という風にHPを読んだ上で定義していました。そして1つ1つの軸を自分自身の経験から裏付けしていました。具体的には(1)震災に弱い地域出身かつ途上国への留学経験(2)(3)予備校で生徒、保護者、スタッフなど異なるステークホルダーをまとめて売り上げアップを図った経験というように話していました。多くの受験者は「HPの〜〜さんの仕事へのやりがいに感銘を受けました。」等、ただ上辺をさらっただけのような視点でしか見られていません。実際よく読んでみると、1日の仕事の流れやプロジェクト内での関わり方、そしてその果てにあるやりがいなどが多くの社員の方にパターンで書いてあります。そこにあるいくつかのパターンから上記の3つの軸を自分なりに定義し、経験に基づいて論証する、そしてその上でわからないことはOB訪問や面接等で質問しながら解消していくことで効率良く志望動機を作成することができると思います。最後にいかがでしたでしょうか。一般的な就活のパターンだと「自己分析→やりたいことを見つける→業界を絞って志望動機を作成する」という風なパターンが多いかと思います。しかしながら、「興味のある仕事を分解する→それを論証するための経験を自分なりに考える」という方法の方が多くの会社にエントリーできますし、結果としてフラットに業界の比較をすることができるため強固な志望動機を作ることができるように思っています。是非とも、「自分は絶対にこの会社なんだ!」であるとか「OB訪問してないから志望動機もかけない…」と思うのではなく、肩に力を入れず幅広い業界に触れてもらえればいいかと思います。 23,699 views
【第3回:現役コンサルタントが語る】解を導くのがコンサルの仕事か? 【第3回:現役コンサルタントが語る】解を導くのがコンサルの仕事か? 株式会社コーポレイトディレクション(CDI)の現役コンサルタントによる全4回のシリーズ寄稿です。**********【前回の記事はこちら】▶︎▶︎▶︎**********これまでの2回のコラムでは、私達が面接・グループディスカッションにおいて何を評価しているかという話を通して、コンサルタントに求められる素養とは「答えの無い問題を前にしてその場で考え議論する力」であるとお伝えしてきました。今回はなぜこういった素養が求められるのかについて、コンサルタントの本質的な提供価値とは何か、という観点からお伝えしたいと思います。グラフを見て、何を想像するか?戦略コンサルタントという仕事の説明として、どのような言葉を思い浮かべますか?「数々のノウハウから経営のアドバイスをする仕事」「戦略を描いて実行にまで落とし込む仕事」「綿密な調査分析に基づき正しい戦略を立てる仕事」・・・本やインターネットなどでよく出回っているものも含めて色々な表現の仕方がありますが、どうやら「解を導く」ことにフォーカスしているのが共通項であるように思います。私の意見では、上記のどれも間違いではないながらも、本質は少し別のところにあると感じています。コンサルタントが受ける相談はどれも困難な経営課題ですが、難しい問題を前にして本当に難しいのは、問題を解くことそのものではなく、解くべき問いを立てることです。悩んでいるが、何を解決すれば悩みが解消されるのかわからない、という状況だと思ってみてください。学問の世界を想像すればイメージがつきやすいと思いますが、高校まで(場合によっては大学初等まで)は解を出すための「方程式の解き方を学ぶ」過程である一方、大学の研究とは「解くべき問いを立てる/立て続ける」ことであり、これこそが学問の本丸であることに似ています。より経営的な観点から、解くべき問いを立てることの難しさ/大切さを考えてみましょう。ある画期的な業務支援システムを独自に開発した中堅IT企業を想像してみます。当社はこの独自システムを企業向けの営業によって販売することで順調に売上を伸ばしてきましたが、この数年で急に売上が横ばいになってしまいました。このシステムの売上高のグラフを思い浮かべてみましょう(10年前に販売を開始し毎年倍々くらいに売上が拡大してきたのが、3年前から急に横ばいになった、というようなイメージです)。このグラフを見て、みなさんは何が起きていると想像しますか?まず思いつくのは、営業力の限界だと思います。売上の拡大に伴って、営業人員が足りなくなっているとか、全体としてのレベルが落ちてきている、といったことです。これが問題だとすれば、「解くべき問い」は、営業をいかに強化するかです。もっと他の可能性は考えられないでしょうか?例えば、このシステムに対するニーズを抱えている企業がそもそも限られていて、もうほとんど取り込みつくしてしまっている。つまり、いまの商品コンセプトが限界を迎えているという可能性です。もしこれが本当だとすれば、営業力を強化しても、そもそもニーズを持っている人を取りつくしてしまっているわけですから、効果はほとんどありません。この場合の「解くべき問い」は、新しいコンセプトを持つ商品をいかに開発するかかもしれませんし、もしかしたらビジネスモデルの転換まで検討しなければならないかもしれません。戦略コンサルタントの本質的な価値は、「認識」を示すこと実際のプロジェクトでは、こういった仮説を立てては検証し、を繰り返していきます。仮説を立てる能力が「解くべき問いを立てる」力、検証する能力が「解を導く」力です。大事なのは、仮説を立てる能力は検証する能力とは全く異なっており、自分なりの物の見方や認識を示すことが起点になっているということです。急に売上が横ばいになっているグラフを見て、「コンセプトが限界に来ているのではないか」と「認識」するかどうか。認識するということ、さらにそれを示しクライアントの認識を変えることこそが、コンサルタントの本質的な提供価値だと思います。コンサルタント自身の認識が起点になって初めて戦略の絵を描くことができますし、クライアントの認識を変えることで初めて本当の実行支援があります。実行支援と一口に言っても、常駐でコンサルタントを派遣することだけが実行支援ではありません。クライアントの認識を根底から覆すことに徹底的にコミットし、それによってクライアント自身を動かす。これも立派な実行支援、個人的にはむしろ、これこそが実行支援の本質だと思っています。解を導く力も当然必要ですが、コンサルタントの能力としては基礎力に近い位置づけです。これが、解を導くことはコンサルタントの提供価値の本質とは少し違うと申し上げた理由です。「認識」をぶつけ合える「同志」に参画してもらいたい実際のプロジェクトで「認識」が問われるのは、特にプロジェクトの始めです。プロジェクト開始直後、場合によってはさらにその前の受注時に、最終的な提言の仮説(私達は「初期仮説」と呼んでいます)を立てその検証に入っていくので、この初期仮説の筋の良し悪しでプロジェクト期間の過ごし方も最終的な提言の質も大きく変わってしまいます(もちろん、初期仮説が正しいとは限らない、むしろ何らかの欠陥があることがほとんどなので、検証しながら常に仮説をブラッシュアップしていくというサイクルは常に継続していきます)。現象をどう認識しどういう仮説を立てるかというプロジェクトの肝となるプロセスには、プロジェクトメンバー全員でじっくりと取り組んでおり、全員で会議室に数時間缶詰め、ということもザラです。こういった一見非効率にも見える時間の使い方をするのは、認識する、という行為の前には、新米コンサルタントも熟練したパートナー(注)も完全に平等であり、ひとりひとりの異なる認識が合わさって初めて仮説がより筋の良いものに昇華していくためです。よって、採用においても、言った通りに手を動かしてくれるいわば「駒」のような人ではなく、同じ立場で一緒に考えてくれる「同志」を募集したいというのが私達の思いです。個人的な体験を挙げると、例えばGDの後に「コンサルタントだったらどう考えるんですか」と答えを聞いてくる学生さんは、勉強熱心なのはとても結構なことですが、それだけでは残念ながらあまり一緒に働きたいという気持ちにはなりません。「自分は●●というように考えたのですが、どう思いますか/議論させてください」というように、お互いの認識のぶつけ合いを前のめりに求めてくるような人と、ぜひ一緒に働きたいと思います。より話を広げると、コンサルタントという第三者としての認識の価値の一つは、相手が常識と思っていることに対して、いかに素朴な、しかし本質的な疑問を投げかけられるかというところにあります。クライアント、ひいては社会に対して、自分自身の素朴な認識を投げかけ続けるのも、コンサルタントとしての一つの在り方です。よって、日頃から身の周りのことにアンテナを張って「これはおかしいのではないか」という素朴な疑問を抱き、自分自身の見解を持っているような人も、ぜひ一緒に働きたいです。例えば私個人の場合は、就職活動の「受験勉強」的な側面に、学生の頃から強い疑問を抱いています。就活本や就活塾なるもので面接の答えを勉強したり、業界や個別の企業に対して偏差値的なランクが付いたりする。こういった状況下で、学生が本当にやりたい職業を選んだり、社会で本当に活躍できる人材を選び育てたりすることが果たしてできるのだろうか、という思いは、個人的に投げかけ続けていきたいことの一つです。もちろん就職活動以外のことでも何でも構わないので、自分の見解を自分の言葉で語りたい人に、ぜひ参画いただきたいと思います。(一応補足すると、就活本や就活塾も使い方次第でとても有効なツールになるとは思います。そもそも何が聞かれるかを知っておくとか、場馴れをするとか、そういった目的で活用するのが一つの付き合い方だと思います)相手の認識を変えることの「タフ」さここまでは自分たちがどう認識するかという話ですが、その先には相手の認識を変える、というさらに高い壁が待っています。相手の認識を変えるために、私達の日々の仕事の中では、「何を言うか」と同じくらい、「どう伝えるか」に時間をかけることを意識しています。百ページ以上に渡ることもある報告書の中で、クライアントの認識を変えるための鍵になる重要なスライド(私達は「キースライド」と呼んでいます)はせいぜい数枚ですが、プロジェクトの最終段階になると、チームメンバーで議論を尽くしながらその数枚を作っては捨てを繰り返してブラッシュアップしていきます。学生のみなさんにはどうしてもイメージがつきにくい部分かもしれませんが、日々膨大な業務に追われる社長に対して、一瞬で正確にメッセージを伝え認識を覆すためには、ひとつひとつの言葉の使い方、概念的な絵の描き方、ストーリーのつなげ方等に、一切の妥協は許されません。この過程に入りずっと一つのことを深く考え続けていると、一度思いついた伝え方のアイデアを「捨てたくない」という無意識的な自己防衛反応が出たり、深く考えているがゆえに聞く側の視点に立つことが難しくなったり、といった葛藤も生じます。それを乗り越えて、真に認識を変えることのできる伝え方に至ることは本当に難しいです。さらに、「どう伝えるか」を考える時間を確保しようといくら意識しても、やはり実際にはその前段である「何を言うか」を徹底的に考えることの方に時間がかかってしまっていて、時間の余裕が無いことがほとんどです。タイムリミットからくる心理的プレッシャーの中で、最後の最後まで「どう伝えるか」を考え続けることは、相当なタフさが求められます。このように、伝え方のブラッシュアップは、頭の中が本当にぐちゃぐちゃになり続ける(笑)とても辛いプロセスで、いわゆる下っ端仕事であるヒアリング調査やエクセルでのデータ分析など全く取るに足りないと感じるほどです。しかし、チーム内で「これだ!」という深いメッセージを出せたときの達成感、そして何よりクライアントがすっと腹落ちする形でこちらの認識が伝わったときの感動は、何にも代えがたい、コンサルタントのやりがいの一つです。CDIが大切にしている、認識の伝え方の「幅」認識の伝え方に正解はありません。しいて言うならば、クライアントが最も納得してくれる伝え方が正解です。コンサルタントによって、クライアントによって、本当に色々な伝え方があるなと私自身日々驚かされていますし、その許容の幅がとても広いことは、CDIの一つの特徴ではないかと思います。例えば、私が入社して一番驚いたのは、ダイレクトにメッセージを書くことをあえてせず、偉人の言葉や、哲学書や歴史書からの引用文だけが書いてあるスライドを挟むという戦法(笑)です。時代を経て生き残ってきた言葉を借りて、メッセージの輪郭をぼんやりと浮かび上がらせると同時に、時間を掛けて咀嚼するとメッセージの核がすとんと腹落ちする、そんな伝え方だと思います。このような表現に初めて出会ったときには、客観的事実を元に戦略を語るコンサルタントが、アウトプットに先人の言葉を借りることもあるのか、とショックにも近い感覚を抱いたことをよく覚えています。こういった「離れ業」は、基本を忠実にマスターしていることが大前提ですし、何十年と経験のある熟練したコンサルタントでなければ深みが出ませんので、非常に使う人を選ぶ「芸当」です(当然、今の私にはとてもできません笑)。よって、「離れ業」は本当にたまにしか登場しませんが、「自分だけの自由な方法で認識を伝えることこそが、戦略コンサルタントの価値である」というCDIが大切しているひとつの在り方がよく表れている例だと思います。ここまで読んでいただいて、「認識を示す」仕事を、面白そうと思っていただけたでしょうか。それとも、何だかよくわからない、面倒そうだなぁという印象でしょうか(笑)。あなた自身は、どう「認識」しますか?シリーズ一覧▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎【筆者紹介】​佐藤沙弥(さとうさや)京都大学経済学部卒業後、株式会社コーポレイトディレクション(CDI)に入社。IT事業会社の新規事業開発支援、食品会社のマーケティング戦略立案、サービス事業会社の店舗網再構築のアドバイザリーなど、消費者向けサービス提供会社のプロジェクトを中心に経験。CDIの新卒採用活動にも携わる。◆CDIのホームページはこちら(注)パートナー:コンサルタントとしてのキャリアパスの最終点であり、コンサルティングファームの「共同経営者」のポジション。パートナーの仕事は大きく分けて2種類あり、1つは顧客開拓とプロジェクトの受注(=営業)、2つ目は人材育成なども含めたコンサルティングファームそのものの経営全般。 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