短所は短所のままでいい?!面接で短所を聞かれた時の答え方

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最終更新日:2023年10月25日

短所は短所のままでいい?!面接で短所を聞かれた時の答え方

「あなたの短所(弱み)は何ですか?」という質問は、面接でよく聞かれる質問の一つであるにも関わらず間違った回答の仕方をしている就活生が毎年多く見受けられます。

本記事では、面接で短所を問う企業側の意図、それを踏まえた上で学生はどのように答えると良いのかについて内定者の回答を交えながら考察します。

注意点

厚生労働省のHPに掲載されている『公正な採用選考の基本』によると、"短所・弱みに関すること"は採用選考時に配慮すべき事項であり、就職差別につながるおそれがある事例に抵触する可能性があります。しかし、就職活動で聞かれやすい質問の一つであるため、本記事ではその対策方法等を解説させていただきます。

【参考】厚生労働省:公正な採用選考の基本

本選考とインターンの締め切り情報

なぜ面接官は「短所(弱み)」を聞くのか

面接官は自社にマッチする人材を採用していますが、どのような基準で人材を見極めているのでしょうか。新卒採用はポテンシャル採用であるため、大きく以下の2つに分けることができます。

 ■自社の社風、文化、職種に合っているか(人柄)
 ■どのような素養、スキルを有しているか(スキル)

この2つの要素を見極めるために、面接官は短所(弱み)を質問しています。具体的に述べていきます。上述した面接官の意図に照らし合わせると、

人柄・スキル

■人柄(自社の社風、文化、職種に合っているか)

(1)短所が自社の社風、文化、職種とミスマッチしていないか(マッチング)

 

■スキル(どのように素養、スキルを有しているか)

(2)自分の短所を客観的に理解できているか(自己理解)
(3)短所をどのように改善しようとしているか(改善意欲)

上記3点を見極めようとしていることがわかります。

より理解していただくためにも、就活生Aさんの回答をもとに実際にどのように答えれば良いかを解説します。

以下が就活生Aさんの回答になります。

「私の短所は多くのことを一手に引き受けてしまうところです。ダンスサークルでは幹事長をしていますが、断ることが苦手な性格も相まって、多くの仕事を一人で引き受けてしまいます。結果として、期限内にやらなければならないことが終わらなかったり、体調を崩すなどチームメイトに迷惑をかけてしまいました。今後はチームに迷惑をかけないように、自分のできる能力を客観的に見極めていきたいと思っています。」

(1)短所が自社の社風、文化、職種とミスマッチしていないか(マッチング)

適正が合っているかどうかは、今回の回答だけではわからないと言えます。なぜなら企業の求める人材像によって、適正があるかないか評価が変わるためです。

例えば、責任感が強く一人で何でもこなしていくガッツのある人材を求める企業であればプラスの評価を受けるかもしれません。逆に企業風土として、チームワークを重視している企業であれば、一人で抱え込んでしまう性格はマイナスの評価を受けてしまうかもしれません。

(2)自分の短所を客観的に判断できているか(自己理解)

自己理解がしっかりとできていることがわかります。

自身の能力や素養を客観的に把握し、それを踏まえた上で行動することができる就活生は、企業に入社後も活躍できる可能性が高いと言えます。

とりわけ短所(弱み)においては、基本的に向き合いたくないものですし、誰しもが他人には見せたくないものでしょう。

そのような中で「短所(弱み)を適切に把握し、改善に努めている就活生であれば、入社後も自分に向き合いながら自身の役割を全うしてくれるだろう。」と、面接官も感じやすいと言えるでしょう。

(3)短所をどのように改善しようとしているか(改善意欲)

具体的な改善策の説明が不十分なため、評価としてマイナスになる可能性があります。改善のために取り組んでいることや、今後取り組もうと思っている事を話すことができれば、改善意欲があるというプラスの評価を得ることができます。

上記の具体例を踏まえると、短所を回答する際には、今までの人生において、短所を克服した具体的なエピソードがあればより話しやすいでしょう。また、企業ごとに社風や文化が異なるため、短所がマイナスに作用してしまうかもしれない企業には別の短所を用意したほうがいいかもしれません。

そのため、短所に関して適切な回答をするためには、学生時代に取り組んだ内容を説明する「ガクチカ」やどんな企業なのかを理解するための「企業分析」が必要です。

面接官に短所を聞かれたときどう答えればいいのか

さて、ここからは具体的な回答の仕方に関して述べます。短所に関して聞かれた際には、アプローチが2つあります。

1.長所の裏返しを答える
2.素直に短所をさらけ出す

なんとなく聞いたことがあるかもしれませんが1つずつ解説をします。

1.長所の裏返しを答える

よくある短所の答え方としては「長所の裏返しとしての短所」を答えると 一貫性のある人物であることも示せるうえ、マイナスイメージを伝えることもないため、使いやすいというメリットがあります。多くの内定者がこの手法で実際に内定を得ています。

例えば、この手法で内定者が実際に語った短所としては下記のようなものがあります。 

  • 「積極的に行動できるという長所の反面、慎重さに欠けて失敗することがある」
  • 「完璧主義で、決断や行動が遅くなってしまうことがある」
  • 「責任感が強いあまりに頑固なところがある」 
  • 「おおらかで多くの人と分け隔てなく関わることを意識しているものの、 八方美人的な側面がある」 

上記の通り、この手法は短所を語りながらも自己PRを伝えることのできる攻防一体型の答え方になっており、一見完璧な答え方に見えますが、多くの就職活動生がこの手法で自己PRをしようとするため、面接官としても「またか」と思われてしまい、大きな差別化につながらないというデメリットはあります。

2.素直に短所をさらけ出す

もう一つの答え方として「素直に自分の短所を伝える」という方法もあります。個人的にはこちらの方法で伝える方が評価が高くなると感じていますし、多くの面接官もこちらの手法を好むでしょう。

自分の欠点に向き合い、素直に伝えられる人には芯の強さを感じます。

素直に短所を伝える際には、(1)短所⇒(2)短所による失敗経験⇒(3)意識の変化・改善策⇒(4)自己PRのエピソードなど現在へのつながりといった流れで語ることで、マイナスイメージだけでなく、あなたの良さがより伝わるので意識してみて下さい。

上記の流れを意識すると、以下のような文章構成になります。

(1)短所

自己中心的でわがままなところがある。
 

(2)短所による失敗経験

中学生の頃、◯◯部で部長として初めて人の上に立った際に、自分のしたいことを優先しすぎて、周囲との人間関係が悪化し、チームとしての機能が下がる経験をした。
 

(3)意識の変化・改善策

だからこそ、高校以降はなるべく自分を抑えて全体を見て足りない部分を補うこと、自分がしたいことと周りがしたいことをすりあわせることを強く意識するようになった。
 

(4)自己PRのエピソードなど現在へのつながり
今でも自己中心的でわがままな自分を自覚しながら周囲とのすりあわせに最も神経を使っている。 

以下の記事で、上記の2パターンで長所・短所を分析し内定を勝ち得た就活生の多くの回答事例が企業ごとに掲載されていますので是非参考にしてみて下さい。

内定者の短所の回答例

以下で内定者の回答例を紹介します。短所について考える際に参考にしてみてください。

SMBC日興證券内定者の回答(短所)

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三菱UFJ信託銀行内定者の回答(短所)

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三井化学内定者の回答①(短所)

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三井化学内定者の回答②(短所)

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伊藤忠商事内定者の回答(短所)

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豊田通商内定者の回答例(短所)

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デロイトトーマツコンサルティング内定者の回答(短所)

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PwCコンサルティング合同会社・PwCアドバイザリー合同会社内定者の回答(短所)

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集英社内定者の回答例(短所)

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凸版印刷内定者の回答(短所)

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アサヒビール内定者の回答(短所)

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明治内定者の回答(短所)

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これだけはだめ!短所を聞かれた時のNGワード集

これまでの話でお分かりのとおり、短所に関する質問に対して短所を言うだけでは意味がありません。短所が見方を変えれば長所になったり、短所から、あなた自身が取るべき行動まで説明する必要があります。

つまり、以下のような返答では面接官の望む答えになっていないので注意してください。

「短所はありません」系

これでは、短所があってもいいと思っている面接官に対して、答えになっていません。また、長所の裏返しであるという回答をする際には、注意が必要です。答え方しだいで長所を摩り替えているだけという印象をあたえることがあるので気をつけましょう。

マナーや常識と思われることについて

「遅刻癖がある」「納期を守らない」など社会人として最低限必要な資質について短所とするのは控えましょう。あなた自身が面接官だったら一緒に働きたくないはずです。

変えることが難しい特徴

実は盲点だったりするのがこの類です。「優柔不断である」というのは、性格の問題です。もし、この性格を直したくても、子供のころからの性格だったりするとなかなか直せないか可能性があります。

面接官もその点を理解しているため、その短所を本当に改善できるだろうかと疑問に思うかもしれません。

もし、その短所を短所でなくなったエピソードだったり、これから直せるビジョンが見えない場合、俗に言う、ポータブルスキル(マネジメント能力や課題解決力、リーダーシップなど)を短所にするほうが具体的なキャリア像も見えるため面接官にPRできるでしょう。

最後に

面接官に短所を聞かれた時の対処法は理解できたでしょうか。面接官の質問の意図を理解することで、面接官が求める答えをアウトプットできるでしょう。内定者の回答例も参考にしつつ面接に取り組んでみてください。  

本記事では面接で短所を聞かれた時の答え方について解説してきました。こちらの動画では面接の全体像について紹介しています。ぜひご覧ください。

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モットーである「やってみなはれ」を企業理念に掲げ、株主の意見に左右されないチャレンジ精神を大切にしていると思われます。実際にサントリーホールディングスの副会長は「上場した場合、企業理念を追求する経営が崩れてしまうかもしれない」と話しており、チャレンジを尊重する柔軟な経営体制を守るために上場していないと考えられるのではないでしょうか。【参照】サントリーホールディングス『採用情報』日経ビジネス『サントリーが動いた』■読売新聞社日本の新聞社である読売新聞社も上場していない大手企業の一つです。読売新聞社に限らず日本の出版社の多くは非上場となっています。読売新聞社やその他の出版社が上場しない理由としては報道の正確性を守るためと考えられます。実際に読売新聞社の代表取締役社長は「厳格な事実確認に基づいた正確な情報、穏健で落ち着きのある表現、公正中立な言論が強く求められています。」と述べており情報の正確性を重要視していると考えられます。また日本では新聞における言論の自由や報道の正確性を保持するために「日刊新聞法」が定められており、この法律に基づいて上場しない出版社が多いと考えられます。【参照】読売新聞社『TOPMESSAGE』■竹中工務店竹中工務店は大手総合建設会社で上場していない大手企業の1社として挙げられます。竹中工務店は「特定の利害関係者だけでなく、社会を構成するあらゆる人にとっての最良となる作品を追求する姿勢を貫くため」非上場で経営を行っています。上場しないことで株主などに配慮した経営をする必要がなくなり、一人一人のお客様に合わせた最良の作品を提供できていると考えられます。【参照】竹中工務店『竹中工務店の特徴』最後に本記事では上場とはどのようなものなのか、上場企業のメリットやデメリット、時価総額ランキングなどを解説しました。上場は時価総額などの条件をクリアしている企業であるというステータスになっていますが、あくまで1つの指標にすぎません。就職活動においては上場企業だけを企業選びの軸にするのではなく、自分がやりたいこと、どういう環境で仕事をしたいのかを考えることが重要です。企業選びの際には「上場企業だから選んだ」ではなく「これがやりたいからこの企業を選んだ」と言えるようになりましょう。企業選びの軸の決め方を詳しく知りたい方は以下の関連記事をご覧ください。関連記事 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「バリキャリ」や「ゆるふわ」というタイプ分けで仕事を選ぶ前に考えて欲しい3つのコト。 「バリキャリ」や「ゆるふわ」というタイプ分けで仕事を選ぶ前に考えて欲しい3つのコト。 本記事は、学生や社会人向けのキャリアデザインスクール「我究館」でコーチを務めている八木橋育子氏による、女性の働き方に関する寄稿です。unistyleユーザーの約半数は女性であり、結婚・出産などのライフイベントを見越してキャリアについて悩んでいる方は多くいると思っていますので、ぜひ自身のファーストキャリア選択の参考にしてください。▼八木橋氏がコーチを務める我究館の無料説明会はこちらから(※本コラムは我究館のPR記事です)***我究館というキャリアデザインスクールでコーチを務めている八木橋です。コーチとして日々学生と接している中で、女子学生の優秀さにいつも感心させられます。我究館に集まる学生の学歴の高さもあるかもしれませんが、難関大学で真剣に学び、留学やボランティア、長期インターンなど課外活動にも積極的に挑戦し、自分の意見をしっかり持っています。夢みがちな男子学生と違って(失礼)、しっかりと地に足をつけて人生を見据えている子が多い印象を受けています。「バリキャリ」か「ゆるふわ」かという議論は本質的でないそんなしっかりした女子たちの将来に対する考え方は大きく分けると2パターンに分かれます。「バリキャリ」でガンガン進むか「ゆるふわ」で堅実に攻めるか、です。バリキャリ志向さんの志望先としては、外資系や総合商社、大手メーカーが多いでしょうか。総合職として男性と同等にバリバリ働き世界中を飛び回り、出世したい!と向上心と好奇心に溢れている人が多いです。自分を成長させる意欲が強く、男性に負けたくない!と考えている女子も多いです。特徴として、結婚や子どもを持つことに対して関心が薄く、人によっては結婚も子どもも別にいらない、と考えている人もいます。一方ゆるふわ志向さんの志望先は、金融や商社の一般職を狙います。公務員や大学職員も人気です。ワークライフバランスを重視し、結婚や子どもを持つことに対して強い関心をもっています。将来家庭に入ることを希望し、婚期を逃しそうな総合職を避けて一般職という選択を取る女子がいたり、自分はバリバリタイプでないから、と自分のキャラクターを考慮している人が多いです。ところで、バリキャリとゆるふわという言葉、私は正直好きではありません。女性のキャリアの考え方をこのダサい言葉の枠にはめこんで思考をせばめてしまう表現ではないでしょうか。というのも、女性のキャリアは、バリキャリやゆるふわのどちらかに収められるほど単純ではないからです。我究館では学生だけでなく社会人のキャリア相談にも乗ります。そこには現職とのミスマッチに悩みを抱える社会人が多く集まります。20代〜40代の女性の悩みの多くが、仕事の内容に関する不満と家庭との両立の悩みです。なぜそのミスマッチが起こったのかじっくり聞いてみると、大体いくつかの理由にたどり着きます。・自分が何をやりたいかどうなりたいか、を考えずに企業名や親や友人の進めて企業を選択してしまっていた・結婚や子どもを想定せずにその時興味のある企業に入ってしまった・自分に自信がなかったので保守的な職業選択をしてしまっていた・他人からすごいと言われる企業を選択したが自分に合っていないまとめると、なりたい自分やライフイベントなど、中長期的なキャリアビジョンを考えることがなく企業選択をしてしまったことを後悔している人が多い、ということです。不毛な二元論から脱するための3つの方法今はバリキャリ志向で結婚や子どもを持つことに現実味がなかったとしても5年後や10年後は考えが変わっているかもしれません。一方、ゆるふわ志向の人も、結婚しないかもしれませんし子どもを授からない可能性もあります。もしかしたら共働きを希望するパートナーかもしれません。つまり、今後どうなるかはわからないのです。さぁ、困りました。将来のライフイベントを考えなければいけないけど、考えすぎることも良くないなんて、どうしたらいいの!?となってしまいます。そんな皆さんに、おすすめの方法が3つあります。(1)「理想の自分」を年代ごとに分け3つの軸で描くBeing・・どんな人になりたいか(人格)Having・・何を手に入れたいか(年収、家族など)Giving・・人や社会に与えたい影響は何か(仕事)(2)「理想の自分」に結婚などのライフイベントを盛り込む1年単位の年表を作成し、何歳で結婚するか、第一子は何歳の時に産みたいか。子どもは何人欲しいか。その時に仕事ではどんはポジションにいたいか。と妄想全開で構わないので書き出しましょう。(3)ロールモデルを見つける「こんな人みたいになりたい!」と思える女性を見つけましょう。著名な方でも良いですし、OG訪問などで出会った素敵な方でも構いません。いいなと思った人のこれまでの人生を参考にさせてもらうと上記の1,2がより描き易くなります。また、ロールモデルを通して自分の価値観を再認識することもできます。可能であれば、20代だけでなく30代や40代のOGにも会いに行きましょう。この3つの方法で、大分自分の考え方や将来の方向性を整理することができるはずです。ちなみに我究館ではこの3つを講義や面談を通して徹底的に明確にしてゆきます。仕事と家庭のどちらか一方に偏ったキャリアプランではなく、両方を盛り込んだ上で「なりたい自分」を描くことができたら、後は最適な企業をとことん調べ上げましょう。我究館生には大企業だけにとらわれず、ベンチャー企業や中小企業も視野に入れて検討してもらうようにしています。総合職にせよ一般職にせよ、働き方や待遇などの条件面重視で選んだ会社への志望動機は一瞬でわかります。なぜその企業を志望するのか、なりたい自分像を踏まえた上で語れるようにしましょう。最後に私にも尊敬する素敵な女性の先輩たちがいます。前職リクルートでお世話になった先輩や我究館のOGたちなど、一人ひとり紹介したいくらいですが、その女性たちには共通する点が2つあります。ひとつは、企業名に固執していないこと。ふたつ目は、しなやかであることです。理想とする自分像追い求め、大企業にのみならずベンチャー企業やフリーランス、起業、在宅ワークなど柔軟に働き方を選択しています。就職活動もいよいよ忙しくなる時期ですが、一度じっくりとバリキャリ、ゆるふわという枠を超えて視野を広げ、中長期的に、どんな自分になりたいかを考える時間をもってもらえるとうれしいです。▼八木橋氏がコーチを務める我究館の無料説明会はこちらから【筆者紹介】​八木橋育子(やぎはしやすこ)駒澤大学卒業後、リクルートに入社。大手企業の広告提案営業を担当。女性の社会進出への問題意識から女性の再就職・転職に特化した人材会社に転職。女性のみで構成される営業代行チームのマネジメントやキャリアコンサルタントとして結婚や妊娠出産などライフイベントとキャリアの両立に悩む女性2000人以上と接する。その後、自身の結婚を機に2011年に我究館コーチに就任。特に、女性の就・転職におけるマーケットに精通している。PhotobyAtos 22,580 views
リクルーター面談の逆質問でするべき質問とは|ポイントは4つ! リクルーター面談の逆質問でするべき質問とは|ポイントは4つ! 近年、多くの企業で取り入れられているリクルーター面談。リクルーター面談では逆質問をする時間が基本的に設けられています。面談だからといって、準備をせずその場しのぎの質問をしていると印象が悪くなり、本選考の評価にも影響する可能性があります。そうならないために、本記事ではリクルーター面談における逆質問の考え方を紹介します。本記事のコンテンツそもそもリクルーター制度とは逆質問はストーリーで〜入社から現在まで〜逆質問はストーリーで〜現在から数十年後まで〜逆質問はストーリーで〜最後に自らのキャリアプランを相談〜番外編〜リクルーターの気分を損ねる質問例〜終わりにそもそもリクルーター制度とはリクルーター・リクルーター制度とはリクルーター・リクルーター制度とは、"自社の社員が就活生と直接コンタクトを取ることにより、優秀な人材の獲得や採用活動のサポートをすることを目的とする制度"のことを指しています。リクルーター・リクルーター制度について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。⇨そしてリクルーターと面談をすることをリクルーター面談と呼びます。このリクルーター面談で企業は優秀な学生を確保するための囲い込みと、選考前の絞り込みを行うことを目的として行っています。そのためリクルーター面談で逆質問を行う際にも「自分は企業にとって採用したほうがいい人材である」と思ってもらうためにも、以下の点を意識して取り組む必要があります。自身の志望度の高さをアピールすること業界理解・企業理解をより深めること自身の企業選びの軸がその企業と合致しているかを確認することリクルーター面談においての逆質問の基本的な考え方についてはこちらの記事を参考にしてみてください。⇨そこでこれらを踏まえた上で、金融業界を受けていた筆者の経験に基づき、逆質問の考え方を以下で解説していきます。逆質問はストーリーで〜入社から現在まで〜1時間の逆質問を乗り越える上では、質問を体系立てて質問するオーダーを整理し、事前に用意しておくことが重要です。そこで筆者は、リクルーターのキャリアや価値観を知ることを意識して以下の質問をしていました。(1)お名前と入社何年目かを教えてください。まずはじめに、名前と入社何年目かといったこれまでのキャリアを押さえておきましょう。」では、「企業で働く"人"から説明する」という切り口が語られていますが、ここで名前と部署をメモしておけば、その後の選考に進むことができた場合にリクルーターの方の話題を出すことができます。OB訪問と違い、選考の一環と考えられるリクルーター面談では名刺のような情報媒体を得ることが難しいため、忘れずメモしておくことをおすすめします。(2)就職活動当時なぜ金融業界に興味を持っていて、他にどのような業界を見ていたのか。なぜ金融業界を志望していたのか。企業選びの軸のようなものがあったならば教えてください。筆者は金融業界を志望していたため、あらかじめ金融業界と親和性のある業界を把握しておき、その中でもなぜ金融業界なのかということを把握するようにしていました。「」にある通り、親和性のある業界を研究、業界比較をしっかりすることで、その後の選考でも面接官に納得感を持たせることができます。リクルーターの方は学生時代のアルバイトや専攻内容、サークルや部活動の経験やきっかけから金融業界を志望している場合が多い印象を持ちました。以下の記事も参考にしてください。参考:→自分なりの企業選び軸を決定することで不要な業界研究をカットすることができます。上記記事では企業選びの軸の定め方や内定者の軸も紹介していますので是非ご覧下さい。(3)金融業界の中でもなぜ〇〇業なのか、なぜ今の会社なのか例えば金融業界の中では銀行・損保・証券・信託など多種多様ですが、なぜ〇〇業、今の会社選んだのかというのは是非押さえておきたいところです。その内容でリクルーターの方は今の会社に就職しているわけですから、これは一つの模範解答と捉えることもできます。以下の参考記事を事前に読んでリクルーター面談に臨んで頂くと、読者様の中で納得感を持ちながら面談を終えることができるのではないでしょうか。参考:→その業界である理由が言語化できれば、あとは業界内比較をすれば良いこととなりますが、これに回答するためには非常に明快な3つのアプローチがあります。上記記事ではそれらについて詳しく解説しているため是非参考にしてみて下さい。(4)学生時代の経験が活きていると思った瞬間はいつ、どのような場面ですか?筆者の場合、最終面接の場でよく「ここで内定を出したらあなたは何に打ち込みますか?」と問われました。これはその経験を土台にした質問となります。実際の仕事で活きる力を残りの学生生活でどのように培っていくか答えられるよう、リクルーター面談を利用してその業界・会社で活きる力をおさえておくと良いのではないでしょうか。多くの場合は以下の参考記事に示す5つの強みに集約されると思いますので、是非参考にしてみてください。参考:→実際に仕入れた情報及び自分自身の経験から、実際に評価される自己PR・志望動機の作り方の基本となるフレームワークについて話したいと思います。(5)現在担当している仕事のやり甲斐を教えてくださいどんな時にやり甲斐を感じ、一方でどのような時にモチベーションが下がるのかセットでおさえておくと、その業界や会社の長所と短所の一端をおさえることができると言えます。あるリクルーターの方は、「やり甲斐と困難は表裏一体」とおっしゃっていましたが、リクルーターの回答に対して自らが面白みを感じられるか、困難も踏まえた上で頑張っていけるかどうか考えてみると良いのではないでしょうか。上記のような質問を通して対話していると、(5)までで20分から30分くらいです。もしリクルーターが入社5,6年目くらいだった場合、1,2回の部署や支店の異動を経験している場合が多いです。自らの望むキャリアが叶えられる形での異動なのか、それとも青天の霹靂に感じられる異動(=人事部がリクルーターの新しい力の開拓を期待している場合)だったのかも聞いておくと、最後に本音としてその会社に入社するかどうかの判断材料となるのではないでしょうか。逆質問はストーリーで〜現在から数十年後まで〜(6)現在から数十年先のキャリアプラン、この会社で成し遂げたい夢を教えてくださいリクルーターの現在の部署からどのような部署に異動することが一般的で、どのような候補があるのかおさえておくと、自らの働くイメージがつきやすいのではないでしょうか。例えば銀行業であれば、最初は支店での経験やリテール経験を積み、そこで実績を残した銀行員が大企業営業部といった花形部門に異動というようになります。リクルーターの方がどのような大志をもって日々働いているのか知ることで、その会社におけるやり甲斐の有り様を知ることができるのではないでしょうか。(7)この先のキャリアでどのような力が必要だと思うか、どのようなことを今現在努力しているか希望の部署への異動のためにどのような力が必要だと思うか、という質問の裏返しとなります。特定部署で必要とされる(であろう)力を整理しておくことで、面談後に自らのキャリアプランに組み込むことができるかどうか考えることができます。会社では一般に人事部や上司とのキャリア面談なるものが1年に1回以上用意されているようなので、上記のような質問に対してかなりリアルで説得力のある回答が返ってきてとても勉強になったことを覚えています。リクルーターの入社時から現在、今後考えている理想のキャリアの遍歴を知り、本番の面接時にキャリアプランを尋ねられた時に的はずれな回答をしないように心がけたいところです。(7)までで私の場合は30分から40分が経過していました。逆質問はストーリーで〜最後に自らのキャリアプランを相談〜(8)自分は現在御社で入社後10年ほど先までのキャリアプランを描いています。実際の社員の立場から聞いてこれが妥当か、どのような力を身につけるべきか教えてください。筆者の場合は今まで質問したオーダー通りに、今度は自らの考えるキャリアプランを共有してその盲点を修正するということを実践していました。ここでは盲点を修正できるというメリットだけではなく、「この学生はこんなことに興味があるんだな、今度はこの学生の希望の部署のリクルーターをぶつけてみよう」ということをリクルーターに意識させ、次のリクルーター面談に繋がる可能性を高めることができると考えられます。(8)を終える頃には1時間のリクルーター面談も終わりを迎えていました。8つの質問をテンプレ通りに質問していたわけでは決してなく、話が弾んでいるうちに聞きたかったことにも答えられていた、という場合もあります。上記の質問はあくまで例なので、自ら聞きたいことを加えて整理しておけば場当たり的な質問は確実に回避できると言って良いでしょう。番外編〜リクルーターの気分を損ねる質問例〜番外編として、私がアルバイト先やゼミの先輩にOB訪問をしたとき、リクルーター面談時や説明会時の質問として「これだけはやめろ」と言われたことを紹介したいと思います。(1)半沢直樹のような銀行ドラマってどこまで真実なのですか?これは支店の雰囲気によりけりですし、そもそも銀行の生々しい真実をリクルーターが語るとは到底考えられないので、自分から質問するのはやめるべきとのことでした。(2)メガバンク3行の違いって何だと思いますか?大方の人が「他の銀行で働いたことがないからわからない」といって答えが終了するので、実は無意味な質問の一つとのことです。ちなみにですが、質問の仕方を変えて、「なぜ今の銀行を選んだのか」だと、ある程度的を得た答えが返ってくることが多かったです。終わりにいかがだったでしょうか。リクルーター面談は逆質問が中心ながら決して短い時間ではありません。しかし、せっかくの時間なので選考に向けて有効な時間としてもらえればと思います。そこで、質問内容を入念に用意整理し、特に本記事においては、リクルーターの方の学生自体から入社までのキャリアステップ、今後のキャリアプランというストーリー形式で行っていくことをご紹介いたしました。6月の選考解禁を踏まえると3月~5月にかけてリクルーター面談が本格化すると思われます。以下の記事も参考にしながら準備を始めることをおすすめします。リクルーター完全攻略記事一覧1.そもそもリクルーターって何?2.リクルーター面談の対策は何をするべきか3.リクルーター面談でするべき逆質問とは4.リクルーター面談に臨む前に知っておくべき基本マナー5.リクルーターへのメールの書き方と具体例6.リクルーターへの電話の基本マナーと具体例7.リクルーター制度実施企業一覧(全39社) 171,112 views

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