合同企業説明会で志望企業の方から名刺を貰えるか挑戦してみた

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最終更新日:2023年10月25日

合同企業説明会で志望企業の方から名刺を貰えるか挑戦してみた

本記事は16卒の就活生の方による寄稿です。
unistyleでも合同企業説明会に関するコラムをいくつか掲載していますが、実際にそのアドバイスに基づいて行動した様子をレポートしていただきました。是非、参考にしていただければ幸いです。


本選考とインターンの締め切り情報

こんにちは。16卒就活生のAと申します。私のスペックについて簡単に紹介すると、国立大学院文系の修士1年生で、企業でのインターン経験などはあるものの、海外経験や体育会出身ということはありません。そこも踏まえてお読みいただければと思います。

3月から就職活動が解禁し、関東や関西を問わず既に数多くの合同企業説明会が開催されています。この時期になると、就活生の間では「合同企業説明会なんか参加するだけ無駄」、「合同企業説明会に参加しても人事に顔を覚えてもらうことなんか不可能」という話も出ていることでしょう。

この手の話は本当なのでしょうか。unistyleの「合同企業説明会で説明ブースに座ってはいけない3つの理由」「合同企業説明会を無駄な時間にしないための3つの方法」を参考にして、実際に検証してみました。
上記コラムの通り、企業から説明を聞くことを主目的にするのではなく、「志望度の高い企業の方から名刺を獲得し、OBOG訪問に繋げること」にチャレンジしてみました。

それでは体験記に入りましょう。

筆者の体験記

(参加説明会:レクミーLIVE in 京都)

挑戦①:大手消費財メーカー

まずはブースに座って話を聞くことに。unistyleのコラムには「説明ブースに参加すると抜けづらい&ブースで話すことはパンフレットとHPで理解できる」とありましたが、いきなり説明も聞かずに名刺を貰うのは難しいと考え、最初は座ってみることにしました。
説明内容はパンフレットに書いてあるようなことばかり。確かにこれだけ聞くと合同企業説明会に参加する意味なんてほとんどないなと思ってしまいます。

そこで説明が終わった後、「○○大学大学院の○○と申します。現在御社を第一志望に考えておりまして、OBOG訪問をさせていただきたいです。よろしければご紹介していただけませんか?」と人事の方に質問。
返答は「多くの方からOBOG訪問の希望がありまして、人事から紹介することはできません。キャリアセンターを通してOBOG訪問してください」というものでした。

これでは名刺を貰う事はできないと判断し、人事に顔を覚えてもらう作戦に変更。「御社に興味を持ったのは、自身の尊敬している○○さんという先輩が御社に入社したからなんです」という話を振ってみました。

すると、「あぁ○○ね!○○は私が採用面接したんだよ!それだったら○○に連絡して社員紹介してもらうといいよ!」という答えが。その後も話が盛り上がり、最終的には私の名前覚えとくねーと人事に言っていただけました。名刺獲得はできませんでしたが、人事に名前を覚えてもらう事と、知り合いからOBOG訪問につなげるきっかけ作りができました。

挑戦②:大手電機メーカー

挑戦①から、ブースに座って説明を聞くのは時間の無駄だと考えたため、説明を聞かずに名刺を貰える方法を考えて実行してみました。
私「○○大学大学院の○○と申します。御社に大変興味があるんですが、時間が無くブースに座って説明を聞くことができないんです。質問させていただきたいことがあるので、よろしければお名刺を頂戴できますか?」→人事「○○大学の子か。いいですよ。こちらに連絡をください。○○大学ならOBも紹介できますので」と名刺を頂戴することができました。

人事の反応を見ている感じでは、大学名で興味を惹けた感じが強かったので、自身の学歴に自信がある方はこういう戦略もありかもしれません。頂戴した名刺から連絡を取り、後日OBOG訪問をさせていただくつもりです。

挑戦③:大手ディベロッパー

挑戦②の経験から「人事からでも名刺獲得とOBOG訪問を狙えるんじゃないか?」と考え、上記の作戦でいきましたが、撃沈。キャリアセンターを通してくれと言われました。以前に参加した説明会でも同じことを何度も言われたため、人事から名刺を頂戴することは難しいみたいです。狙うべきは人事ではなく説明会に来ている社員なのかもしれません。

挑戦④:大手繊維メーカー

今までの経験から、「人事から名刺を貰うよりも、人事じゃない社員から名刺を頂戴する」方が簡単と判断。説明会ブースの後ろにいる社員の方に話かけてみることにしました。すると、暇をしていたのか「興味持ってくれているなら今から個別で話をしてあげるよー。15分くらい時間あればいい?」と言っていただけました。そこで個別に話を聞かせていただいた後に、「自身の興味のある部署にいる方にOBOG訪問させていただきたい」といったところ、紹介していただけることに。名刺を頂戴し、後日紹介していただく約束を取り付けました。


私の挑戦は以上です。4回名刺獲得チャレンジをして、2枚名刺を頂戴することができました。

学歴よりも行動力

ここまで読んだ方の中でこう思う方もいるでしょう。
「挑戦した人は学歴があるからうまく名刺貰えたんじゃないの?」

もちろん学歴があるからうまくいった部分もあると思いますが、MARCHや関関同立未満の方でも名刺を頂戴し、名前を覚えてもらう事は可能です。

筆者の友人(日東駒専レベル以下の私立文系3年生)は、合同企業説明会で自身の履歴書を持っていき、それを配って企業の方に名前を憶えてもらうようにしていました。そして、その履歴書から選考が進み、先月人気企業から内定を獲得しました。

「説明会で周りから意識の高い学生と思われたくない」「変に目立ちたくない」このような考えは誰にもあるでしょう。しかし、上記のような創意工夫を凝らすことで企業から名前を覚えてもらい、最終的に内定に繋げることもできます。

自分の頭で考え、勇気を出して行動すること。それが、合同企業説明会を実りあるものにするために必要なのではないでしょうか。

最後に

本記事のまとめとして、今回の合同企業説明会で私が感じたポイントを以下に記載しておきます。

①人事よりもそれ以外の社員

人事に直接OBOG訪問させてくれといっても、キャリアセンターに名簿があるからと言われるため名刺獲得は難しいようです。名刺を狙いに行くなら、人事以外の社員の方に話を聞き、「○○さん(社員)の話をもっと聞かせてもらいたいので、よかったら名刺頂戴できませんか」というのが効果的だと感じました。

②盛り上げるための話題を事前に複数準備

「名刺をください」以外にも複数の話題を事前に準備しておくことをおすすめします。私の場合は消費財メーカーに挑戦した際に、名刺はいただけなかったものの、内定者の名前を出すことで話が盛り上がり、結果として社員の方をご紹介いただけることになりました。採用人数が少ない会社であれば、人事に内定者の話を振ってみると話が盛り上がる可能性が高いかもしれません。一例として参考にしてみてください。

③学歴などで尻込みせず、まずは行動してみることが大事

繰り返しになりますが、学歴に自信がない人でも名刺を獲得し、名前を覚えてもらう事は可能です。履歴書を配ったり、自身の名刺を用意したりと色々やれることはあると思います。また、筆者の友人の話によると、履歴書は手書きだと大変なので、厚紙にコピーするのがおすすめとのことでした。

私も就活中のため、時間の大切さは常々感じています。
企業説明会も限られた時間を使って参加する以上は、しっかり内定可能性を高めるよう活用したいところです。
このコラムが同じく就活中の皆さんにとって参考になれば嬉しいです。一緒に頑張っていきましょう。

合同企業説明会に限らず、周囲に流されて何となく行動すると無駄な時間を過ごしがちになります。自分がそこで何をするのか、目的を明確にした上で行動すればより少ない労力で大きな成果が得られるのではないでしょうか。

告知

なお、21卒対象で2月から合同説明会「レクミーLIVE」が全国で開催されます。以下のページからお申込みできるので、是非活用してみてください。

▼お申し込みはこちらから

【過去参画企業(抜粋)】
三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、サントリー、三菱地所、野村総合研究所、アマゾンジャパン、トヨタ自動車、ベイン・アンド・カンパニー、ユニリーバ、P&Gジャパン、楽天など

credit: Unhindered by Talent via FindCC

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【悩む暇があったら内定を取れ】広告代理店内定者が語る就職活動の極意その1 【悩む暇があったら内定を取れ】広告代理店内定者が語る就職活動の極意その1 以前、大手広告代理店の内定者と就職活動生によるWeb質問会を開催いたしました。その際に多くの就職活動生の参考になる受け答えがありましたので、ここに記事として残したいと思います。広告代理店を志望している方もそうではない方にも参考になるかと思いますので、ぜひお読みください。今回は質問会で出た質問の中でも、内定者の就職活動の流れや、志望動機や業界研究の行い方についてまとめました。よろしくお願いします。回答者プロフィール以下で簡単に自己紹介します。なお、内定先から会社名や個人情報を明かすなと言われているため、どの代理店に内定しているかは皆さんのご想像にお任せします。自己紹介【大学】文系(国立大)【学生時代に頑張っていたこと】研究やベンチャー企業での長期インターン【内定先】大手広告代理店、大手ITメガベンチャー数社、ベンチャー企業など合計6社。総合商社なども最終面接まで進んでいました。【一言】今まで数十名の就職活動指南や内定者訪問を受けてきました。皆さんのお力になれるよう質問の回答頑張りますね。広告代理店以外の質問でも大丈夫ですよ!面接レベルを上げることに重きを置いた、就活全般の流れについてベンチャーの本選考が面接の練習面接の練習はどこでされてましたか?ベンチャー企業の本選考です。ボイスレコーダーで録って後で自分で反省していました。後は友人に就活オタクがいたので、彼によく見てフィードバックしてもらってましたね就活解禁前にSPI対策とベンチャーの選考を受けまくるべし選考に向けて今のうちに行うべきことがあれば教えてください。行っていたことややっておけば良かったことなども教えてもらえたらありがたいです。私の場合、現段階では進んでいたベンチャー企業の選考を消化していました。行うべきこととしては、徹底的に面接練習→フィードバック→改善をして就職活動の偏差値を上げてください。見落としがちですが、SPIはかなり重要なので手を抜かないように。算数苦手な人は面白いほど面接前に落ちてしまうので。私は結構SPIで落ちたので、対策をしっかりやっておけばよかったです。ちなみに電博ともSPIの点数は低くても大丈夫です。商社を受けるならしっかりやりましょう。悩む暇があったら内定を取れ!今までITと商社に興味があったのですが、最近のこの時期に倍率の高いマスコミ業界に惹かれ始めてしまい悩んでいます。いつごろから業界を定めましたか?僕が広告代理店を第一志望にしたのは面接前日でした笑悩む暇があったら面接のレベルを上げて内定をどんどん勝ち取っちゃいましょう。5社くらいから内定とって悩むのがいいですよ息抜きで美味しいものを食べたら太る就活時の息抜き方法は何でしたか?美味しいものひたすら食べてました笑太るからあまりおすすめしません笑早めの時期からベンチャーの選考で面接練習!いつごろどんな動きをしてましたか?具体的にはこの時期には何してましたか?就活解禁前のこの時期に既に内定ありましたか?3年生の夏頃、すなわちサマーインターン選考ごろからITベンチャーを中心に受けていました。解禁前から大手ITメガベンチャーの内定は持っていましたね。この時期はひたすらベンチャー企業の選考を受けて面接練習→ボイスレコーダーでとって改善していくというのを繰り返していました内定取りたい企業はIRを読む!志望動機や業界研究について業界研究において、内定を取りたい企業はIRを読むのが有意義お答えいただきありがとうございます。二回目の質問失礼します。業界研究は具体的にどうされていましたか?様々な業界を受けましたが、ぶっちゃけそこまでしてませんし、質問もされませんでした。内定取りたい企業はIR読んでましたね。説明会行くよりよっぽど効果的です。やりたいこと、貢献できることの2つをセットで志望動機は話すべき志望動機は、会社に貢献できます、という点を中心にお話されていましたか?自分がやりたいこと、会社に対してできることのセットですね。志望動機では両方入れるのが望ましいでしょう。会社でやりたいことの掘り下げはそこまで必要ではない広告代理店は、クライアントの課題ありきの仕事だと思うのですが、「会社でやりたいこと」はどれくらい掘り下げて言っていましたか?そこまで明確に掘り下げませんでした。今までの原体験から企業や社会の課題解決をしたいというアプローチで志望理由を答えていました。その中でも自分の専攻を活かせる部署に行きたいというくらいは答えていましたが。社会をよくしたいという人と一緒に働きたい!こんな人と一緒に働きたいなどという、人物像などありましたら、教えて頂きたいです。社会を本気で良くしたいという熱い考えがある人と働きたいですね。モテるからー、業界人になれるからという理由ではあまり受けて欲しくないです笑私は原体験を通じて社会を良くしたいという思いが強くあり、その点が社員の方から評価されたみたいです。課題解決の観点から志望動機を考えた。そしてコンサル業界との差別化をしっかり意識なぜマスコミの中でも特に広告の仕事をしたいと思われたのか理由をお聞きしたいです企業や社会の課題解決をしたかったからです。コンサルみたいなアプローチで受けてましたねご回答ありがとうございます。「コンサルが良いのでは?」などとは言われなかったですか?コンサルはあくまで戦略立案までしかできないが、広告代理店はそれを実現するツールを持っているので広告代理店、という反駁をしてました。コンサルより広告がいい理由について、先程述べられていましたが、併願業界としてコンサルを考えたりはしなかったのですか外資戦略ファームも受けようと思いましたが、なにぶん筆記対策を怠っていたため筆記で落ちました笑最後にいかがでしたでしょうか。今回のWeb質問会では大手広告代理店についての内定戦略だけでなく、本人の具体的な就職活動の軸や業界研究の仕方まで知ることが出来ました。きっと多くの就職活動生の参考になる回答があったのではないかと思います。また、今回のWeb質問会で特に印象的だったのはベンチャーなどの選考を受けて徹底的に面接練習ダメだった箇所をしっかりフィードバック改善して就職活動の偏差値を上げるというプロセスを繰り返して、面接力を上げたという所です。多くの就活生は「第一志望以外の企業を受けるのは少しめんどくさい」などの考え方をすることが多いですが、内定者の言うとおり、正直迷う時間があったら選考に参加するべきです。悩む暇があったらどんどん面接を受けて内定を勝ち取り、本命企業の選考に万全の体制で臨みましょう。【広告代理店の選考対策・業界研究に役立つ関連記事】 30,226 views
就活が圧倒的に有利になる!これだけは参加すべき16卒サマーインターン5選 就活が圧倒的に有利になる!これだけは参加すべき16卒サマーインターン5選 こんにちは。2015卒広告業界内定者のOです。6月になり、リクナビなどにも多くのインターン情報が公開されるようになりました。インターンは本選考の練習にもなり、時に選考に直接有利に働くため、是非とも参加すべきだと思います。一方で、自分の時間には制約があるため、どの企業のインターンに参加するかの選択は非常に重要です。今回は、自身の経験や周りの友達の経験談をもとに、16卒の就活生にこれだけは参加して欲しいサマーインターンを厳選しました。①選考を受けるだけでも成長できる!春からの本選考に向けて、選考を受けるだけでもタメになるインターン②インターン参加時の特典が素晴らしい!春からの本選考を有利に進めるための特典、あるいは直接内定が出るインターンという2つの基準で厳選しています。選考を受けるだけでも成長できるサマーインターン◆ボストン・コンサルティンググループリンク3日間のワーク形式のインターン面接の回数は2回で、その両方で外資系企業特有の「フェルミ推定」に関する質問がなされます。フェルミ推定は物事の考え方や、その伝え方という面で、身につけると非常に就活に強くなれます。中でもボスコンの面接では、うまくこちらの言いたいことや正答を導きだしてくれるので、是非選考を受けることをお勧めします。◆DeNA4日間の事業立案型インターングループワークが→面接→プレゼンという選考過程。どの段階においても、「物事の根幹をとらえる姿勢」を追求されます。グループワークであれば、問題の根本原因は何なのか?であったり、面接であれば「君の根本の価値観は?」という深いところまで問われるので、より考える姿勢が身に付きます。倍率100倍との噂もありますが、選考を受けて損は無いです。参加時の特典が素晴らしいサマーインターン◆東京海上日動5日間の事業体験&ワーク形式のインターン主な特典①参加者限定のセミナー・懇親会が開かれる②参加者には社員とのパイプができる(OBを紹介してもらえる)③参加者が優秀。インターン後の集まりも多い。秋・冬にも同内容のインターンが開催されます。金融業界を目指す就活生はぜひとも参加してほしいインターンです。◆日本生命5日間の事業体験&ワーク形式のインターン主な特典①そもそも定員が多く、参加しやすい②参加者限定のセミナー・懇親会が開かれる③インターンに参加する事で、本選考時に優遇されるとくに③が重要です。面接のスキップや、社員の紹介などの優遇がされることがあります。◆博報堂リンク6日間の講義形式&ワーク形式のインターン主な特典①インターン生限定のセミナー・懇親会が開かれる②参加者が超優秀③インターン生のための早期選考があるインターン参加者は、冬に早期選考が受けられます。そこで落ちても、春からの本選考も受ける事ができるのでオススメです。逆に、「うーん。。。」なサマーインターン◆1DAYのサマーインターン1DAYのものは「会社のことを知ってもらう」ということに重きを置いている場合が多いため、参加時の特典があまり期待できません。選考も無い、あるいはほとんど無いようなものということが多いです。◆定員がとても多いサマーインターン某損害保険会社や、某信託銀行などのように定員の数が非常に多いインターンだと、「なんとなく就活した気分」になってしまい、春からの本選考で痛い目を見ることがあります。参加するなら、ある程度定員を絞った競争率の高いインターンを目指すとよいでしょう。★unistyleでは今回紹介された企業のエントリーシートも掲載中。ボストン・コンサルティング・グループDeNA東京海上日動日本生命博報堂★その他インターン選考レポートも無料公開中。東京海上、博報堂、NTTドコモなど。→インターン通過者による選考レポートphotobyRojsRozentāls 57,828 views

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