元社員が語る「楽天の営業」とは〜ブラックと言われる企業に勤めて〜(前編)

131,942 views

最終更新日:2024年01月22日

元社員が語る「楽天の営業」とは〜ブラックと言われる企業に勤めて〜(前編)

本記事では、楽天の元社員である私が楽天「ECコンサルタント」という職種、労働環境や仕事、給与や福利厚生について説明します。

本選考とインターンの締め切り情報

楽天のECコンサルタントとは

こんにちは。私は新卒で楽天株式会社に入社後、三年間ECコンサルタントとして働き、退社後今は別業界で人事として働いている者です。

今回は、IT企業の中でも有名な「楽天」という中でも何かと噂の多いECコンサルタントという職種を経験した身として、実情はどうなのかという点をお伝えできればと思います。
ちなみに私が在籍していたのは2010~2012年の間ですので、現在とは状況が異なる点もあることをご了承下さい。

ECC(ECコンサルタントの略称)という仕事は、簡単に言えば楽天に出店している店舗を一人当たり100店舗程担当し、電話や往訪などを行いながら売上増大の為のアドバイスを行うという仕事です。

名目上はコンサルタントなのですが、ECCには3つの指標(広告目標、流通目標、講座販売目標)が常に課されており、その中でも広告販売の目標のウェイトが高いため、顧客へのアドバイスが広告営業に偏りがちになってしまうという現状があります。
また、3つの指標を達成するために業務量はどうしても多くなり勤務時間が長くなる傾向があるため、ブラックであると言われがちです。
楽天という企業では目標は絶対達成しなくてはいけないので(他企業も基本は絶対達成だと思いますが、間違いなく他企業よりも達成に対するプレッシャーが大きいと思います)、仕事がきついと感じる人が多く、ECCに配属された人は一年経たず辞めてしまう人も多いのです。
では、楽天の営業として働くということはどのようなものなのか、実際噂通りブラックなのか、体験を踏まえて下記に述べたいと思います。

楽天の労働環境と仕事

「楽天 ECC」というワードで検索すると、様々な恐ろしい情報が出てきます。

「過酷な労働環境」「新卒がどんどん辞める」「肌荒れ、膀胱炎は当たり前←笑」など、楽天を告発するような文章や、就活生に向けて避けるように呼びかける言葉もあります。
実際私も入社後半年位から残業時間が月100時間近くなり、終電を逃すことも度々ありました。そして確かに肌荒れも膀胱炎も経験済です。入社前にOB訪問で話は聞いていたのである程度覚悟していたとは言え、実際一日3~4時間睡眠の日が続くと日に日に思考力が低下するのを感じていました。
また、私の部署では帰社時間を22時より遅く打刻することはできず、(できなくはないのですが、何工数もの承認作業が必要であり、申請の手間と時間を考えると実質不可能に近いものでした)上記のような、日々24時近くまでという拘束時間を会社に正しく把握してもらえていると思ったことはありませんでした。
このような実情だけを見ると、労働環境が過酷なブラック企業であると感じる人も多いでしょう。
しかし実際は、インターネット上にあるように、「ECCはひどい仕事だ!」「過酷で健康を損なう職場だ!」と感じている人ばかりではありませんでした。少なくとも当時の私は違い、「ブラック企業に勤めている」という意識はあまりありませんでした。
なぜなら、拘束時間の長さなどの労働環境を除いても、自分に任せてもらえている仕事の規模の大きさに面白みを感じ、自主的に仕事と長く向き合っている面も大きかったからです。ITの知識とサービスというのはどんな業界業種に限らず必要なことであり、現代社会で避けて通ることはできません。
楽天はそのサービスを他社へ提供し相互に企業成長していくことが使命なので、どんな業種の偉い人とも「IT」という分野に関しては対等に話をすることができたのです。経営を何も知らない一年目のペーペーでも、年商何億何十億という企業の社長と対等に話し提案することができるというのは本当に貴重な経験でした。
毎回提案の時には吐きそうなほど緊張していましたが、必死にそれを見せないよう、新人に見られないよう、それでいて相手を軽んじる態度にならないよう、頭をフル回転させて話をするのが面白かったのを憶えています。結果提案が通っても通らなくても、日々自分の経験値の上昇を感じ、非常に充実していた毎日でした。
このように業界に限らず様々な人と関わることができ、入社早くから責任のある仕事ができたという点では、今でも楽天という会社に非常に感謝しています。
確かに労働時間は多い傾向にありますが、責任の大きな仕事をしている分学べることはとても多いです。労働時間を見てブラックであると言ってしまえばそれまでなのですが、業務内容によってはそう感じていない人も多くいるということを知ってほしいと思います。

楽天の給与と福利厚生

次に、給与と福利厚生についてです。

私の新卒時の初任給は月給30万円で、他企業と比べるとかなり高かったと思います。そこだけで入社を決めたと言っていた同期もたくさんいました。
ただ、どうしても就職活動時は初任給に目がいきがちですが、仕事を続けていくにあたり重要なのは初任給ではありません。昇給の仕方や福利厚生、残業代や賞与など、基本給以外の要素で収入は大きく変わります。
楽天では当時基本給と通勤手当以外特に手当は無く、インセンティブ手当も他企業の営業と比べると少ないものでした。残業代も実際に働いた時間通りには入りませんし、退職金や住居手当、家族手当等福利厚生も一切無いため、基本給内でいかにやりくりして貯蓄していくかが重要でした。
しかし、目標を大幅に達成したりした場合は別途インセンティブが支給されますし、優秀な働きをしている人は年齢や年次に関係なく昇格、昇給することができます。そのような点で言えば、きちんと自分の仕事に対する対価が給与として支払われているため、いわゆるブラックであるとは言えないでしょう。
また、楽天に限らずIT企業はあまり年功序列が厳しくない企業が多いと思いますので、やりたいと思ったことに対して手を挙げやすくキャリアを自分の意志で積んでいきやすいという点はIT企業で働く大きなメリットであると言えます。
就活生の方々は、初任給などの募集要項に書かれている数字だけで判断するのではなく、福利厚生や昇給基準など、長く続けるために自分に必要な要素をよく考え、自身の志望を決めていただければと思います。
余談ですが、楽天では社内食堂が無料であることが福利厚生として大きくアピールされていましたが、営業で転勤になった場合は社食が無い場合が多く、普通に自分でランチ代を出さなくてはいけなかったため、転勤を命じられた時はその不公平さに泣きました。福利厚生なんてそんなものです。
※後編では、筆者の感じる「ブラック企業だと思われてしまう楽天の弱さ」をお伝えします。

おすすめコラム 4 件

総合商社の女性総合職採用比率と他業界の比較 総合商社の女性総合職採用比率と他業界の比較 先日も政府として国家公務員の女性割合を30%以上にする政府目標を発表するなど、女性の社会進出に関する議論が盛んです。日本における女性の社会進出度の低さは以前から指摘されており、世界経済フォーラムが毎年発表している「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート」におけるランキングは毎年非常に低い順位で推移しています。就職活動においても、女性の総合職採用は不利なのかという質問をよく受けますので、今回は女性の就職活動に関わるデータを色々と調べてみました。ちなみに総合職に占める男女の割合については、就職四季報2015年度版から引用させていただいています。就職四季報には、男女別だけではなく、文理別の採用数や採用実績こう、3年後離職率などの就活生が知りたいデータがいろいろ詰まっていますのでぜひとも手に取っていただければと思います。就職四季報2015年版全体のデータ厚生労働省が発表した「コース別雇用管理制度の実施・指導状況」によると、対象企業129社の総合職採用予定者に占める女性割合はわずか11.6%というデータが出ています。またこの発表では、男性応募者の5.8%が採用されているのに対して、女性応募者は1.6%しか採用されていないとして、男女の採用格差があることを示しています。参考:「コース別雇用管理制度の実施・指導状況」総合商社のデータ【2013年卒総合商社男女比内訳】2013年のデータ総合職合計男性女性女性比率三菱商事1751462916.57%三井物産1281052317.97%伊藤忠商事110991110.00%丸紅1481212718.24%住友商事136124128.82%総合商社全体69759510214.63%女性採用比率1位は丸紅の18.24%、最下位は住友商事の8.82%です。女性の採用に積極的な三菱、三井、丸紅と消極的な伊藤忠、住友という形が見て取れます。伊藤忠・住友と関西系の二社は社風としてもガツガツしていると言われており、男性色の強い企業なのがデータからは言えそうです。一方で、丸紅はさすが「ギャル紅」と呼ばれるだけあるといったところでしょうか。長期にわたる海外駐在、長時間労働など女性にとっては働きにくい環境とイメージしがちな総合商社ですが、総合商社全体の女性比率は上記で紹介した全体のデータよりも高いものとなっています。【参考】総合商社内定者の志望動機他業界との比較【2013卒その他業界女性比率】2013年のデータ総合職合計男性女性女性比率日本生命131120118.40%東京海上908733.33%三菱電機89074015016.85%ソニー1601332716.88%トヨタ592539538.95%NTTドコモ2571857228.02%KDDI2531916224.51%NHK2291705925.76%読売新聞社62412133.87%朝日新聞社66412537.88%その他の業界についても女性総合職の比率が発表されている会社のものを抜粋しました。傾向としては金融関連の企業は非常に女性総合職の採用比率が低く、東京海上ではわずか3.3%です。総合職で採用しない分、一般職や地域総合職で大量に女性を採用するのが金融機関の特徴と言えそうです。一方で、通信業界やマスコミ業界は軒並み、女性総合職の採用比率が高く、朝日新聞社は37.88%という結果になっています。通信業界・マスコミ業界ともに3年後の離職率は低く、女性が活躍するための風土がある程度整っている様子が読み取れます。女性の社会進出やキャリア進出という文脈の中では、海外の事例をモデルケースにする例が多いのですが、このような日本の伝統的企業にその答えがあるのかもしれません。もちろん女性の役員活用についてはまだまだ遅れており、KDDIで2014年4月に初めての女性執行役員が誕生したと報道されたのみです。ちなみにグローバル企業の代表格といえるgoogleの女性比率もまだ30%にすぎないようです。参考:GettingtoworkondiversityatGoogle学歴にみるデータ最後に学歴に関するデータを紹介したいと思います。①キャリア志向の人は上位校への進学を目指す、②企業が学歴をスクリーニング基準として採用しているとすると、上位校の男女比は女性総合職の採用数に直結しそうです。東京大学の女性比率は約18%、京都大学が22%、慶應義塾大学が34%、早稲田大学が36%となっています。女性は親元を離れず、キャリア志向でも地元国立大学へ進学するという意見もあったので調べましたが、山梨大学が30%、島根大学が37%と大きな違いは見られませんでした。慶應や早稲田といった上位校の女性学生の中にも、一般職志向の学生は多く、特に総合商社や金融の人気はまだまだ高いと言われています。商社一般職の倍率は総合職よりも高い500倍になることもあるようです。学歴が企業の採用スクリーニングに使用されているとすると、上位校の一部学生が一般職に流れたとしても、20%〜30%の女性が総合職として採用されるべきと言えるでしょう。【参考】企業が学歴差別をする理由最後に女性のキャリア問題についてはなかなか難しく、上記で紹介した通り、Googleのようなグローバル企業もまだ取り組みの最中であると言えます。日本の雇用環境について、新卒一括採用、終身雇用を前提とした採用慣習、ホワイトカラーエグゼンプションなど様々な議論がされています。しかし議論がどうしても新卒一括採用批判や残業代なし法案といった形で、個別のものに集中してしまいがちであるように感じています。女性のキャリアについても単純に女性の採用数を増やす、幹部を増やすために数字目標を掲げるといった対処ではなく、なぜ女性が働きづらいのか、その大元となっている制度や雇用体系は何なのかといった全体からの議論をするべきだと思っています。なお、雇用環境について日本型雇用と欧米型雇用のメリット・デメリットについてはこちらのブログで紹介されている本が面白いかもしれません。参考:いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる/海老原嗣夫氏いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる(PHP新書)photobySamChurchill 69,824 views
【大手自動車メーカー中間決算分析2019】100年に一度の変革期に各社はどう立ち向かっていくのか!? 【大手自動車メーカー中間決算分析2019】100年に一度の変革期に各社はどう立ち向かっていくのか!? 就活生の皆さんは、"各社の決算"に目を向けたことはあるでしょうか。unistyleでは以前、決算に関して以下のような記事を執筆致しました。上記の「7大総合商社の決算に関する記事」への反響が大きく、それならば異なる業界の決算も分析してみようと考え、本記事では"大手自動車メーカー7社の2020年3月期第2四半期決算"を分析していこうと思います。言わずと知れた日本を代表する企業である「トヨタ自動車」を始め、自動車業界は国内産業の中でも大きな影響力を持っており、就活生からの人気も高い業界になります。IR情報と聞くと、「なんだか難しそう」、「読んでも理解できない」と感じる就活生もいるかと思いますが、今回は会計知識の乏しい就活生でも理解できるように執筆してありますので、ぜひ最後までご覧ください。また、決算の分析に加え、本記事では「各社の特徴・業界内での立ち位置」なども解説しています。「各社はどの地域に力を入れているのか?、今後の経営計画に違いはあるのか?」などの観点を理解することが"志望度のアピール"にも繋がりますので、その観点も踏まえて読み進めていただければと思います。※本記事は決算に関する情報を取り扱っているため、専門的な用語を知らない方は以下で用語の意味を確認してから記事を読み進めてください。◆「売上高」とは→企業が商品を販売したりサービスを提供することにより、得られた売上の合計額を指します。つまり、「企業が主たる営業活動によって得た金額の総額」のことです。◆「営業利益」とは→企業が本業で稼いだ利益を指します。「売上総利益から販売費および一般管理費(販管費)を差し引いたもの」のことです。◆「売上高営業利益率」とは→営業利益の売上高に対する割合を指します。つまり、「営業利益÷売上高×100(%)」で計算することができ、本業でどのくらい効率的に儲けたかを知ることができます。◆「第2四半期決算」とは→1Q(4~6月)と2Q(7~9月)の決算を累計したものを指します。「中間(連結)決算・上半期決算」とも表記されますが、本記事では「第2四半期決算」で統一して表記しています。◆「通期決算」とは→1年間を通した企業の決算を指します。通期決算は途中で修正することもあり、「上方修正・下方修正」の2種類があります。※「売上高・営業利益・決算」のより詳細な解説を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。本記事の構成直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算の推移今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果近年の自動車業界全体のトピックや動向【トヨタ自動車】売上高・営業利益ともに増益を達成。王者として独走態勢を築く!【ホンダ(本田技研工業)】停滞気味の上半期。インド市場の景気減速が響いたか?【日産自動車】昨今の様々な問題による影響を挽回できず。自動車メーカー御三家としての再建はいかに?【スズキ】低調な結果となった上半期。強みであるインド市場の回復が今後の鍵となるか?【マツダ】ほぼ全ての地域で業績が減速。効果的な投資戦略で回復を目指す!【SUBARU(旧:富士重工業)】売上高・販売台数ともに絶好調。米国の好調を維持してさらなる成長を目指す!【三菱自動車】営業利益が大幅な減益に。アセアン地域を核にした持続的な成長が今後の鍵となるか?まとめ自動車業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算の推移今期(2020年3月期/2019年度)の決算を確認する前に、まずは大手自動車メーカー7社の直近5カ年(2015年3月期~2019年3月期)の通期決算を確認しておきます。【期間の見方】2015年3月期:2014年4月1日~2015年3月31日2016年3月期:2015年4月1日~2016年3月31日2017年3月期:2016年4月1日~2017年3月31日2018年3月期:2017年4月1日~2018年3月31日2019年3月期:2018年4月1日~2019年3月31日直近5カ年の通期決算:連結売上高グラフを見てみると、直近5カ年では大きな変化はないことが読み取れます。「スズキ・マツダ・SUBARU(旧:富士重工業)」の3社は、年度によって順位が入れ替わったりはしていますが、それ以外は特筆すべきところはありません。また、2019年3月期の通期決算にて、トヨタ自動車の年間売上高が30兆円を突破しましたが、これは日本企業として初めてのことです。最新の日本企業全体の売上高ランキングを見ても、「トヨタ自動車が1位、ホンダ(本田技研工業)が3位、日産自動車が7位」ですので、国内企業における自動車メーカーの影響力を改めて実感することができます。【日本経済新聞】売上高ランキング※なお、上述した売上高ランキングは現時点(2019年12月27日時点)での結果となっています。ランキングは随時更新されていきますので、参考程度にご覧ください直近5カ年の通期決算:連結営業利益大きな変化の見られなかった売上高と異なり、営業利益に関しては一点気になる点が見れらます。それは「2017年3月期決算にて三菱自動車が大幅な減益となっている」ことです。この点に関しては"燃費不正問題"が大きく影響しているようです。三菱自動車は、2015年11月に発覚した燃費不正問題関連の費用を、特別損失として約1600億円を計上しました。そのため、業績不振による損失というよりは一過性のものという見方をして問題ないでしょう。(翌年の決算で982億円の営業利益を挙げていることからも、業績が不調という訳ではないことが読み取ることができると思います)【財経新聞】三菱自動車が約2000億円の赤字決算を発表、燃費不正の影響直近5カ年の通期決算:売上高営業利益率売上高営業利益率に関しては、「他社に比べてSUBARUの営業利益率が高いこと」が特徴と言えるでしょう。その理由としては主に以下の4点の理由が挙げられます。SUBARUの営業利益率が高い要因◆軽自動車など、儲けの少ない車を製造・販売しない方向へシフトしたから◆販売地域が、比較的儲けやすい北米地域が中心となっているから◆販売促進費用を抑えるなど、他社に比べて販売コストを節約しているから◆車種の数を抑えて派生車種で品揃えを整えることで、効率性が優れるように構造化しているから上記のような要因があるため、SUBARUの利益率は他社に比べて高いという結果となっています。より詳細な内容に関しては、以下に掲載した参考リンクから確認していただければと思います。SUBARUは競合他社との差別化を明確にすることができており、大手自動車メーカーの中でも"少し異色の存在"とも言えるでしょう。【参考】ベストカーWeb:スバルに”台数”は必要なし!?スバルの利益率が国内ナンバーワンの理由ベストカーWeb:スバルの利益率はなぜ高いのか?【日本の自動車メーカーでは異例の10%超の常連】直近5カ年の通期決算の推移を確認したところで、本記事の主題である"今期(2020年3月期)の第2四半期決算"を見ていきます。今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果各社の決算短信をもとに、大手自動車メーカー7社の今期(2020年3月期)の第2四半期決算をまとめました。直近5カ年の推移と同様、「売上高・営業利益・売上高営業利益率」の3つの観点から前年同期比も併せて紹介しています。【期間の見方】2019年3月期第2四半期決算:2018年4月1日~2018年9月30日2020年3月期第2四半期決算:2019年4月1日~2019年9月30日第2四半期決算:連結売上高昨期(2019年3月期)と今期(2020年3月期)で順位に変動はありませんでしたが、業績の調子には各社濃淡が見られます。7社中トヨタ自動車とSUBARUの2社だけが前年同期比で増益、ホンダと日産自動車が10%近くの大幅な減益という結果になりました。業界全体の動向や各社のトピックに関しては後ほど解説するため、ここでは割愛させていただきますが、「企業間で業績に濃淡が見られる」ということを覚えておいていただければと思います。第2四半期決算:連結営業利益先ほど紹介した売上高と上記の営業利益の数値を見比べてみると、やはりトヨタ自動車とSUBARUの業績が好調であることが読み取れます。一方で、先ほど紹介した売上高に比べ、営業利益の方が企業間での数値の差が大きいことが分かるでしょう。一例として取り上げると、「日産自動車が前年同期比で85.0%の減益、三菱自動車が前年同期比で82.1%の減益、SUBARUが前年同期比で68.1%の増益」となっています。順位が大きく入れ替わっていることももちろんですが、売上高が一桁(パーセンテージ)の変化しかなかったのに比べ、営業利益は大幅に数値が変化しています。第2四半期決算:売上高営業利益率売上高営業利益率に関しては、上記のグラフの通りとなっています。先ほど紹介した売上高・営業利益と紐付いているため、詳細な解説などは割愛させていただきますが、「各社の業績の調子」を見る際の参考にしていただければと思います。この変化の要因を分析するため、続いては「近年の自動車業界全体のトピックや動向」を探っていきます。近年の自動車業界全体のトピックや動向各社の今期決算(2020年3月期第2四半期決算)を確認する前に、"近年の自動車業界全体のトピックや動向"に軽く触れておきます。近年の自動車業界に関し、触れておく必要がある内容としては以下の2点が挙げられます。(なお、本記事は決算の分析が主題となりますので、業界全体のトピックや動向に関しては詳細には解説しません。ご了承ください。)100年に一度の変革期CASE100年に一度の変革期「自動車業界は100年に一度の変革期にある」という文言は、トヨタ自動車の豊田章男社長が提言したものになりますが、近年の各社の取り組みや施策と照らし合わせてみてもその片鱗は見て取れます。"CASEやモビリティ化"など、トヨタ自動車に限らず各社が「自動車を開発・製造・販売するだけのメーカーからの脱皮」を推し進めているようです。【参考】プレジデントオンライン:小さな自動車会社が生き残るのはもう無理か?自動車業界"100年に一度の変革期"CASECASEとは、「Connected:コネクティッド化」「Autonomous:自動運転化」「Shared/Service:シェア/サービス化」「Electric:電動化」の4つの頭文字をとったものです。このCASEという言葉は、2016年のパリモーターショーにて、独ダイムラーのディエター・チェッチェCEOが発表した中長期戦略の中で用いたのが始まりです。CASEに関しては、unistyleの以下の記事で詳細に解説していますので、こちらをご確認いただければと思います。【関連】【参考】日経ビジネス:クルマを一変させる「CASE」って何だ?それでは、「近年の自動車業界全体のトピックや動向」を軽く紹介したところで、"各社の今期(2020年3月期)の第2四半期決算の結果"を見ていきましょう。単純に自身の志望企業の解説だけを見るのではなく、他社との違いを見比べながら読み進めていただければと思います。なお、各社の紹介する順番に関しては「2019年3月期通期決算の連結売上高が高い順」となっています。【トヨタ自動車】売上高・営業利益ともに増益を達成。王者として独走態勢を築く!トヨタ自動車の今期の第2四半期決算は"好調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で増益となり、業界1位の座を不動のものにしていることは間違いないでしょう。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「442万台→464万台」と前年同期比+5.0%となっています。地域別の販売台数を確認してみても、グラフに記載されている5つの地域全てが前年同期比で増加しており、それゆえに販売台数割合に関しても大きな変化は見られません。2019年度上半期(2019年4月1日~9月30日)のトピックとしては、「(1)8月にスズキと資本提携に関する合意書を締結(2)9月に米国テキサス工場への4億ドルの投資を発表(3)9月にSUBARUと新たな業務資本提携に合意」などがありました。トヨタ自動車は業界のリーディングカンパニーとして、競争力強化に向けた取り組みを進めています。今期の通期決算の見通しに関しては、「売上高:29兆5,000億円」、「営業利益:2兆4,000億円」と修正はありませんでした。ただ、売上高・営業利益ともに前年同期比で微減という見通しになっています。【参考】トヨタ自動車:2020年3月期第2四半期決算報告プレゼンテーション資料今後の経営計画・取り組みに関してトヨタ自動車は、「自動車をつくる会社」から、「モビリティカンパニー」へのモデルチェンジを進めています。そして、その先にある「モビリティ社会の実現」に向け、自動車業界を引っ張っていくことを目指しています。それに付随し、2018年8月に「Uberとの協業拡大」を発表、さらに同年「ソフトバンクと新たなモビリティサービスの構築に向けた新会社MONETTechnologies(モネテクノロジーズ)を設立し、2018年度内をめどに共同事業を開始する」と発表しました。また、直近の取り組みとしては、電動車普及に向けたチャレンジを進めていくようです。アニュアルレポート2018によると、「2020年からEV(ElectricVehicle:電気自動車)を本格的に展開→2030年に販売台数の内のEV比率を50%以上→2050年に新車CO2ゼロチャレンジを実現」というマイルストーンを設定しています。トヨタ自動車は国内に限らず、世界中でも絶大な影響力を持っているがゆえに、今後もその施策や発表の一挙手一投足に注目が集まります。【参考】トヨタ自動車:アニュアルレポート2018トヨタ自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【ホンダ(本田技研工業)】停滞気味の上半期。インド市場の景気減速が響いたか?ホンダの今期の第2四半期決算は"やや不調"と言えます。業界2位の座はキープしていますが、売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、増益を果たした1位トヨタ自動車に差を広げられる形となりました。地域別販売台数割合:二輪事業地域別販売台数割合:四輪事業地域別販売台数割合:ライフクリエーション事業上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。ホンダは、「(1)二輪事業(2)四輪事業(3)ライフクリエーション事業」の3事業でそれぞれ販売台数が記載されていたため、グラフも分類させていただきました。ライフクリエーション事業とは→農機用汎用エンジンを皮切りに、耕うん機、発電機、除雪機、船外機、芝刈機など、世界中の人々の手助けやライフラインとなる製品を生み出し続けてきた事業【参考】Honda新卒採用サイト:事業領域販売台数の前年同期比は、二輪事業が「1,067万台→1,002万台」で-6.1%、四輪事業が「255万台→256万台」で+0.4%、ライフクリエーション事業が「260万台→244万台」で-6.5%となっており、四輪事業の健闘が見られる結果となっています。また、二輪事業の販売台数が前年同期比で約65万台も減少しているのですが、アジア地域だけで約71万台も減少しています。全体の89%を占めるアジア地域の不振が二輪事業の販売台数全体にも大きな影響を及ぼしたと読み取ることができるでしょう。そして、その最大の要因は「インド市場の減速影響を受けたこと(融資引き締め継続・景気悪化による個人消費の減速)」にあるようです。ただ、この影響は自動車業界全体にも及ぼすものであるため、ホンダに限った事象ではないことを理解していただければと思います。今期の通期決算の見通しに関しては、主要3事業全ての販売台数が下方修正されています。販売台数の影響もあり、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:15兆500億円(昨期は15兆8,886億円)」、「営業利益6,900億円(昨期は7,263億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。【参考】ホンダ:2019年度第2四半期決算説明会資料今後の経営計画・取り組みに関して2017年3月期のアニュアルレポート(現時点での最新版)にて、ホンダは"2030年ビジョン"を掲げています。2030年ビジョン【ビジョンステートメント】すべての人に"生活の可能性が拡がる喜び"を提供する【企業姿勢】質の追求による成長【ビジョン実現に向けた取り組みの方向性】喜びの創造:「移動」と「暮らし」の価値創造喜びの拡大:多様な社会・個人への対応喜びを次世代へ:クリーンで安全・安心な社会へ【成長の為の事業基盤強化】経営資源の有効活用「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と言われている現代、国内・世界の自動車産業界で大きな影響力を及ぼしているホンダも、新たな取り組みを続々と進めていくようです。「(1)二輪車・四輪車・パワープロダクツという多岐に渡るモノづくりの力(2)世界中の顧客・市場基盤」とい既存の強みに、「コトづくりを含むソリューション創出力」を加え、新たなシナジーを生み出していくのではないでしょうか。【参考】ホンダ:アニュアルレポート2017ホンダ(本田技研工業)の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【日産自動車】昨今の様々な問題による影響を挽回できず。自動車メーカー御三家としての再建はいかに?日産自動車の今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「2,103億円→316億円」と前年同期比-85.0%という結果になっています。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「268万台→250万台」と前年同期比-6.8%となっています。地域別の販売台数を見てみても、上記グラフで取り上げている5つの地域全てがマイナスとなっており、特に欧州が「33万台→27万台(前年同期比-19.7%)」とかなり数字が落ち込みました。この欧州での不振を受け、「英国とスペインにある2工場の売却を検討している」というニュースも報道されてしまうという事態にもなっています。【参考】産経ニュース:日産、欧州2工場売却と報道販売不振で今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「554万台→524万台」と下方修正されています。それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:10兆6,000億円(昨期は11兆5,742億円)」、「営業利益1,500億円(昨期は3,182億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。【参考】日産自動車:2019年度上期決算プレゼンテーション資料2017年の不正検査問題や2018年のカルロス・ゴーン元会長の逮捕など、近年様々な問題に揺れた日産自動車ではありますが、自動車業界に限らず日本を代表する企業であることは間違いありません。自動車メーカーの御三家(トヨタ自動車・ホンダ・日産自動車)として、今後はどのような取り組み・改革を進めていくのか、以下で紹介します。今後の経営計画・取り組みに関して日産自動車は、2017年度に6か年計画(中期計画)「NissanM.O.V.E.to2022」を発表しています。その計画によると、「技術の日産」と呼ばれるその技術力を活かし、"自動車産業の技術・ビジネスの進化をリードしていくこと"を目指していくようです。具体例としては、「電気自動車、自動運転、コネクテッド・カー、新たなモビリティ・サービス」などが挙げられ、"今後の自動車産業の核となるであろう分野での競争優位性の獲得"に取り組んでいくと見られています。ただ、近年の業績不振を受け、この計画に関する目標の一部が2019年5月に見直されています。カルロス・ゴーン退任後の「仏ルノーとの協力関係」、「ルノー・日産自動車・三菱自動車の3社連合」なども先行きが不透明な部分もあるため、この計画通りに進むどうかは今後の動向を注視するべきでしょう。【参考】日産自動車:中期計画朝日新聞デジタル:日産、中期計画を下方修正へゴーン氏去って戦略見直し日本経済新聞:ゴーン後の日産・ルノー、静かに進む提携解消【関連】日産自動車:アニュアルレポート2019日産自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【スズキ】低調な結果となった上半期。強みであるインド市場の回復が今後の鍵となるか?スズキの今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「1,985億円→1,186億円」と前年同期比-40.3%という結果になっています。地域別販売台数割合:四輪車地域別販売台数割合:ニ輪車上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。スズキは、「(1)四輪車(2)二輪車」でそれぞれ販売台数が記載されていたため、グラフも分類させていただきました。販売台数の前年同期比は、四輪車が「170万台→141万台」で-17.2%、二輪車が「86万台→88万台」で+2.1%となっており、四輪車の不振が「売上高・営業利益の減益」に影響したのではないかと読み取ることができます。四輪車に関しては、「日本・インド」の販売台数が大幅に前年割れしてしまったことが影響しているようです。スズキの四輪車は、インドと日本で全体の販売台数割合の70%を占めており(上記グラフを参照)、この主要地域の不振はかなり痛手だったと考えられます。二輪車に関しては、四輪車とは異なる状況となっています。上記グラフの通り、スズキの二輪車販売台数割合の80%以上をアジア地域が占めているのですが、そのアジア地域の50%近くがインド市場になります。(つまり、全体の約40%がインド市場となります)そのインドでの販売台数が前年同期比+15%となっているため、全体でも増益という結果を得られたと読み取ることができます。スズキは四輪車・二輪車ともにインドの占める割合が高く、そのインド市場の調子が今期の好不調にダイレクトに影響しました。現時点では、良くも悪くも"全体の業績はインド市場の動向に掛かっている"と言うことができるでしょう。今期の通期決算の見通しに関しては、四輪車・二輪車ともに販売台数が下方修正されています。販売台数の影響もあり、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:3兆5,000億円(昨期は3兆8,715億円)」、「営業利益2,000億円(昨期は3,244億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。【参考】スズキ:2020年3月期第2四半期決算説明会資料今後の経営計画・取り組みに関して上記でも少し触れましたが、スズキの強みは"インドで圧倒的なシェア率を誇っていること"です。そのシェア率はなんと50%と言われています。インドの市場規模は今後も拡大することが予想されており、現状のシェア率を保持し続ければ、スズキは今後の大きな成長を見込むことができるでしょう。そのため、まずはインド市場を充実させることに注力し、その上で世界中の地域へ展開・拡大させていくのではないかと予想されています。【参考】スズキ:アニュアルレポート2019また、スズキは2015年6月に「新中期経営計画(2015~2019年度)SUZUKINEXT100」を発表しています。(2015年に発表した計画ですが、現時点での最新のものになります)資料には様々な情報が記載されているのですが、その中でも以下の2つを気になる点としてピックアップしました。二輪事業の赤字体質からの脱却日本、インドに次ぐ柱の育成今期は2019年度であり、上記の中期経営計画の最終年度に該当します。この中期経営計画と実際の動向を比較してしまうと長くなってしまうため、本記事では割愛させていただきますが、興味のある就活生の方は下記のリンクから確認していていただければと思います。また、来期には新たな中期経営計画が発表されるかと思いますので、発表され次第そちらも確認していただくのが望ましいかと思います。【参考】スズキ:新中期経営計画(2015~2019年度)SUZUKINEXT100スズキの「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【マツダ】ほぼ全ての地域で業績が減速。効果的な投資戦略で回復を目指す!マツダの今期の第2四半期決算は"やや不調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「298億円→258億円」と前年同期比-13.4%という結果になっています。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「80万台→73万台」と前年同期比-8.0%となっています。そして、その中でも特に下がり幅の大きかった地域が中国になります。「13万台→11万台(前年同期比-18.0%)」となり、販売台数・パーセンテージともに最も下がり幅が大きい地域となっています。とはいえ、欧州以外の地域は全て前年同期比でマイナスとなっているため、全体を通じて苦しい上半期だったと言えるでしょう。今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「162万台→155万台」と下方修正されています。それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:3兆5,000億円(昨期は3兆5,642億円)」、「営業利益600億円(昨期は823億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。【参考】マツダ:2020年3月期第2四半期決算プレゼンテーション資料今後の経営計画・取り組みに関してマツダは2019年11月1日に中期経営計画を発表しています。その資料の中身を要約すると、以下のようになります。中期経営計画【中期経営方針】◆独自の商品・顧客体験への投資→ブランド価値向上への投資◆ブランド価値を低下させる支出の抑制(1)変動・固定販促費面の抑制(2)品質面の抑制◆遅れている領域への投資(1)インフラへの投資(2)仲間づくりへの投資(3)環境・安全への投資上記は、今後5カ年(2020年3月期~2025年3月期)の経営計画の要点をまとめたものになります。まずは重点的に経営資源の配分を行い、その上で上記の「取り組むべき3つの領域」に注力していくようです。また、中期経営計画内の「市場別販売比率」を確認してみたところ、現時点でも最も大きい割合を占めている"北米地域"の比率をさらに高めていくようです。「米国新工場の立ち上げによる現地生産開始と、販売ネットワーク強化の確実な遂行の両輪でさらなる成長を目指す」との記載があったため、北米地域を基盤として事業を進めていくのではないでしょうか。【参考】マツダ:中期経営計画【関連】マツダ:アニュアルレポート2019マツダの「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【SUBARU(旧:富士重工業)】売上高・販売台数ともに絶好調。米国の好調を維持してさらなる成長を目指す!SUBARUの今期の第2四半期決算は"絶好調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で増益となっており、その上がり幅も全7社で最も大きくなっています。特に営業利益に関しては「564億円→948億円」と前年同期比+68.1%という結果になっています。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「48万台→50万台」と前年同期比+4.1%となっています。上記のグラフを見て分かる通り、米国が総販売台数の約2/3を占めているのですが、今期はこの米国の販売台数が好調でした。「30.2万台→33.6万台(前年同期比+11.3%)」と大きな成長を見せており、この米国地域の好調が全体の販売台数に大きな影響を及ぼしたと読み取ることができます。この好調の要因としては、以下のような事柄が挙げられます。米国市場が好調である要因◆「フォレスター、クロストレック(日本名:スバルXV)」といった車種が高い人気を誇っていること◆「安全性と信頼性」を高く評価されていること◆2007年より開始した北米スバル独自の『LOVEキャンベーン』という広告展開が影響していること【参考】モーターファン:スバル、北米で好調を維持。クロストレック(SUBARUXV)は新記録達成東洋経済オンライン:スバル車がアメリカで売れ続ける「2つの要因」今回取り上げた7社の中で最も業績が好調だったSUBARUですが、今期の通期決算の総販売台数の見通しは当初から据え置きとなっています。また、売上高も据え置き、営業利益に至っては「2,600億円→2,200億円」と下方修正がされています。ただ、昨年同月比で見ると、売上高が「3兆1,562億円→3兆3,100億円」、営業利益が「1,817億円→2,200億円」と増益を見込んでいます。「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と言われている中、比較的苦しんでいる企業が多いのですが、SUBARUはその逆風に立ち向かうことができていると言えるでしょう。【参考】SUBARU:2020年3月期第2四半期決算説明会資料今後の経営計画・取り組みに関してSUBARUは2018年7月に"新中期経営ビジョン「STEP」"を発表しています。この資料を確認したところ、大きな強みを持っている米国地域のさらなるシェア拡大を目指していくことを読み取ることができます。「まずは米国での成長を維持しつつ、その上で各市場(地域)の持続的な成長」に取り組んでいくようです。また、2019年9月には「トヨタ自動車とのアライアンスとして、新たな資本提携に合意した」と発表されました。この資本提携を受け、今後は「EV(ElectricVehicle:電気自動車)や自動運転といった新たな技術への積極的な取り組み」、「モビリティ社会全体の変革への対応」などを進めていくと考えられます。【参考】SUBARU:新中期経営ビジョン「STEP(2018-2025)」【関連】SUBARU:アニュアルレポート2019SUBARU(旧:富士重工業)の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちら【三菱自動車】営業利益が大幅な減益に。アセアン地域を核にした持続的な成長が今後の鍵となるか?三菱自動車の今期の第2四半期決算は"不調"と言えます。売上高・営業利益ともに前年同期比で減益となり、特に営業利益に関しては「569億円→102億円」と前年同期比-82.1%という結果になっています。この-82.1%という数値を見るからに、相当苦しんだ2019年度上半期だったと言えるでしょう。地域別販売台数割合上記は、業績に大きな影響を与える「販売台数の地域別割合」を示したグラフになります。総販売台数に関しては「59.4万台→59.2万台」と、前年同期比で微減という結果になっています。地域別の販売台数を確認してみても、グラフに記載されている全ての地域が「前年同期比-10.0%~+10.0%」の範囲内に収まっているため、それゆえに販売台数割合に関しても大きな変化は見られません。地域別販売台数割合に関する三菱自動車の特徴としては、「アセアン・欧州地域」に強みを持っていることが挙げられます。この特徴に関しては後述で再度説明しますが、「他社と異なる部分」として理解していただければと思います。今期の通期決算の見通しに関しては、総販売台数が「130.5万台→127.4万台」と下方修正されています。それに付随し、売上高と営業利益に関しても下方修正がなされており、「売上高:2兆4,500億円(昨期は2兆5,146億円)」、「営業利益300億円(昨期は1,118億円)」となっており、双方とも昨期を下回る見通しとなっています。ちなみに記事の冒頭で、今期の三菱自動車の売上高と営業利益が大幅な減益となったことを紹介しましたが、「販売台数は微減なのに、なぜ営業利益が82.1%もマイナスになっているの?」と疑問を持った方もいたのではないでしょうか。この要因としては、"(1)為替変動(2)例年に比べて研究開発費や間接員労務費が嵩んだ(かさんだ)こと"などが影響していると言われていますので、そのように認識していただければと思います。【参考】三菱自動車:2019年度第2四半期プレゼンテーション資料MONEYTIMES:三菱自動車が利益95%減!海外での販売台数も最大8%減!今後の経営計画・取り組みに関して三菱自動車は「アセアン地域」に大きな強みを持っていることが特徴です。全販売台数の1/4程度をアセアン市場が占めていることももちろんですが(上記グラフを参照)、生産能力に関しても約40%がアセアンに集中しているようです。アセアン地域の中でも、タイ事業を「三菱自動車を支える屋台骨として強化する」、ベトナム事業を「アセアン第四の拠点とする」との記載があるため、この2つの地域が特に重要な拠点になるのではないでしょうか。また、アニュアルレポート2019を確認したところ、三菱自動車のコンセプトである「SmallButBeautiful」のもと、"(1)強みを持つ地域に注力(2)強みに特化した商品の投入(3)身の丈にあった持続的成長に向けた基盤作り"を進めていくようです。三菱自動車は競合他社に比べて比較的規模が小さいため、何か革新的な施策に取り組むというよりも、「独自の強みを活かして現在の市場を拡大・成長させていく」という方針だと読み取ることができます。【参考】三菱自動車:アニュアルレポート2019中期経営計画に関しては、2017年10月に「DRIVEFORGROWTH」が発表されていますが、これは2017年度(2018年3月期)~2019年度(2020年3月期)の計画になります。来期には新たな中期経営計画が発表されるかと思いますので、発表され次第、新たな計画を確認していただくのが望ましいかと思います。【関連】三菱自動車:中期経営計画「DRIVEFORGROWTH」三菱自動車の「関連記事・選考通過者ES・選考レポート」を確認したい方はこちらまとめ本記事では、「各社の決算資料・IR情報・経営計画」をもとに"大手自動車メーカー7社の2020年3月期第2四半期決算"をまとめてみました。「自動車業界は100年に一度の変革期にある」と叫ばれている中、単純に「自動車の開発・製造・販売」をするだけでなく、各社とも様々な取り組みを行っています。そのため、業績(売上高・営業利益・販売台数)だけでなく、「各社は業界内でどのような強みを持っているのか?今後はどのような事業分野・地域に注力してくのか?」といった観点を理解しておくことも重要となります。また、本記事で解説した内容はあくまでも「今期の第2四半期決算という短期的な業績」に過ぎません。上述した直近5カ年の決算の推移を見ても分かる通り、各社の業績は年々変動がありますので、あくまでも参考程度に本記事の内容を理解していただければと思います。また、動画を通じて自動車業界を知りたいという方は下記の動画も参考にしてください。決算・IR情報に関する記事はこちら自動車メーカーの業界研究に関する記事はこちら大手自動車メーカー7社の企業研究ページはこちら◆トヨタ自動車の企業研究はこちら◆ホンダ(本田技研工業)の企業研究はこちら◆日産自動車の企業研究はこちら◆スズキの企業研究はこちら◆マツダの企業研究はこちら◆SUBARU(旧:富士重工業)の企業研究はこちら◆三菱自動車の企業研究はこちら自動車業界の情報収集に役立つ!就活生向けLINEオープンチャットを紹介unistyleでは業界別のLINEオープンチャットを運営しており、数多くの就活生が匿名で就活に関する情報交換をしています。実際に自動車業界志望者向けグループでも選考や企業に関するトークが活発に交わされています。下記の画像をクリックすることで参加用ページに飛び、ニックネームとプロフィール画像を登録するだけで参加することができますので、興味のある方はぜひご参加ください。 26,741 views
【20卒早稲田教育学部】あとむくんの就活体験記vol.3|2018.9 interview 【20卒早稲田教育学部】あとむくんの就活体験記vol.3|2018.9 interview 今回は早稲田大学教育学部のあとむくんに2018年9月にインタビューした内容を掲載します。↓↓↓あとむくんのこれまでのインタビュー記事はこちら↓↓↓7月分インタビュー8月分インタビュー早稲田大学あとむくんの履歴書あとむくんの履歴書◆性別└男性◆大学└早稲田大学教育学部に一年浪人ののち一般受験で合格。早稲田の政治経済学部が第一志望であったものの不合格。◆趣味└映画鑑賞(主にアメコミ)◆サークル└広告研究会。プロモーションの統括を担当するなど積極的にコミット。あとむくん所属の広告研究会運営メディア→早稲田を広告する、webメディア「WASEAD」◆アルバイト└塾講師(大学1年から)として働いている。また、報道系ベンチャー企業で長期インターン中(大学3年から先輩の紹介で)。◆留学└旅行以外での海外経験なし。ただし、社会人の半分以上の期間は海外で働いてみたいと考えている。◆資格└柔道二段・TOEIC720点◆就活をはじめた時期└2018年6月頃◆志望業界└現段階で、広告、戦略コンサル、PRの3つに絞っている。◆希望職種└企画・プランナー。ゴリゴリの営業をしたい訳ではない。本インタビューはunistyle編集部のむたか(@mutaka_unistyle)とくらもん(@esquestion)にて行っております。8月の活動を振り返って自分の活動量・内容について「8月の就職活動について教えてください。」「8月は学校の補講や長期インターンなどもあり、実質的には1社博報堂の選考に参加した程度に留まりました。」「前回から他の企業にもESは提出した?選考状況と併せて教えて下さい。」「活動できてないんですよね。ESの提出は8月全体で1社も出せなかったです。」「となるとインターンには参加できていないのかな?」「バリュークリエーションの1dayのインターンには参加しました。グループで新規事業立案を行うものでしたが、直接社長からフィードバックを貰えるものでしたし、同じグループのメンバーともうまく進めることができたので満足しています。社長からもお褒めの言葉をいただけたので、手応えを掴むという意味ではとてもよかったですね。」自分の行動量・内容まとめ・学業に専念したため、あまりインターンシップには意識が向かず行動はできていなかった。・新規事業立案系のインターンには参加し、手応えを感じることはできた。インターン選考について「博報堂の面接の結果はどうだったの?」「残念ながら落ちてしまいました。自己紹介をスライド1枚で4分+”日本をどうしたいか”を口頭で3分で回答するものでしたが、自分の中ではうまく話すことはできたのですが、印象付けという意味では他学生と比べるとできていなかったという反省があります。起承転結を意識して話せるだけでは突破できないということが学びになりました。」「なるほどね。ハイレベル学生との比較においては、巧さも必要になってくると肌で感じたんだね。アマゾンのウェブテストも控えてたと思うけど、どうだった?」「そちらもダメでしたね。自分が対策してきた問題よりも一つ上のレベルの問題がでてきたという印象で、時間が足りず正答率も低いと感じていたところ、やはり落ちてました。」「そうなんだね。これまでもウェブテストで結構落ちてしまっているようだけど・・・」「そうなんです。本当にウェブテストが課題で、苦手意識を持ってしまっていますね。追加でアビームコンサルティングのESを提出しようと思いますので、そこでリベンジできれば、と。」インターン選考まとめ・博報堂の面接、アマゾンのウェブテストともに落ち。・ウェブテストがなかなか通らず面接の場に漕ぎつけないため、まずはウェブテストからという所感有り。周りの活動量・内容について「引き続き周りの広告研究会の人たちは積極的に就活に取り組んでる?」「夏休みなのであまりわからないですが、バリュークリエーションで出会った他大学の方から広告研究会の子と出会ったという話も聞いたので、活動しているんだと思います。」「インターンで出会った学生達の行動量はどうだった?」「やはりみんな動いてますね。超大手のみならず、いろいろと参加しているようでした。」周りの行動量・内容まとめ・身近な広告研究会のメンバーはどうやら動いているようだが、夏休みで会う機会は少ないため直接的な情報交換は8月はあまりなかった。・インターンなどで出会う人はやはり活動している人が多く、大手に限らず参加していると聞く。8月と9月を比較した変化企業選びの軸「企業選びの軸には何か変化あった?前回の段階でかなり具体的に落とし込まれていたとは思うけど、選考に参加する中でより明確になったとかあれば教えて下さい。」「軸に関しては自分の中で変化を感じるということはありませんね。インターンに参加する中でも変わることはないので、確かなものだと自分では感じています。」志望業界・職種「前回は、広告、戦略コンサル、PRの3業界に絞っているということだったけど、ここについても変わらない?」「業界については変わりませんが、PR・戦略コンサル・広告の順番になりました。戦略コンサルの志望が下がったというわけではなく、PR業界への意欲が高まったという感じです。」ガクチカ・自己PR「ガクチカ、自己PRのネタについては困らないと思うんだけど、今何かやらないといけないなと考えていることはある?」「内容そのものに関しては引き続き困ってはいないのですが、面接官への伝え方についてやはり不安に感じています。自分ではうまく話せたと思っていてもインパクトにかけてしまったり、印象付けするところにまだまだ課題を感じていますね。」9月にやろうと思っていること「8月は学業や長期インターンなどもあって就活としてはインターン選考に2社参加したのみだと思うけど、9月には何をやろうと思ってる?」「ES提出はアビームのみになる予定ですので、活動量としては9月もあまり変わらないと思っています。9月は報道系ベンチャーでの長期インターンに積極参加するつもりということもありまして。なので今一番課題になっている筆記試験の勉強に取り組む予定です。ここを突破できないと面接にもいけないので、本腰を入れて対策を取ろうと思っています。」「そうだね。テスト関係は対策あるのみだからやるしかないね。他の活動はどう?」「広告研究会の活動にも引き続き力を入れていきます。11月には学祭もありますし、自分達で就活イベントも行おうと思っていますので、ここに注力していきたいと思っています。」9月にやろうと思っていることまとめ・ウェブテストへの対策を中心に行なう。・報道系ベンチャーの長期インターンにいきながら、広告研究会の活動にも積極的に取り組んでいく。今就活で悩んでいること「今就活で困っていることとか悩んでいることはある?」「話が重複してしまうのですが、とにかくウェブテストの勉強をやらないといけないなと思ってます。完全に苦手意識が生まれ自信もなくなりつつあるので、とにもかくにも勉強することで対策をしていきますが、就活のためのウェブテスト対策というのが個人的にあまり納得いっていないところもあって。。。やるしかないんですけどね。」今就活で悩んでいることまとめ・とにもかくにもウェブテスト対策を徹底的に行っていく。unistyle編集部よりあとむくんへのフィードバックウェブテストの出来に悩んでいるとのことでしたが、この時期からやらなければいけないという意識を持てている点においては良いと思います。ウェブテストやテストセンターなどの対策は短期間ではなかなかできるものではないので、なるべく早い時期からコツコツと取り組んでいって欲しいと思います。学祭に向けてこれから忙しい時期になるかと思いますが、一日数ページでも問題集を解くなど継続的な勉強をしておけば十分力は付くと思います。またあとむくんは既にある程度志望業界が定まっているので、その業界を中心に選考の対策を進めていって欲しいと思います。あとむくんの志望する業界では特殊な対策が必要となることがあります。広告代理店大手の博報堂やアサツーディ・ケイなどではESで捻った質問がされたり、外資系コンサルではケース面接(論理的思考力を試す選考)を課す企業が多いです。また外資系企業は本選考の時期も早く、年内から選考が始まる企業もあったりと、選考時期的にも業界ごとに注意が必要です。業界ごとに何の対策をするべきか、いつから始めていくべきかといったところを明確にし、それを踏まえてこれからの動きの予定を立てて欲しいと思います。ウェブテストの対策と並行してできると良いでしょう。ESの対策をするには過去のES設問をいくつか解いてみる、それをOBの方などに見てもらうなどといった対策ができます。ケース面接に関しては実際にどのような問題が出題されるのかを知り、どのように答えていけばよいのかをまず知る必要があります。ケース問題に関してはunistyleの記事を読んだり本を買ってみると良い対策になるかと思います。特に下の本がおすすめです。東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」あとむくんへのオススメ記事→クリエイティブ系の質問が多くされる博報堂のES対策記事です。博報堂のESの回答方針を説明した上で、実際の内定者の回答を解説していきます。→ケース問題の対策のために読むべき本を紹介しています。→前回の記事でウェブテストの対策記事を紹介したので、今回はテストセンターの対策記事を紹介したいと思います。BCGなどの戦略系コンサルティングファームではテストセンターでかなり高いボーダーが設定されているため対策が必要です。▼20卒早稲田生限定の就活イベントを企画しました。詳しくはこちら。 8,655 views
総合商社内定者が語るNewsPicks活用法 総合商社内定者が語るNewsPicks活用法 こんにちは。16卒の総合商社内定者です。今回は、私が就職活動においてどのようにNewsPicksを活用していたかを綴りたいと思います。ちなみに、以前unistyleでは以下のコラムで、面接でニュースに対しての意見を求められた時に役に立つものとしてNewsPicksのアプリを紹介していますのでそちらも合わせてご覧ください。◆「ギリシャ問題」「アベノミクス」について回答を求められたら?就活生必携アプリ「NewsPicks」とは今後就職活動を迎える皆さんも、早めにNewsPicksを利用して世の中の情報に触れていって欲しいと思います。▼アプリ「NewsPicks」の無料ダウンロードはこちらから・iPhoneの方はこちら:・Androidの方はこちら:(※本コラムはNewsPicksのPR記事です)​本記事のコンテンツ・日経新聞の活用法・NewsPicks活用法・面接での経験談・誰をフォローするのがオススメ?・最後に日経新聞の活用法まず私は、ニュースをインプットする上で日経新聞の一面、二面、経済面を読むだけでは周りの就活生と差をつけられないと考えていました。そこで、日経新聞の内容を効率良くインプットする為に日経電子版のキーワードハイライトという機能を使っていました。これは登録したキーワードを含む記事がハイライトされ視覚的にわかるというものです。キーワードには5つ登録できるので、五大商社の会社名を登録し、日々のニュースを全て追っていました。商社の面接では逆質問をする機会があるので、面接の直前に保存してある直近のニュースを読み、質問を考えていました。NewsPicks活用法それでは本題のNewsPicks活用法にまいります。NewsPicksのアプリをダウンロードすると基本的には無料で閲覧できます。さらに月額1,500円で有料会員になることができ、オリジナルのコンテンツなどが閲覧できるようになります。また、すべての記事やコメントの検索も自由に行えます。私は有料会員には登録せずに、朝の7時から8時まで時間限定で無料会員にも解禁される直近24時間のできたてホヤホヤの有料記事を読んでいました。また、気になった記事はEvernoteに保存しておき、面接前に振り返られるようにしておきました。iPhoneであれば、NewsPicksの右上にSafariで表示するボタンがあるので、そこからSafariへ飛び、SafariからEvernoteへ記事を転送し、保存できます。他にも、アプリの中で記事をPickすることでも、お気に入りの記事と付随するコメントをストック可能となっています。NewsPicksの良さは幅広い引用元とそれに対する有識者のコメントの質です。一見難しくて理解に苦しむ記事に対しても有識者がコメントしていますし、就活生の身分でコメントすることもできます。実際の面接でNewsPicksでコメントしていることを言った学生が興味を持った面接官に対して過去に投稿したコメントを見せたような話もあったようです。日経新聞やNewsPicks以外にもYahooニュース、Gunosy、スマートニュースがありますが、NewsPicksでは有識者の意見がある分、自分としての意見を持つことに特化している媒体であるといえるでしょう。実際に有識者が関連記事のリンクを貼っている場合もあり、その記事のクオリティも高く感じます。もし筆者のように総合商社を志望しているならば総合商社出身の有識者をフォローしておくと、他の学生とは一線を画した意見を持つ事ができるようになるでしょう。・iPhoneの方はこちら:・Androidの方はこちら:面接での経験談面接で「最近気になったニュースは?」と聞かれた際にはNewsPicksで得た多角的な視野が活用されていました。例えば日本経済新聞社のフィナンシャル・タイムズ買収の記事においては、日経新聞やYahooニュースよりも、ロイター通信の方が事細かに書かれていることがありました。NewsPicksでロイター通信の記事が取り上げられており、そこに有識者のコメントが多数付いていたために、その詳細に関して面接で話す事ができました。実際に面接官も驚いており、高い評価を受けたように感じられます。参考:日経がフィナンシャル・タイムズ買収、親会社から1600億円で|Reutersこれはあくまで一例ですが、ロイター通信などの普段学生が読まないようなメディアの情報に触れる上でも、引用元の裾野の広いNewsPicksはとても役立つように思います。一つの媒体を閲覧しているよりも、より幅広い知識を得る事ができるのではないでしょうか。総合商社など各業界の主要なニュースもNewsPicksであればしっかりチェックできます。参考:三菱商事・東電、カタールで発電所受注3000億円|日本経済新聞誰をフォローするのがオススメ?NewsPicksの真価はやはり有識者によるニュースへの見解が読めることですので、誰をフォローするのかは重要です。ちなみに私の中で特にオススメの方は以下です。堀義人(ほりよしと、グロービス経営大学院大学学長)NewsPicksで高い登場率を誇る言わずと知れた有識者です。総合商社、MBA、起業、大学院経営という特筆したキャリアと知見から繰り出されるコメントは学生にとっては得るものが多いです。ちなみに以下のコラムでも書かせて頂きましたが、堀氏のファーストキャリアは住友商事です。◆総合商社出身の起業家まとめ大前研一(おおまえけんいち、ビジネス・ブレークスルー大学学長)日本における経営コンサルタントの第一人者であり起業家でもある大前氏は頻繁にコメントがあるわけではないですがコメント自体は分量があり、重みを感じます。同氏が行う経済ニュースの解説は非常に鋭い視点から繰り出されます。荘司雅彦(しょうじまさひこ、弁護士)法律が絡む記事は間違いなくこの人のコメントが参考になります。また他の有識者へ賛同するコメントなどもあり、自分の意見を持つ上では大変参考になるコメントがあります。加藤淳(かとうじゅん、ユーザベースチーフアナリスト)加藤氏はNewsPicksを運営しているユーザベースのチーフアナリストです。数字を扱ったコメントが特徴的で、記事の詳細をミクロな視点でさらに知りたい学生にはオススメです。上記以外にも鋭いコメント、面白いコメントをしている方が多くいますので、是非お気に入りの方を探してみてください。また、NewsPicksでは、各分野に精通した専門家「プロピッカー」100名以上が公式コメンテーターとして活動しています。プロピッカーの中にはネスレ日本CEOの高岡氏や元LINE代表取締役の森川氏など、経済、金融、国際政治、ITをはじめとした各分野の第一線で活躍している方が多数います。メンバーは今後入れ替わりもあるものと思いますが、有名経営者や専門家などが都度プロピッカーを務めていくことと思います。就職活動を控えた皆さんも、この機会に興味のある業界のプロピッカーをフォローして知見を吸収してみてはいかがでしょうか。最後にNewsPicksを閲覧している社会人や学生は増えてきましたが、就活生の間ではまだまだニッチなように感じられます。日経新聞を読むだけでは他の学生と差をつけづらい世の中になってきたと思いますので、ぜひこの機会にNewsPicksを活用していただければと思います。▼アプリ「NewsPicks」の無料ダウンロードはこちらから・iPhoneの方はこちら:・Androidの方はこちら:photobyDavidMichalczuk 20,846 views

現在ES掲載数

77,482

すべて見れる

上に戻る

会員登録・ログインして全てのコンテンツを見る

無料会員登録