「早めの相談がカギ!」静岡県立大学キャリア支援センターの就活サポート活用術
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最終更新日:2025年03月13日

静岡県立大学キャリア支援センターの職員の方に就職支援の取り組み内容についてお話を伺いました。
・静岡県立大学に通っていてキャリア支援センターの取り組みを知りたい学生
・受験する大学を探している高校生や保護者の方
・静岡県立大学の就職支援の取り組み内容を知りたい企業の方
- 本記事の構成
- 静岡県立大学キャリア支援センターとは
- 学生が自らの「キャリア」を主体的、自立的に選択・決定していく能力を身に付ける手助け
- 時代や学生のニーズに沿って変わっていく「キャリア支援」とは
- 就職支援取り組みの成果が、学生の感謝の声を生む
- 「キャリア形成」の観点から学生が希望する進路の実現をサポート
- 高校生と保護者の方に知ってほしい静岡県立大学の魅力
- 企業の方に知ってほしいキャリア支援センターの就職支援取り組み
- 取材後記
静岡県立大学キャリア支援センターとは
取材した方のプロフィール
静岡県立大学の学生部参事兼キャリア支援室長です。キャリア支援室の総括を担っています。
静岡県立大学とはどんな大学?
草薙キャンパスと小鹿キャンパスの2つのキャンパスを持つ大学です。1987年(昭和62年)に静岡薬科大学、静岡女子大学、静岡女子短期大学の3大学を改組・統合し、発足しました。
運営する静岡県公立大学法人は、5学部・大学院・短期大学部の総力を結集し、「県民の誇りとなる価値ある大学」の実現に向けた教育・研究活動を推進しています。
キャリア支援センターとは?
草薙キャンパスにあり、2007年(平成19年)に事務局内に設置されました。学生のキャリア形成を支援するため、就職活動サポートやキャリア教育に関する事業を行っています。
学生が自らの「キャリア」を主体的、自立的に選択・決定していく能力を身に付ける手助け
「働き方」を含めた「生き方」全体を「キャリア」と定義しサポート
キャリア支援センターはどのようなことを目的としている部署ですか。
水野さん:「働き方」を含めた「生き方」全体を「キャリア」と捉え、学生が自らのキャリアを主体的・自立的に選択し、決定できる力を身につけられるよう支援しています。
私たちの役割は指導ではなく支援です。学生の希望を最優先に考え、納得のいく進路選択ができるようサポートしています。
生き方そのものをキャリアと捉えたサポートは、とても温かみがありますね。学生と接する際に心がけていることはありますか?
水野さん:社会に向けた人生の選択肢は、人それぞれ異なります。私たちキャリア支援センターは、学生の皆さんがキャリアに関する悩みや不安を抱えたとき、一人で抱え込まず、安心して相談できる場を提供したいと考えています。
そして、一人ひとりが自分の持つ能力を最大限に発揮し、より良い人生を歩めるよう、全力で支援していきます。
時代や学生のニーズに沿って変わっていく「キャリア支援」とは
特徴的な就職支援の取り組み
静岡県立大学の特徴的な就職支援の取り組みについて教えてください。
水野さん:本学の特徴的な取り組みの一つに、今年度からスタートした全学部共通科目「キャリアデザイン概論」があります。この授業は低学年から受講可能で、働き方や生き方を主体的に設計するための基礎を学ぶとともに、就職活動に向けて必要な知識やスキルを身につけることを目的としています。
具体的には、就職に必要な知識や、コミュニケーションの基本である「読み」「書き」「話す」「聞く」といったスキルを学ぶ講義です。
また、求人情報の正しい見方についても学ぶことができます。例えば、一見給与が高く見える求人でも、残業代が含まれているケースがあるなど、注意すべきポイントがあります。さらに、社会人になる前に知っておきたい労働法についても学ぶことで、より納得のいく就職先選びができるようになります。
求人情報の正しい見方!!就活が始まる前にぜひ学んでおきたい内容ですよね。
水野さん:大事ですよね。また、本学は県立大学として、県内企業との連携を強化するため、「求人開拓員」による求人開拓、採用情報の収集のため企業訪問を行っています。現在、東部・西部・中部の各エリアにおいて、合わせて240社(各エリア80社)の企業様にご協力いただいています。
このように、地元企業との密接な取り組みを通じて、卒業生の県内定着促進及び地域経済の発展にも貢献しています。
就活早期化に対する対応
就活が早期化していますが、対策として実施していることがあれば教えてください。
水野さん:毎年10月に開催していたSPI試験対策講座を、今年は8月~9月に前倒しして実施しました。また、普段の就職相談は予約が必要ですが、毎週水曜日は予約なしでも相談できるようにしました。これで、急に相談が必要になった学生や、低学年の学生も気軽に利用できるようになっています!
就職支援も早めに進めているんですね!それに、予約なしで面談できるのは助かりますね。気軽に相談しやすくていいですね。
水野さん:個人はもちろん、友人同士など複数人でも利用できるので、気軽に相談しやすいです。名前も「ちょこっと相談会」として、親しみやすい雰囲気にしています。
絶対に利用してほしい、おすすめの取り組み
取り組みの中で特におすすめの取り組みを教えてください。
水野さん:先ほど紹介した「ちょこっと相談会」に加え、求人開拓員(県内企業240社を訪問)が収集した県内企業の情報をまとめた資料の提供や、先輩の就職活動報告書の閲覧が挙げられます。
特に就職活動報告書は学部ごとに収集しており、最近では提出を必須としたことで、より多くの学生が閲覧できるようになりました。先輩のリアルな経験を知ることで、就職活動の参考になると思います。
同じ学部の先輩の就職活動を知ることができるのは、立場が近い分、とても心強いですね。
水野さん:学生がいざ就職活動を始める際に、役に立つのではないかと思います。 また、先ほどご紹介した特徴的な取り組みの一つであるキャリアデザイン概論の受講もおすすめです!
就職支援取り組みの成果が、学生の感謝の声を生む
就職実績について
就職実績について教えてください。
水野さん:令和6年3月学部卒業者の就職内定率は、99.4%でした。
すごいです!!とても高い実績ですね。
水野さん:さらに高い実績(100%)を目指していきたいと思っています。
参加学生からの声
実際に就職支援取り組みに参加した学生からの声です。
・自分に足りない部分を的確に教えてくださり、やるべきことがはっきりした。
・いつも親身になって聞いてくれてとても感謝している。私の言いたいことを要点をしっかり示してまとめてくれるので、とても助かっている
・できるだけ学生自身に考えさせて整理させてくれるので、自分の考えた素直な言葉が引き出され自己分析に役立った。
・面接の練習ではフィードバックを通して応援してくださり、自信や勇気につながった。相談でも親身に話をきいてもらい、悩みを解決することができた。
「キャリア形成」の観点から学生が希望する進路の実現をサポート
来年度の支援取り組み予定について
来年度の取り組み予定を教えてください。
水野さん:来年度も、今年度と同様の取り組みを実施する予定です。就職活動業界は常に変化しているため、もし来年度に変化があれば、それに柔軟に対応していく方針です。
今年度は、新たに「キャリアデザイン概論」、「ちょこっと相談会」、そして「インスタ開設」といった取り組みをスタートしましたが、これらも引き続き実施していきます。
静岡県立大学の学生に向けて最後に一言
最後に、静岡県立大学の学生に向けて一言お願いします。
水野さん:学生の皆さんは、就職活動に対してどのようなイメージを持っているのでしょうか。厳しい関門だと感じている方も多いかもしれません。しかし実際には、「自分自身を知り、仕事とは何か、そして将来どのようになりたいかをよく考えること」が、就職活動を成功させるために大切な心掛けです。
確かに、自分自身をしっかり理解することが大事ですね。
水野さん:はい。マニュアルに従ったり、周囲の状況に流されたりするのではなく、自分自身で考え、行動していくことが一番大切です。
迷ったり困ったりしたときには、遠慮せずにキャリア支援センターを利用してください。私たちは、皆さんが納得のいく選択をし、自信を持って未来を切り開けるよう、全力で応援しています。
高校生と保護者の方に知ってほしい静岡県立大学の魅力
高校生や保護者の方に向けて静岡県立大学のおすすめポイント
高校生や保護者の方へ向けて伝えたい静岡県立大学の魅力を教えてください。
水野さん:令和6年3月卒業者の就職内定状況は、学部99.4%、大学院99.0%、大学全体で99.3%となり、昨年を0.3ポイント上回りました。これにより、県内の大学と比較しても高い内定率を維持することができました。
繰り返しになりますが、本学のキャリア支援センターは、卒業後の「働き方」を含めた、学生一人ひとりの「生き方」を含めた全体的な「キャリア」を支援しています。
学生が自らのキャリアを主体的・自律的に選択し、決定していくために必要な能力を身につけ、希望する進路に進めるよう、各学部・大学院の指導教員と連携して取り組んでいる点は、本学の大きな魅力だと思います。
高校生や保護者の方へメッセージ
最後に高校生や保護者の方へ一言お願いします!
水野さん:就職活動中、どんな学生でも社会や自分自身と真剣に向き合う過程で、悩んだり、不安になったりすることがあると思います。そんな時こそ、周囲の理解や励ましが大きな支えになります。
大切なのは、学生本人の適性や価値観を尊重しながら、進路選択に対して前向きに取り組めるようサポートすることです。家庭内での対話や助言が、学生にとって大きな力になるはずです。
なるほど、やっぱり保護者の方のサポートが大事ですね。
水野さん:そうなんです。また、保護者の皆様には、現在の就職活動が過去とは大きく変わっていることを理解していただけるとありがたいです。SNSを活用した活動や、エントリーシートを通じた書類選考、採用選考の早期化など、就職活動を取り巻く状況が大きく変わっています。
なので、ぜひ一度「働くということ」について、親子で改めて話をしてみてください。そしてまずは受験大学を決めるうえでも温かく見守り、支えてあげてください。
本当に大切なことですね。今のお話を伺って、キャリア支援センターの職員の皆さんが学生を大切に思う気持ちがしっかりと伝わってきました。
水野さん:ありがとうございます。また、企業の方々からの声をお伝えすると、静岡県立大学の卒業生は非常に能力が高く、会社で活躍しているとの評価をいただいています。
今後もぜひ継続して採用したいという企業も多く、「のどから手が出るほど欲しい」という声も聞かれます。ですので、本学を受験校として選ぶことも是非視野に入れてみてほしいです。
企業の方に知ってほしいキャリア支援センターの就職支援取り組み
企業の方に特に知ってほしい就職支援取り組み
企業の方に特に知ってほしい静岡県立大学の取り組みがあれば教えてください。
水野さん:毎年6月と7月に実施している業界研究・インターンシップ説明会、そして3月に行う学内個別企業説明会があります。
これらのイベントは、県立大学の学生に直接企業様が説明できる機会を提供するため、特色のある学部(薬学部、食品栄養科学部、経営情報学部など)の県立大学の学生を採用したい企業にとって、非常に大きなメリットだと考えています。また、学内個別企業説明会では、企業のことをより深く知ることができるようインターンシップの紹介も行なっています。
企業様にとって大きなメリットですね!
水野さん:さらに知ってほしい取り組みとして、本学の求人開拓員が県内企業240社を訪問して、企業の情報を収集し、それを学生に提供しています。県内企業を対象にした業界研究やインターンシップ説明会、個別企業説明会、さらには県内医療機関希望者向けの病院説明会などを開催して、学生に県内企業の情報を積極的に伝えています。
そして、先ほども紹介した令和6年度からスタートの「キャリアデザイン概論」では、県内企業への興味や関心を高めるための講義も実施しています。
企業の方へメッセージ
最後に企業の方へ一言お願いします!
水野さん:企業・法人の皆さまには、毎年多くの求人をご案内いただき、学生の採用にご協力いただいておりますこと、心から感謝申し上げます。本学の特徴は、専門性の高い学部教育と、分野を超えた文理融合の連携体制にあります。
「地域をつくる、未来をつくる」をモットーに、幅広い教養と高度な専門性・実践力を養うカリキュラムを提供しています。
また、学部を超えた教員や学生の交流を促進し、地域社会はもちろん、国際社会でも活躍できる力を育成しています。これらの取り組みを通じて、「県民の誇りとなる価値ある大学」の実現を目指し、教育・研究・地域貢献・国際貢献を推進しています。
キャリア支援センターでは、学生が自主的に考えて行動し、自らの人生を切り拓く力を育成することを目指しています。就職活動だけでなく、学生が社会に出ていくために必要な力を支援しています。
就職活動に対する支援だけでなく、将来を見据えた力を育む支援が大切ですよね。
水野さん:はい。これからの社会は大きな変革を迎え、柔軟で創造力を持った人材が求められています。本学の学生は、基礎力をしっかりと培い、応用力を高める教育と多様な体験を通じて、社会で幅広く通用する能力を身につけ、社会のニーズに応えられる人材として成長しています。
企業の皆さまには、本学の取り組みや支援についてご理解いただき、今後も強い絆を築いていけたらと思います。そして、引き続きあたたかいご指導を賜りますようお願い申し上げます。
取材後記
静岡県立大学のキャリア支援センターは、時代の変化に柔軟に対応し、学生のニーズに応える取り組みを行っています。そして「生き方」全体をキャリアとして捉え、その視点から学生のキャリアを支援しています。
あくまで「指導」ではなく、「支援」を提供し、セーフティネットとしての役割を果たしたい。学生への温かい想いはもちろん、温かい言葉の数々から地元企業や高校生への支援にも力を入れている姿勢が伝わってきます。
キャリア支援センターの利用を迷っている方は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
静岡県立大学のキャリア支援センターについての詳細は以下のリンクからご確認ください。
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