鉄道就職に強い!国内唯一の「運輸科」を持つ東京交通短期大学とは?
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最終更新日:2025年04月03日

東京交通短期大学キャリア支援室の職員の方に就職支援の取り組み内容についてお話を伺いました。
・受験する大学を探している高校生や保護者の方
・東京交通短期大学に通っていてキャリア支援室の取り組みを知りたい学生
- 本記事の構成
- 東京交通短期大学キャリア支援室とは
- 学生の自律をサポートするキャリア支援室
- 先輩の経験×企業の講演で就職活動をサポート!
- 就職先は鉄道業界を代表する名門企業ぞろい!学生の夢を力強く後押し
- 東京交通短期大学キャリア支援室の今後の予定
- 「働くことを楽しむ」東京交通短期大学キャリア支援室から学生に一言
- 入学=運転士への第一歩!東京交通短期大学で夢を叶えよう!
- 取材後記
東京交通短期大学キャリア支援室とは
取材した方のプロフィール
キャリア支援室、室長。営業職や、他大学でのキャリア支援などの経歴を経て現在に至ります。
東京交通短期大学では、就職支援に加え、キャリア支援科目の授業も担当されています。
東京交通短期大学とはどんな大学?
毎年多くの卒業生を鉄道業界に輩出している昭和鉄道高等学校や、進学実績が顕著な豊島学院高等学校と共に、学校法人豊昭学園の一員として1952年に設立されました。国内で唯一「運輸科」を有する昼夜間制の短期大学です。
地域密着型の総合生活サービス業を目指し、鉄道企業を中心とした交通産業界で活躍できる中堅実務者を育成することが教育理念となっています。
午後から始まる授業、学生にとってのメリットとは?
__昼夜制について詳しく教えてください。
田邉さん:本学は、13時10分から1限が始まり、19時40分に授業が終わるというスケジュールです。なお、留学生は法務省の在留資格「留学」要件に満たないため、日本国籍の学生のみが対象となっています。
__1限が午後から始まるんですね!学生からしたらどんなメリットがありますか?
田邉さん:例えば、午前中にアルバイトをして、午後から授業を受ける学生が多いです。本学は、鉄道好きの学生が多いため、午前7時から9時の間に通勤対策のアルバイトをしている学生もいますね。
__なるほど!その時間帯しかできないアルバイトができるんですね!通勤対策アルバイトとは、どのような仕事ですか?
田邉さん:駅員の代わりとして駅で働く仕事です。現在、駅員さんが減少しているため、学生たちは混雑する時間帯にお客様の安全を見守ったり、トラブルの対応をしたり、体調不良者の対応をしています。
授業が午後から始まることで、こうしたアルバイトが可能となり、鉄道業界を学びながら実践的な経験を積むことができる点は、学生にとって大きなメリットだと思います。
キャリア支援室とは?
池袋本町の東京交通短期大学内に設置されています。
キャリア支援室は、3名の教員(就職支援2名、進学1名)が進路支援を行っています。
学生の自律をサポートするキャリア支援室
鉄道会社の現業職の夢を叶える
__キャリア支援室は、どんな目的で活動している部署ですか?
田邉さん:本学では、鉄道会社で現場の仕事を担う運転士や車掌、駅務員、保線などを志望する学生がほとんどです。そのため、その実現に向けた支援を行っています。
例えば、学校全体でクレペリン検査※や、NR検査※を実施しており、学生が鉄道会社の選考を受ける際に必要な検査として活用されています。実際、8割の学生が鉄道会社に就職していますが、バス会社や交通警備を行う警備会社に就職する学生もいます。
※クレペリン検査:計算能力や集中力、注意力などを測るためのテスト
NR検査:基礎能力を判断するテスト。言語系と数図系の問題が測定される。
__クレペリン検査やNR検査は、鉄道会社の選考で受ける検査なんですね。どんな評価が出ているかは学生に伝えて改善を促すんですね。
田邉さん:そうです。評価結果を学生に伝えて、次に生かせるようにアドバイスしています。
__キャリア支援を行う中で、学生に対してどんな想いで接していますか?
田邉さん:本学の学生は、鉄道会社に入りたいけれど、高卒の時に落ちてしまったり、求人がなかったりした経験を持つ学生が多いです。そうした学生が、夢をかなえるために集まってきています。だからこそ、学生が自律し、自分で行動できるように支援し、夢の実現を手助けしたいという強い想いで接しています。
先輩の経験×企業の講演で就職活動をサポート!
特徴的な取り組みとおすすめの取り組み
__特徴的な就職支援取り組みについて教えてください。
田邉さん:JR東海や小田急電鉄の人事の方に来てもらって講演をしていただいています。学生たちは企業の方と直接接する貴重な機会を得られるんですよ。
__直接来てくれるんですね。学生からしたらとてもありがたいですね。また、学生にこれだけは利用してほしいという取り組みがあれば教えてください。
田邉さん:キャリア支援科目を設計しているので、ぜひ授業を活用してほしいですね。単位を取ることだけが目的ではなく、就職活動に向けて授業の内容をしっかり理解してもらえたらと思います。
2月、3月、9月には別途就職活動セミナーも開催しますが、まずは授業を通して就職活動の流れをつかんだ上で、セミナーに参加してもらうのが理想的ですね。
参加学生から特に評判の良い取り組み
__学生から評判のいい取り組みについて教えてください。
田邉さん:私も担当させていただいている「企業研究」という授業ですね。毎年50~60人ほどの1年生が後期に履修しています。エントリーシートを10回書いて、それぞれ添削を行う内容になっています。
受講した先輩たちからは「受けておいてよかった」という声をよく聞きますし、受講しなかった学生からも「受けておけばよかった」と言ってもらえることがあり、ありがたいですね。
__受けている学生はみな同じ企業のエントリーシートを書くんですか。
田邉さん:鉄道業界を志望する学生が多いので、JR東日本、東海、小田急、東急など、規模の大きな企業から比較的小規模な企業まで、10社ほどをピックアップしています。企業によって設問や文字数の違いがあるため、そうした多様な形式に慣れることを目的としています。
__書いたエントリーシートは添削して返していただけるんですね。
田邉さん:はい。できるだけ早くフィードバックできるよう、1週間以内に返すようにしています。なかなか大変な作業ではありますが、学生の皆さんがエントリーシートをしっかり書けるようになればと思っています。エントリーシートの質が上がることで、面接でもより具体的な話ができるようになるのではないかと考えています。
就職先は鉄道業界を代表する名門企業ぞろい!学生の夢を力強く後押し
就職支援実績
__就職率は97.3%ととても高いですね!鉄道業界就職が8割ということは2割の学生はバス会社や警備会社、その他の企業ということになるのでしょうか。
田邉さん:そうですね、他の業界だと小売業が多いですね。鉄道業界は特に選考が集中する5月から6月にかけて一斉に行われるので、現業職などは人気が高く、競争が激しくなります。
そのため、学生にはしっかりと準備をしてもらえるようにサポートしているつもりです。ただ、準備の進め方には個人差があるので、あまりプレッシャーを感じさせないように心がけています。
有名企業ぞろいの主な就職先一覧
キャリア支援室を利用した学生からの声
・模擬面接では、緊張してあまり話せなかったが、これが練習でよかった。
・2年生とライン交換ができ、就活に向けて安心。
東京交通短期大学キャリア支援室の今後の予定
今後の予定
__今後の予定を教えてください。
田邉さん:来期から1年後期に、JR東日本、JR東海の就活対策講座「キャリア実践」を新設する予定です。内容としては交通産業の働き方を理解し、企業選びや面接対応を指導するものとなっています。
企業の中長期計画を学び、面接の目的や評価ポイントを理解し実践的に対策し、自分らしさを発揮できるよう、個別面接やグループ面接を通じて準備を進めます。
技術職にも興味を持ってほしい
__現在、鉄道業界を目指す学生さんたちはどのような職種を希望することが多いですか?
田邉さん:今は運輸職、つまり駅務員、車掌、運転士を希望する学生が多いですね。でも、鉄道を支えているのは運輸職だけではありません。線路の保守や点検を担う「保線」などの技術職にも、もっと興味を持ってもらいたいと考えています。
__確かに、鉄道の安全を支える重要な仕事ですね。具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?
田邉さん:そこで、特別教養講座に横浜市交通局、JR東海、東武鉄道の保線職の方々を講師として招き、直接現場の話を聞ける機会を設けています。また、2024年度からは「鉄道安全論」という新しい授業も開講し、鉄道業界全体の安全を支える仕事について深く学べるようにしています。
鉄道業界を目指す皆さんには、運輸職だけでなく、鉄道の「安全」を守る技術職にもぜひ目を向けてほしいですね。鉄道は多くの人の力で成り立っています。自分に合った役割を見つけ、鉄道の未来を支えていってほしいと思います!
「働くことを楽しむ」東京交通短期大学キャリア支援室から学生に一言
最後に一言
__東京交通短期大学の学生に向けて最後に一言お願いします。
田邉さん:就職活動は皆さんが自分の未来を切り開く大切なステップです。短大が決めることではなく、自分自身で選び、行動するものです。鉄道会社を目指す学生が多いですが、バス会社や一般企業への就職ももちろん素晴らしい選択肢です。
自分の人生をしっかりと考え、そのために行動してください。私たちは、そのサポートを全力で行います。そして「働くことを楽しむ」ために、しっかり学び、社会について深く知り、成長を続けてくださいね。あなたの未来を応援しています。
入学=運転士への第一歩!東京交通短期大学で夢を叶えよう!
専門学校でもなく、4年制大学でもない短期大学だからこそのメリット
__高校生やその保護者に向けて、東京交通短期大学の魅力を教えてください。
田邉さん:本学には、鉄道現業職(運転士、車掌、駅務員など)を希望する学生が多いですが、近年では四年制大学を退学して入学する学生も増えています。四年制大学の学生は総合職を目指す人が多い一方で、2年制や高卒の学生は現場で働く職を目指していることが特徴です。
本学は、日本で唯一「運輸科」を持つ短期大学で、鉄道業界に特化した専門的な学びができる環境を提供しています。
鉄道会社以外にも、交通警備として、新幹線の車内警備や新幹線の基地警備など鉄道に携わる仕事もできます。鉄道業界に興味がある学生にはとても魅力的な職業が多いです。また、制服を着る職業や職種が好きという学生が多いのも特徴です。
__鉄道現業職への就職が有利という点が大きな魅力ですね!専門学校でもなく、4年制大学でもない短期大学としてのメリットを教えてください!
田邉さん:本学の大きな強みとして、専門学校ではなく、短期大学という形で学びながら、さらに四年制大学への編入学が可能であることが挙げられます。専門学校との一番の違いは、この編入学のしやすさだと思っています。鉄道業界で働きたいけど、大学への編入も視野に入れたい高校生の方にとっては非常に魅力的な選択肢です。
__鉄道業界の就職を目指せる上に、ほかの就職先への選択肢も残せるなんてとても魅力的ですね!
キャリア支援室から一言
__最後に一言お願いします!
田邉さん:大学には四年制だけでなく、短期大学という選択肢もあります。大手鉄道会社の鉄道現業職に就くことで、安定したキャリアを築ける可能性もあります。興味があれば、ぜひオープンキャンパスやミニオープンキャンパスに足を運んでみてください。
取材後記
日本で唯一「運輸科」を有する東京交通短期大学。交通系の就職はもちろん、4年制大学への編入などの他の選択肢も残せるのが魅力です。
交通系に就職したいけど、今から進路を確定させることに迷っている高校生の皆さんは是非、東京交通短期大学に入学してみてはいかがでしょうか。
鉄道業界を学びながら実践的な経験を積み、将来についてゆっくり考えてみましょう。
東京交通短期大学のキャリア支援室についての詳細は以下のリンクからご確認ください。
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