長きにわたり地域で活躍してほしい!帯広大谷短期大学の低離職率を重視した就職支援
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最終更新日:2025年03月06日

帯広大谷短期大学学生支援課の職員の方に就職支援の取り組み内容についてお話を伺いました。
・帯広大谷短期大学に通っていて学生支援課の実績や取り組みを知りたい学生
・受験する大学を探している高校生
- 本記事の構成
- 帯広大谷短期大学学生支援課とは
- 「自らキャリアビジョンを描けるようになってほしい」学生支援課の熱い想い
- 親密なコミュニケーションが生む個々に寄り添った就職支援
- 大多数が地域内就職!99%を超える高い就職率
- 「主体的にキャリア形成ができるように」学生支援課の今後のキャリア支援
- 企業・高校生に向けたメッセージ
- 縦のつながりを存分に活用して、一人ひとりをサポートしたい
- 取材後記
帯広大谷短期大学学生支援課とは
取材した方のプロフィール
学生支援課職員(キャリアコンサルタント)
学生支援業務(学校行事や奨学金担当)や高校生向けの学生募集業務の仕事を経て、現在はガイダンスやカウンセリングなどのキャリア支援業務に従事。国家資格キャリアコンサルタントを所持。
帯広大谷短期大学とはどんな大学?
1960年に開学。北海道の音更町にキャンパスを構え、地域共生学科・社会福祉科・看護学科に分かれ、それぞれ専門的分野の学びを展開しています。十勝管内の企業に就職する学生が多くを占めており、地域との結びつきが強いのも特徴です。
学生支援課とは?
学生の相談窓口として、就職活動全般における支援を行っています。具体的には、求人公開・履歴書添削・ガイダンスの実施・面接練習・進路カウンセリングなどを担当しています。
「自らキャリアビジョンを描けるようになってほしい」学生支援課の熱い想い
学生支援課の目指す姿
学生支援課ではどのようなことを目指していますか。
仲山さん:学生自身に自らのキャリアビジョンを描けるようになってもらうことを目指しております。大学卒業後の人生の方が長いですから、自分の興味・適性にあった仕事を見つけることが重要です。我々は日々のコミュニケーションからヒントを与えられるような存在でありたいと思います。
重視するのは『低い離職率』
相談に乗りながらも、決断は学生自身が行えるようにということなんですね。学生とはどのような想いを持って接していますか?
仲山さん:大学って就職率をどうしても追ってしまうと思うんです。ただ、高い就職率を掲げても、多くの卒業生が早期離職をしていたら意味がないと思います。少し極端な話ですが、就職率が少し落ちても、就職した学生のほとんどがその後長きにわたって活躍していれば、学校としてのキャリア支援や学生の選択は正しかったと言えると思っています。
その点で、高い就職率よりも低い離職率を重視して、学生と向き合っています。
親密なコミュニケーションが生む個々に寄り添った就職支援
様々な就職支援取り組み
実際に帯広大谷短期大学の取り組みについて、いくつかお話していただいたので以下に紹介します。
個別面談
・概要
相談窓口にて面談を実施
・ポイント
日常の雑談を大切にしており、コミュニケーションから自己探索につなげられる機会を提供。
・内容
①個別の進路相談
②履歴書の添削
③面接練習
分野別業界セミナー
・概要
保育や幼稚園・栄養士・看護・介護福祉など、領域ごとにガイダンスを実施
・ポイント
〈栄養士〉
それぞれの領域ごとに人事採用担当者を招聘して実施。一コマ90分を半分に分け、一コマで2社の企業説明を受け、それを4週分行う。
〈介護福祉〉
各企業は求人票を持参し、求人票の見方をレクチャーする。また一日の業務スケジュールなど、入社後をイメージできるような内容の講義を実施。卒業生が同席することが多く、休日の過ごし方に至るまで丁寧に説明。
一般職向け筆記試験対策講座
・概要
公務員筆記試験や就職受験に向けた対策を実施
・ポイント
受講希望者を募り、出題傾向のレクチャーや早く解くための練習を実施。
5月に1回1時間の講座を全8回、12.1月に1回30分の講座を全6回実施。
・内容
①政治経済、倫理社会
②世界史、日本史
③地理、文学芸術
④国語、数学
⑤化学、生物
⑥文章理解
⑦数的推理
⑧判断推理 等
「絶対にこれだけは利用してほしい」学生支援課オススメな取り組み
就職支援において特にオススメな取り組みはございますか?
仲山さん:学校独自で実施している合同企業説明会ですね。合同説明会は札幌で開催されることが多いので、移動の点などがネックになっています。本校では十勝管内での就職を希望する学生が多く、独自で合同企業説明会を企画しています。
合同企業説明会
・概要
帯広地区の企業を集めて合同企業説明会を実施
・ポイント
リクルート専門の企業と協同して実施。1年で3回ほど。帯広駅前のとかちプラザで実施した際は、20社ほどが集まった。様々な職種・業界を知る機会や、企業との接点を得る機会となる。
大多数が地域内就職!99%を超える高い就職率
2023(令和5)年度 就職率(2024年5月1日時点)
(帯広大谷短期大学HPより)
就職支援実績
就職支援実績についてお聞かせいただけますか。
仲山さん:2023(令和5)年度の就職率は99.2%です。学科ごとの専門的な職業に就く学生が多いですが、公務員やJA職員・金融・保険業界に進む学生もいます。
2023(令和5)年度 卒業生の進路状況(2024年5月1日時点)
(帯広大谷短期大学HPより)
(帯広大谷短期大学就職ガイドより)
「主体的にキャリア形成ができるように」学生支援課の今後のキャリア支援
「一年生から就職モードになれるように」今後の就職支援
来年度どのような就職支援活動を予定しているのかを教えてください。
仲山さん:合同企業説明会の回数を増やしたいと思っています。より多く企業と接する機会を提供したいです。学生の意向を聞きながらも、幅広い職種を知れるように様々な企業にご来学頂きたいと思います。
これまでは、金融や町村会・農機具・自動車業界など幅広い職種の企業に来て頂きました。実際に話を聞いてみることで、受験したいと思うようになる学生もいるので、このような機会は貴重だと思っています。
中長期的にはどのような就職支援を行っていくのでしょうか?
仲山さん:やはり学生自身が主体的にキャリア形成をできるような支援を心掛けていきたいですね。学生の中にはアルバイトや単位取得に追われて、気づけば卒業間近というケースも見られます。
本校の1年生は4年制大学の3年生と同じタイミングで就活をしなければいけません。それもあり、1年生から就活モードになってもらう必要があります。日々の会話から一人ひとりとの対話を大切にし、アドバイスをしていけたらと思います。
企業・高校生に向けたメッセージ
企業と共に地域を発展させていきたい
企業向けに何か伝えたい内容はございますでしょうか?
仲山さん:北海道帯広・十勝地区で長きにわたり活躍していく人材を一人でも多く送り出せたらと思っています。企業様に育てて頂いて活躍している卒業生もたくさんおりますので、企業様と共に地域を発展させていけるような教育機関であり続けたいと思います。
地元の高校生に一度訪れてほしい
高校生やその保護者向けに何か伝えたい内容はございますでしょうか?
仲山さん:教職員が親身なことや、地元企業・施設とのつながりの強さが本学の強みだと思います。就職支援においては、ただ学生の就職を応援するだけではなく、一人ひとりの興味・適性を見たうえで一緒になって進路を考えております。
将来地元で活躍したいと考えている学生には特に、オープンキャンパスなどの機会に本学を訪れたうえで、進路選択をしていただけると嬉しいです。
縦のつながりを存分に活用して、一人ひとりをサポートしたい
些細なことでもいいから吐き出してみて
学生向けに、伝えたい内容があればお願いします!
仲山さん:本校では毎年就職ガイドブックを作っています。これを見れば、就活の心構えから対策まで網羅できるため、うまく活用してもらえたらと思います。些細なことでも構わないので、思ったことは抱えずに言ってきてほしいと思っています。
「さあ、一歩踏み出してみよう きっと新しい自分がそこにいる」
最後に学生に向けてメッセージをお願いします!
仲山さん:就職活動をするのが楽しみでしょうがない人はどのくらいいるでしょうか?おそらく一握りでしょう。その理由の一つは経験をしていないことだからだと思います。不安になる気持ちは分かりますが、誰しも皆自分が思っている以上のことができるはずです。まずは一歩踏み出してみようと伝えたいですね。
私の好きな言葉で、「『心』が変われば『行動』が変わる。『行動』が変われば『習慣』が変わる。『習慣』が変われば『人格』が変わる。『人格』が変われば『運命』が変わる。」というものがあります。私は学生全員と向き合いながら将来像を一緒に描いていきたいと思っています。親身な職員が多いので、どんどん窓口を利用してもらえたらと思います。まずは行動を起こしてみませんか?
また、本校の学生は就活が終わったら必ずと言っていいほど結果の報告に来てくれます。次年度就活を行う後輩に向けて、快く情報を伝えてくれます。ガイダンスに来てくれる卒業生もそうですけど、後輩想いの学生が多いのはとても嬉しいです。
取材後記
「重要なのは高い就職率ではなく、低い離職率」と職員の方は力強く語り、就職後の学生の人生を見据えて、一人一人に寄り添った就職支援活動を行っているということが分かりました。
また、卒業生を招いたガイダンスや地域企業との古くからのつながりなど、様々な関わり合いを大切にしながら学生への支援を行っていることが印象的でした。
帯広大谷短期大学学生支援課についての詳細は以下のリンクから確認ください。
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