東レのエントリーシート解説!通過率を上げるESの書き方とは?

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最終更新日:2023年09月22日

東レの本選考ES一覧はこちら

素材メーカーは目立たない業界ながら、海外売上高比率の高い優良企業の多い業界でもあります。

一方で、食品メーカーなどの生活消費財メーカーと比べると、製品が全面に出てこないため、働き方の実感を得にくい業界とも言えるでしょう。

今回は実際の素材メーカーの内定者のエントリーシートから、どのような点が評価されるのか、どの点が素材メーカーと繋がっているのか説明したいと思います。

本選考とインターンの締め切り情報

なお、今回のエントリーシートはこちらの通過者のエントリーシートになります。

1.学生時代に、あなたが目標としてきたこと(していること)と、その取り組み結果(状況)を述べてください(全角400字以内)
サッカーサークル主将として、学内大会優勝を目標にチームを率い、一年間週二回の練習を計画し実行した。60人の内、参加者は平均30人しかおらず、一部のメンバーだけ強化する事も考えたが、全体で目標に向かう事の方が大事だと思った。そこで優勝を目標にしつつ、練習に40人集める事を目指した。 

入念に計画する一方、現場での検証・改善を欠かさなかった。一つの練習にパターンを三つ用意し、出来具合や状況に合わせて柔軟に対応して、練習の質を高めた。チーム強化と、初心者や楽しさ第一の仲間を集める事の両立に苦労した。そこで、楽しさを上達が実感できる事と定義した。できるできないの基準を数値化し、真面目に取り組めば上達を数値で実感できるようにした事で、初心者を中心に45人近くまで増えた。 
以上から、リーダーは 
①目標とやり方を、選択肢を比較検討した上で決断しなければならない事、 
②決断のデメリットも含めて責任を取る義務があるという事を学んだ。
 

2.今まで、一番困難と感じた状況(出来事)と、それを如何に乗り越えたか述べてください(全角400字以内)
高校二年時にサッカーで膝を大怪我し、手術と半年間のリハビリを経て、復帰した経験だ。大変落ち込んだが、現状の把握と分析をし、以下二点を課題とした。 
①リハビリ計画と実行:専門雑誌や医師の助言から、復帰までの計画を立てた。その後は辛くても、計画通り着実にリハビリすることを心掛けた。やるべきことをやることで、自然と開き直ることができ、前向きに取り組めた。怪我しているのは私一人ではなかったので、リハビリ仲間と励まし合いながら進めていった。 
②チームへの貢献:中心選手だったので、懸命にリハビリする姿で、チームの士気を上げようとした。また、監督目線で練習や試合を俯瞰し、課題を見つけては仲間に助言した。毎日練習後にその課題を共有するミーティングが自然と開かれるようになった。 
最悪の状況でも、現状を把握して計画的に状況に対処する事。どのようにしたらチームに貢献できるかを考え、実行に移す事の大切さを学んだ。 

3.あなたが東レというフィールドで成し遂げたいことを述べてください。(全角400字以内)
①モノづくりに関わりながら、なくてはならない仲介役として幅広く世界の役に立ちたいと考えている。 
②高校・大学でのサッカー部主将経験、寮における読書会の企画、個人塾の立ち上げに関わった経験から、人と人をつなぎ新たな価値や学びがあることにやりがいを感じた。また、共に暮らした曾祖父母が長い間使っていたモノに触れた経験が、モノづくりに関わりたいという思いの源泉だ。 
③入社後は、貴社製品に新たな価値を加え最終商品につなげる、提案型営業がしたいと考えている。お客様との対話から隠れたニーズを見つけ出し、技術と協力・調整しながら、質の高い製品作りに関わりたい。 
④多様な製品に様変わりする素材を扱っている貴社では、幅広い業界に関わることができ、環境問題や資源エネルギー問題に関わる、なくてはならない製品をチームで作り出せる。 
⑤そこでは、学生時代に培った「自ら動き、チームを巻き込む」という強みを活かして、最高の製品を生みだしたい。

引用:エントリーシート

東レの本選考ES・レポート及びインターンES・レポートを掲載しています。
参考:東レES・選考レポート一覧

一つ目の設問

1.学生時代に、あなたが目標としてきたこと(していること)と、その取り組み結果(状況)を述べてください(全角400字以内) 

サッカーサークル主将として、学内大会優勝を目標にチームを率い、一年間週二回の練習を計画し実行した。60人の内、参加者は平均30人しかおらず、一部のメンバーだけ強化する事も考えたが、全体で目標に向かう事の方が大事だと思った。そこで優勝を目標にしつつ、練習に40人集める事を目指した。
入念に計画する一方、現場での検証・改善を欠かさなかった。一つの練習にパターンを三つ用意し、出来具合や状況に合わせて柔軟に対応して、練習の質を高めた。チーム強化と、初心者や楽しさ第一の仲間を集める事の両立に苦労した。そこで、楽しさを上達が実感できる事と定義した。できるできないの基準を数値化し、真面目に取り組めば上達を数値で実感できるようにした事で、初心者を中心に45人近くまで増えた。
以上から、リーダーは
①目標とやり方を、選択肢を比較検討した上で決断しなければならない事、
②決断のデメリットも含めて責任を取る義務があるという事を学んだ。
【東レのES対策】求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ」で説明した求められる人材の一つの「リーダーシップ」に焦点を当てて書かれている内容です。

素材メーカーにおいては、営業職が営業先の企業、研究開発部門の橋渡し役となりながら、新規にどのような素材製品を開発し、営業先の企業の製品に活かすか提案していくことが求められます。
上記の通り、リーダーとしての覚悟を①、②という形で示せている点は評価できます。
面接ではさらに突っ込んでなぜリーダーに選ばれたのか、サッカーサークル以外でもリーダーになることが多いのかなど派生して質問したい内容になっています。

二つ目の設問

2.今まで、一番困難と感じた状況(出来事)と、それを如何に乗り越えたか述べてください(全角400字以内)  

高校二年時にサッカーで膝を大怪我し、手術と半年間のリハビリを経て、復帰した経験だ。大変落ち込んだが、現状の把握と分析をし、以下二点を課題とした。
①リハビリ計画と実行:専門雑誌や医師の助言から、復帰までの計画を立てた。その後は辛くても、計画通り着実にリハビリすることを心掛けた。やるべきことをやることで、自然と開き直ることができ、前向きに取り組めた。怪我しているのは私一人ではなかったので、リハビリ仲間と励まし合いながら進めていった。
②チームへの貢献:中心選手だったので、懸命にリハビリする姿で、チームの士気を上げようとした。また、監督目線で練習や試合を俯瞰し、課題を見つけては仲間に助言した。毎日練習後にその課題を共有するミーティングが自然と開かれるようになった。
最悪の状況でも、現状を把握して計画的に状況に対処する事。どのようにしたらチームに貢献できるかを考え、実行に移す事の大切さを学んだ。
こちらも上記の通り、たとえリーダーではなくても組織に対する貢献ができるリーダーシップマインドの持ち主であることを伝える内容になっています。

【東レのES対策】求める人材を理解して採用レベルの志望動機・ガクチカへ」で話した通り、一つ目の設問でリーダーシップを伝えたのであれば、二つ目の設問ではリーダーになぜ選ばれるのか、個人としてどれだけ努力したりできるのかに焦点を当てても違う側面が伝えられます。
もちろん上記のように、リーダーシップをサッカーサークルおよびサッカーでの部活経験の両面から伝えるというのは複数の経験から一つの強みをアピールすることに繋がり、こちらも評価される可能性が高いでしょう。
部活などで怪我をした経験のある人は多いでしょう。その際にどのように考え、今の行動に繋がっているのか伝えることが大事です。上記の通過者のようにリハビリ中にもチームのことを考えられた人は少なく、中には腐ってしまった人もいるでしょう。
その腐ってしまった経験が今にどのように影響しているのか伝えるとストーリー性が出てきて面接官にも共感してもらいやすくなるでしょう。

下記の三菱商事内定者のエントリーシートはいじめの経験や挫折経験と絡めて非常にストーリー性が高く共感できる内容になっています。
三菱商事のエントリーシートを内定者の回答をもとに解説しています。回答のレベルが高く参考になる部分は多くあるでしょう。
参考:三菱商事の内定者ES解説!選考通過のエントリーシートの共通項

三つ目の設問

3.あなたが東レというフィールドで成し遂げたいことを述べてください。(全角400字以内)  

①モノづくりに関わりながら、なくてはならない仲介役として幅広く世界の役に立ちたいと考えている。
②高校・大学でのサッカー部主将経験、寮における読書会の企画、個人塾の立ち上げに関わった経験から、人と人をつなぎ新たな価値や学びがあることにやりがいを感じた。また、共に暮らした曾祖父母が長い間使っていたモノに触れた経験が、モノづくりに関わりたいという思いの源泉だ。
③入社後は、貴社製品に新たな価値を加え最終商品につなげる、提案型営業がしたいと考えている。お客様との対話から隠れたニーズを見つけ出し、技術と協力・調整しながら、質の高い製品作りに関わりたい。
④多様な製品に様変わりする素材を扱っている貴社では、幅広い業界に関わることができ、環境問題や資源エネルギー問題に関わる、なくてはならない製品をチームで作り出せる。
⑤そこでは、学生時代に培った「自ら動き、チームを巻き込む」という強みを活かして、最高の製品を生みだしたい。
「人と人をつなぎ新たな価値や学びがあることにやりがいを感じる」という形で「動詞」に注目して志望動機を語れている点が評価できます。
実際に過去の3つの経験から語れている点も評価に値します。
志望動機には書かれていませんが、他業界と比べてなぜ素材メーカーなのかという点については面接で聞かれるでしょう。
その際に、「人と人をつなぎ新たな価値や学びがあることにやりがいを感じる」という動詞に基づいて各業界を比較できるかどうかが大きく問われているように感じます。
消去法というアプローチから志望動機の書き方を考えていきます。こちらを参考にすれば納得感のある回答になると思います。
参考:志望動機の書き方攻略!正しいアプローチは消去法?【例文有】

業界比較がしっかり出来ている学生はあまり多くないように感じます。そのため業界比較がしっかりできているとアドバンテージになるでしょう。
参考:内定する志望動機は業界比較をしっかりしている

最後に

素材メーカーの志望動機というと、製品的にもわかりにくく書きづらい印象を持つかもしれませんが、上記の素材メーカー内定者のようにサッカーサークルの経験からも十分に書くことが出来るものです。

企業別選考対策では常に書いている通り、企業での働き方と学生時代の経験を抽象化して、「動詞」で結びつけることが志望動機の第一歩と言えます。

ぜひ素材メーカーだけでなくその他企業の志望動機などを読みながら、自分自身に合った「動詞」を見つけて仕事内容に結びつけてもらえれば幸いです。
東レの選考対策(ES・レポート・関連テクニック/コラム記事)はこちらから

credit: Glory Cycles via FindCC

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