4月総合商社および志望業界全滅から日系投資銀行に逆転で内定した就活生の軌跡

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最終更新日:2023年11月01日

4月総合商社および志望業界全滅から日系投資銀行に逆転で内定した就活生の軌跡

本選考とインターンの締め切り情報

こんにちは。今年就活を行い、日系証券会社の投資銀行部門から内々定を頂いた14卒文系大学生です。今回は就活生にとってあまり馴染みがないと思われる、日系の投資銀行への就活について書かせて頂きます。

外資系投資銀行との違い、また総合商社との違いなどについても触れますので、これらの業界を志望している就活生にとって少しでも参考になれば幸いです。

企業研究

日系投資銀行とは

まず日系投資銀行の概要をご説明させて頂きます。一般的に投資銀行というと、ゴールドマンサックスをはじめとする外資系証券会社の投資銀行部門を思い浮かべる方が多いでしょう。高給・激務・グローバル…こうしたイメージから就活生にとって大変人気の業界です。

 

一方で日系の証券会社(野村、大和、SMBC日興、みずほ 、三菱UFJモルガンスタンレー等)の中にも投資銀行部門が存在します。証券会社の業務には大きく分けて個人を顧客とするリテール部門、また事業法人や機関投資家を相手とするホールセール部門の二つがあり、ホールセール部門はさらに投資銀行業務(IBD)とマーケット業務の二つに分けることができます。一般的に投資銀行というと、これら二つの業務を行う証券会社のホールセール部門のことを指します。ちなみに外資系の証券会社は日本でリテール業務を行っていないため、そのまま外資系投資銀行と呼ばれているようです。

 

これらの証券会社は主にコース別という形で投資銀行部門の採用を行っています。各社とも数名から数十名と、募集人数としてはかなり少ないと言えます。ただし初期配属がリテール部門となる日系証券会社のオープン採用からも、入社後の適正や本人の希望次第で投資銀行部門へ移ることも多いようです。

 

同じ投資銀行といっても、外資系と日系の間では「働き方」という点で大きな違いが存在するようです。例えば給与。日系投資銀行が他の日系企業のように年功序列的な給与体系に近いのに対して(業績に応じてボーナスの差は大きいようですが)、外資系の投資銀行は完全な成果主義といえるようです。また、日本で新卒採用を募集している外資系投資銀行は当然ながら各々の日本法人にあたります。すなわちあくまで勤務地は日本であり、海外オフィスで働くチャンスという意味では必ずしも恵まれてはいないのではないかと思います(もちろん携わる案件や個人のパフォーマンス次第では海外で働くこともあります)。一方で日系投資銀行は各社とも現在海外拠点を拡充しており、若手のうちから海外のオフィスで働く社員も多くいらっしゃいます。

 

ぜひ単なる業務内容だけではなくこうしたリアルな側面も比較しながら就活を進めて頂きたいと思います。良く言われるように外資は選考が早いので、日系を中心に考えている就活生も積極的に受けることをお勧めします。

 

私自身の就活

私自身日系の投資銀行という選択肢が最初からあったわけではありません。実はずっと総合商社を第一志望として就活を行ってきました。ところが結果は五大商社すべて敗退。最後の一駒だった某商社に最終面接でお祈りを頂いたときのダメージは相当なものでした…

 

そこから総合商社のことばかり考えていた自らの就職活動を反省し、改めて金融・メーカーをはじめとして幅広い業界に挑戦してみようと考えたのです。その中で投資銀行という道に出会いました。

 
 

具体的な業務と総合商社との比較

就活を終えた今、総合商社を志望する就活生にとって外資・日系問わず投資銀行というのは選択肢として持っておくべき業界であると考えています。というのも、その業務内容には少なからず近い部分があるためです。

 

上述したように、投資銀行部門は証券会社に中でも事業法人や機関投資家を顧客とするホールセール業務を行っています。投資銀行部門を細分化すると、投資銀行業務(IBD)とマーケット業務に分けることができます。投資銀行業務は発行市場を舞台に活躍しています。主な業務は株式・債権の引き受け、そしてM&Aのアドバイザリーです。一方、投資銀行部門の中でも流通市場を舞台に活躍するのがマーケット業務です。ここでは投資銀行業務に絞って総合商社との比較を行いたいと思います。

 

投資銀行業務を一言で表すと、「顧客の企業価値を最大化すること」と言えるでしょう。顧客である事業法人が設備投資などのために資金を必要としているとします。このとき、企業が新たに有価証券を発行するサポートをするのが投資銀行の主たる業務です。顧客の事業戦略や財務戦略などに応じて最適な資金調達手段を提案し、それが採用されると実際に案件を執行します。また、顧客の成長戦略に応じてM&Aのアドバイザリーを行うのも投資銀行業務の役目です。近年は日系企業の海外進出に伴いクロスボーダーM&Aや海外での株式発行など、グローバルな案件が非常に増えているのも特徴です。

 

一方で総合商社の業務においても投資がかなりの割合を占めるようになっています。エネルギーをはじめとする資源の権益獲得をイメージするとわかりやすいですね。一説によると今では商社の収益の約7割が投資による配当利益だそうです。「投資」・「グローバル…このあたりのキーワードは投資銀行と総合商社に共通しているものと言えそうです。

 

ただし投資銀行が文字通り「投資」を生業としている一方、総合商社は事業投資とトレードの双方で成り立っているビジネスモデルです。「川上から川下まで」と呼ばれるバリューチェーンを構築し、その価値を最大化するために総合商社は投資を行うのです。この点は総合商社と投資銀行の大きな違いと言えると思います。

 

私が元々総合商社を志望していた理由は、「日本経済の発展に貢献する」というものでした。あらゆる分野でバリューチェーンを構築し、その至るところで日系企業へビジネスチャンスを提供できる総合商社でこそ、上記の目標に挑戦できると考えていました。

 

日系投資銀行に進路が決まった現在もこの目標は変わっていません。クロスボーダーM&A等を通じて日系企業が世界で活躍するサポートをすることは、手段は違いますが私が総合商社で挑戦したかったことに非常に近いと考えています。またこのように「日本」という視点を大切にしたい私にとっては、外資系ではなく日本にヘッドクォーターを置く日系投資銀行という選択は結果として正しいものだったと思っています。

 
 

日系投資銀行という選択肢について

個人的に投資銀行で働くことの最大のメリットはその専門性の高さにあると思います。マーケットに精通するとともに数多くの金融商品への専門性を身につけ、また自分が担当する業界に対しても深い見識を養わなければなりません。そのため、知的好奇心が強く、様々な専門性を身につけたいという学生にとっては大変魅力的な業界だと考えています。実際にはその専門性を活かして同じ会社で長く活躍される方、外資系投資銀行に転職される方、異業種へ転職される方、起業される方、様々な方がいらっしゃいます。また、MBA取得へのサポートが手厚い会社が多い業界でもあると思います。

 

こうした特徴からか、内定者の多くは専門性指向が強く、また将来のキャリアビジョンを具体的に思い描いているタイプの学生であるように感じました。

 

終わりに

最近の株価の乱降下をご覧になればわかる通り、日々変動するマーケットと向き合い続けなければならないこの業界は決して安定した世界とは言えないと思います。ただしその一方、世界を舞台にダイナミックな仕事ができることもまた間違いありません。就活成功のためには様々な業界を見ることがとても重要だと思いますので、その中の一つにぜひ日系投資銀行という選択肢を入れて頂ければ幸いです。

 

皆様の就職活動が実りあるものとなりますことを祈念しております。

photo by roberta govoni

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